第9話『副司令と対談後…』
横浜白陵基地…国連軍が旧横浜ハイヴ跡地に建設した、
対BETA戦における国連太平洋方面総軍の数ある基地の一つであった。
国連軍が常設基地を持つ?アメリカ軍は?の疑問があるだろう。
この世界では79年のバンクーバー協定以来、国連軍として結成された。
今では自国で軍隊を保持する事が難しくなった国軍が、
次々と国連軍の傘下となり、
今では300万の兵力を有する常備軍となって、
対BETA戦線において重要な役割を果たす事になる。
6方面軍の37軍にわかれている。
横浜白陵基地は11軍所属だ。
京都防衛戦以後、アメリカ合衆国は日米安保条約を一方的に破棄し同盟関係を解消、在日米軍を引き上げた。
その後釜にBETA戦前線国家となる日本帝国が国連軍に用地等を提供し、各常設基地に国連軍が駐屯の形になる。
また横浜白陵基地は人類が唯一攻略できたハイヴ跡地に作られた研究施設兼基地であった。
なので…地上からみた外見上は校舎ぽい建物に、
巨大なパラポラが目立つチグハグさが見受けられる基地となっている。
場所は横浜と何度もでているのがわかると思うが、
神奈川県横浜市に建てられている。
基地内にはカオルとピアティフ中尉が並んで歩いていた。
個室の場所及びPX=食堂兼売店や格納庫や、A-01の待機室に案内するという事であり、
「え〜とピアティフ中尉?で良いんすよね?」
「ええ、その通りです」
「中尉は博士の何?というかこの基地での役割は?」
「わたしは香月副司令の秘書官をつとめています、また当基地の通信士官です」
「パイロットではないの?」
「パイロット?」
「え〜と…戦術機にのっている」
「ああ、衛士の事ですね」
戦術機をかるものは衛士と呼ばれる。
厳しい訓練及び試験や適性等をへてなれる兵種であり、
リアルでは戦闘機パイロット…ほぼイーグルファイターに等しい。
本来であれば先のA-01所属の17歳の女子が衛士になれるなどの機会はない。
だが、戦死者多数で人材不足に陥ってる為でもあった。
そして乗って戦場にでる資格そのものともいえ、
「わたしは適性で落とされたので衛士ではないです。軍務官です」
「狭い門なのか…あ、香月副司令がみつらなかったら中尉をさがせばいいの?」
「そうですね。けど大体はあの執務室に居るはずです」
「ん。わかった」
「ところで少佐お伺いしてよろしいですか?」
「どうぞ〜」
「少佐は…衛士なのですか?それとも技術士官です?」
「あ〜……そこんとこ聞いてなかったなぁ…まぁ多分副司令から聞くと思うけど、
異世界人だからあんまりここの事わかっちゃないから」
「はい?」
「あ、こういった力もってんのパイル」
(定番化だな…これ)
「え〜とわかりました…」
頭おさえてる…
「まぁ…だから突っ込まれてもボロがでちゃうから…フォローよろしくね」
「はい、わかりました……ところで異世界というと?」
「ん〜俺が元いた世界は、BETAがいない世界だったね〜」
カオルがいた世界はほぼ現実世界でBETAとい
うのは居ない。
だがこの世界ではBETAが人類を脅かしていて生存競争を強いられている。
人類に敵対的な地球外起源種と呼ばれる生命体BETA、
地球に侵攻され約30年、人類は約10億人にまで減り、
98年には朝鮮半島から人類は追い出され、
人類の勢力圏でユーラシア大陸はシベリア、マレー半島を残すのみとなった。
日本帝国においても関東―新潟ライン以西には人々は住めずに、
東北、千葉県茨城県等の避難所に住んでいる状態である。
人類がここまで衰退した原因の一つに光線級と重光線級の存在があり、
名前の通り光線を放つ種族で、その光線は全てを貫き破壊する。
その脅威の能力は地平線上に視認できる範囲の物全てを補足し、補足範囲は大気圏内にあればほぼ無限大。
射程は光線級で有効効果射程30kmとジェットエンジンで大気圏内飛ぶもの全てを射程にいれられる。
ジェットエンジンの限界高度はおよそ27km、それ以上はロケットエンジンの世界だ。
その光線の威力は数百Kwクラスの出力があり航空機にとっては脅威で当たれば爆散、良くて大破墜落…
光の速さにより視認してかわす事は不能。
つまり視認する前に回避行動を行っていなければならず、
揚力により浮かぶ力をえる航空機にとっては事実上攻撃行動にすらうつれなく、
狙いをさだめる直線的行動に移った時点でボン!ということである。
更に重光線級は出力が上でMwクラス、大気による減衰を期待する事が無駄であり、
その射程も100km以上、更に防御力的に硬い。
光線属種に共通で味方誤射をけしてしなく正確である。
この二種類のBETAにより、人類は地上戦を余儀なくされ、
また砲撃戦を仕掛けても全ての砲弾、全てのミサイル等が撃墜される事となる。
最大の脅威に対して人類は研究中であった戦術機を投入し、またALM弾、重金属雲による光線阻害による無効化等を行ってきた。
空飛ぶ二足歩行兵器である戦術機。
攻撃に使えなくなった航空機、ヘリに変わり、様々な用途に多様される事になるが…
物量でせめてくるBETAに対して苦労して育てた衛士が8分持たずに消え、
人類はズルズルと消耗戦に引きずられる事になる…
日本帝国の現状に戻るが…
佐渡島、横浜にハイヴが98年に作られ、
99年に明星作戦で横浜ハイヴをG弾という新機軸的な爆弾投入して奪還するも、
横浜周辺は副作用の重力偏差に悩まされる事となる。
その為基地周辺は今だ廃墟のまま、
A-01とあった新潟から横浜までの道程も群馬県西側、東京の西側を通ったおかげか、
廃墟や更地がおおかった状態であった。
ようは死亡フラグ満載の世界であるわけで、
力があるカオルに隊長達が目をつけ副司令に説明したというわけであった。
そして日本帝国。
現在、元天皇の皇帝陛下がいて、
皇帝を日本帝国の元首とし、
皇帝より任命された政威大将軍が政務と軍の指揮権を委譲されるという形をとっている。
その下に内閣と帝国総理大臣が補佐役としている制度をとっている日本帝国であった。
この様な経緯は明治維新近くまではにたような流れであったが、公武合体に成功した為で、
その後明治維新を行い先進国入り、
第二次大戦で駆軸側に参加し44年に敗戦の早期講和、
その結果原爆はおとされず、
ソ連による侵攻もなかった為南樺太や千島列島、南洋諸島も残っている。
大政奉還後も首都は京都。
その後アメリカ側傘下同盟国として98年近くまで過ごしていた形であった。
公武合体を行ってからは京都が首都であったが、
京都陥落したため東京に遷都、帝都と名前を変える。
横浜にハイヴが出来きたあたりでは仙台を第二帝都と改名し一時的に首都になるが、
現在は帝都=東京に戻ってきている。
軍の話になるが解散せずに残った状態であり、
リアルの旧軍と違って軍人至上主義には捕らわれず、
武人の義がうまく受け継がれたからかもしれないがうまくいってるともいえる。
現在日本帝国軍の他に斯衛軍、軍備をもった皇宮警察に相当するが…も存在している。
「BETAがいない世界ですか…素晴らしいですね」
「が人間同士でやっぱり争っていて、俺がその世界からいなくなる前には、
韓国と北朝鮮が挑発行為でやばい事にもなってたし、
後はいろいろ紛争や、内戦等ぼちぼちね」
リアル2010年秋頃の話だ。
「はぁ…」
「うんでもまぁ日本…あ、ここでは日本帝国ていってるのか、元の世界の日本は比較的平和だったね〜
人一人が殺されればすぐに全国ニュースになるし、まぁ人身自殺、
ん〜列車に飛び込んで自殺するのは、ほぼ毎日あったけどね…」
「BETAが居ない分、別の問題があるんですね…
けど…こちらの世界より希望があるはずですよ…
あ、着きました。こちらが、少佐の個室になります」
中尉は部屋の表札にネームプレートをさしながら説明してくれた。
「どれどれ…?」
部屋の中は機能的にデスク、ベッド、クローゼット、シャワー室+洗面台+トイレ等でまとめられている。
(成る程…一般的な士官室なのかな?)
「次にA-01の待機室まわってから、格納庫によります」
「ん」
「ところで少佐、先程の力以外にも?」
「ああ、光線うったりとか、取り付いて改造したりとか、コンピュータ取り付いてハッキングしたりとか、後はそうだなぁ」
「も…もういいです…なんでも有りなんですね…」
「なんでも…ではないけどね、戦闘ではBETAに負けないつもりだよ」
最初の頃とは大違いな自信をつけたようだ。
「はぁ…」
「まぁ最初にこの世界に来た時にはいろいろ苦労したけど…ね…あ、そうだ」
虚数空間からドックタグを出す。
「これは…大東亜連合のドックタグですね」
大東亜連合…
東南アジア諸国が国連軍への扱い等の不信感から、
国連軍に参加せずに独自に軍事同盟を作り上げ、
その後国家共同体化した。
他にもリアルと違うところが中東国家の宗教間の対立どころでなくなって、
共闘しはじめた中東連合。
中国失陥しかけ、台湾から手助けを差し延べて共闘しはじめた統一中華戦線。
また社会主義がペレストロイカによる崩壊せずに、
東西冷戦どころでなくアメリカと手を結びアラスカを借りて、
本土機能を移転したソ連…
等様々な点がリアルと違っていた。
「その関係者の方に連絡をとってもらいたいんだ」
「わかりましたが…」
「まぁこっちくる途中に死体から、家族と思える写真を回収してね…まぁ最後はみれなかったが、渡してほしいんだ」
写真も渡す。
「あ…はい…わかりました、善処します」
「よろしくね」
「ところで少佐…何処からこれをだしたんです?」
「あ、これも異能力だからあんまり気にしないでね…
壊れた戦術機も入ってるから」
「はぁ…わかりました…あ、こちらが待機室になります…」
今は誰も居ない…
「では格納庫に案内します、最後にPXですね」
「この世界に来てからの始めてのまともな食事だから楽しみ〜」
「はい!?」
「あ、こっち来てからはレーションのみだったからさ…やっとまともな食事にありつけるわけさ」
「はぁ……」
かなり頭おさえこんでグリグリしてる…
「まぁそこら辺はおいといて…格納庫でしょ?」
「あ、はい こちらになります」
== 格納庫 ==
整備士の方々が忙しそうに作業している……
(声かけたら今はまずそうだな…)
「ん、じゃあお腹すいたらかPXお願い」
「わかりました、こちらになります」
(個人情報聞こうとしたらはぐらかされたよ…ママン)
「こちらがPXになります。食事の仕方はこちらにならんで最後にIDカードで、会計をして下さい。
今日はゲスト用のIDカードをお渡しいたします」
「ん」
「では、わたしは別の仕事がありますので、これにて失礼いたします」
「ありがと〜」
(さってと、飯だ飯。メニューはっと… ん〜… 合成??……まぁいいか)
「すんませ〜ん」
「あいよー、おや、みかけない顔だね〜お客さんかい?」
「あ、俺は今日から厄介になる渚カオル少佐といいます。
ひとつよろしくお願いします」
「ほぅ〜若いのに少佐さんなのかい
あ、わたしゃこの食堂をあずかる京塚 志津江っていうんだい。
戦時なんたら法で臨時曹長をもらってるけどね」
「志津江さんですね…よろしくお願いします」
「…若いのに礼儀ただしいね〜
気に入ったよ、何頼むんだい?サービスしとくよ!」
「お言葉に甘えさせてもらいます とじゃあ…合成トンカツ定食で」
「あいよー、今作るから先の方でまっててな」
まっている間あたりを見渡す… 遅いからか、あんまり人が居ない…
「あいよ〜おまちどうさん」
「ありがとうこざいます」
で会計し、席につく。
「いっただきます」
(ん……何か違和感が……これが合成なのか、
ご飯の方もそうだなぁ…
味つけは良いけど…素材で…少し残念)
合成食品…
この基地て提供している食料はすべて魚を加工した食品である。
お米もトンカツも蕎麦も珈琲も全てであり、
天然物は日本帝国国内では死滅している話であった。
そして魚介類も天然のままでは危険で加工しなければならないとの話であった。
危険なのは重金属雲の使いすぎの為でもあるが…
致し方ないだろう。
そして加工された鯖等は素材的にもどきであり、味もそっけない。
だがエネルギー変換率は高く、軍用に利用されてる合成食品は糞としてでなくなり、
戦闘中に下痢等の心配がなくなるとの事であった…
「ごちそうさま〜」
部屋にもどって始めてのベッドで…
……
その頃A-01の機体格納庫では…
戦術機はBETAとの一戦闘毎に機体にこびりついたBETAの体液等を洗浄し、
さらに装甲内部に浸透した体液を徹底的に洗浄しなければならない。
さもないと…腐食して強度がおちたり、
体液が固まったまま錆び付き…稼動効率がおちたり、
また体液は人の皮膚を侵す為でもあり、整備士達の安全環境面でも必須な事である。
戦場から帰ってきたA-01の機体の装甲表面の洗浄が終わり、
内部洗浄の為に装甲を外しにかかって…
「な、な、なんじゃこりゃ〜〜〜!!!」
「何があった!?」
チーフだろう年期はいった整備士が来て、年若い整備士に声かけた。
「チーフ!見てくださいよ!」
装甲を外して見えているのは…
「生体組織?」
「ありえないっす。出撃前にきちんといつもの通りでしたから…」
「……わかった博士に報告しておく、8番機に関しては、封鎖処置だ」
「はい!!」
「あと代替機を大至急用意しろ!!いいか、今夜は徹夜だぞ!!」
修羅場と化した…
寸劇風後書き
作者「一応お知らせしておきます、
次の話が広がり過ぎてるので…遅れそうです」
石「なんでよ?」
作者「この次の次にカオルのあの力…の話をいれる予定でしたので、
次を一つの話にしようとしたら…はしょるか、長くなるか…どっちかになってしまいました……」
石「あたしの活躍部分いれるのよね?」
作者「…………」
石「登場は?」
作者…みている…「一応はね」
石「一応ってなによ!」
作者「ん〜その線の筋の話ではないし…この流れでいうと…」
石「あたしを活躍させないとおぐから不知火君借りて作者、撃っちゃうよ?」
作者「まぁ…考えとくよ
というわけで現時点で本当にどうするか悩んでます事をお知らせします…
分割しちゃうかな??」
平成24年7月10日改稿
12月再改稿
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