IS〜インフィニット・ストラトス〜
自由の戦士と永遠の歌姫

第八十一話
「新たな力・1」



 IS学園整備室、そこにはキラを始めとしたいつものメンバーと、千冬、束、真耶が揃っており、この日、遂に完成した一夏たちのバージョンアップしたISのお披露目が行われる。

「じゃあ、まずはセシリアのブルーティアーズから」

 キラが取り出したのはセシリアから預かっていた青いイヤーカフス…待機状態のブルーティアーズだ。
 それをセシリアに手渡すと、モニターの前に立つ束に視線で合図を送り、大型スクリーンに場^ジョンアップしたブルーティアーズのスペックデータを展開した。

「第4世代型IS、ブルーティアーズ改修機、通称“スターダストティアーズ”」

名称:スターダストティアーズ
世代:第4世代
装甲:TP(トランスフェイズ)装甲
推進システム:ストライクガンナー
         ヴォワチュールリュミエールシステム
武装:銃剣型特殊レーザーライフル“スターライトmkW”
    長距離用大型レーザーライフル“スターダストシューター”
    超長距離狙撃用レーザーライフル“ブルーピアス”
    射撃方特殊兵装“ブルーティアーズ”
    弾頭型特殊兵装“ブルーティアーズ”
 画面に映し出された新型ブルーティアーズ、スターダストティアーズのスペックデータを見て、驚いたのは武器が全て中遠距離オンリーになった事と、強襲用高機動パッケージ“ストライクガンナー”が標準装備されている事、そして何より、ヴォワチュールリュミエールシステムだろう。

「元々のスターライトにインターセプターを繋げた銃剣タイプの新しいライフルに改造して、一つの武器にしたんだ。その分、スターダストシューターとブルーピアスを一緒に搭載出来る用になったのが特徴で、完全中遠距離戦闘用の機体にしたんだ。更にストライクガンナーの弱点であるブルーティアーズ封印をオミット、代わりにヴォワチュールリュミエールを搭載してブルーティアーズを使いながらストライクガンナーのスピードを出せる様にしてある」

 更に言えば、ブルーティアーズは特殊な空間認識能力を有しなくても使用可能な第二世代型ドラグーンのデータを基にして造り直し、ブルーティアーズを操りながら自身も高機動戦闘が可能にしてある。
 何よりの特徴は全身とブルーティアーズの展開装甲、これにより元々の紅椿を超えるスピードを出せる様になり、ビットを展開装甲の刃を出しての突撃を行える用になったのが、大きな特徴だ。

「これが、私の新しい力…ですのね」

 手渡されたスターダストティアーズの待機状態、イヤーカフスを見つめるセシリアの表情は、どこか緊張に引き攣っていた。

「次は鈴さんの甲龍ですわ」

 次の説明はラクスがする。キラの時と同じようにラクスは束に視線で指示を出してスクリーンに新型の甲龍のデータを投影した。

「第4世代型IS、甲龍改修機、その通称は“甲武(シェンフー)”ですわ」

名称:甲武
世代:第4世代
装甲:TP(トランスフェイズ)装甲
推進システム:(フェン)
武装:大型青龍刀“双天牙月2”
    空間圧縮衝撃砲“龍咆・蓬莱”
    高電圧縛鎖“ボルテックチェーン”
 新たな甲龍、甲武は双天牙月を展開装甲にしてレーザー刃を展開出来る様にした事と、衝撃砲が崩山標準装備なので、4門がデフォルトになっている点が特徴だろう。
 勿論、これによって衝撃砲が不可視ではなくなるという欠点をキラと束が残す筈も無い。4門全てから放たれる衝撃砲は全てが不可視の弾丸となり、連射性、圧縮性が以前の倍以上もあって、それでいて燃費とバランスが良いという至りに尽くせりの機体となった。

「推進システムとして高機動用のパッケージ、風も小型化して装備させましたので、速度も以前とは比べ物になりませんわ」
「あはは……マジ?」

 次はシャルロットのエクレール・リヴァイヴだ。スクリーンに映ったエクレール・リヴァイヴは、特に変わった点が見当たらないのだが、そのスペックこそが最大の強化ポイントだろう。

「第4世代型IS、エクレール・リヴァイヴ改修機、通称“エクレール・ラピッド”は全身展開装甲にした事意外は特に変更点が無いんだけど、その代わり格納領域はエクレール・リヴァイヴの三倍になって、より一層多くの武装を収納出来る様になったんだ。そして瞬間切替(ラピッドスイッチ)に関しては改造を加えてシャルの脳波に反応するから、常に戦況に合った武器へシャルは無意識で切り替えられる」

名称:エクレール・ラピッド
世代:第4世代
装甲:TP(トランスフェイズ)装甲
推進システム:変更点無し
武装:変更点無し(ただし格納武装数は3倍以上に増えている)
 更に、ここに標準装備としてガーデン・カーテンが非固定浮遊部位(アンロックユニット)に固定装備として取り付けられているので、防御力が格段に上がっていた。

「エクレール・リヴァイヴの時点でお兄ちゃんは完成させてたもんね」
「うん、だから特に目立った変化は無いけど、許してね?」

 次はラウラのシュヴァルツェア・レーゲンの番だ。ラクスが束に指示を出すと、モニターにシュヴァルツェア・レーゲンが映し出される。

「第4世代型IS、シュヴァルツェア・レーゲンの改修機、名称は“シュヴァルツェア・クラーゲン”です」
「シュヴァルツェア・クラーゲン…黒い洪水か、黒い雨から洪水になる。なるほどな」

名称:シュヴァルツェア・クラーゲン
世代:第4世代
装甲:TP(トランスフェイズ)装甲
推進システム:変更点無し
武装:大型陽電磁砲“ローエングリン”
    ワイヤーブレード
    プラズマ手刀
    AIC
    遠距離狙撃用レールカノン“ブリッツ”
 大きな変更点と言えば大型レールカノンを廃して変わりに陽電子砲を装備させた点だ。しかも、その陽電子砲の名はキラにとっても思い入れ深いローエングリン、タンホイザーとどちらにしようか迷ったが、やはりキラにとって陽電子砲と言えばローエングリンなのだ。

「陽電子砲か…取り扱いには十分気をつけなければならないな」
「そうですわね、誤射すると危険ですもの」

 楯無の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)は特に大きな変更は無い。こちらもエクレール・リヴァイヴ同様、完成度が高かった為、改造する点が殆ど無かった為だ。精々が少ない装甲部分に展開装甲とTP(トランスフェイズ)装甲を使っている点だろう。新名称は霧纏の乙女(ミステリアス・ヂェーヴァ)
 次の打鉄・弐式についても同じく、特に変更点は無い。夢現が展開装甲式になっている点と全身がTP(トランスフェイズ)装甲である点、そして一番の大きな変更点と言えるのは両肩の非固定浮遊部位(アンロックユニット)が展開装甲を採用していて、それらを広げると擬似的なハイマットモードになれるという点だ。新名称は打鉄・参式。

「それと最後に一夏の白式、箒の紅椿、千冬さんの暮桜・真打だよ」

 そして遂に明かされる。キラのブリリアントフリーダム、ラクスのオルタナティヴに続く第5世代型ISに進化した三機のISの、その全貌が。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.