第16話『魔撃震』


2001年5月21日

== 副司令執務室 ==

「あちゃ〜あんだけいったのに…」
昨日、石橋が試乗した魔撃震の結果を聞いていた。

「あんたねぇ…どういった機体作ってるのよ…
しかも一週間入院ての話じゃない」

「一週間もですか…」

「あと、さらにもう一人も失神、こっちも二日間程入院、帰って来ないわ…」

「………」
「しかも、整備士の手におえない、生体駆動…不気味がってたわね」

「まぁ…でしょうね」
人間の筋肉にメスを入れるようなもんであり、耐性がないと無理であろう。
機械に慣れしんでたら尚更だ。

「使えるの?そんな危ない機体作って」

「使えると思いますよ。別世界の決戦兵器がモデルですし」

「決戦兵器?」

「ええ、人類の存亡をかけ、神の遣わした使徒と戦う為に、3機の決戦兵器に14歳の子供が乗って戦うという」

「…たった3機に14歳が??」

「適格者しか操縦できないから…が正しいでしょうね。で、世界でみても5機までしか同型機が建造されてなく、
暴走事故とかで、戦わずに損失等で、
厳密には3機しか稼働し戦いぬいてません」

「………」

「で、自分の能力はその使徒の方の力なんですけどね」

「あなたの力と戦った兵器ね…」

「本来ならLCLプラスエントリープラグ等で総合的にGをキャンセルするんすが…
なかったので戦術機コクピットをそのままになってますね」

「決戦兵器ねぇ…テストしてみる?BETA相手に…」

「はい?」

「実は、今日佐渡島ハイヴ間引き作戦が実施されてるけど、苦戦してるみたいなのよ…で要請が入ったわけ。
なので軽く戦闘に混ざる程度で良いからいってみる??」

「了解です」

「駄目そうだったら撤退でいいから、生きて帰る事を重点においてね。
あとA-01もー」
「あ、今回はA-01の方はご遠慮を…
自分一人だけのほうが逃げるなら逃げやすいですし…
あと、虚数空間に撃震もってくつもりなので、
移動手段は要らないです」

「……あなた一人で大丈夫なの?」

「……世界の命運をかけた異世界の決戦兵器の実力見てみたいと思いません??」

「…わかったわ…いってらっしゃい」

「あ、あとこちらを…」
金属板を机の上に…
「あら?軽いわね…」

「超合金Zです。研究対象にどうぞ。
ではいってきます」

……

佐渡島に向かっている。魔撃震の初デビューになるだろう。

撃震エヴァ仕様スペック 変更点
装甲 超合金Z
主機 S2機関
駆動 完全生体駆動

武装 高周波ブレード駆動時間未検証
専用バッテリーカートリッジ10個

M950汎用マシンガン 10マガジン装弾数120発計1200発分

予備 高周波ブレード1


間引き作戦とは、攻撃側人類が攻撃後補給等含めて5割以下の戦力に下がるにも関わらず、
ハイヴから溢れ出したBETAによる大規模侵攻を発生させないために必要な攻撃であるとの説明を聞いていた。

それおかしいんでないの?とも思う。
リアル世界での組織的抵抗できる判断基準が、
3割=全滅の基準、5割=壊滅、10割=文字通り玉砕復活困難って事になる。

何故なら、その後の兵力の回復が時間かかるからだ。

5割減少した状態から、その減少した5割を回復させるのにどれ程時間かかるのだろう?
回復させたにしろ、元の技量まで回復にどれくらい時間ついやせばよいのだろう?

兵站にしかりだ。

ある意味第二次大戦の旧大日本帝国軍と同じともいえた。
つまり大日本帝国軍=人類、
連合軍=BETA、
の敗戦図型がみえてくる。
その物量で攻められると崩壊するのが間違いないだろう。

そして予定数を削らないと、先日の防衛戦のようになるらしい。

本当BETAは嫌らしい。

BETA側をみてみると人間と違い投入速度が段違いである。
仮に1日1体が生産され戦場へ投入されると仮定しよう…
その時点で人間1人に対し、1:約6000。
BETAは生産されて直ぐに戦闘ができるが、
人間は16才場合によっては14才になるまで戦闘にでる事なく、
また訓練をうけて経験を学ばなければならない。
年月の差だ。それまではお荷物であり、1:6000の比率はそこで生まれてくる。

勿論人間一人でなく多数いて出産し兵士となるが、
リアル日本人口での出生率は8.05、
それをあてはめ世界規模で計算すると年間多少出生率を高く計算して約1000万人毎年生まれてる。
日に2万7千人程新たに生まれてくると01年は計算しても良いかもしれない。

対して25あるハイヴのBETA生産速度は1日1体とかでなくフェイズ規模、成長度合いだが、生産体数も増えてくる。
フェイズ4規模がほぼ平均的でありフェイズ4は日に約400、
日に約1万の兵士が生まれる。

比率的に1:2000になり、後は兵器等で比率を逆転していかないと人類側が減ってく一方である現状であった。


カオルが今から行こうとしているのが佐渡島ハイヴがフェイズ4の規模、
日に約400程生まれていく。

先程の上陸が約6000、残り約最低2万、欲をいえば3万を削らなければならない。

対岸からの遠距離砲撃を行ったものの、思うように削れてなく、
直接上陸し予定数を削る流れになっていた。

残り削減予定数数3200…

……
佐渡島近辺にくると、光線級の照射がきはじめる為海面スレスレの低空飛行へとうつる。
海しぶきがかかる。

海岸線が見えた、まだBETAは視界内に見えてない。
(うっし出すか)
虚数空間から撃震エヴァ仕様を引っ張りだし、
ハッチを開きコクピット内に…

「それじゃあ、いっちょやりますか!!」

……

3分後

(や、ヤバい…Gがキツすぎた…というか、なに?
こりゃあ、みんながみんな失神や病院送り当たりまえの欠陥機だろう。
というか、この世界のコクピットのGキャンセル能力のなさに絶望した)

「う、動かせないなぁ…まともに無理だ…」

要改修の結論。

「バルディエル!!」
(結局は同化するしかないんだよな…不用意に強化しないでおこう)

全身のチェック…正常

「アムロいっきまーす!!」
魔撃震の口から音声が発せられる。同化により声帯がついた形だ。

BETAのいる方向へとむかう。
(快調快調)
撃震自身となり動きがかなりよい。

まもなくBETAを発見、
戦術機自身の目から見ると、生身だとでかかった戦車級が小さく見える。

(まずは戦車級8か…)
合金テストなので無抵抗で身体をさらした。

(ほーらいい子いい子…歯が滑ってるな…
うん食いつかれない)

歯はたてようとしてるが…歯よりも、装甲の方が強度が完全に勝っていた。

(うん…超合金zの場合は…学んだCIWSいらない子だ)

暫くぼうっとして20分位放置でもかわらないので、戦車級は潰した。
手が届かない場所は兵装担架のアームを使って潰す。
一匹は捕獲洗脳して配下にし虚数空間へ。

(要撃級はどこにいるかなぁ〜)

要撃級を発見。

(んちわぁ〜 ああ、喜んで叩かないでくださいよ〜)

幾多の衛士の命を奪った要撃級の両腕による殴りは効かないのがわかった。

(超合金Z万歳かな?)
この子も洗脳して虚数空間に。

(光線級重光線級か…体に穴あけなきゃ駄目かな…?集団の中の方向だよな)
M950マシンガンを構えて…突貫。

M950に使われてる弾は徹甲弾つまりは対大型種用。一斉射だけで、

(この世界M950マシンガンだけでいいんじゃないかなぁ〜)
の印象。装弾数も程々備わってる。

(固いやついないかなぁ…あ、突撃級)

かるく一発で貫通し命を奪い沈黙した模様。

(お、いた光線級ちゃん…カモーン。

……流石超合金Zびくともしないな…インターバル暇)
くらっても溶けない。20回照射を受けあきてきたので一閃。

(あと相手してないのは重光線級と、要塞級だなぁ… 何処だろ?
要撃級君、殴らさせてね…腕にあたって手の間接が痛いよ)

マニュピレーターの間接部分がひしゃげた…流石に弱かったようだ。

すくさま肉体補修。

(ナックルガード付けてみるか…
これなら?? うんいいね)
手甲で要撃級の1番固い腕ところを見事に貫く。

(ただそのさいは銃はもてないなぁ)
超合金Z製ナックルガード完成。

(スパイクガードいや、レッグガードというかブレードはどうだろ?)

高周波ブレードをはやしてみると…面白いように小型種がきれるきれる。

(出力の問題もあるから、核融合炉搭載型以上限定かな??)

……

実験、現地改修してる間に取り残され、やばそうな戦術機集団を発見。

(あれは陽炎だっけ?)
助けにむかう。

……

side〜陽炎パイロット〜

『HQHQ。こちら第1351中隊所属6番機、当方面壊滅状態、付近大隊含め残機7離脱不能、至急救援をこう!!』
(壊滅的に絶望よね…お兄ちゃん敵とれずにごめんね…)

『こちらHQ、今臨編3個大隊向かわせた!頑張れ生き延びろ!!』

(あ、弾が無くなったさっきのでラスト?
今の指揮官はさっき発信してた6番機さんだっけ)

「こちらホーク12誰が弾頂戴!!弾ぎれ!!」

『ホーク12、パープル5だ、一個わたすぞ無駄弾うつなよ!!』
「ありがとう!以上!」
弾を貰いマガジンをかえて…すぐさま撃ち放つ。

(けどフルバーストでないと来ちゃうくわれちゃう…)
辺り一面戦車級の海…とてもじゃないけど生き延びられそうにない…
(死ぬのかな…ここで…)
そう思った時…

『チョコレート6!!2時の方向!!』

『2時!要塞級でたんか!?』

『いや、救援みたいだ!助かったぞ!』

『ちょっとまて!なんでハイヴの方向から救援くるんだ』

『そんなのしらねーよ、とにか…え?』

『一機?なんでBETAが…切りひかれて?』
(道を切り開いてる…撃震?)

『異常だな…まさか斯衛か?』

「あれ撃震みたいだけど」

『撃震?だったらあんなにならねーよ』

通信しているうちに…
(撃震…私達の周りを回っていて、小型種は、脚部に刀をつけてたみたいで…
それでたかられる前にきれるのね)
突撃砲はみた事もない形のが担架に装備されてる。
『助かったよおたく一機なのか?』

『そうだ』

(なにか聞き覚えのある声)

『おたくの機体テスト機なのか?撃震の格好しながら』

『まぁそう思っていいかもな』

その撃震の方、そのままBETAの分厚いところに突っ込んでいっては、
戻ってまた別の方角のに突っ込んで、
小型種を切り刻み、切れない大型は殴る斬る。
『なぁ俺達撤退をしたいんだが…弾薬も底が見えてるし、
テストの邪魔かもしれないが手伝ってくれるか?』

『わかった、どっちの方角に逃げるつもりだ?』

『8時の方向』

『わかった…切り開く!!』

『俺らもいくぞ!!アローヘッドワンでいいか?』
『『『『「了解!」』』』』

『ところで、予備の弾薬もこころもとないのか?』

「はい、わたしの87式弾ぎれして、貰ったのです。長刀ももう折れてます」

『ポジションは?』

「突撃前衛、コールサインホーク12…第1355中隊所属です」
『わかったこれを貸そう。
試作品だから稼動時間はわからないから、これがカートリッジだ』

「カートリッジ?」
『剣に電源を通す為のバッテリーと思ってくれ、切れたらこうかえる』
ボタンらしいのを押すと、刀の色が濁って、
柄の後ろ部分からカートリッジがでた…それをかえる。

『この色の変換で判断してくれ…予備カートリッジもつける』
といって、担架にあるマガジンラックに…
『よくきれる剣だからな、切り開くぞ!!』

「あなたは?」

『なに拳と銃があるさ』

みると、手の部分を手甲らしいので隠している…
(あれで殴ってたのね…)
担架につんであった、見たこともない突撃砲を左腕に構える。

『いくぞ!!』

「はい!!」
撃震の方のすぐ後ろにつく…小型種が面白いように死んでゆく、
(10時突撃級!!)
邪魔な小型種をひとなぎして後方回って
小型種ひとなぎ、突撃級の背部から!
サクッ!!
(貫いた??)
甲殻を抵抗なく突き抜けた。

『ああ、正面からでも大丈夫だぞ』

(天国にいるお兄ちゃん!! この剣ほしいです)

「この剣は、いつ配備されますか?」

『さぁ?…よっと…とりあえず作ったばっかりで、今のところ二ふりしかないぞ』

「この剣早く配備してほし……えい!!…ですね」
(突撃級正面からでも楽でした!!!!)

(後衛も順調について来てるようですし)

要撃級!
前腕甲殻も軽く切れるんですね…

ますますほしいですお兄ちゃん!!)

「ところで所属伺ってなかったのですが…」
(肩のエンブレムは見たことないなぁ…)
『ああ、俺か?国連軍…』

『おいおい、国連さんがかよ…』
(いいところなのに!!まぁビール21、は…しょうがないか)
『また俺らをおいてにげ……照射警報!』

(え?)
後方確認すると… 回避行動とって…
『ギャーー!』
ビール29が、光線さけきれずに…

『そっちにいくぞ!!8時は任せた!』

「はい!!」

『また照射警報!!』

(危な!!え??)
『え?う、嘘だろ??』

(撃震が体でルクスの光線受け止めたの?)

『あっちか!!』

あの機体は、切り開いて光線級の集団方向に…
(あ、重光線級!光って危な!!

え?重光線も体で受け止めたの?

あのテスト機なんなの?)
『た、助かった、ようだな』

『あ、あ、』

「ほら…戻ってくるようだし先にすすまないと」

『なぁ…あんた、その装甲なんなんだよ…重光線級の耐え切れるって聞いた事ないぞ』

『ま、新型装甲だしな』

『なぁ俺の中隊に是非まわしてくれよ』

『抜け駆けすんな!俺が』

「あ、あたしも〜」

『いや、まぁ操縦できるかどうかよりGに耐え切れるか…だな』

『そんなにすごいのか?』
『たしかにあの機動だと…』

『俺以外に二人乗ったんだが一週間と二日それぞれ入院したと聞いた、多分全力で動かしてないがな』
(そんなモンスターを軽々)

『国連さんは大丈夫なのか?』

『まぁ俺は人間やめてるしなぁ〜でもキツイぞ、
この問題が片付かないと、とても出せないようになったからなぁ』

そう話せる余裕がでたとき…
「あ、救援部隊だ!!」
『お、じゃあ俺はまだBETAにちょっかいだすから刀とカートリッジ』
「はい…」
(返したくないですぅぅお兄ちゃん…)

「ありがとうございました!」

(あのエンブレム忘れない!

あ、所属名前)

………

あとで連隊長さんに、こっぴどく怒られました。
所属名前なんできかなかったのかを…

その撃震の話は、かなりひろまったみたいです。
第四世代機とか、どっかの国のテスト機とか…
光線を受け止めたのがインパクトありましたから、
早く、ほしいです。

………
カオル報告
撃震エヴァ仕様

変更点

追加武装
ナックルガード超合金Z製
高周波ブレード追加
すねの外側、前面
太股の下側前面




後書き
H24年4月9日改稿

かなり装甲チートぶりが目立つ形になってしまいました。

理由としては、マジンガーZのスペック20tということになります。

ザクやガンダムより軽いんですけと…

それであの活動ぶりを再現すると、こういう結果になりました。

まぁ…完全に制限いれます。

M950マシンガンの装弾数に関してですが、
ゲーム設定の発射回数15から導いた形です。

マシンガンの性質上弾幕から考え、1ターンに8発発射ですね。

弾倉は形を変えれば装弾数増やせる方向で…
H24年12月再改稿



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