第174話『規模侵攻編5 重慶基地まで1200km』
帝国日時2002年1月12日午後7時20分
BETA大侵攻群は敦煌から約300km地点で発動されたマイクロ地爆の爆発に巻き込まれ、
混乱発生の模様で動きをとめていた。
直に動きを再開するだろう…
敦煌拠点自爆後再移動開始時点での移動群の正確な数がでて9,639,579、
約960万。
先もあげたが重傷の戦力外となった計測数はのぞいている。
この地点でのマイクロ地爆で100万えぐったとして残り2発で200万、約650万を削りきらなければ、
重慶基地は再ハイヴ化するであろう…
650万を削りきるには火力が必然的に足らない。
「そろそろモンスター改の砲身命数が…」
「あと2回が限度ですかな」
砲身命数…砲身には寿命がある。実体弾を発射する際の摩擦により砲身内部を削り、
使い続けると砲身が破裂、大事故へと繋がる。
ただし…即破裂のするから使用限度の数とかではなく、
砲身命数は国によって基準がちがうが、最高の状態を保てなくなった状態を一般的にはさす。
例えば目標誤差1km先50cmが2mに広がったり射程が落ちたり等だ。
砲身内部のライフリングが削られ命中率等が低下し始める数値あたりだ。
戦闘に余裕あるなら砲身を整備場で変えてくる。
自衛隊やアメリカ軍なんかでは常時命数がくる前に交換しておき、
余裕ない軍等は命数きても使いつづけられ、
ゲリラなんかだとメーカー保障命数の10倍使いつづけ破裂させたりしているだろう。
勿論長距離砲以外にも銃等にも砲身命数…この場合は銃身命数はある。
砲身命数の具体的な数値を書き出すと、
まず90式戦車砲身が700発、
第二次世界大戦当時の大和46cm砲砲身で200発、
オルタ4の大和砲身は約250発…
帝国海軍は、砲身命数あたりでの性能低下は3%の厳しい設定によるものだ。
もう少し使い潰せるだろう…
長距離砲の資料がなかなか無いのだが、
中国軍のPTZ-89の新型砲身で800〜1000発、
ロシアの203mm2S7ピオンで450発、と砲身命数が4桁にはいかない。
一方、モンスター改は敦煌自爆までで計4回の射撃を行い、
敦煌以後1250km地点、1000km地点の計2回の長距離砲撃をおこなっていた。
発射済み砲弾数は敦煌以前で1門あたり計約3000発、
敦煌以後で1回の戦闘で約1000発、計2000発、
合計で約5000発発射済み。
突撃級が消滅し、自己退却エリアに移動する時間が延びた為に発射弾数が増えた為だ。
ただし自爆後合流組の1個大隊30機はまだ2回しかおこなってなく約2000発となっていた。
これもかなりの脅威的な寿命であり、先のあげた90式戦車砲身命数で700発と比べたら、
いかに合金Z及びOTM技術が優秀かはわかるだろう。
それに更に2回こなすといっていて…計7000発計算、
一応7000発が命数と設定しており、性能低下率が5%計算でとっている。
トレー級は?の話もあるだろうが、
異世界軍の艦船においては自動装填装置の恩恵により、
砲身命数は考えなくてよく、艦船の多用につながっている。
機動兵器類は謎装置が積めない為に上記の様に砲身命数等も考えざるえなくなり…
もし自動装填装置の恩恵がなければ…
特に艦船砲身の交換なんぞ大変な事になっただろう…
モンスター改に話を戻すが、砲身交換には完全オーバーホールが必要であり、
戦場離脱し後方基地にて、約2日間必要とし…
この戦闘に再び参加する事ができなくなる。
よって…
「変わりの部隊は―」
の必要になってくるが…
……
「はぁ…はぁ…」
5時間に及ぶ連続稼動後ケージに戻ってきたエヴァンゲリオン。
エントリープラグ内から、動けなくなっているミサトをコバッタ達が助けだし、
ベンチに寝かしつけた。
直接制御の反動で、自分の肉体の神経同調がまだ戻らないのだ…
麻痺していると同様といえよう…
数分なら肉体がまだ動いてる感触を覚えているから、問題ない…筈…
だが、長時間にわたり動いていない状態により、
精神が元の肉体の動かし方を忘れてしまったのだ。
寝ている時にも人間の筋肉は常日頃動いている。夢見の中でも同様だ。
だが、精神もその肉体をはなれた為に自動的に動く、不随意筋肉以外がうまくはたらかないのだった。
「ミサトさん、まだお加減わるいようですね?」
「こ……な…は…うきい…な…わよ」
「こんな反動きいてないわよ?ですか?…確かにここまでとは…思ってなかったですね…
時間が経てば治りますが、アルミサエル」
精神に潜りこみ離れている箇所を繋げなおす。
「どうっすか?」
「…えびちゅ飲みたいわね」
「一声がそれですか…」
「おかずなのよ♪」
「…まぁ、あとで提供しますよ。
さて、これで零号機はミサトさん専用機になりましたね」
「私専用?」
「はい、パーソナルデーター等がコアに書き込まれるので…」
「そういえば何故間接制御じゃないの?」
「あのエヴァは魂やAIがないから、間接制御では無理なんですよ…
魂がある元のままなら反対に取り込まれる危険があるので…
のかわりにパイロットが、
エヴァ自身になり、その肉体を使う…という事になります」
「けど痛みとかあんまり感じなかったわね?」
「その部分は20%に抑えてます。また、魂へのフィードバックは極力カットしてますから、
例え左腕がもがれたとしても、
同様な事がミサトさん自身にはおきませんからご安心を」
流石に感覚としてもがれ激痛等はパイロット負担にもなるし、
時には死亡するショックがパイロットにかかってくるフィードバック…
だが自分のどの箇所が攻撃されたかを感じとるにはある程度は必要ともいえた。
「あれはね…正直どうにかならないの?…ってちょっちおもってたけどね〜
けどシンクロ率がそのまま操縦につながったし…
で、この操縦方法だけど、正直慣れるまで動かすの疲れるわね…」
「厳密には人間の身体比分と違いますしね…」
さすがに人間の身体をそのままでっかくした…というわけではない。
というかその状態だと足が潰れる。
なので足の筋肉などのも大分違う…
その人間と違う箇所は慣れてもらうしかない。
「さて、ミサトさん…明日にでも出撃、BETAを迎えうちますが、できそうですか?
できなそうなら自分が操りますが…」
「いきなり戦場にだされた民間人だったシンジ君にできて、
軍人の私にできないっていうのもね…いくわ」
「わかりました。明日重慶基地周辺区域にて、防衛戦となります。今から12時間後、空輸となりますので休んでいて下さい」
ミサトさんはLCLを流すべくシャワールームへと向かう。
……
(なんてものを、このエヴァンゲリオンの世界の人は作ったのよ…)
報告香月副司令は新兵器エヴァンゲリオンに関しての報告書を手に持っていた。
彼女はいかに異世界軍の技術のフィードバックできるか…の、
研究も着手しはじめた。
何しろわからないでは研究者的に気持ち悪い…
高さ80m…
(ふざけんじゃないわよ…重力制御かなにかやってるの?)
エヴァに関しては正解です…、
基本その位の高さになると、
その自重を支える力及び、土台が必要となる。
PTや戦術機が80mサイズになって、自重が4倍ってわけですまないし、
特にその自重を支える下半身が重要となってくる。
またその自重を支える大地…
1000tが一気に二カ所にかかるわけである。
100t未満クラスのPTで、道路埋設の地下施設をぶち抜くだの、ギャーギャー騒いでいるのに…
ましてや…その爆発的な力は…
(走れば音速突破の衝撃波で建物を薙ぎ倒す…
ふざけんじゃないわよ…どんだけの脚力よ)
試験終了後に作業班が復旧作業に従事してるが、衝撃波で市街地演習場が半壊してしまった。
ソニックブームは音速突破時、ちょうどマッハ1越えた時に起こる衝撃波、
それを脚力だけの力で起こす。
桁外れのパワーを内臓している証拠でもある。
で…だ先ほどの自重1000tのパワーで、脚力が音速こえる力で大地に踏み込むと…
瞬間加重がどえらいものになる…
を軽減してるのが重力制御であった。またATフィールド事も報告書にはあがってきてた…
(唯一の救いってのが、カオル付き添いでないと国家予算超える話…だけね…
勝てる要素がみつかりやしないわ…)
……
ハンガーにて完成したグルンガストを見上げるある少女がいた。
相川七瀬15才学兵、大阪府出身、第118警備師団所属。
青森戦の際、味方の誤射がなければ、自前の剣術で、
孤軍奮闘生き延びた筈であろう彼女であった。
九州奪還戦前に志願した学兵の口であり、
14才であった為二線級の警備師団に配属され、
青森において学兵としてくらしていた…という彼女である。
(これが私の愛機グルンガスト参式1号機…)
[もとの機体は合体型だったんだけど、
不安定な合体構造をオミットし、
ダイレクト・モーション・リンク、
サブコマンド言語AI補助を採用、
クルージングモード形態も採用したよ]
「その…ダイレクトモーションリンクも含めて後が判らないの…」
[だよね…ゴメン説明するね。
コクピット見ながらが早いよね〜]
コバッタの案内の元コクピット部へ…
[えっとまずはダイレクトモーションリンク、
身体の動きを忠実にトレースしそれを機体に反映させる操縦方法の技術なんだよ。
反対に機体が拘束などされたら身体にある程度はくるけどね]
「つまり相手に押し込まれたら押し込まれた形の体型に?」
[ま、そういう事ね。でも剣術や近接格闘を忠実に反映するならそういった方式しかないし]
「そうね」
[サブコマンド言語AI方式は、戦闘に必要な情報をAIが補助してくれる他、
言葉で受付てくれるの]
「例えばパワーアップとか?」
[そういった感じね。手が武器使用っ拘束されている以上言葉で叫びながら…って感じかな?]
「言葉がでなかったら?」
[補助でコマンドをキーボードに打ち込みや、
思考制御もあるけどあんまりお勧めは…]
「あると思えばいいよね。クルージングモードって?」
[ダイレクトモーションリンクは常に身体のトレースだから、
身体的疲労が他のより激しいでしょ?]
「そうなの?」
[だって他のは座れるし…寝れるし]
「…そうね」
[クルージングモードは…切り替えた方が早いか]
身体を拘束するホールドアーム等が場所移動し、床面から座席がせりあがってくる。
[このように半自動操縦にし、ま、名の如く巡航で、
パイロットの疲労回復を助けるモードっていっていいよ]
「戦闘は勿論できないわね…」
[まぁ…この状態だとね。あくまでも警戒のみになるけど…
座席にマッサージ等備わってるよ〜]
「必要?」
[必要とおもった。ある意味ね…ここまでがコクピット制御部の説明だよ]
「そういえば光線級とか重光線級のレーザーは大丈夫なの?」
[いいとこ気がついたね〜。このサイズの特機の問題で一方的にレーザーが来るんだけど、
装甲を合金Zに変えたから、装甲厚で百発位同一箇所は大丈夫だけど、それ以上くるよね?]
「ですよね?」
[そこで採用されたのがクールジングシステムとリフレクターミラーコート。
光線級や重光線級のレーザーを熱に変換して吸収、常に冷却する事で無効化させるんだ。
でも許容量超えそうになったらリフレクターミラーコートを取り出して被るの]
「被ると?」
[レーザー反射しまくり〜]
「な、なる…」
[ただ、完全に盲目になるし、センサー等も遮断し、ジャイロ等も乱れるから使い所がね…
あくまで非常時の装備とおもってね]
「わかりました。心に留めてますわ」
[本当はミラーシールドにしたかったんだけど、
二刀流剣術の相川七瀬さんには使えないからね]
「西洋剣術…片手剣ならできそうですわね?」
[だよね…今まで訓練明け暮れてたけど…実機慣らし運転してもらって、実戦近いけどいける?]
「頑張りますわ。向こうの世界でもいきなりでしたから…
それをこのような巨大な鎧まで下さって…」
[じゃ、さっそく〜]
グルンガスト参式1号機仕様
完全近接格闘戦機
全高…60.8m
装備重量…481t
装甲…合金Z製30cm重装甲
主機…トロニウムエンジン
補機…自重軽減化重量制御システム
武装…二刀流カトラス型斬艦刀
……
「究極新型生物兵器?」
[帝国軍技術開発局がだしてきたんだけど…
実証実験に付き合ってくれってきたよ〜
対BETAへの究極兵器だって〜]
(ふむ…ちっと時間あるしな…)
「わかった…生物兵器か…確か実験区画があったよな?NBC用の」
[うん]
3時間後…トラックのコンテナがNBC兵器実験区画に搬入された。
「それでは、我が新しい対BETA兵器、G兵器のお披露目です!!」
(G兵器?)
コンテナのロックボルトが爆薬により外された。
前面の一角が重力に引かれて地面に落ちる。
その中から現れたのが大量の黒いゴキブリだった。
「ゴキブリ…」
「はい!!対BETA用に新たに開発された生物兵器、通称、G兵器です」
コンテナから大量に…数は一万はくだらないだろう…
はい出てくる。
ゴキブリは一斉にBETAに接近すると、足元からたかりはじめ、数にものをいわせBETAの全身をおおい始めた。
兵士級は抵抗してた。闘士級も抵抗した。戦車級も抵抗した。
しかし小型種は人間サイズにならともかく、
ゴキブリのような小さいサイズに対抗する手段がなかった。
光線級はレーザーをだし焼いたがすぐさまたかられた。
要撃級はその両腕を使い抵抗してたが、うまく機能せずにたかられた。
突撃級は抵抗できずにたかられた。
要塞級は触手ではらっていたもののたかられた。
「たかるだけなの?」
「本領はここからです」
身体にまといついたゴキブリは、その身を肉体の中に入り込んだ。
「うわぁ…」
BETAの肉体から体液が出るが構わずにその肉を食べどんどん中へと突き進む。
やがて兵士級や闘士級は耐え切れず横に倒れてしまった。
カオルは思わず自分の肉体に入り込む姿を想像してしまった。
戦車級も暴れてたが、やがて勢いをなくし始める。
光線級も横たわった。
倒れ絶命した兵士級はその肉片がG兵器により、最後の一欠けらが喰われてしまう…
突撃級は甲羅と肉体の間がどんどん喰われて、
甲羅が重力に支えきれずにずり落ちはじめた。
要塞級はさすがにまだ動きは鈍ってはない。
[マスターあれ]
「ん?……分裂?」
「くって栄養が行き渡った為、個体数が増加します。
じきに要塞級も喰われますよ」
その発言通り、分裂増殖したG兵器は、
増えた個体数分だけ要塞級にたかり始める。
やがて、最後まで抵抗してた要塞級が、足をくわれ、体重をささえきる事ができずに、
その身を横たえてしまった。
それにご馳走とばかりたかるG兵器…
「確かに、究極の生物兵器ですね…」
「でしょでしょ?どうです?我が軍の兵器は」
「いいですね…ではコンテナに収納して」
「あ、できません」
「は?」
「コンテナ収納することができません。
あれはコンテナ内部で培養してたので…」
「えっと…展開したGは?」
「BETAを食えば、また分裂し増えますよ」
「いや……人間も……」
「迂闊に近づくとくわれますね」
「……破棄します、焼却準備!!」
「あ、焼却しようとしても」
「焼却開始!!」
実験室内部が800度の高温の炎に包まれる。
生物兵器や、ウイルス系統等の焼却処分手続きで室内が1分間炎が吹き荒れた。
『焼却終了』
無慈悲な電子音とともに炎が消える……が…
「G兵器は高温にびくともしません」
動きまくって、要塞級の栄養で分裂し始めていた…
「あ……まじかよ…あの高温たえきる生物って……なら冷却処分!!」
ウイルス等冷却処分で氷点下マイナス200度に達する、
冷却ガスが室内に吹き付けられる。
「あ、閣下、冷却もたえきりますので…」
「は…?」
『冷却ガス散布終了』
言葉通り電子音がながれたあとも室内ではG兵器が、うごめいていた。
「ちょっ…なんてもの作るんですか…」
「いかがです?閣下」
「真空ももちろんたえき…」
「宇宙活動も考慮されてます」
「どう殺すんですか?あれを」
「物理的にしかありませんね」
「……」
監視カメラの視点を動かすと…確かにレーザーに焼かれて死んだGや、
兵士級の足に潰されたのもいる。
「物理的か……ならしょうがない…ベークライト注入」
実験施設にベークライトが注入され、次第にかたまっていく…
セラミック状に固まっり、G兵器の動きがなくなる。
流石にこの集団の中に物理的に殺す事のできる兵器を投入するのに、
開口する事になる…
つまり一匹が逃げると…大災害が予想される為…
「破棄するはめになるなんて…そもそもどうするつもりだったんですか?
BETA駆逐した後…」
「BETAを駆逐した後餓死させるつもりです」
「餓死するのに……」
「約1月程度です」
「……人のいる地球じゃ使えませんね…資料だけ頂きます。
破棄される事をお勧めしますよ」
「そうですか…」
(けどなぁ…ん〜)
……
ほぼ同時刻頃、太陽系攻略艦隊が帰還し、
その身をメンテナンス及び推進材補充しはじめた。
イオのオリジナルハイヴの反応炉はコロニーレーザーにより貫ぬき、貫通したレーザーは大地をとかし、
火山造成を誘発し、マグマに埋まった…
現在木星の衛星は監視体制になり、艦隊は推進材補給の為に帰還してきた。
つぎなる惑星の土星の攻略まで今しばらく時間がある。
『野郎ども、パーティーに遅れるぞ!!』
VF-19Fを先頭とするVF-171編隊が地球へと飛び立っていく。
……
帝国時間2002年1月13日午後7時52分
「こちらイーダル1、誘導BETA群まもなく予定ポイント通過」
復座型の後部席に座ったユウヤ・ブリッジスが報告している。
『了解、イーダル1、こちらでも確認。
およそ約3分後、合図でもって超音速形態へ移行、離脱せよ』
「イーダル1、了解。イーニャ、大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ、ユウヤ」
イーニャが操縦する魔不知火弐型試作1式…
熱核タービンバーストエンジンを推進機に換装した機体…
機体強度不足問題は合金Zに変更し解決はついていた。
ほぼ無限の航続距離、ノーマル跳躍ユニットのロケット時の3倍にも及ぶ推力を叩きだすエンジン…
そしてイーニャの予知能力で光線級の照射も難無く交わしつづけ、
誘導棒でもって大規模侵攻BETA群を引き連れていた。
誘導棒の影響範囲はおよそ90km…100万以上引き連れるには照射範囲内にいざるえなくなる。
『カウントダウン開始、
イーダル1、超音速形態に移行せよ』
「了解、イーニャ、コントロール貰うぞ」
「うん。ユウヤ」
コントロールを貰うと直ぐにシートバーが頭上からおりてきて…
背中に背負っていた筒が機体頭上に展開し、全身を包みはじめ鏃となる。
変型すると同時に、熱核バーストタービンがフルパワーをたたき出し、
BETA群を引き連れ地上滑走していた機体が、頭上を地表に平行させロケットの様に加速し始める。
直ぐにソニックブーム、音速突破の衝撃雲を出し、
制動は乱れる事なく超音速の世界へと…
戦術機の機体正面での音速突破は、衝撃波が発生する箇所が至るところにあり、
リアル2013年8月に実験失敗したJAXAの複数派生した衝撃波による相殺での実験以上な事になる。
あの機体でも音速突破後制動不安定になり空中爆破処理した位だ。
制動不安定な状態になり真っ直ぐに飛べなくなるが為、
苦肉の策の変型機能だったが旨くいっていた。
ただ衝撃は機体の幅をカバーする以上かなりのものであり…
いわば青森県のアスパムが音速突破して飛行しているようなものであり…
「クールだぜ…癖になるな」
暴れる操縦桿を抑え機体制御をしているようなものであった。
コクピット内部は前面が下になる為、妙な操縦方法になるが、
ユウヤは超音速でも地面スレスレの曲芸をこなしている。
一つ間違えれば地面に突っ込み、合金Z製の機体は大破はしないものの、
地中に食い込みすぎでカウントダウン中に離脱ができなくなるだろう。
つまり7桁の削減出来なくなる…それはBETA群の重慶基地反応炉到達へ大きく踏み出す事結果になり、
異世界軍の戦略に大きく穴をあける事になる…
『まもなくイーダル1影響圏外、カウント継続30、29、28…
影響圏外離脱確認…10、9…3、レディ、スタンバイ、ナウ』
背後でマイクロ地爆が発動し…
……
これ以後には一発で7桁のBETAを一気に殲滅できるマイクロ地爆のようなのは無い。
純粋に砲撃によって数を削らなければならなくなり…残り総数は…
……
寸劇風後書き
作者「いよいよ…世界の運命がきまるね…」
ナギ少尉「残り700万?500万位かしら?その程度なんか、ちゃっちゃと消しなさいよ」
作者「あの…さ100万単位だよ?100万…そうちゃっちゃと消えないさ…」
ナギ少尉「え〜」
作者「前もかいたと思うが、今までの10万単位でさえ異常なんだよ…
それを受け止める身にもなりなよ」
ナギ少尉「う〜」
作者「まぁ、でもここまで引っ張ってきた大規模侵攻編も、
次回で重慶は決着…といいたいけど…」
ナギ少尉「じゃ、サブタイトルは…大規模侵攻編6、第二次重慶基地防衛戦…次回、お楽しみにぃぃ」
ガンパレ第六世代+OGをミックスしました。
ナギ大尉「ねぇ…作者、芸能人の相川七瀬さんじゃないよね?」
作者「へ?違うぞ。本名だよ」
ナギ大尉「そう?…出身、年齢が…」
作者「全くの別人です」
H24年11月改稿
H25年11月再改稿
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