かくかくしかじかで今ネルガル本社に向かっています。
ブリッジでのことはわざとですよ?もともとネルガル本社に行く予定でした。
・・・何か文句がありようですね。まぁ良いですけど・・・。
はぁ、今頃ナデシコの皆さんは大騒ぎしてるんでしょうけど、私は今からアカツキさんとの駆け引きですか・・・。
まぁ相手は落ち目さんだから大丈夫ですね。《あの事》もありますし。
機動戦艦ナデシコ
〜光明は遠い世界から〜
第2話 裏取引?
「アポイントメントをお取りでない方をお通しするわけにはまいりません。お引取りください。」
受け付け嬢にアカツキに会わせて欲しいと伝えたルリだが門前払いされてしまった。
『おかしいですね・・・。連絡は入れておいたのに・・・。まぁアカツキさんが私に会わないほうが良いと判断したのでしょう。』
「仕方ありませんね。」
ルリは何かを決意したようにコミニケを取り出した。
「キサラギ大佐!コミニケに通信が入っております。」
「今作業中だ!切っておけ!」
宇宙軍本部の一室でキサラギは数名の部下を連れて作業に没頭中であった。作業といっても《ある人物》の画像のデータを整理しているだけなのだが。
「は!しかしお相手はあの電子の妖精からですがよろしいのですか?」
「!それを早く言え!!」
キサラギは電子の妖精という単語を聞くと目にも止まらぬ速さで反応しコミニケを開いた。
「こちら連合宇宙軍少佐ホシノルリです。キサラギ大佐、お願・・・なんですかそれは(怒)」
キサラギの後ろに映ったPCにはナデシコAでの明日の艦長は君だコンテストでのルリの水着姿の画像が映っていた。
「え?あ、いや、これは、その、ウリバタケ会長から頂いた特別特典画像でありま・・・は!いや今見たこと聞いたことは忘れてください。」
これを聞いたルリはひしひしと怒りを感じるオーラを出しながらキサラギに笑いかけた。
「分かりました(怒)。しかし私だけが忘れるのでは不公平なのでそのPCにも忘れてもらいましょう。」
そう言うとルリはルリのコミニケに付いている他のコミニケにはないスイッチを押した。(もちろん色は赤くドクロマーク)
「え?あぁーーーーっっ、データがぁぁーーー!」
突然、キサラギのPCがハッキングされ初期化した。もちろん犯人はルリとオモイカネである。
「それではキサラギ大佐、約束は覚えてますよね?」
「ホシノ少佐・・・このPCには軍務に関するデータも入っていたのですが・・・。」
「責任は全てキサラギ大佐にあります。失われたデータは自分で取り戻すなり作り直すなりしてください。」
「そ、そんな・・・。」
キサラギは床に手をついて絶望のそこに落ちていった。(主な原因はルリの画像)。実はPCを初期化する前にデータをコピーしてオモイカネに移していたがそ
れがキサラギに返されることはなかった。
「そんなことより約束を覚えてますか?」
「え、あ、もちろんですとも!電子の妖精ファンクラブをホシノ少佐公認にしていただく代わりにホシノ少佐からの要請は可能な限り全面協力する、というもの
です!しかしホシノ少佐がファンクラブを公認してくださるとは、未だにうれしい限りです!」
ルリの呼びかけで何とか絶望から這い上がってきたキサラギは興奮気味に答えた。
「・・・いえ、ギブアンドテイクですから(赤)」
「それで何かお困りなことでもおありですか?」
「はい、すみませんが軍用ヘリコプター1機とマシンガン、あ、沢山連射できる銃機器なら何でもかまいません。それと腕のいい狙撃手を1人お願いします。」
「了解しました。それではどこへお迎えに参りましょうか?」
キサラギはあえて何に使うかは聞かなかった。・・・前に深入りしてひどい目にあったからだ。
「いえ、私が宇宙軍本部へ行きます。それまでに、後20分ほどで準備を済ませておいてください。」
「了解しました!それではお気をつけて。」
「はい、それでは。」
ルリはそういってコミニケを切るとネルガル本社まで来た車に乗り込んだ。
「ふ、ふ、ふ、アカツキさん素直に会わなかったことを後悔しますよ・・・。」
「本当にそんなことをするのですか?下手したらこのヘリ落とされますよ?」
宇宙軍本部からヘリコプターに乗り込んだルリは今回の作戦を操縦士と狙撃手に伝えた。しかしその2人はまだルリの作戦に反対のようだ。
「問題ありません。相手はネルガルですから作戦通りにやれば大丈夫です。」
「知りませんよ、本当に・・・。」
そうこうしている内にネルガル本社ビルに近づいていた。
「作戦開始!目標は会長室です。」
所変わってネルガル本社会長室。
ダダダダダダ!
「何事です会長!今の銃声は!」
突然の銃声に会長室の警備に当たっていたSSが慌てて会長室に入っていた。(もともとは出入り口にいた)
「何でもない。下がって良いよ。」
「しかし!」
「何かしたほうが危険なんだ!ネルガルの存亡に関わる。下がってくれ!」
「は!」
アカツキの剣幕に警備のSSはもとの配置に戻った。
「素直に入れなかったのは失敗だったようだね・・・。」
アカツキは彼にそう思わせた強化ガラスを見た。そこには・・・
今からまた伺います。
今度通さなかったら《あの事》を・・・わかってますね?
ホシノルリ
マシンガンの銃弾の跡で書かれたルリの短い言葉がアカツキにかなりの重圧をかけていた。
20分ほどしてまたネルガル本社に来たルリは今度はすんなり会長室に通された。
「いや〜、ゴメンねルリ君。受け付け嬢に連絡が行ってなかったみたいで。」
「見えすいた嘘はやめてください。もう少しであの事をネット上にばら撒くところでした。
アカツキはルリの言葉で背筋が凍るのを感じた。
「そ、そう言わないでくれよ。君の要求は出来るだけ呑むから・・・。で、要求はなんだい?」
「聞かなくてもわかると思いますが、アキトさんの居場所と今後の行動予定です。もちろん知ってますよね?」
「・・・何のことだい?」
「・・・。」
アカツキの言葉にルリは無言でアカツキを睨んでいる。
「・・・。」
「・・・。」カタ。
沈黙の中ルリが痺れを切らして例のコミニケのスイッチに手を伸ばそうとすると、アカツキはディスクらしきものをわざとらしく床に落とした。そして、そのあ
と向きを変え、窓から外を見る。もっとも銃弾の跡で外はほとんど見えないが・・・。
「・・・。」
「拾わないのかい?」
「言い方が違いますよ?」
「・・・拾ってください(涙)」
「分かりました♪」
ルリはその落ちているディスクを拾った。そこには《テンカワアキトの行動予定及びユーチャリスのハッキングブロックに関するデータ》と書かれていた。
「あれ、ルリ君今、何か拾ったかい?(棒読み)」
「いえ、気のせいでしょう。(棒読み)」
先ほどまでとは違う沈黙が会長室に流れた。
「・・・アカツキさん、実はもう1つお願いがあります。」
「なんだい?」
「ナデシコCの出航までの間ツキオミさんを貸してください。」
「・・・まず理由を聞こうか?」
先ほどまでのおちゃらけていたアカツキの顔が真剣なものに変わる。
「理由は・・・秘密です。ただ戦闘は無いとだけはいえます。」
「ツキオミ君が必要なのに戦闘はない?・・・妙だけど僕が気にしてたのはそこだし、まぁいっか。でもしばらく彼がSSの任務から抜けるとなるとネルガルに
とって大きな痛手なんだよね・・・。何か見返りが必要だと思わないかい?」
これを聞くとルリは先ほど拾ったものとは違うディスクを取り出した。
「この中にはこの前に断ったプロジェクト《アルバム、電子の妖精‐ホシノルリ》の完成品のデータが入っています。オモイカネと一緒に作ったのですぐに商品
化できるでしょう。これが見返り、というのはどうでしょう?」
「へ?つまり、くれるの?」
突然のことにアカツキはつい間の抜けた声で答えた。
「もちろんそうです。もともとはアキトさんに関しての情報をくれたらお礼であげようと思ってたんですが、門前払いされたんであげるのをやめたんです。しか
しこんなところで役に立つとは、作っておいて正解だったようですね。」
これを聞くとアカツキの顔色がまた変わった。
「いや〜、これが貰えるなら1年でも2年でも、いや一生でも好きなだけこき使っていいよ。」
「いえ、出航まで死ぬほどこき使いますのでそれまでで良いですよ。またたまに借りるかもこしれませんが。」
この場にツキオミの人権はまったくなかった。
「それでは明日の朝6時にこのネルガル本社の前に置いといてください。」
「了解、置いとくよ。」
・・・すでに人間として扱われてすらなかったようだ。
「では今回の作戦を説明します。まず2週間後に出航、すぐにイネスさんのナビゲートによるボゾンジャンプで目的地点に移動します。ちなみにイネスさんの手
配は済ませてあります。そこからステルス運航テストのためにジャンプしてくるユーチャリスがジャンプアウトしたらすぐにハッキングを開始、その後ブラック
サレナでアキトさんが出てきたらユーチャリスをネタに脅してラピスさんと一緒にアキトさんをナデシコCに収容します。それとアカツキさんには悪いですが
ユーチャリスとブラックサレナはその場で破壊します。そしてアキトさんは死んだことにして新しい戸籍を作れば完璧です。・・・って皆さん聞いてます
か!?」
「うふふ、聞いてるわよぅルリルリィ〜。つまりルリルリが愛しのアキト君をゲットする作戦なのね〜。ルリルリも隅に置けないんだからぁ!」
「駄目ですね。完全に酔ってます・・・。」
ミナトだけではなくほとんどのクルーがかなりの量を飲んだようだ。新入りの3人なんか意識があるかどうかも怪しい。
「まったく13歳の子供を泥酔させるなんて・・・、下手したら死にますよ。」
そう思っても医務室に連れて行かないルリもルリだと思うが・・・。
「艦長!僕は飲みませんでした!」
・・・実はただ忘れられて誰もかまわなかっただけだった。
「そうですか。ではさっきの話は聞いていましたね?あとで皆さんに伝えておいてください。」
しかしハーリーは反論した。
「待ってください!わざわざA級ジャンパーの人を呼ばなくても今から出航したら間に合うはずです。なぜボソンジャンプで行く必要があるんですか?」
「私のほうで今回の作戦でどうしても必要な事があるので時間が必要になりました。そのための2週間です。それに・・・この状態で行けると思いますか?」
ルリは周りでごろごろしているクルーを見た。
「だったら僕も艦長の手伝いをします!」
「ハーリー君には無理です。というより意味がありません。」
「そ、そんな〜。」
「ハーリー君には私が留守の間、艦内のことをお願いしますね。」
「え、あ、はい!任せてください!艦内ならいつもあらゆるところを見張ってますから!」
ハーリーはルリの言葉ですぐに復活して答えた。
「・・・女風呂や私の部屋もですか?」
「もちろんです!特に艦長の部屋は重点的に見て、い、ま・・・は!」
ルリは冗談のつもりだったがハーリーはつい本当の事を言ってしまった。
「ハーリー君(怒)」
「は、はい!」
「おしおき追加です。」
「うわあぁぁーーーーんっ!!助けてぇ!!」
ハーリーはかの有名なハーリーダッシュを発動したが突然扉が閉まりその扉にぶつかって気を失った。その後、近くで酔いつぶれて転がっているサブロウタと一
緒にハーリーを縛ると・・・
「後はウリバタケさんですね・・・。」
この後の惨劇は描写するに耐えかねるのでご想像にお任せします(笑)
後書き
RYU こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。・・・ではそういうことで・・・。
ルリ 待ちなさい!逃がしませんよ(怒)!
RYU やあ、ご、ご機嫌いかが・・・(汗)
ルリ 最低です!何ですかこの私の壊れ方は!!場合によって
は死刑ではすみませんよ!
RYU (死刑で済まなかったらどうなるんだろう?)ま、まぁ理由って行っても・・・。しいて言えばのりかな?
ルリ ・・・のりでこの私の清楚で、優美で、壮麗な私のイ
メージを壊したんですか(憤怒)!!
RYU (自分で言っちゃ駄目でしょう・・・)
ルリ しかも今また失礼なこと考えましたね!
RYU な、なぜそれを・・・。
ルリ やはりそうでしたか・・・。
RYU か、かまかけたのかよ。
ルリ 私のストレス晴らさせてもらいます!!
RYU いやそんな物騒なものしまって。ってなんで長くなるの!!
ルリ ふ、ふ、ふ、これが《ディス丸》の真の力ですよ・・・
力が、力がみなぎってくる・・・ふ、ふ、ふ・・・
RYU やばい、目が完全にイってる・・・。
ルリ ふははは、死ねぇぇ!!!(一瞬で何かが蒸発する音)
RYU (こんなですが次もよろしくお願いします。)
後書き2
・・・完全にルリを壊してしまいました・・・。たぶんこれ以上壊れたルリが出てくる回はないと思うので許してください。それとここまで見るとまったく分か
りませんがこの話の主人公はアキトです。ルリではありません。(ルリはヒロインですが)
まぁそれは置いておいて、今回初めて(黒い鳩さん以外から)感想を頂きました!非常に嬉しいです!!元気が出たので書く速度が1.5倍(当社比)になりま
した。
ユリカはアキトが帰ってきたら復活します。こっちでもあんな感じになるはずですのでよろしくお願いします。たぶん2章からは(この話は2〜3章になる予定
です)活躍するのでそれまで待っててもらえるとありがたいです。
プロローグの件もとても参考になりました。ありがとうございます!
それでは次で会えることを願ってます。
感想
RYUさん読者様からの初感想を頂けたとの事、おめでとうございます!
私も初感想はうれしかったものです。とはいえ、私の最初の感想をくださった方はツッコミ専門でしたが(汗)
さて、今回はルリ嬢とアカツキの会話…に行くまでのコネタが面白いです♪
小さいネタでも3つ4つ連続でやるといいものですしね。
笑いのツボを上手くついてらっしゃると思いますよ!
でも、主人公がアキトだったとは驚きです!!
謎解きとか有りそうには感じていましたが、アキト視点が無いのでそうは考えていませんでした。
今後の展開にどきどきですね♪
今までの話を聞いていると第一話ま
でで私視点のお話が一度終了するという事でしょうか?
どうなんだろうね、一概にそうとも言い切れないと思うけど…
でも、主人公が第三話になっても出てこないというのは話を持たせるのが難しいのは事実だけどね。
はあそれはどうしてです?
語りをしているキャラ=主人公だと思ってほぼ間違いないから、視点を切り替えないでいると
そのキャラに感情移入してしまって語りが変わっても馴染めないということもあるからなんだけどね。
ああ、確かに…外伝っぽく見えてく
る可能性がるわけですね。
まあもっとも、このサイト自体がアキト至上主義の傾向があるから途中からでも主人公として直ぐ認識できると思うけどね。。
まあ、私の視点とアキトさんの視点
にはそれほど違いはありませんよ?
何故?
だって、両思いなんですから♪
ははは…まあ例え両思いでも、視点の差はでるって。
ないえ、私の考える事はアキトさんに伝わりますし、アキトさんの考えている事は良く分かります!
それ、結構怖いんですけど…(汗)
愛に不可能はありません!!
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
RYU
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