第007話 GXW編03 別の拠点惑星へ…


輸送艦か強襲揚陸艦らしいのが地上のタンクらしき建屋へ向かって降下していく

多分物資であろうを盗むつもりだろう。

「防衛側はほぼ全滅でちね」

この戦闘での侵攻側残機は、小型機が損傷機含め約2200機、艦船が約2850隻の結果になった。
損傷をうけてなく、まだ戦闘可能とみえるのが小型機が約1400機、艦船が2653隻だ。

「防衛側は何故全滅までやるかねぇ…この後の防衛どうすんだろ?」

「さぁ…?」

懸念の特殊砲は確認できなかった。
存在しない可能性が大きい。これにより…

「このあとどうするのでち?」

「あの艦隊は多分、根拠地に帰還するから同化して取得するよ」

「あいあいでち」


一番残存艦艇数で多かった700m級の艦種にとりつき、ルーロスを収納。
艦内の通路に実体化するが………

が…だ。

人の気配すらしない…異常ともいえる。

700m級の艦は常識的に考えると1000名は動かしたりダメージコントロールに必要だろう。
高さが胴体部が約120m、横幅が約150m程、
実体化した通路とみられる空間は、
高さ2.5m、横が5mとかなり広い。

だが必ず1人はみえてなければおかしい計算であり、
5分以上歩いているなら遭遇するはずだ。

(そういえば…)

惑星防衛戦で、脱出ポッドや救助艇等発見の話がルーロスから出てないのを思い出した。
無人が確定した30m級小型機を除いて、
撃沈した艦艇数は双方で1000をこえていた。

30m級が無人が確定したのは破壊されてコクピットシールドから見えた操縦席にあたる部分が見えた時。
そもそも盾役として戦うのに、必要な脱出ポッド自体設置も無理な構造だろうが…
それにしても1000隻以上×1000人=100万人以上の人が、
撃沈する艦船から脱出した形跡がないのもおかしい話だ。

合計100万人以上いたら誰か1人は脱出できるだろう。
はたまた脱出ポッドや脱出シャトルがない作りなのか?

宇宙船と同様、呼吸ができない海水内での潜水艦での話になるが、

潜水艦は艦体に高圧力がかかり、その為に構造的に脱出装置…高水圧に耐えられる深海艇構造の脱出装置は設置しようにも、艦体に負荷がかかり、
ロシア製の潜水艦に5人乗りの脱出装置が備わっているのみ以外は聞いたことがない。
ロシア製のは脱出装置が備わってるからこそ、巨体になりがちでもある。

アメリカ製や日本製は脱出装置がなく、深海で事故がおきたら外部からの救助待ちになる。
その為の深海救難艇も存在するが時間がかかる。

到着に余裕がない時には個人装具、いわゆる宇宙服なもので脱出する事もある。
スタンキーフードと呼ばれる脱出装具、装置ではなく潜水服みたいなものだが、は100mまでしか耐えられない。
それ以上の深度は一気に地上大気にさらされる減圧病に人間が耐えられないからだ。

それ以上の深度は?というと自衛隊はマーク10と呼ばれる全身型個人脱出装具を採用してる。
これは一種の飽和潜水と同様の手法をつかっており減圧病にはならない。

宇宙船が高水圧に耐えれないは前にもはなしたろう。
基本、艦内与圧に耐えられる構造であればよいからであり、
その点潜水艦とは装甲厚が違い、また脱出装置も人数分設置が可能だ。

それとも脱出が検知できない程の少人数なのだろうか?

少人数化といえば…

銀河英雄伝説では人員不足気味な為に、
徹底な少人数化をして駆逐艦だと30人程度までに削ってた。
運用自体は問題はない。艦橋士官は艦長含め9名、通常航行時は艦橋は当直3名で運行している。

それ以下の人員数だとロボットかなんだかの援助が必然的に必要であった。
明らかに少ない人数で運営している艦だと…

バイファムのジェイナス号が13人。

スターゲイトのアスガードのダニエル・ジャクソン級。
乗員1人で全て操作のオーバースペック艦。

上記2艦はコンピュータによる操作がメインであった。

ロボット人艦といえば…

バトルスター・ギャラクティカのサイロン側の艦…サイロンが乗員、人扱いだろと定義されるとくるしくなるが…ロボットのみで運営している。

そんなもんであろう…
そしてロボット人艦と有人艦の違いだが、
まず有人艦は生活のために広く行動範囲をそれぞれの人がとる。

対してロボット人艦は無駄な行動はなく、エネルギー補充すれば異常発しない限り行かない区画はある。
また個々の能力が高い為に人員数が少ない。
ダメコンですら十分の1で対応すらしていよう。

その為侵入しやすさでいえばロボット人艦だろう。
そしてその可能性はありえる。ここまで人の気配がないから…
ダニエル・ジャクソン級の1人やジェイナスの13人は特殊な例として、
通例なら700mクラスなら少数人数でも500人程はいるだろう。
500人なら遭遇する確率はかなりあがる。
だがそれでも遭遇しない。

500人の根拠は運行面はそれほど人数は必要はない…動かすにはだ。
だが戦闘や修理面からはどうだろう…

修理面を見てみると、

まず一人運用のジャック・オニール級は物質転換技による修理というチートなので別問題だが、
一人が処理するので増殖するレプリには相性がわるい。
戦闘面では一人処理なので基本研究科学艦、非戦闘艦だ。


銀河英雄伝説の帝国軍駆逐艦は30名近くで運用されているが、
士官9名、残りが下士官兵員で、
いざ修理するときには下士官兵員総出で20名足らず…とても戦闘時に修理しきれなく、
被害を受けて切り捨てられる最小限人数で運営されてるとも言える。

かといって彼らは人間だ。一人一人それぞれ人生がある。戦闘から離脱できたら修理は行い生き延びたいだろう。
損傷具合にもよりけるが単艦修理では約1日かかり、船外作業も伴えば…
なので大規模艦戦では工作艦頼みであり、
通常艦隊では、他艦の相互援助頼みだ。

30人が辛うじて…のラインだろう。

13人で運営してたジェイナス号では同じく戦闘時に修理はできず区画閉鎖で対応、通常時に修理を行う。
ある意味特殊な例といったところか…

元々は21名の艦長含めた軍属が運行する話で、それでも運行できるのかと問われた位だ。
その時の艦長の判断は72時間航行程度なら逃げ込める、民間人にお手伝いをお願いする…で運行できると判断された。

ところがだ…惑星クレアドからの出港時の戦闘で軌道ステーション駐留軍も加わったにも関わらず、
シャトル数便分の避難してきた民間人を多数乗船させて出港したが…

クレアド星航宙ステーションから巡航に移るまでの戦闘で、
民間人371名…この船に避難乗船したほとんどと、
艦長含め軍乗組員13名を失い…

1回目の戦闘後の生存乗船数は軍乗組員8名、民間人大人14名、子供10名。

次の戦闘で残っていた32名の内、
軍乗組員が民間人大人2名と子供4名に任せ、全員機動兵器で出撃して…
18名…軍乗組員6名、民間人大人12名の死者をだし、

ベルウィック星軌道ステーション内に逃げ込めた時にはとうとう乗組員2名、大人2名、子供10名しか生き延びて到着できなかった。

更にシャトルで地上基地には乗組員2名が消え…代わりに子供が2名加わり、

ベルウィック星から脱出直後は子供13人と大人1人、更には大人は退場し子供13人だけになる。

本来であれば経験を積むまでもなく、ククト軍の激しい攻撃で艦の修理は追い付かない筈だった。
クレアドからの脱出の損耗数から考えると生き延びるのは1人以下だ。

惑星クレアドから脱出した他の艦はことごとく捕縛されククト軍の捕虜となり、
また惑星ベルウィックからの脱出艦も無事にはすまなかった。

ジェイナス号はチートの力により辛うじて13人の子供達で運行できたにすぎない。  
ククトのコンピューターを狂わす遺跡…リフレイドストーンという機械がチートであった。
本来の目的はククトが全面戦争により崩壊した惑星クレアドに、再び居住可能な環境にすべく、
核汚染された大気清浄及び植物の成長促進機能をもたらす。

そこに地球が侵略植民してきたのが戦争の理由であった。

乗組員2名になった際の戦闘衝撃でチートが作動した事により、ククト軍の射撃管制は狂い、
目視による射撃にだけなり、被害は最小限に抑えられる結果となる。
それにより経験を積む余裕ができたわけだ。
惑星クレアド脱出時の1回目の攻撃被害があったなら13人かける事なくは…まず無理であっただろう。

技量は軍人をも上回り、特に機動兵器あやつる2名についてはトップオブトップとかした。
勿論いきなり乗って敵機撃破ではない。
放棄された基地でのシミュレーターで学び、
同基地の地上専用機を使って学び、実戦を経験し、そして宇宙でも…

ジェイナスについてはチートで問題解決良いだろう。

運行面に話を戻すが、
まだ軍人がいた時に軍人が全員出撃で、軍属1名大人1名の他に、
ブリッジクルーとして子供達何名か補佐に任せられ、
その後生還してきた軍人2名では足らないためにクルーとして引き続き任せられた際に学習したのもあり、
また初等練習艦という操作しやすさ、サブコンピュータのサポートによってかなえられた事だ。
サブコンピューターは専門職21名分の働きをする。
更には子供たちの学習…小さい頃3〜8歳からパソコンでのプログラム等を学習していられる環境下なのも大きい。

途中本職の大人の軍人の艦と合流、
相手方の艦長の独自の判断で、
ジェイナスは子供たちのままだが、ブリッジ運営を任せてもらいたい、補給物資を納入したいと、大人の軍人達が乗り込んできた。
その後ククト軍の攻撃時に、子供ら13名に再び艦を任せた方が良いと判断される技量に子供達はなっていた。
そしてククト軍の攻撃は激しく、責任者の大佐も出撃、途中子供達らも出撃するが、
ここは大人に任せろとばかりに艦は単独でタウトに向かえと…なるばかりの技量であった。

艦長の独断的な判断は間違ってなく、機動要塞と言うべきタウトを反乱分子と共に制圧してしまう快挙をなす。
そして惑星ククトに大気圏突入し、練習艦としての全うな役目を終え、13人は親を探す旅に出る。

ククト軍もいいようにチートに対して手をこまねいてはいない。
精鋭…ジェイナスからの遺跡奪還任務を目的とした、
近接戦闘特殊部隊を編成して最大限の支援を元に任務を与えた。
宇宙空間では遠距離メインで射撃システム無しに目視では難しかった為に増派しか対策がとれていなかったのだが、
単騎突入してきた精鋭部隊からなんとか奪いかえせる目算であった。

だが特殊部隊は成果があがらず、先に開発成功した対チートシールドがククト軍の機動兵器に組み込まれ始めた頃には、
苦戦中であった地球軍捕虜救出海兵部隊を助ける程に技量は上回っていた。

(人いないな…同化でさがした方がはやいか…)
実体化をやめ艦全体へと広げていく。

……

数分後には、
(無人艦か…)
軽く艦隅々まで広げたが人1人としていない。
コンピュータ統括艦であった。
乗っ取り対策に防犯設備はあるが、作業ロボットらしいのはいない。
物理的に壊れたらどうする話になるが…
またメンテナンスはどうするのだろうの話になるが…

(まっ、いずれわかるし、ゆっくりとやろう。
恒星間の帰還だ。時間あるし…)

目的地座標は2-251-7…約1000光年離れている。
おまけにワープ機関や異次元跳躍機関等は見あたらない。

惑星軌道からはなれ通常航行にすでに入っている。通常空間をいくつもりだろう。
推測にすぎないが超光速航法を使っていると思う。

なにしろ亜光速でだと…最低で1000年かかり、更には万年かかるかもしれない…
とてもでないが、戦闘しにいったら型遅れもいいとこだろう。

通常空間での超光速航行の場合、前にも話題でたがある程度の速度までしか出せない。
障害物等が多数宇宙空間に存在している。

なにしろ光の速さを超えた物体は衝突時、惑星をも崩壊させる速度及び質量エネルギーを発する。
速度によっては超新星爆発で発するエネルギーを超える。
それによって衝突し…災害規模の人災が発生する。

たとえ0.001ミクロンの塵サイズでさえ船体に衝突したら船にとっては大惨事になる。

まず砂場の砂以下の大きさの塵が装甲で止まらずに、光速以上で船体を塵が突き抜ける。
突き抜けたあとに衝突エネルギーが突き抜けた穴を中心にして周囲へと広がる。
広がったエネルギーが船体を破壊するのだ。
破壊された船体は塗装片や、破壊構造材を産み出し、

そして発生した新たな光速をこえているデブリが引き起こす新たな大災害…
船の塗装、構造材などが超光速のまま有人惑星に突入する可能性もありえる。

その為に時間は余裕あるだろう…

『まもなく当艦はエメラルンドライブ始動します。艦内に居るものは退艦してください。
繰り返します…』

カオルのとりついた艦内では電子アナウンスが流れていた…

==2-200-6指令室==

襲撃を受けてから約2時間後…

『指導者ボンボン、インルーム』

「さて…開発を…」

指導者が指揮所から各種命令をだす。
メイン惑星、
そして入植した植民星に関しての命令等だ。
現在ボンボンが指導する勢力に関してはこの2-200-6の惑星に入植しメイン惑星、
他に6惑星を支配している。

各惑星に指示をだしていると…

「お兄ちゃん、メタル足りません」

「はぁ?ほぼ貯まってた筈だぞ。足りないなんて…」

「お兄ちゃん、報告書よまなきゃ」

「報告書?」

机の上に積み上げられた報告書の山、ろくすっぽに見ていないのだろう。
山から片っ端から報告書を探し…

「…ほぼ全滅だと?」

「はい、お兄ちゃん」

今の今まで気がつかなかったのが、居住区に戦闘被害が及ばなかったのが理由ともいえる。

「何で口で知らせてくれなかったんだ!!」

「連盟法で禁じられてます。報告書としてしか出せません」

「見なきゃわからないよ!!
端末への呼び出しあれば対応できたじゃねえかよ!!」

「他の指導者も同様です」

「再建には資源がかかるんだ!どの位必要か―」

「同規模の艦隊と防衛力でしたら、損失分の艦隊建造に必要な資源は…メタル33,333,000t、クリスタル14,194,000t、デュートリウム3057kg。
防衛兵器分に再建に必要な資源は…メタル21,930,500t、クリスタル11,330,500t、デュートリウム4734kg」

「膨大な資源が必要じゃん!!」

確かに合計約5000万tのメタル、約2500万tのクリスタル、7791kgのデューテリウムを溜め込んでたら襲われてもおかしくはない。
メタル100万t超えでも防衛力なかったら美味しいと思われ、全部とるつもりでおそってくる。
タンクをメタル10万tクリスタル10万tデューテリウム10kgに落とさない限り攻撃をやめない者もいたからだ。

「惑星ティロンで負け続けているから侵攻リベンジしようとしているのに、
何故かうまく逃げられ、避難先は発見できないのに…
何故…無関係の指導者が襲ってくるんだ!
これでこの惑星が襲われほうだいになるじゃないか!」

この星は…

==2-251-7、惑星サウスブルー司令部==

『指導者、インルーム』

「どうだ?うまくいったか?」

「はい、指導者エッサンこちらに…」

机の上にデンとおかれた報告書を手に取り目を通す。
即再戦闘可能なのが、
軽戦闘機1358機、重戦闘機31機、巡洋艦51隻、
戦闘艦1750隻、弩級戦艦479隻、デストロイヤー283隻、貨物船90隻と、
報告書にかかれている。

「艦船の損失は少ないが、軽戦闘機の損失がやはりいたいな…」

「ですね」
軽戦闘機は数4580機揃えて出撃した。
完全損失が2483機で修理可能なのが929機、

「まぁ、これで資源星へのちょっかい出されるのはなくなると思うが…」
まだ敵側の全ての惑星は把握してない。

「デブリ資源は、大型回収船513隻分か…
とりあえず停泊中の108隻は加速して出してくれ、
あとは回収船を建造してニコイチするか…」
ニコイチするのは大型回収船建造の為に軽戦闘機も必要であり、軽戦闘機は現在惑星軌道上に多数いる。


「ここもそうだが、イーストローマからも各コロニーへ貨物船派遣しといてくれ」

「数は80で?」

「あとは…あっ…そうだ。おいしそうな資源惑星があったなぁ…」

「そうですね。そろそろ貯蔵されてそうなのがいくつか…
どちらを海賊しますか?」

「そうだな…」

リストをいくつかめくり…

「3-257-13あたりか、防衛施設なしの、メタルがLv24のクリスタルLv25だったな…」

「あっ、でも貯蔵庫Lvが小さい筈でしたよ」

「あ〜…なら3-261-12は」

「えっと…あ、その惑星、同盟の不可侵協定対象同盟になったのでは?」

同盟…他の指導者の共同組合で、組合に入れば共同で攻める計画などがたてられる。
通常は友好関係を直接結ぶ形だが、同盟に加入した方が直接友好関係もたない指導者とも同盟関係になる。
ただし他の同盟との不可侵協定等、同盟のリーダーが決める為…ややこしい事にはなる。
エッサンは同盟の中では席順は15位あたりで、まだあんまり発言力はなさげだ。

「あっ…確かにそうか…じゃあ銀河1の方だと…1-241-12は?」

「良さそうですね…偵察おくりますか?」

「スパイ衛星15基送ってくれ」

「了解しました。指導者」

程なくして…約1万光年離れたお隣の銀河でさえも片道1分程で到達する事ができる高性能衛星がおくられ…

「どれどれ…大型輸送船100が駐留してるか…なら巡洋艦40隻と貨物船が200隻だな…」

「片道31分4秒で到達します」

「よし、実行してくれ」

「了解しました」

「あとは…」

……


『エルメランドライブ、イグニッション』

「どえぇぇぇ」

一回探索の為に実体化してたカオルを襲ったのは強烈なGだ。
艦に強烈な加速Gがかかり、それが減衰しきれなくカオルの身体にかかってきた。
体感的に約2000Gぐらい…
カオルは踏ん張りきれずに壁へと叩きつけられた。常人ならその時点で即死だ。
飛び降り自殺同様、顔が想像出来ないくらい叩きつけられた衝撃でグチャグチャに崩れ、
頭部も頭蓋骨がおれるか微妙だが血まみれ、内容物も目から吹き出るだろう。
足・膝の皮膚は擦り傷程度ながら複雑骨折しているようでグニャグニャになり、
肘からは骨が突き出す事になろう…

だが使徒なので衝撃には耐えた。が…動かすのには動けずに同化によりGから退避した。

(さっきの退避勧告はこの為か…だから無人艦なのか…)

作業用ロボット等いてもカオル同様にこの加速Gで耐えきれず、
壁に叩きつけられ破壊されるので、いないのだろう。
ミサイルにおいても固定が外れGで壁に叩きつけられ誘爆の恐れがあるので、
実弾兵器は搭載されてないのだろう。

推測だが拠点にて作業する為に通路はあるようなもんとみていいだろう…


(にしても…)

同化にて情報取得しわかってきた事だが、この重加速Gはエルメラン航法…先駆者のフリードリッヒ・エルメランの名がついた超光速航法によるもので、
この世界において通常空間において光の速さを超える為の加速Gであった。

デブリの話はしたが、この航法の為に通常空間での衝突等回避の為に制限…ルールがもうけらる。
まず超光速航法中の戦闘行為が禁止された。
実質上の移動中での戦闘禁止であった。
海賊や無法者であってもこのテロ行為は行わないルールを守る。
自分の身にふりかかるかもしれない話でもあり、
移動できない惑星や人工物を本拠地にしてるなら…わかるはなしであろう。

例えばだ…超光速中の戦闘艦が破壊されたら、超光速のデブリが発生する。
その超光速デブリが惑星直撃したら…探知する前に惑星は破壊されるだろう…

他には恒星系近辺は事故防止のシグナルによる強制的に亜光速以下、惑星近辺は更に速度制限がかけられる。

デブリ帯を通る航路については、引っ掛かる為に亜光速以下への減速での航行になる。
海賊が襲えるポイントとしてはデブリ帯や惑星近辺だけともいえよう。
またシールドによりマイクロやミクロンサイズなら問題はない。
問題となるのは100cm以上あたりからであり、
そのサイズなら、そうそうあたる確率はないし、
万が一当たっても無人艦なため問題がなく、ロスト報告及びスペースデブリの方向や回収等であろう。

『到着シークエンス、フェイズ1開始、メインドライブ停止、旋回スラスター点火』

(へ?もう…)

現在約10分ちょいの体感だ。Gが消え艦が勢い保ったまま回転し始めていた。

1000光年の距離を踏破し、自領惑星のある座標、2-251-7へと到達しようとしていた。
まさに通常空間を毎時約10000光年速以上まで加速したといえ、驚異的な速度だろう。
驚異的?それよりも速いの沢山あるじゃねえかと思われるかもしれない。
ただし、異次元空間などの超空間においてだ。

またウラシマ効果はどうなった?とおもうが、この様なふざけた速度をだせばほぼ変わらない、
更には有人輸送を目的としてないなら関係ないだろう…

『2ー251ー7到着シークエンス、フェイズ2までマイナス1分』

艦尾が頭にまわっていた。

『第一次減速開始』
メインスラスターからの噴射で、亜光速からの減速が開始される。
目標は惑星速度への大減速…
急激な減衰しきれないGが再び船体及び艦内にかかる。

……

『メインスラスターへの全バルブ閉鎖』
長い大減速後にメインスラスターへの供給が停止された。

『サイドスラスター全開、180度転回』
前後のサイドスラスターにより一斉に艦隊が180度転回し始める。
未だにある程度の速度を保ったままであり、ずれなくできるのは艦隊全体が無人艦だからこそできる芸当だろう。

有人艦なら個々にもう少し距離をとりずれて転回する筈だ。

艦隊正面に目標の惑星がみえてきた。

『OMS、ターボAPUスタート…メインイグナイター点火』
振動が船体に伝わってくる。

『第二次減速開始』
衛星軌道進入速度への減速が開始され、
間もなく衛星軌道上に到達する。


……

(30分たたずに到着か…)

予定が完全に狂ったカオル、
停泊作業へとうつる艦隊から離れてルーロスをステルス状態でだし、
艦取得に分裂体を残して、
地上へとカオル本体は自由落下していく。

恒星間移動中の間に名称だけは判明した。
1.3km級はデストロイヤー、
30m級は軽戦闘機、40m級は重戦闘機、
400m級は巡洋艦、一番最初にとりついた700m級は戦闘艦、
800m級は弩級戦艦、600m級輸送艦は貨物船という艦種、
重厚型爆撃機みたいのは重戦闘機、盾になっていくのが軽戦闘機だ。

攻撃性能面は後日ということで…

(みえてきた…かなり発展しているなぁ…)
7千もの艦隊を運営しているからには…の規模の拠点がみえてきた。

地上へと着地したカオル、楔をうち、防御兵器は先の惑星で技術入手したので
建屋の方へと向かう。

建屋群に向かうと、艦船が42秒あたり1隻宙へと発進していくのを目撃する。

飛行場かと思い同化しはじめると…驚異的な生産速度にて艦船が組まれて試運転無しに宙へと発進していく様を見させられた。
(いっ?建造ドックか??)

底に運び込まれている金属等が建造ドックを構成するアーム等で加工、曲げられ溶接され、これ…艦船の建造中なのか…と思わせる速さで構造体がくまれてく。

アームが目につくだけでも百、いや千は超えているだろう。
よく絡まりもしない。
更に速度も、掴んだ重量物を反動つけないで運ぶとは言えない速さで動く。

そこらかしこを動く作業ロボットにしたってそうだろう。
やはり反動を気にしていないというべき走るいや、飛ぶというべき速度で動いている。
人でいえば20倍速で早送りしている速度でといえばわかるかもしれない。

もちろん…建造所単独では無理な話だろう…他の建屋も関連しているかもしれない。

そして規模だけは把握した。現在約全長3km約横幅1.5kmの穴のなかにドッグがつくられ、そして建屋が上にあるる。
(ナノマシン打ち込みだな)

規模がでかい…同化を解除して打ち込み、次の建屋へ…

……


(ほう…これは…)
採掘所らしきところで採掘され加工される金属系素材メタル…
その産出量に感心していた。
ひとつの建屋から時間あたり約13万8千tのメタルが産出されている。

そんだけの量?とおもうかもしれない。

まずは鉄鉱石の話になるが、
ブラジルのミナスジュライス州のミネラソンウジミナス社運営の鉱山は年800万t産出する。時間でだと913tだ。

世界最大級とよべるのが同じくブラジルのカラー州のカラジャス鉱山、2008年には9649万t、2009年は8463万t、毎時計算にすると…毎時11014t生産だ。
最大級の1鉱山を上回っていよう。

だが惑星規模だ!というかもしれない。

2011年の値でだが、日本は約1.2億t、毎時13,698tを必要とする。
最大消費国の中国は10億tを使っており、毎時114,155tを必要としている。
それ以外の国合わせたら13万tは上回る。

ただし、鉄鉱石でありそのままでは利用できない。抽出し、鋼にして更に鉄材にとしなければならない。

鉄は主に鉄鉱石からつくられるが、鉄鉱石以外にも石炭、石灰石などの原料やエネルギーが多く使われる。
鉄材1tを生産するためには、大体鉄鉱石1.5〜1.7t、 石炭0.8〜1.0t、石灰石0.2〜0.3t、電力10〜80KWh、水 30〜60tを必要としている。

鋼の生産量は粗鋼生産量として各国は統計あげてるが、1位中国6億9870万t、2位日本1億760万t…中国、3億tの鉄鉱石はどうした?の疑問もあるが、
が更に加工され鋼材として出荷される。

その粗鋼生産量がメタル産出量と思えばよいだろう。

世界で見れば、15億2920万t、毎時17万4566t生産され、やっとこの惑星のメタル産出量を上回っているという具合だ。


そして、その採掘深度だ。
日本では過去には炭鉱などが多数あったが、海外産の安い石炭に圧され、
現在は坑内採掘鉱山は、1箇所技術保全目的を残すのみ、
露天掘りはほそぼそやってたが…


また他にも人で採掘可能レベルではなくなった…という理由もある。
金、重昌石、銀、等価値があるものはまだ人件費等が高い日本でも採算があうが、
地下水…温泉がでやすい日本であり、その為に事故もありえる。
常時排水処理施設および濾過施設などをつくらなければならない。
さらには地熱の上昇だ。
地熱地帯、いわゆる火山地帯では温度の上昇が激しく地下1000mをこえると特に不意にでる坑水、鉄砲水に等しいが、その水温は200度近くになる。

地熱発電で八丈島はたった1650m地下に300度の熱湯溜まりがある。
その為に日本では主に人が入っての採掘では地下1kmあたりまでであった。

世界をみると4km手前あたりが現在のギネスだ。
南アフリカの金鉱山のタウトナ鉱山が記録をもち3902mの深さまで掘られている。
火山地帯でないので、地熱による上昇は少ないが、
それでも地熱で摂氏55度と作業するには不向きな環境下になり、
28度まで下げる空調設備が欠かせない。

人での採掘限界はこんなもんであろう。

機械はと言うと…液体や気体の採掘坑をほるや、調査目的でボーリングという手段がある。
この採掘システムみたく大々的なのではない。

2014年現在の記録は、学術目的でのボーリングで、12,262m、
高温状況下では、
岩手県葛根田とかいて、かっこんだと読む地熱地域で、溶けているマグマのすぐ近くまでボーリング掘削が行われ、地下3729mの深さで500℃もの高温が観測された。これは地下深部で観測された温度の世界記録でもある。
これ以上の温度にはドリルがたえられなく、現用技術ではマグマを突っ切る等は夢でもあった。

だがこのメタル加工工場は自慢のドリルを地下深く33kmまで下ろして余裕、
かつドリルの中に採掘運搬用上りエスカレーターらしいの等々を装備、
所々の階層から採掘箇所への通路がつくられている。

だが…これだけの規模でありドリル基部を支えるには資源がかかる。
次の基部発展には、7765万tのメタル、1941万tのクリスタルがかかると提示されていた。
襲われなければ、貯蔵庫も保管できれば…になるが次の規模へと発展できよう。

規模がでかすぎる為にこれもナノマシン打ち、次の建屋へ…と向かう。


次にとりついた建屋はソーラーエネルギー発電所だ。

(ほう…)

今の地球上では大気により太陽光エネルギーが減衰され、
ある社製の太陽光発電システムをいれると地上において1Mw発電に必要な用地は2ヘクタール、サッカーフィールド2つ分の用地がは必要といわれる。

関西空港に導入されている太陽光発電所は、2015年現在11.6Mwの大規模発電所となっていて、
東京電力の米倉山太陽光発電所10Mwより上とはおそれいった。
関西空港はB滑走路の南側に96,000m^2と貨物建屋上23,000m^2に設置、
Googleアース等でみると一目でわかる。

それより上は扇島太陽光発電所で、13Mw23haだ。ここは別会社製の太陽光パネルを導入してる。用地がある分の出力規模だ。

だが日本最大級は2015年現在、大分ソーラーパワー社で、82.02Mw発電能力をもつ。
大分臨海工業地帯の埋め立て地の遊休地を借り受け大規模的に韓国ハンファに買収されたQセルズ製の太陽光パネルを設置…
日本製でないのが…
105haの土地にて、82.02Mwの発電量を誇る。

それでも太陽光発電に関しては2015年現在…日本はまだ後進国で、
意外と思うが中国が最先端である。
まぁ確かに社会主義で土地は国のものであり、用地ありあまってるならありかもしれない。
需要に供給…技術が発展する理由の1つだ。
2014世界供給市場でtop10の内、8社が中国、内中国1社が破産で会社生産中といかにも中国らしいが…

保障と言う面では中国メーカーは除外対象と思えるが、
自国は開発実験場…が中国であると言えよう。土地が無い近隣諸国はたまったもんでない。
中国首脳部ヘイトはそこまでにして…
世界規模でみると40GW市場になっていた。

宇宙空間においては国際宇宙ステーションの太陽光パネルがあげられよう。
幅11.6m長さ33.5mで中央にマストがあり2分割されて、
この1セットで約9.5kw発電、同形が8セットで75kw発電、ロシア側パネル合わせて110kw発電している。
日本の平均消費40軒分だ。
デブリからの防護面からメガソーラーよりかは面積での発電量は劣るが、天候に左右されない、夜の面にいかない限り発電可能とも言えよう。

この大気のない惑星に設置されたソーラーエネルギー発電所、1.1Gwの出力規模で惑星全土の電力を賄う…
惑星全土と考えるにしては少ないが、それ以外の施設が省エネといえるのだろう。

まぁ…1惑星1基地ともよべるが…

もう1点、必要な用地が現代の太陽光発電所よりも少ない。
単純に先程の1Mwには2ha必要から、2200ha…千代田区2つ分の土地が必要と判断できるが
その44分の1の50ha、ネズミーランド並の土地ですんでいた。
現代技術ではエネルギー変換が40%が限界で、先程あげた発電所はシリコン系パネル既製品、15%〜20%台あたりを使用してよう。
これから建造されるところで、25%のシリコン系がつかわれよう。
宇宙用で化合物3接地太陽光パネルで40%台、
そして2015年にイタリアで変換率64%のが発表された。
これを大分メガソーラーに使用すると300Mw超えになる。

ただ100%と計算しても500Mw未満である。
地球では地上に32%の太陽光エネルギーが到達する。
大気などの減衰があるため、この惑星ではその分でかせげている筈だ。

それに集光性もあり変換率が面積あたり100%を超えていよう。

また耐久性も優れていよう。
現状パネルは20年と言われてるがそれ以上もつと思えた。

更には自転で夜の面では発電が行えないのが常識であるが、蓄電施設もこの用地におさまり…
かなりの高性能といえた。

ナノマシン打ち込み次にとりついた建屋は…早期警戒レーダー基地であった。

対エルメラン航法に特化したレーダー施設だ。
Lv2までは通常航行分の1分半まで、Lv3からエルメラン航法反応を探知専科とするため探知距離は飛躍的に増大する。

更には他の惑星探知に関してもそこに何がある、規模等は探知できないが、
他銀河であっても惑星の存在までは検知する高性能さを誇っていた。

90万光年先の別銀河でさえも…

これまた高性能といえよう。

とりついた早期警戒レーダー基地は惑星襲来30分を探知する能力をもつ。

案外時間的に少ない能力と思うが、距離がほぼ関係ないこの世界なら、それでもありかもしれない。
ナノマシン打ち込み次の施設に行こうとしたところで…


『マスター!!緊急事態!』

「なにが起こった?」
ルーロスから連絡が入る。

『センサーに恒星系が新たに出現』

「はぁ?新たにって、恒星規模でのステルス?まさか転移じゃ…」
『超空間振動もあり、転移としか思えない…』

「まさか…」

基本惑星自体だけの転移は不可能である。
不可能な理由として惑星は恒星系の一部であり、
恒星からのエネルギーにより気温、はたまたソーラー発電等おこなう。
また恒星の距離で公転がきまり、自転等により大気の流動等がおきる。

仮に地球を木星軌道に転移させたとして…そのままの環境でいられるだろうか?
答えはNoなのはいわずともしれず…
寒冷化し、死の惑星になるだろう。
そして太陽と木星の重力の釣り合いができなければ、木星に飛び込む運命になろう…

別の恒星系の地球サイズの惑星を地球と火星の間に転移させたら…
うまくいけば第四惑星となるが、大抵の場合…地球とか火星の公転に影響がでて、惑星衝突の危機になろう。

では…別恒星系の地球サイズ惑星を地球軌道の裏地球の位置に転移させたら…
これならばうまくいくかもしれないが…

この様に転移できるポイント、タイミング等は限りなくシビアになるだろう。

だが恒星系ならば……でもエネルギーが半端ないと想像できる。

『あっ…艦隊が出撃したっぽい』

「また戦いかよ…」

『……30kmクラス移動反応あり数89、機動要塞でちね、他大多数でち』

「はぁ?」

30kmクラスとするとイゼルローンやガイエスブルクよりかは小さいが、
その数が89もあれば、戦力的にも120kmのデス・スターをもうわまろう。

もしNASAがデス・スターをいまから建造に取り組むとすれば、世界の国内総生産のおよそ13,000倍が必要で、
コストは鉄だけで85京2000兆$。
デス・スターのサイズだと、
だいたい1.08×10^15トン=1.08ペタt、10.8兆tの粗鉄が必要というらしい。
ざっと20分1と計算して、合計約50兆t分の粗鉄が使用されている89基の機動要塞…

そんなのがうじゃうじゃと…出てくる世界…

「どうなってんのこの世界…」



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