ヤン・ウェンリーは、その命令を受理し、統合作戦本部長に敬礼した。
「微力を尽くします」
きびすを返したヤンを、シトレ元帥は呼び止める。
「なんでしょうか?」
「貴官に尋ねたいことがあるのだが」
「はあ、まだ何か?」
ヤンはシトレに振り返り、再び元帥の前に立った。
「貴官は歴史に造詣が深かったな」
「はあ……」
シトレの視線はなにやら意味ありげだ。ヤンは内心で身構える。
「尋ねたい事というのは、22世紀から24世紀にかけて『ナデシコ』という名前の戦艦が実在したかどうか、知っているかいないかと言うことなんだが」
ヤンは、その固有名詞を耳にしたとき、驚きを表情に出すことはかろうじて制御した。
「とおっしゃいますと?」
「いや、知らなければいいのだが」
かぶりを振るシトレに気づかれないよう、ヤンは一呼吸だけ間を置く。
「いえ、知っています」
シトレの目の色が変わったことを、ヤンは見逃さなかった。
「ほほう、さすがというべきだが、どんな内容だ?」
「5年ほど前ですが、我々は帝国からの亡命者がもっていたディスクから、24世紀のはじめに地球政府によって隠蔽された植民地惑星との戦争があったという歴史的事実を知ることになりました」
「ふむ、通称は『第一次植民惑星独立戦争』だったな」
「はい」
ヤンは、務めて平静を装うことにした。
「戦艦ナデシコは、その植民地側の戦力として第一次の戦いに参加した戦艦です」
シトレは、わずかに組んでいる手の指を動かす。
「そのディスクには、そこまでの情報はなかったはずだが?」
「ええ、当然です。ディスクには戦争の大筋しか記されていませんでしたが、私は『消された歴史』という個人が発行したと思われる古い蔵書の写しを持っているのです。その中の一節に、じつに巧妙に記述が隠されていたのですが、ディスクによって隠蔽された歴史が判明するまで、それが語っていた事実に気がつきませんでした」
「なるほど、君らしい発見だな。しかし、その歴史的事実を公表しないのかね?」
黒髪の青年提督は首を左右に振った。
「残念ですが、証明となるモノではありません。”真相の是非”についても非公式であり、個人の出版物では妄想に類するものと烙印を押されてしまうでしょう」
「だが、聞かせてほしいものだな」
頷いて、ヤンは続けた。
「その本には、ナデシコのほかに同型艦が3隻あったことが花のたとえと共に記述されていました」
「花のたとえか…それで、どうなったのかね?」
「ナデシコを除く3隻は撃沈されたようですが、一番艦のナデシコのみ、その最期については”置き換えられた記述”を発見できませんでした」
「つまり、不明と言うわけか?」
「そうです」
ヤンは答え、シトレの反応を待った。士官学校の元校長は、しばらく目を閉じて何か考えていたが組んでいた手を解き、瞳を開いて元教え子に告げた。
「呼び止めてすまなかったな、充分参考になった。この事は他言しないでほしい……イゼルローン攻略の任務に専念してくれ」
「はっ!」
ヤンは疑問を呈さず、敬礼して本部長執務室を退出したのだった。
闇が深くなる夜明けの前に
機動戦艦ナデシコ×銀河英雄伝説
第四章(後編・其の一)
『イゼルローン攻略!/扉は開かれる』
T
──宇宙暦796年、帝国暦487年標準暦5月20日──
その日、自由惑星同盟の首都星ハイネセンに帰還したヤン・ウェンリーを、人々の歓呼の嵐が迎えた。
「奇蹟のヤン!」
「魔術師ヤン!」
人々は、先日のアスターテの敗北など忘れ、考えられる限りの美辞麗句をもってヤン・ウェンリーの知略と彼を起用したシトレ元帥の識見の広さをこぞって賞賛した。
──その数ヶ月前の3月中旬──
アスターテ会戦より生還したヤン・ウェンリー准将は、統合作戦本部より少将の辞令を受け、新設される第13艦隊の初代司令官に任命された。最初の任務は難攻不落と言われるイゼルローン要塞を攻略することだった。過去6回の攻略戦の都度に数万隻の艦隊を投入し、何百万という犠牲者を量産してきた宇宙最強の要塞にたったの半個艦隊(艦艇6400隻、将兵約70万人)で挑むことになったのだ。
しかし、ヤンには勝算があった。何万隻という戦艦の主砲にもビクともしない防御力を誇るイゼルローン要塞を外から攻撃しても損害が増すばかりで意味がない。だが、古来より外殻が強固に見えるものほど内壁はもろいものなのだ。
「イゼルローン要塞を攻略するには内部からの制圧が肝心だ」
もう一つ、ヤンが注目したのが、イゼルローン要塞に存在する2名の責任者だった。
一人は、要塞司令官トーマ・フォン・シュトックハウゼン大将。一人は、駐留艦隊司令官ハンス・ディートリヒ・フォン・ゼークト大将である。
同格の人間が要塞に二人も存在するのである。不和にならないはずがなかった。この二人の間隙を利用することはできないか?
ヤンは考え、必要な物資と人材を集めつつ、要塞攻略にとりかかる事になった。
その過程において、ヤンは一人の人材を得た。
ヤンの作戦に沿って実戦部隊の指揮を執る「薔薇の騎士連隊」の隊長ワルター・フォン・シェーンコップ大佐である。年齢は30代前半の彫りの深い洗練された容姿をもつ男だった。「フォン」の称号が示すとおり、帝国貴族の出身であり、幼い頃に祖父母連れられて帝国から亡命してきたのが彼だった。(おそらく両親が政争に敗れたと思われる)
シェーンコップが率いる「薔薇の騎士連隊」は、帝国から同盟に亡命してきた貴族の子弟を中心に創設された部隊であり、すでに半世紀ほどの歴史を刻んでいた。類まれな戦闘力をもった部隊でもあり、同盟・帝国の双方から最強の陸戦部隊として認知されていた。
しかし、歴代12名の隊長は総じて同盟に尽くしたとは言いがたかった。半数は裏切って旧母国へ走った実績があったのだ。そのためか勇名ではあるが、非常に扱いずらい連中として敬遠されていた。
ヤンは、その「薔薇の騎士連隊」を第13艦隊に迎えたのだ。
その理由は、
『士官サロンで、トリューニヒト国防委員長に属する横暴な将校から、ウェイトレスを守った貴官にウイスキーの一杯も奢りたくなった』だった。
ヤンの幕僚やシェーンコップはささいな理由にあきれたものだが、旗艦ヒューべリオンの艦橋で交わされたヤンとのやり取りが、帝国出身の不敵な男の心を動かしたことは間違いないだろう。
「あなたが今回の無茶な任務を引き受けたのは出世欲ですか、名誉欲ですか?」
「出世欲じゃないと思う。30歳前で閣下呼ばわりされれば充分だ。私はこの戦いが終わって生き残っていれば退役するつもりだしね」
シェーンコップもさすがに軽く驚いていた。ヤンは続ける。
「少将で退役できれば年金も付くし退職金も出る…私ともう一人くらい、つつましく穏かに生活するには不自由しないはずだしね」
「閣下はこの情勢下に退役なさるとおっしゃるのですか?」
理解できないとばかりにシェーンコップは目を細めた。
「それ、その情勢ってやつさ。イゼルローンの攻略に成功すれば、我が国は軍事的に優位に立てる。その後は政治家の手腕しだいだが、帝国との間に何とか満足のいく和平条約を結ぶことも可能と思う。そうなれば私としても安心して退役できる平和が訪れるというわけさ」
ヤンは、脱いだベレー帽を人差し指に乗せてくるくると回す。
「しかし、その平和が恒久的なものになりえますかな?」
大いに疑問だ、とばかりにシェーンコップは問い返した。ヤンはベレー帽をもてあそんでいる。
「恒久的な平和なんて人類の歴史上、どこにもなかった。だが何十年かの豊かで平和な時代は存在したんだ。だがそれでも、その十分の一の戦乱に勝ること幾万倍だとおもう」
シェーンコップの表情は、ヤンを珍獣でも見るようだったが、不敵な男の心を刺激するヤンのささやかな「願い」を耳にすることになった。
「私の家に14歳になる男の子がいるが、その子が戦場に引き出されるのを見たくない。本当にただそれだけさ」
それも本音だった。ヤンはベレー帽を被りなおし、シェーンコップに視線を投じた。腕を組んで話を聞いていた元帝国貴族の男はわずかに口元をほころばせたが、ヤンを嘲笑するようなものではなく、不思議な求心力を持つ青年提督に対し、少なからざる好感をいだいた証だった。
「なるほど。変わった方だとは聞いていましたが、失礼ながら提督、あなたはよほどの正直者か、でなければルドルフ大帝以来の詭弁家ですな」
シェーンコップは、ニヤリと笑って席から立ち上がった。
「提督、あなたからは期待以上の返答はいただきました。この上はこちらも微力を尽くすとしましょう。永遠ならざる平和のために……」
元帝国貴族の男は、敬礼をしてその場を去った。部下と作戦の細部を詰めるためである。今まで接したことのない軍人らしからぬ提督に好感と可能性を見出した彼は、難攻不落の要塞を攻略するために全力を投じる決意を固めたのだった。
U
──標準暦5月14日──
イゼルローン回廊に第13艦隊は進入を果す。ヤンの作戦が本格的に始まった。
イゼルローン攻略の概要は以下の通りであった。
イゼルローン要塞を攻略する上で脅威となるものが三つある。一つは要塞の防御力、二つ目は要塞主砲トゥール・ハンマー、三つ目は要塞に駐留する15000隻に上る機動戦力である。
ヤンは、イゼルローンに赴任する司令官に関する情報を集め、二人の間に不協和音を感じ取り、その対立心を最大限利用することにした。まずイゼルローン周辺を激しく妨害し、同盟の大艦隊が迫っているように思わせ、好戦的なゼークト大将の心理を利用して駐留艦隊をおびき出し、機動戦力を要塞から引き離すことに成功する。
その直前に参謀長のオーベルシュタイン大佐が、
「これは我が艦隊をおびき出す罠です。出撃してはいけません」
と進言したが、ゼークトは半白髪の参謀に対する反感とシュトックハウゼンに対する競争意識からこれを無視し、要塞から全艦隊をもって出撃する。そしてゼークトは、ティアマト星系に展開する囮に引っかかることになる。
このとき、部隊指揮官のベルトマン大佐も参謀長と同じように異議を唱えたが、ゼークトは素っ気なく退けている。
一方、イゼルローン要塞では、帝都オーディンより機密の連絡事項を携えた軽巡航艦が同盟軍に追撃され、救援を求めていた。
シュトックハウゼンは、肥えた腹を揺らし、全浮遊砲台向けてただちに砲撃戦用意を通達した。その際、味方に当てないよう命令を徹底させる。
しばらくすると、要塞司令部のメインスクリーンに次々と光点が映り、その中に一隻のブレーメン型軽巡がふらふらと頼りない足取りで要塞に逃走して来る無残な姿が映っていた。後方からは叛乱軍と思われる艦隊から間断容赦なくビーム砲が発射されていた。
「味方を守れ! 全砲台、一斉攻撃だ」
シュトックハウゼンの命令とともに、無数の浮遊砲台から光のエネルギーが叛乱軍めがけて発射された。叛乱軍は一定の距離を保った状態で停止し、それ以上は要塞に近づかず、軽巡の追撃もあきらめて後退してしまった。
「ふん、この要塞主砲の威力をよく知っているとみえる」
シュトックハウゼンは哄笑した。過去6度の大攻勢を蹴散らしてきた「要塞主砲トゥール・ハンマー」の破壊力を叛乱軍は身をもって体験しているのだ。その威力は一撃で巨大な戦艦を一千隻以上、瞬時に消滅させることが可能だった。要塞の防御力と要塞主砲、この二つがある限り、駐留艦隊がいなくても充分敵を排除できる自信があるのだ。
通信士官が、軽巡の入電を伝えた。内容は艦の損傷が激しいため、緊急の入港を要請するというものだった。
「よし、軍港に誘導してやれ」
そう言ってシュトックハウゼンはきびすを返し、司令官席に着いた。機密の連絡事項を携えているという、軽巡からの報告を待つためである。
息も絶え絶えのような軽巡艦長のフォン・ラーケン少佐は、「司令官閣下に至急の伝達事項がある」、と言って血を吐き、彼に肩を貸していた部下の一人が対応した警備主任にすぐに取り次ぐように怒鳴った。
「何をしている、早くしろ!」
「は、はい」
そのやり取りから数分後、荘厳な彫刻の施された司令部のドアが開いた。シュトックハウゼンは、医療用自走担架に横たわった息も絶え絶えのラーケン少佐に歩み寄った。
「何があった? イゼルローン要塞を無力化するとはどういうことだ? 事情を説明しろ」
「それは……」
弱々しくラーケン少佐はつぶやき、顔を近づけてきたシュトックハウゼンの胸ぐらをいきなり掴んで床にねじ伏せた。
「動くな! 動けば司令官の命はないぞ」
シュトックハウゼンのたるんだ首には左腕がまかれ、こめかみにはブラスターが突きつけられていた。警備兵たちは一斉に腰の拳銃を構えたが、一瞬遅かった。近くに陣取っていたラーケン少佐の部下に銃を奪われてしまう。
「き、貴様、叛乱軍なのか?」
「ワルター・フォン・シェーンコップ。ローゼンリッター連隊の隊長と言えばわかっていただけますかな? あいにく両手がふさがっているのでメイクを落としてのご挨拶はいたしかねる」
そう、軽巡に乗っていたのは「薔薇の騎士連隊」の隊員たちだったのだ。ヤンの作戦に従って彼らは帝国軍を装って要塞内部に潜入し、司令官を人質に司令部を押さえようとしたのだ。
その作戦は帝国側の油断もあり、鮮やかに成功するかと思えたが……
「軽口を叩きおって、人質をとったつもりだろうが、司令官閣下は死よりも不名誉を恐れる方だ。貴様らの命を守る盾などないのだ」
副官のレムラー大佐がブラスターを構え、シェーンコップとシュトックハウゼンに狙いを定めた。もしレムラーの言うようにシュトックハウゼンが名誉を尊ぶ人物だったならば、シェーンコップたちは強引に要塞司令部を占拠せねばならなかったであろう。制圧は可能だったとしても時間がかかり、その間に駐留艦隊が戻ってきてしまえば形勢は逆転である。
そうはならなかった。シュトックハウゼンが命惜しさに降伏を申し出たからである。レムラー大佐は上官にその意思を問いただしたが、結局、命令に従って銃をおろした。
しかし、レムラー大佐は最後の抵抗を試みる。縛り上げられる直前にローゼンリッター隊員を振り払い、司令部の端末を操作して要塞の全システムを凍結してしまったのである。これだと要塞内にまだ健在である味方の動きも封じてしまうが、要は駐留艦隊が戻ってくるまで時間が稼げればいいのだ。
「どうします、大佐?」
信頼する部下の一人、ライナー・ブルームハルト少佐が心配そうに尋ねると、彼の隊長は変装用のマスクを剥がし、不敵な笑みを浮かべて言った。
「心配するな。その前にイゼルローン要塞の中枢コンピューターを乗っ取るだけだ。守備隊の数はほんの50人だそうだ」
「楽しい労働になりそうですね……」
ブルームハルトがあきれるように呟くが、シェーンコップは平然としていた。
そしてその言葉通り、彼は右腕の一人カスパー・リンツ中佐を加えた「薔薇の騎士連隊の最凶トリオ」をもって見事に中枢コンピューターを押さえることに成功し、ついにイゼルローン要塞は陥落した。
これで終わらない。
ゼークト率いる駐留艦隊が囮のある宙域からもどり、同盟軍に要塞を占拠されたにもかかわらず、無謀な攻撃をしようとしていたのだ。ヤンはまだ要塞内に収容されていない味方を援護するため、一発目の要塞主砲を放った。だが、その一方的な威力に胃の辺りが不快になり、駐留艦隊に次のような電文を送った。
「これ以上の流血は無用である、降伏せよ。降伏が嫌なら逃げよ。追撃はしない」
逃げよ! と要塞を占拠した叛乱軍の司令官は打電してきたのである。帝国軍将兵に生色がみなぎったが、ゼークトの怒声が全てをかき消した。
「降伏だと! 逃げろとは、どこまで吾らを愚弄する気だ!」
ゼークトは次のような返信をした。
「汝は武人の心をわきまえず、吾、死して名誉を全うするの道を知らず。このうえは全艦突入して玉砕し、もって皇帝陛下の恩顧に報いるあるのみ」
その内容を通信士官から読み上げられたとき、ヤンの表情が怒りに変化した。
「武人の心だって! そんなヤツがいるから戦争が絶えないんだ」
死をもって敗戦の責任を取るのはいいだろう。だが、なぜ自分だけではなく、多くの部下たちを道連れにするのか。そんな自己中心的な考えの軍人がいるからこそ、長い長い戦争から未だに人類は抜け出せないのだ。
ヤンは命じた。
「旗艦を狙え、これが最後の砲撃だ」
二発目の要塞主砲によってゼークトの旗艦が消滅したことにより、他の帝国軍はそれ以上の抵抗を断念して退却していった。主砲の直撃を受ける前に、オーベルシュタンを乗せたシャトルは離脱していった。
こうして、イゼルローン要塞は7度目にして名実ともに同盟軍の手に落ちることになった。
味方の血を一滴も流すことなく。
◆◆◆
ヤンは、軍事宇宙港のフロアで、どんな賛辞よりも嬉しい、被保護者であるユリアン・ミンツ少年の素朴な出迎えを受けていた。
「提督、おかえりなさい」
ヤンは破顔した。
「やあ、ユリアン。さっそくお前の淹れた紅茶を飲みたいところなんだが、これから統合作戦本部へ行かないとだめなんだ」
「シトレ元帥に、ご報告に行くのですね」
「まあ、そんなところさ」
ヤンは、少年の亜麻色の髪をなで、先に家に帰って紅茶の準備をしてくれるよう依頼した。
「じゃあ、ユリアン、すまないけどよろしく」
「はい提督。おいしい紅茶をご用意してお待ちしています」
ヤンは大きく手を振ると、群がる人ごみを避けるように用意された地上車に乗り込み、ある決意を固めて統合作戦本部ビルへ向ったのだった。
V
「ヤン提督は元気そうだね」
歓呼の嵐の中、シャトルから降りてきたヤンを視界に認めながら、アカツキ・ナガレは楽しそうに呟いた。その隣には、彼の秘書であり、ナデシコの副操舵士であるエリナ・キンジョウ・ウォンが、さわやかな春のそよ風に黒髪をなびかせながら、広大な軍事宇宙港を埋め尽くしたお祭り騒ぎを眺めていた。
アカツキとエリナは、ナデシコがジャンプアウトした世界と彼らの世界のつながりの謎を解くデーターを集めるため、同盟の首都星ハイネセンに滞在していた。もちろん一般人の服装をしており、アカツキは黒っぽいジャケットに茶色のスラックス、エリナも茶系の婦人用スーツの装いだった。とりあえず目立たないようにしているわけだが、どちらも美形なので、しかもカップルと思われているので本人たちが感じているより人目を引いていた。
アカツキがユリカやプロスペクターに提案したのは、別行動による情報収集だった。ハーミット・パープル基地を年明けに出発した二人は補給廠のあるエル・ファシルまで定期輸送船に乗り、そこからフェザーンを経由してハイネセンに第一歩をしるしたのは、アスターテ会戦が集結した3月上旬のことだった。
初めて亜空間跳躍航法を体験したアカツキの反応はほとんど少年だった。エリナはそんな彼の子供っぽい一面にあきれつつ、端末を忙しく操作していたものだ。
まず、フェザーンに立ち寄ったのはそこが中立星系であり、双方の情報が行き交う場所だったからだ。アカツキは事前にフェザーンに関する資料を集め、その特殊な立場から膨大な情報が蓄積されているのではないかと推測したのである。
それは当たっていた。フェザーンには帝国と同盟に関する資料の他に、地球の歴史資料も存在した。だが、肝心の西暦の資料は乏しく、西暦2100年〜2300年までの世界情勢に類するものしか入手することができず、残念ながら裏を読み解くような細かい資料はただ一つを除けば発見することは出来なかった。
「まあ、地球連合政府も月の住人については100年も秘匿にして、歴史上無かったことにしていたくらいだからね。闇の部分が消されていても不思議じゃない」
というのは、アカツキの知る歴史は2198年までだが、その後、地球圏を含む人類史はいくつかの災厄にみまわれているのだ。
一つは、地球勢力と植民地勢力が激しく対立した「シリウス戦役」だ。西暦2704年に地球は植民地勢力の「黒旗軍」によって総攻撃にさらされ、膨大な人命と歴史的遺産の数々が灰塵に帰している。
そして、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによる銀河帝国の誕生だ。宇宙暦を廃し、帝国暦を成立させ、時代に対して逆行する王政復古を進めた「鋼鉄の巨人」の登場である。
反対勢力や帝国に邪魔な思想や文化を徹底的に弾圧し、葬ってきた
世紀の独裁者!
その犠牲者はルドルフの代だけで40億人に上ると伝えられている。
当然、ルドルフによって闇に追いやられた歴史的事実は想像をはるかに超える数になるのではないのか?
自身を神格化しようとしていたルドルフならやりかねないことだった。どの時代でも権力者というのは、己の地位と力を正当化し、誇示するために都合のよい歴史を作り上げてきたのではなかったか。
一つだけアカツキが気になった資料がある。24世紀のはじめに起こったとされる
「第一次植民惑星独立戦争」が存在したという事実だった。これは今から5年ほど前に亡命してきた帝国貴族が持っていた光ディスクの内容の一部であり、長い間封印されていた歴史の暗部でもあった。彼が注目したのは、その戦いの背景がアカツキたちが関わった木星蜥蜴との戦争内容に酷似しているということだった。だが、残念なことに記されていたのは戦争の大まかな概要だけであり、その詳細までは記録されていない。
「だとしたら、僕らのほしい資料や真実は宇宙の何処にも無いのかもしれない」
ふと、アカツキはそう考えてしまうのだが、より詳細な資料が存在する可能性のある場所がある。残念なのは、その場所が反対側の勢力にあるという極めて困難な現実だった。帝国の圧制を逃れた人々が建国した「自由惑星同盟」を国家と認めず、あくまでも辺境の叛乱分子とみなす帝国に旅行気分で行けるはずがないのだ。
しかし、実は深刻な問題ではない。今回の別行動は表の事情とは違い、裏の事情は単にボソンジャンプの謎を解く資料を集めるだけではなく、本当の目的は他にあるからだった。
「歴史的資料よりも、僕らを潤沢にしてくれる情報と資料があるんだよね」
一通りフェザーンでの活動を終えたアカツキは、その過程で
ボリフ・コーネフと
マリネスクというフェザーン商人と出会い、ハイネセンまでの旅路を共にするのだが、これはまた別の物語である。
◆◆◆
3月上旬、ついに首都星ハイネセンの民間宇宙港に降り立ったロン毛の青年は、ひんやりとした大気を胸一杯に吸って大きく伸びをしたのだった。
「やあ、緑のある星はいいものだね。ハイネセンポリス、悪くないね」
「雪が積もっていますね」
ハイネセンに一歩を印した彼らを待っていたのは、アスターテ会戦の結果だった。
「どうやら、なんとか防いだようだね?」
アカツキは、報道は大勝利などと宣伝していたが、その戦死者の数から容易に問題があったと洞察していた。
「なるほど、アスターテの報道一つとっても亡国の兆しだね」
アカツキは皮肉ったが、その亡国の兆しの中に彼は飛び込んでいこうとしているのだ。正確な情報を伝えず「嘘で塗り固められた社会」が健全な方向に進めるわけがない。ウランフ提督の懸念通り、同盟は多くの歪と矛盾を抱えた状態でどうにか片足で立っている状態なのだろう。
「だからこそ、僕らが入り込める余地があるのさ」
そうでなければ、彼の計画は上手く進まないのだ。同盟という巨木は病理に蝕まれており、ところどころに大きな空洞を抱えていると想像すればいい。その中に飛び込むことによって内側から巨木を倒すことも乗っ取ることも可能になるのだ。
それをアスターテ会戦の報道は示してくれたのだった。
まさか、ユリカたちがアスターテの戦場にあって、大きな意識転換を迎えているとは流石に知るよしもない。
W
アカツキとエリナは、ボリフ・コーネフのつてで当面の拠点を定めると、直後に催されることになった「アスターテ会戦戦没者慰霊祭」に紛れ込んでいた。
二つ目的があった。一つは統合作戦本部内の観察、一つは国防委員長ヨブ・トリューニヒトとアスターテの英雄ヤン・ウェンリーをその目で直に見るためだった。
ヤン・ウェンリーとは、彼がアスターテで受けた負傷を理由に出席しなかったため、「会場」で
すぐに会うことはできなかったものの、アカツキはヨブ・トリューニヒトの演説に端を発した事件に見られる同盟の暗い部分を肌で実感する。
「同志諸君、私は一段と声に出して言いたい。祖国と自由こそ、生命を代償として守るべき価値のあるものだと。吾々の戦いは正義なのだと! 帝国との講和を主張する、一部の理想主義者たちは目覚めるべきである。帝国が吾々を叛乱勢力と蔑む限り、彼らとの講和など夢物語でしかないことを、実直に認めるべきである。
私はあえて言おう。銀河帝国の専制的全体主義を打倒すべき聖戦を批判するものは、全て国を害う者である。吾々には崇高な目的があるのだ。全銀河に自由と平和をもたらすという義務である! 自由な社会と、それを保障する国家体制を守るため、死を恐れず戦う者だけが真の同盟国民なのだ。その覚悟なき卑劣漢は英霊に恥じよ! 国家を建国した理想高き祖先に詫びよ! 偉大な祖先たちによって築かれ、多くの誇り高き先人たちが守ってきた吾々の祖国を専制政治の恐怖から解放しようではないか! 自由なる吾が祖国! 守るに値する唯一のものを守るために、吾々は立って戦おうではないか! 戦わん、いざ祖国のために、いざ自由のために。同盟万歳! 共和国万歳! 帝国を倒せ!」
と煽動演説するトリューニヒトを会場で批判したジェシカ・エドワーズを、憂国騎士団という国防委員長の私兵集団から守り、彼女を助けに来たヤン・ウェンリーとダスティー・アッテンボローと知己になったのである。アカツキも全く思いがけない展開だった。
「しかしまあ、ああいう形であれ、英雄と顔見知りになれるとは僕ってけっこうついているのかもね」
「やめてください。一歩間違えれば憂国騎士団にひどい目に遭わされていたかもしれないのですよ。ヤン准将が策略を用いてヨブ・トリューニヒト自身に安全を約束させなかったら、今頃こんなに呑気にしていられません。反省してください」
エリナにきつく窘められたアカツキだが、彼にも言い分がある。国防委員長の美辞麗句を最初は参考のために聴いていた青年だったが、そのうち気分が悪くなり、気分転換に外を歩いていたところ、偶然、ジェシカ・エドワーズが過激な政治思想集団に囲まれている場面に遭遇してしまったのである。
「さすがに男として美女のピンチは放っておけないでしょう?」
アカツキは、二名ほど殴り倒したところで金髪美人を引っ張って逃げたのだが、多勢に無勢であり、たちまち囲まれてしまった。
「やばいなぁ」
と軽く困りつつも、スーツの内側に隠し持っていた閃光弾に手をかけた瞬間、立体TVでジェシカ・エドワーズの「行動」を見ていたヤン・ウェンリーとダスティー・アッテンボローが地上車に乗って彼女を助けに来たのだった。
ほとんど勢いで車に飛び乗ったアカツキは、誰よりも早くヤン・ウェンリーと数日行動を共にすることになったわけだ。
アカツキにとって、一連の事態は予想外の出来事になったが、当事者側にいたことにより、より詳しい同盟事情に触れることができたのだった。
もしこの事件がなければ、アカツキはトリューニヒトに対して間違った行動をとり、それは致命的な結果を招くことになっただろう。彼は今一度計画をエリナと練り直し、そして行動に移る。
まず、フェザーンで集めた情報を基に軍需産業界第2位の企業に近づき、コミュニケをダシにして「仮契約」と「開発費」名目で多額の資金を引き出させることに成功する。
「いいんですか会長、コミュニケを二つも渡してしまって? もしナデシコと回線を繋げられたら問題になるんじゃありませんか?」
エリナが当然のように懸念を表明する。
「心配いらないよ。言ったでしょう、あれはウリバタケさんに頼んで身につけた者同士でしかやりとりできないように細工してあるからね。僕らのコミュニケも盗まれたときのことを考えて限定にセットしているのはそのためさ。むこうがバラして分析しようとしても自動的に回路がショートするように罠を張ってあるしね」
アカツキは、軍事宇宙港にほど近い喫茶店で、シロン星産の紅茶を飲みながらエリナに説明した。
「それに、以前のように身内に詮索されることもないしね」
今回の任務では、プロスペクターあたりに盗聴されないよう、出発前と後に慎重に荷物を調べ上げており、まず艦長たちに筒抜けになることはない。定期連絡もコミュニケを通してではなく、エル・ファシルの軍事補給廠に電文を打ち、定期輸送船を通すことで基地に伝えているのである。緊急を要するときは補給廠のコンピューター内に設けた掲示板に連絡事項を暗号化してインプットし、あとで端末でアクセスして確認するのだ。
しかし、情報と連絡事項確認のタイムラグをなくすため、基本的に現在は後者の方法を用いることが多くなっている。
現実問題として、前線基地に向って直接通信を送っていいはずがない。連絡方法に関してはアカツキの独断ではなく、事前の取り決め方法に沿っているのである。コミニュケの機能を限定したのもそのためだが、当然ながらプロスペクターやルリからの干渉を防ぐ狙いもある。
だから、プロスペクターがいくらアカツキに疑惑を抱いていたとしても、数千光年も隔てていてはどうすることもできないのだ。
おかげさまで、アカツキは現時点でいくつかの技術データーを入手していた。水素電池に関するもの、サイボーグ技術に関するもの、また、アカツキの時代よりもはるかに効率的で寿命が長く、小型で大出力の核融合エンジンの設計図などである。もっとも欲しているものは、さすがに入手が困難であるようだった。
「ところで……」
とアカツキは前置きし、イゼルローン要塞攻略を号外にした電子新聞を読みながらエリナに尋ねた。
「例の件は順調かな?」
エリナは、すまし顔でコーヒーを口にし、ゆっくりとコーヒカップを置いて答えた。
「順調です。数日のうちにトリューニヒト氏に届きます。その場合は秘書から確実に連絡も来ます」
アカツキは満足げに頷いた。
「流石に手際がいいね。こっちもある程度の労力と金額をはたいたからね。秘書さんにはしっかり国防委員長に届けてもらわないとね」
それは、アカツキが進めているもう一つの政治工作だった。これが成功すれば、彼は「ナデシコ」を切り札として、同盟の政治基盤に食い込めるかもしれないのだ。ヤンがトリューニヒトに対して行った策の応用ともいえた。
すなわち、政治的により権力を持つ人間にあらかじめ「ナデシコ」の地位と存在を保証させるのだ。もちろん、非公式的にである。
「希望的観測じゃないよ。権力を私物化しているらしい国防委員長なら、絶対にナデシコを自分のための政治戦略に組み込むはずだ。そのためにわざわざ一石を投じるのだからね。彼が書類を手にした瞬間が最後だよ。次の段階は決定したも同然さ。今度はトリューニヒト側から僕らと接触を試みるだろう」
アカツキは、ささやくようにエリナに話し、大きな窓ガラスの向こうでイゼルローン攻略に沸き返る通りを眺めた。
「イゼルローン攻略か……」
資料でしか知りはしないが、アカツキもエリナも銀色に輝く人工天体の強力さと重要性は理解しているつもりだ。単に戦術的、戦略的な意味にとどまらず、技術面においてでもある。
その要塞がついに同盟軍の手に落ちた。
ヤン・ウェンリーの魔術によって!
「何かが変わるね、きっと」
難攻不落の要塞が同盟の所有物になったことは、戦略的に大きな転換を迎えるかもしれない。それが政治的なものか、軍事的なものなのか、または平和に繋がるのか、全く違った戦火の火種になるのか、今はアカツキにも想像できなかった。
「イゼルローンにも行ってみたいものだね」
それは希望ではなく、予感だったのだろうか?
アカツキは軽やかに立ち上がった。
「さて、エリナくん、ラピス・ラズリの服を買いに行くとしようか。頼まれた事は滞りなく済ませておかないとね」
数ヵ月後、アカツキの工作は、彼も想像だにしない結果を生むことになる。
◆◆◆
ヤン・ウェンリーは、統合作戦本部ビルの玄関の前で蒼天を仰いでいた。
ヤンは、イゼルローン要塞を攻略したことにより役目を終えたと考え、第13艦隊の幕僚に告白したとおり、シトレ元帥に辞表を提出したのだが……
「やめたい? というのかね」
「ええ、本来の道に戻るのです。イゼルローンを攻略したことにより、こちら側から帝国を攻めでもしない限り、当面の平和は保てるはずですから」
「しかし、君はまだ30歳にも達していないのだろう。人生降りるには早すぎると思うが?」
ヤンは異議を唱えた。
「まだ30歳に達していないからこそ、私は軍を退きたいのです。若いうちなら本来の道に戻ることも可能です。ですが、その時期を逸しては、したいことも出来ずに戦死するかもしれません。それに、もともと私は軍人には不向きな人間です。私は歴史の観察者として、残りの人生を過ごしたいのです」
ヤンが言い終えると、黒人の元帥は両手の指を組み、士官学校時代の教え子の顔を見た。
「我が軍に必要なのは君の用兵家としての才能だ。それに……」
「はっ?」
敗残兵と新兵の寄せ集めの烏合集団と散々いわれた君の第13艦隊をどうするのかね?、と真顔で突っ込まれてしまった。
ヤンは、あまりにも効果的な攻撃に口をつぐんでしまった。彼の部下となった数十万人将兵のことを忘れていたのだ。うかつとしかいいようがない。
シトレ元帥は、勝利したかのように微笑んでいた。
「そういうことだ。ヤン少将、だからこの辞表は受け取れん。逆に本日付けで君を中将に昇進させる辞令を発することになるだろう。君は功績を立てたのだからね。これで正式に一個艦隊の司令官だ」
結局、ヤンは自分の作戦の失敗を認め、返された辞表を片手に退出したのだった。
「やれやれ、甘い夢は甘いまま幻と終わるか……」
ヤンは、ため息混じりに呟き、本部ビル玄関で彼を待っていたらしいワルター・フォン・シェーンコップの洗練された姿を見つけた。
「その様子ですと、辞表は却下されたようですね」
ヤンは、黙ったままシェーンコップの前で足を止め、片手に持った辞表を准将に昇進する隊長に向って放り投げ、再び憮然とした表情で歩き出した。
「ふふふ、そうでしょう、そうでしょう。私もシトレ元帥と同意見ですよ。あなたを辞めさせるわけがない。それに、あなたの下なら長生きできそうですからね」
遠ざかるヤンの後姿に、ビリビリに破かれた辞表が風に吹かれて重なっていた。好むと、好まざるに限らず、勝利したがために彼の年金生活の道は一層遠ざかっていくのだった。
……TO BE CONTINUED
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あとがき
みなさん、涼です。「四章後編・其の一」を掲載です。
うん、データーがでかくなった…後編もすんなり終わりそうにありませんorz
本編に入ってから本当に描写が増えました(汗)
それでも本編より省略しているんですが…あとがき抜かしても50KBくらいだしw
自分のまとめのなさを嘆きます。
前半、イゼルローン攻略を要点を絞って記載させていただきました。この要塞攻略にユリカたちは全く関わっていないのですが、非常に重要なイベントなので、あえて記しました。
どうも、銀英伝を知らない方も読んでくれているようなので、要塞攻略は外せませんし、あとに続く描写のために書かせていただきました。
まだ教えてくれていない方で、銀英伝知らない方で読んでいただいている方が他にも存在するのだろうか?
もし、居りましたら、どうして読んでいただけているのか、感想がほしいです。
さて、アカツキも動いています。彼の行動は重要です。ユリカたちが第一歩を印せるかどうかは、彼の行動にかかっていると言っても過言ではありません?
今回は受身的な描写が多く、ユリか出てないし、会話が少ないですが、楽しんでいただければ幸いです。
「其のニ」は短い期間で掲載できると思います?
ご意見、ご感想もぜひお願いします。反応を見ながら書いていますし、作品作りの観点から、いろいろ参考にさせていただいています。WEB拍手だけだと、上手くいっているのかわからないものでして。些細なことでも歓迎です。
追伸 第五章に告知すると思いますが、皆さんのお力をお借りしたいことが発生します。作者はすでにその案のために四枚ほどのプロットルを破り捨てています(汗)
2009年2月5日──涼──
新章突入にあたり、誤字修正、一部文の追記をしました。
2009年5月1日──涼──
エリナ&アカツキの挿絵を修正
2010年3月7日──涼──
挿絵がなかったw でもうpはやめました。一部、文を見直してあります。
2012年10月2日 ──涼──
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メッセージ返信コーナー◎◎◎◎◎◎◎◎◎
涼です。前回もメッセをいただきました。応援のメッセージがあると作者もノリが違います。
以下、メッセージの返信とさせていただきます。
◆◆2009年1月22日◆◆
◇◇18時30分◇◇
GJ! 黒狐も動いているようだし… 技術格差も把握したようだし、これまで以上にナデシコ勢は情報収集が欠かせなくなりますね
>>>GJ!と書いていただけるとは、黒狐も尻尾を振って喜んでいるかもしれませんw前回の話で、3勢力があらかたナデシコの存在を感じることになりました。積極的に前に進もうとしだしたナデシコにとって情報収集は欠かせませんね。技術格差を把握した場合、その格差をいかに縮めることができるか、ウリバタケの手腕に期待したいところです。
◆◆2009年1月23日◆◆
◇◇16時43分◇◇
あのー、4章はあとどの位で終わるのでしょうか? いや、私はこういう章区切りの話は章が完結してから読んでいるので。四章読めるのは何時だろうか
>>>なるほど(^^ それは申し訳ありません。えーと、後編は四話を予定です(orz どうでしょう、2008年分にあたる「前編」だけ読むというのは? 銀英伝本編の内容も濃いので、ちと長くなりそうなんですよ(謝)
◆◆2009年1月24日◆◆
◇◇13時08分◇◇
ユリカが権力を欲するとは意識の大転換ですね。続きが楽しみです。
>>>やっぱり、アスターテほどの事件がなければ、なかなかそこまで思いつめないでしょうからね。ユリカやルリたちの意識の変化が今後どういう形で物語を動かすのか、その辺りが大きな岐路になると思います。当然、アキトの意識変化も重大です。
戦うことは命を奪うこと、その矛盾に彼はどういった決着をつけるのでしょうか?
以上です。今回もご意見、ご感想がありましたら、ぜひお願いします。
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メッセージ返信コーナー◎◎◎◎◎◎◎◎◎
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