第4話『この世界のナニカと』
side〜???〜
「ちくしょ!!だから無理だったんだ!!」
愚痴を叫んでた。
BETAに迫られ仲間はどんどん減っていた。
(ふざけんな、援軍くるまで生き延びろ??
こんな戦力でできる訳無いだろ!!)
『た……すけてくれ!!』
(ほら今また…誰かの声がながれた。確かついこの間はいったばっかの新人の)
『うわぁぁぁぁ……ザッ!!ザザザザー…プツ』
サジタリウス42のマーカーが消えた。無線は多分それの音声の模様。
(残機何機だ?…くっそ!…15、いや14に減ったか…しかいねーじゃねーか)
俺はハイヴ間引き作戦のB‐1部隊にいた。
いたが…
「くそったれ!!」
(全滅だろ!!これは…)
いつのまにか、こっちの担当は俺の所属部隊とお隣りさんの部隊しかいない。
まだ補給物資のコンテナはあるものの、それを護らざるえなくなっている。
いや…護らないと弾切れですぐにやられる。
護っても数を減らされて…やられちまう。
逃げだそうにも辺りBETAだらけ、NOEで離脱しようにも…光線級がまだかたついてない。
引き際を間違えた隊長は…あの世に既にいってる。
『なぁ……タリス……どうすんだよこれ!!』
通信がながれた。
古参の外人衛士だ…確かやつは朝鮮半島撤退作戦をいき…
『おい!!俺ら……みすてら』
『ばかやろう!!CPが援軍いれるったろ!!』
通信が割り込んできた…がそのCP自体が反応しなくなってどの位たつのか…
現状いつかくる援軍がくるのを耐え忍ぶしかない…
弾薬はコンテナに沢山、元々1個連隊規模の補給用に用意されていたから…まだ沢山ある。
(何処で間違えたのだろう?)
いつもの間引き作戦だったはず。
だったはずで、いつものようにちょっかいをかけ、たはよいが…
予想を超えたBETAがでてきやがった。
本来司令部隊がいる場所は…既にBETAに占領されている。
俺らの部隊は、補給コンテナのある地点までは 撤退できた…できたが…現状に追い込まれていた。
そう…たどり着けた時には既に囲まれ手遅れだった。
何故?といいたい。
耐えきれなくなったのだろうか?
消えたマーカー、サジタリウス11が多分光線級に飛び上がった所をやられた。
爆発音が聞こえ衝撃波もきた。
後方をまもってたやつだ。
「くそ!!」
ますますBETAの圧力が強くなってくる。
またマーカーが一つ減る、そしてまた一つ
無線からは断末魔の声しか聞こえない…
さっき愚痴ってた僚機はとっくにいった模様だ。
「ダァ…… すまない…生まれてくる息子の顔 みれなかったな…」
俺は既にトリガーを引きながら生き残る事をあきらめていた…
すると…横からの衝撃があり、
機体がひしゃげ飛ばされたようだ…
身体がコクピットの構成している材質に圧迫された。
声はもうでない……
僚機はまだ何機かは、戦っているようだ……
網膜投影越しに、なにかがうつった。
(あ…れ は??)
が最後の い し き に…
side〜???end〜
カオルは急いでいた。
爆発音が聞こえた方向にむかって飛んでいた。
そうすると……
「げ……」
やつらだと思う。
かなり巨大なのが見えてきた。
(40m程か… 20m程もいるな…)
それも大量に。
爆発音はやつらの先の方向から聞こえたと思え、無視して飛びつづけようとすると…
ATフィールドの波紋が広がる。
やつらの集団の中から光線を撃ってきたからだ。
(光線うつやつがいるのか?)
最初は一発だったのが、今は何十発…
(音速突破で飛んでるのに正確に当てやがる…)
うざくなってきた…
爆発音がする方角から、黒煙がのぼっている それも十何本も…
(そろそろ何かが見えてきてもよいが)
「あれは?ロボット?!?!」
BETAとロボットとよばれたこの世界では戦術機と呼ばれる機体が戦っている。
人間はひ弱だ。僅かな衝撃で死んでしまう…
武器がなければBETAと到底戦えなかった。
カシュガルに落着してきた当初は武器や戦車や航空機やヘリ等を多用し、
BETAを圧倒して研究や資源搾取の対象にしていた。
だが光線級の出現により制空権が奪われ、
地上では火力援護がなくなり、速度に勝るBETAに蹂躙されるようになった。
そこで1974年かねてからFPの出力及び火力、防御力等増強を考えて設計されていた、
F-4ファントム、人型二足歩行戦術歩行戦闘機、通称戦術機が投入される。
戦車よりも機動力や速度が高く、戦闘機やヘリ等よりも低空や陸上で戦闘ができる。
また汎用性もある…
火力でや砲撃継続力では戦車等には負けるが、
小回りも利いて、戦闘機や爆撃機が使えなくなった今、
戦場にいち早く急行でき、歩兵より火力が高い。
またロケットや、ミサイル発射機としても最適であり、
発射した後は装備を投棄し地上戦闘へ移行できる。
囮での損耗率はあることながら、接敵されて撤退できなく全滅する陸上兵器に変わり、
対BETA戦の主役に踊りでる事になっていた。
その戦術機がBETAの大集団に囲まれていた…
カオルは救助した方が良さそうだと判断する。
BETAの攻撃で、またひとつ戦術機が見えなくなったからだ。
残り5体…いや4体…
「く、間に合うか??」
最大加速し戦術機に向かう。
(マニアワナカッタ……)
最後の一体と思われる戦術機が、目のまえで上半身と下半身が分断される。
下半身に20mクラスのBETAの前腕が当たると、
下半身が無理矢理潰され、その勢いでとれたといっていいだろう。
「く!!しょうがない!!」
戦術機の上半身を虚無空間にほうり込み、一目散にこの場を離脱した…
流石に…この巨大な集団あいてにやる気はおきない…
……
大分離れただろうか?
虚無空間からさっきの戦術機を引っ張りだしてみた。
(にしてもこのロボット…なんだろう?モビルスーツ??機械生命体??
モビルスーツならハッチがあるとおもうが)
機体を触って調べてみると…
(あ、あった!! ま、まさか人が?)
「ブレード!!」
シャムシエルの触手による高周波ブレードに右手を変化させた。
ハッチなら中に人がいる… その一心でなれない切断作業にはいる…
ブレードで切りすぎて、中にいる人を傷つけないように…四苦八苦していた。
(早く早く)
の心が焦りをよぶ…
が、深く入れすぎると殺す事になる…
から余計に焦りがでる。
かれこれ二分位たったろうか…
ハッチ部分がうまく切断でき、横から殴り飛ばす。
駆け上がり中を覗きこんだ…
(ひ、人がいる!!)
目をつむっているから気絶しているのだろう。
「大丈夫ですか?」
言葉が通じるかわからないが、声かけたが…反応なし。
(とりあえず横にしよう)
丁寧にわきに手をいれ…引き上げた…
上半身だけ…だ。
「ウゲェー」
カオルは気持ち悪さから吐きたかった。
人の死体みるのも初めてなのだ…
腸がでろんとたれ、血は流れきったあとだろうか……
「はぁはぁはぁ……」
なんとか落ち着いてきた。
……
戦術機をすこし調べると…分断されたときにひしゃげて、
パイロットの下半身が潰され…切断したのだろう。
(あ、水あるかな…?すみません探させて貰います)
内部を探し…真水パックを見つけ…ありがたくいただく。
(状況を少し整理しよう…
まずはモビルスーツらしきものと、やつらは戦っていた。
人は全滅はしてなさそう…いや、やつらの方が強そうにみえる…
とりあえず人がいるのは確定したから、このモビルスーツらしき物の軍隊を探さないと…
は……日本は?)
そう考え行動しはじめる。
先に死体を…上半身だがしらべ認識標らしいタグをみつけた。
かかれているのがわからない。
(ん?写真?)
この人と娘さんらしき、奥さんらしきの三人の写真だ…
(届けられれば良いな…)
タグとセットにして虚数空間内の小物いれ設定と認識した箇所にいれておいた。
パイルバンカーで穴を掘り、死体を埋め土を被せ、墓標…
戦術機の銃…およそ6mサイズだが機体の手から引っぺがして墓標にたてた。
そこまで作業し、お祈りしたあと…
「シャムシエル!!」
一路東へと飛んでいく…
……
飛びながら先程の初めてであった異形について考え始める。
(えっとまず20mサイズのだな…)
この世界で要撃級と呼ばれるBETAである。
(さそりの様な形だったな…)
さそりとは違うのが四脚、両腕が挟みでなく硬い甲羅に覆われていて、
殴る行為に適した尖ったナックルガードと思っていいだろう。
尾っぽにあたる部分には針ではなく、
開いた食いしばった歯と口に見える感覚器がある。
(後は大きい40m位のサイズだったよな…)
この世界で要塞級というBETAである。
数的には少ないが襲っていた集団の中に含まれていた。
40mとカオルは誤認して、全長52m、高さ66mと戦術機よりはるかにでかい。
10本の硬い脚でその巨体をささえていて、
尾っぽと呼べるのが身体の下、脚で支えている空間に来ている。
尾っぽの先は尖っていた。
(あとは光線をはっするやつだよな)
この世界で光線級と呼ばれるBETAである。
(小さかったけど光線を放つとはなぁ…)
二つ目の体長約3m程、二本の脚で身体を支えていて、
身体の殆どを発生器官と探知器官で占めている。
二つ目から光線を発している。
(で…それらと戦っていたモビルスーツだよな…)
要撃級に一撃で分断された戦術機、この世界でF-16と呼ばれる機体、
大東亜連合所属機だ。
(スマートすぎてきしゃだなぁ…)
大気圏内機動性能をあげる作りであったが、
それを知らないカオルにとっては柔い印象を与えていた。
……
(え〜と……どこだ……orz)
とりあえず海岸についたが… 正直自信がない…
そう迷子である…
(こんなことなら世界地理もっとやっとくべきだった…)
いや世界地理だけでないだろう、
エスカレーター式の三流学校で最低限赤点をとらなきゃいいやで、
中高時代は昼寝ですごし、今年そのまま大学に入る予定だった…
(確か…まっすぐ…東目指したから中国だろ?
で、朝鮮半島から渡る予定だったけど…)
何しろ人がいない、都市がないのである。海岸線までくると廃墟はみうけられるが…
(たしか北京の下に南京があってで更に南にベトナムだっけ?
北京の上に上海で、上海から右側が朝鮮半島だよな??)
ツッコミありがとうレベル。
人がいてもカオルに現地の言葉が話せないわけだが…
廃墟があったが…看板すらみうけられない。
(ん〜海岸沿いにとりあえず北?で釜山から南東目指せば日本だろうし…)
カオルは正確をひきあてた。
(あっれ〜でも南かなぁ?)
なぜか不正解を…ロシアでないのに…
(ん〜とりあえず北??いくか)
海岸沿いを北へ飛び始める。
(しかし…この世界の地形もやつらがやったのかな…
邪魔な起伏や建造物は削って…
まだいった事のないチベットやらも多分がりがり削られて…
平野や丘ばかりでほんと… 迷うよ…
しかし……本場の、中華料理…たべたかったのに…
たべれなかったか…)
かなり落ち込みながら北上。
… そのまま海岸沿いに北上してると右手に段々曲がりはじめ川の干上がった跡があり…
海岸線が南東方向に向き始める。
(ん…朝鮮半島かな? このまま進めば韓国で…突き当たり左で釜山だよな?
あとちょいで日本だけど……まさかだよね?
でもあの人東洋系だから…どっかの国は絶対残っている筈だし…)
考えながら朝鮮半島を南下する…
そして突き当たりとみられる海岸沿いから西進…
釜山と思えるあたりに到達した。
(ん〜ここ釜山かな??)
若干廃墟が残っている状態である。
(若干疲れたけとあと少しで日本だな…)
東洋系と遭遇した後、不眠不休で飛んできたので、若干疲労感が出ていた。
が、今は夕闇に包まれて、
陸地も目標となる太陽もでてないので迷う恐れもある。
星も曇り空では参考にできない。
(半島の角だから…とりあえず南東にいけば日本なんだよな?
多分こっちだけど…朝日がでるまでまつか…
やすめそうな場所探すかなぁ…)
と探査すると…
「あ……」
戦術機の残骸がみえる。
撃沈して少したつのだろうか?
所々塗装がはげかかっている。
角張った重厚そうな、鎧武者と表現したらよいだろうか…
(そういえば……
まだこの世界のモビルスーツ調べてなかったよなぁ…死体なきゃ良いけど…)
コクピット部分が見当たらない。
(… ん?と あ〜足が潰れて機動できなくなって脱出したのかな??
コクピットごと脱出するシステムなのか…)
側にでっかいビルが倒壊した跡がみえる。
辛うじて避けたは良いが…なのだろう。
(うっし、調査調査)
付近に死体がなく、落ち着いて調べるのは始めてでありカオルは喜び気味に調べ始める。
「イロウル」
まずはハッキングだが…cpuが見当たらない…
(コクピット部分に搭載されてたか…
さっきのモビルスーツと違うな)
先程の戦術機との比較をし始める。
角ばった重厚そうな装甲圧ありそうなつくり。
(最新型かな?
先程のきしゃな機体と違い、
これなら一撃で分断とかなさそうだな…
この機体を復旧すればあいつらと戦えそうかな?)
小型クラスならまだ大きさ的にカオル生身でも勝てる。
だがその上の20mサイズだと大きさ的に勝てるか自信がない…
(うっしじゃあ…同化改造ためしてみるか)
「バルディエル!!」
機体に浸蝕し始める。
(へえ日本帝国、撃震つうんか)
動力部に刻まれており、日本の名前及び機体名がわかる。
まずCPUと直結してそうな駆動部分及び、動力部を変化させ、
生体駆動+S2機関をいれた。そうミニエヴァ外見撃震仕様である。
コクピット部分は正直迷ったが、LCLを作れないから、エヴァ仕様にはできないので手をつけれない…
ここは現物まちかな?と思い…改造は後ほど…
足の部分はまだ生えさせないのでこれも後ほど…
外装は塗装がはげかかっていたので変化させ、
とりあえずカラーリングを赤にした。
(武装か…ん〜長刀みたいなのしかないなぁ…
しかも刃がすこしかけぎみ??これは変えなきゃ)
が…知識がないのに気がつき……
とりあえず修復のみにとどまった。
(材質強化でも良いんだけどビームアックスなど欲しいよなぁ……あと弄れそうなのは…?)
「ふう…とりあえずここまでかな?」
で虚数空間のお気に入りに持ち込んだ。
その後…
(他にもないかなぁ〜)
と捜索し始めた…
……
気がついたら…夕方だった為かなり焦りながら、
方角確かめて日本を目指したのはいうまでもないことである。
時間をわすれていたようだった。
後書き
H24年4月8日改稿
案外改稿部分がすくなかったような…
ちなみにモビルスーツと本文いっぱいつかってますが、
ガンダム世界ではありません!!
マブラヴです。戦術機です。
カオルは人が乗っている機体をモビルスーツと認識しがちです。
何故パーソナルトルーパーと認識してくれないのやら…
12月再改稿
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m