赤・・・それは、自らが生まれた時から見続けている故郷の色・・・そして、男が死した時に最後に見た色。そして、男がまた、暮す色。
黒・・・蘇った彼が一番最初に目にした闇の色。そして、それ彼が生きていくための影の道。それは、深く深い漆黒よりも暗く冷たい深淵の中に彼は、死ぬまで
身を寄せる。
銀・・・それは、今までの自分を生き延びさせた残忍な色。強者を屠り理不尽な命令で破壊、殲滅・・・滅びの全てを請負ったキリストの背負った罪の十字架と
同じ枷。
白・・・それは、終点。彼が大切と想う者を救い、自分の罪を償い制裁を受ける色・・・そして、始まりを告げる色でもあった。
ガゥン!!ガゥン!!
血を染み付かせた鋼鉄臭いが異臭となり辺りに漂わせる。そして、右には、何にもの血をすすり赤い線を連ね名刀と言える剣は、妖刀と呼ばれる魔剣にまで生ま
れ変わり。
左手には、無骨でありながら死神を呼ぶ笛。空気が刃先のように鋭さを持ち銃弾が相手の命を失わせる狂気の魔弾を生み出す。
そして、そんな処刑人とも言える男の姿も死神を思わせる風貌と闇を纏ったその姿は、黄泉の国から使わされた死を運ぶ代理人に見えてしまうほどだった。
「はぁ、はぁ、な、なんなんだ・・・何なんだ、貴様は!!」
「仕事だ。貴様を殺すために依頼された。」
「相手は・・・誰だ?クリムゾンか?明日香インダストリーか?」
「貴様の雇い主だ。」
「ネ、ネルがはぁ!!」
男が何か言おうとする瞬間に鋼の刃は、相手の命を刈り取った。そして、残ったのは、水溶液が詰まったカプセル・・・黒衣の男は、カプセルのスイッチを押す
と水溶液が床に流れ出す。それ
と同時に真っ赤に染まった血も流していくと彼女は、身を震わせながら黒衣の男を恐怖の眼差しで見つめていた。
「あ・・・あう・・・あっ・・・。」
「話も出来ないか。確かにこんな姿を見て笑えというのが無理か・・・。ゴメンな。」
手を少女に伸ばそうとすると少女は、その手に勢い良く噛み付くが咄嗟に口を離し手で押さえつけ涙目になる。
「ははは、ダメだろ?そんなことしちゃ・・・ほら、痛かったろ?」
無防備になった状態の少女の身体を両手で抱えた。
「よいしょ・・・。」
「あっ。」
小さく呟くと彼女は、抱きかかえられていた。そして、何かに気づいたようにマントで彼女の身体を包んだ。
「裸のままじゃ恥ずかしいだろ?女の子がこんな格好じゃ恥ずかしいだろうしね。」
だが、少女は、ただ、男の腕を見つめながら疑問の言葉を口にした。
「なんで、そんなに腕が硬いの?」
その言葉に男は、厄介そうな顔をする。
「・・・それはね?俺が人じゃないからさ。」
そんなことを言いながら彼女を抱きかかえ自分の依頼主の元に向かっていった。
機動戦艦ナデシコ〜MACHINERY/DARKNESS
プロローグ
「いやぁ〜お疲れだね〜。君のおかげで秘密裏に研究所を破壊することが出来たよ。さすがだね。ダークネス君。」
依頼主のいるビル内では、依頼主である軽そうな男の説明に興味がないようにその言葉を無視しながら黒衣の男が自分の依頼料であるギャラを数えている最中
だった。
「あ、あのね?話聞いてる?」
「聞く必要は無い。それより彼女は?」
「彼女?ああ、君が助けたマシンチャイルドね。うん、精神的面は、大丈夫みたいだしひとまず安心だね。」
「そうか・・・。」
「どうしてそんな事聞くのかな?あっ、もしかして少女趣味なのかい?ははは、まぁ、君なら子供でも大人の女性も選り取り緑だろうね〜この、むっつり助
平。」
面白そうに男が笑う。これが、地球有数の頂点に君臨するネルガルの会長というのだから世界とは、不思議なものだ。
「俺に少女趣味は、ない。それに俺にとっては、お嬢さまが居ればそれでいい。」
「なになに?未だに彼女に貢いでるの?君も物好き『シュン!』・・・。」
頬にナイフがかすり血の跡をつけ顔が真っ青に変わった。
「お嬢さまの侮辱は、止めともらえるか?いくら、お前といっても許さんぞ?」
「アハハ、悪かったって・・・それより君に頼みたい仕事があるんだけど。」
「仕事?」
その瞬間に男は、歪んだ笑顔を作り出しこしに携えた刀とブラスターに目をやると次の仕事の為に武器の手入れに専念しようと思った。だが
「うん、エステバリスのパイロットになってもらうからね。」
「はぁ?」
自分の本業とは、違うものに彼になわない声を出してしまっていた。
数年前・・・冷たい雨に振られ人が疎らな表通りで彼は、ボロボロになりながらも火星の地でその生涯を終えようとしていた。背格好を見た感じ12〜3歳と若
いようだが狂気を見合った悪鬼の
ような闇に染まった瞳をしていた。
そして、辛そうに顔を歪めながらも人を寄せ付けない彼の目は、周りの人間を畏怖嫌厭させる嫌な目をしていたからだ。
彼もそれでいて死を感じていた。自分は、ここで死ぬ・・・もう、戦う必要も殺す必要も殺される必要もないしという瞬間を喜ぶように彼を見ているのであっ
た。
だが、そんな時生を呼び覚ますように優しい声が聞こえてきた。
「ねぇ、ねぇ。」
「なんだよ・・・お前・・・。」
目の前には、可愛いピンクの長靴とキャラクターが貼ってある傘をさしながら彼の顔をのぞいていた。
そして、息を切らしながらも彼の声を聴いた瞬間に彼女は、ホッとした顔をする。男は、『何だコイツ?』と不思議な顔をしながら見ていた。だが、死に行く身
体には、そんな考え無用だと切り
離そうとすると少女は、また、思いがけない事を言った。
「・・・・痛くない?」
「はぁ?」
初めての体験だった。『痛くない?』それは、心配という情という感情の入った言葉。今までそんなことを言うような人間が自分の周りにいなかった。いや、心
配なんていうの感情こそ彼の今ま
でいた環境の中で存在しないものだった。だから、『痛くない?』という情の感情を言われた瞬間に彼は、呆けるしかなかっ
た。
「だって、そんなに苦しそうだし・・・血も出てるよ?」
「だ、だからどうしたんだよ?こんなのいつもの事だ。お前には、関係ないだろ?」
どうにかして少女を突き放そうとするが少女は、ニコッと可愛らしい笑みを作って彼に向ける。
「だって、お爺様が言ったんですもん。怪我をした人がいたら無茶をしてでもつれて来いって。」
また、万円の笑みを彼に向ける。その瞬間に彼の顔は、赤く火照り硬直する。今までに感じたことの無い『感情』というものに彼は、戸惑い次の行動を考える事
が出来なかった。
そんなことお構い無しに少女は、手を引っ張りながら何処かに連れて行こうとする。
「な、なにするんだよ!!」
「だから、連れて行くんです!このままじゃ風邪ひいちゃいますもん。風は、お熱が出て怖いんですよ?」
「だ、だからって・・・。」
「いいから行きましょう?」
「お、おい。」
予想外の事ばかりに何も出来ず少女に腕を引っ張られる。しかし、か弱い少女の力では、動く事は、無かった。
「うんしょっ!ええ〜い!!」
力を入れグッ、グッと引っ張られるが微動だしない。
「動いてくださ〜い。」
「・・・はぁ、分かったよ。」
彼は、立ち上がると少女の傘を持った。
「えっ?なんですか?」
「送ってくよ・・・俺を助けてくれるんだろ?」
「で、でも怪我・・・。」
「いいから、俺は、頑丈なんだから。」
少女は、顔を紅くしながら俯いた。
「ぶ〜。」
「ほら、家は何処?」
優しい声に少女は、不貞腐れながらも彼と一緒に帰って行った。
仕事が終わり黒衣の男は、古びたアパートの一室のドアノブに手をかけた。
「ただいま帰りました。」
「おかえりアキト!」
そして、男は、顔を緩めながら一室の女性に向かってニッコリと笑いかけた。
あとがき
一応ナデシコ再構築物ですね・・・一応アキト×オリキャラにするつもりですが・・・自分がどうするかなんか全く考えておりません。ナデシコを書くのが初め
てなので苦手ですがよろしくお願いします。
感想
NEOさん初投稿♪ 本編再構成との事ですので、色々と違って設定が出てきそうです。
今までのところでも、既にアキトが劇場版の方のようであるとか、ネルガルと報酬型の契約をしているとか、オリキャラヒロインと住んでいるとか色々あるみた
いですね。
今後も展開が期待されます♪
アキトさんにいきなり悪い虫が…
(怒) NEOさん…貴方もですか…
まあまあ、平行世界の事に首をつっこんでも詮無いことだろ? オリジナルの彼女がどんなヒロインなのか気になる所だしね。
うっ、珍しく大人な発言を…それなら、〜光と闇に祝福を〜の続きは当然出来ていますよね?
いや〜全然(爆)
ふふふやはり、ぶっ飛ばされたいみ
たいですね死ぬ前に遺言くらいは聞いてあげましょう!!
ふふふ、最近出来た固有スキルを見せるときが来たようだな。
固有スキル? 駄作家の貴方にそん
なご大層な物があったんですか?
はっはっはっは! 聞いて驚け! 八甲田山を八艘跳び! …凍った?
この
程度で時間が凍ると思ったら大間違いです! レ
インボーブリッド・バースト!!
どばごー
ん!!
ヒクヒク…
ま
あ、時間は無理ですけど、貴方の心臓くらいならいつでも止めてあげます。
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
NEOさん
への感想は掲示板で お願いします♪