第034話 惑星ドル編03 惑星ドル到着


「間もなくスペースアウトでちぃ」

壁は透過されていて惑星ドルの衛星軌道上で通常空間へと戻った。

「じゃあ…一番栄えてそうな街近くと、前線の街かな」

この惑星には介入の必要ありだが、タイミングはまだ遅らせたい。
まずこちらの地上戦力もまだ3つ目の惑星に投入できる程整ってはない。
惑星ロドニアは予定戦力数揃ってるが、まだ全てのハイヴをかたつけてない。
惑星コムネスは投入予定数の50%を超えたあたりだ。

それにどの国家勢力になってるのか、またどのように接触し、どうやって惑星の代表と会合すべきか…
惑星ファイブの場合なら西暦2010年レベル以上だと思われ、
瞬時に各国へ伝わり、各々の国の方針はあるが方向性が伝わるだろう。

だが魔法ありだとしても中世レベルだ。

惑星コムネスでは1国と都市国家が3だけであったからスムーズにすんだが、
惑星ドルでは下手したら国家同士の話が数ヵ月かかるかもしれない。

「用心して60kmの距離をおいて着陸してくれ」

「あいでちぃ〜」

地平線下に着地すればまずは問題なかろうと考え…

地上に到達、ルーロス改をしまい…


「ナビよろしく」

『マスター、了解。北北東60kmに街ね』

衛星軌道上のB1を介してコバッタのサポートが入る。

(北北東か…)

直線上には森があり、街へは右側を大きく迂回する形になる。

「なぁ、あの森だが…猪や牛サイズの生命反応はあるか?」

『あの森?2分まって…』

現地通貨の入手する手段でいくつか持ってきてるが、どうせなら現地素材もよいかなと考え始めた。
猪や牛、熊などを狩って、素材を売って肉にすると…
とりあえず血抜きと内臓落としを腰骨わって肛門切って、食道をきって全部やればあとは解体は街の買い取り業者に任せたらよいだろうと思い…

『いるね』

「じゃあ、進行方向上に近いのを狩っていくからナビよろしく」

『了解〜』

身体能力的には使徒の力を持つカオルは問題ない。
森に踏み込んでいく…


『あっ、マスター。どうやら食料は地下で生産してるっぽいかも』

「へぇ…地下でか…」

それならば地上をいくら偵察しても用地が見つからない筈だ。

太陽の届かない地下の環境でも適度な光があれば植物は光合成を行い育つのは、
知ってると思う。

例えば最近の記事では幕張新都心の地下の共同構にLED照明によるレタス等葉物の植物工場の誘致が決まり、
伊東電気の植物工場用の設備システムが富士通とグループ事業として入った。
地上の施設にて種から育成、優良苗をトレーに定植させ、
LED照明により成長させ、二酸化炭素や養液を供給。
生育段階に応じてトレーが動き、レタスなら24日ほどで収穫できる大きさになり、
地上の収穫施設に自動で運ばれる仕組みだ。
2020年迄に1日5千株の出荷目標を目指している。

2005年、一時話題になったパソナO2、都市銀行の地下金庫跡に開設した地下植物工場もある意味有名だったろう。
こちらもLED照明により、稲さえも豊かに実ってたが、
2009年ビルの賃料値上げに納得せず、本社ビル移転と同時に閉鎖、
新たな本社ビルに植物工場が移転したが、地下世界の植物工場のブランドは無くなってしまった…

だが中世レベルでは照明という技術はまず無理といえ、
あとは太陽光を直接地下まで届ける技術を残すのみだ。

これならば照明費用というコストはかからない為、生産して照明費用を捻出する工場ではなく、
ただ単に公園として植物を地下で育てることができる。
そのプロジェクトがアメリカである。
ウイリアムスバーグ・トローリー・ターミナル再生計画、LowLineだ。

鉄道跡構造物は特に都市部では解体が難しく、HighLine…
ウエストサイド線の支線、マンハッタンのロウワー・ウエスト・サイドで運行されていたの高架貨物線の廃線跡を、
歩行者高架遊歩道として再利用したが、

当時廃線後1980年からのは壊されてなく再利用計画発動まで廃墟となりつつあり、治安悪化に繋がってた。
また1960年廃止区間も建物内に線路が通ってる箇所は建物がまだ現役でつかわれていて、ビルの3階部分の1部が空洞になってるのが一目でわかる。

LowLineは、1948年に廃止となった地下大空洞廃墟に自然公園を造ろうとするプロジェクトで、
2012年から開始され、2016年一部一般公開している。

"remote skylight"システムにより、地上の集光器から通常の30倍の強さの光に収縮され地下におくられ、
アルミニウム・キャノピーで通常の光の強さに拡散させて植物を照す。

LowLineはまだまだ運営化にむけて地権所有者と市との交渉中の段階ではあるが、
完成したらニューヨークの地下に広大な自然公園が完成する。

集光技術があれば地下へと広大な空間が利用できるようにはなる。

因みに前話まで農作業で重労働の必要カロリー3000kcalと、あげてたが…

野生の肉は案外低カロリーなのはわかっただろう。
なら狩猟時代はどうカロリーを摂取して過ごしていたのか…

現代において狩猟採取文明で生きてるのが僅かながらいる。
オーストラリアの先住原住民アボリニジだ。

彼らの食生活の調査実験で1984年、
10名の肥満男性をアボリジニの村に送り込み、7週間生活する実験が行われた。

かれらの主食はヤムイモとハチミツ、牛肉、魚、カンガルー、ワニ、エミュー、オオトカゲ、

副食に昆虫食も行われ、生きた緑色のアリ、オオボクトウの幼虫などが食され、
木の実やベリー類、根、種を食べている。
調理法は焼く、蒸し焼きだけ、土器等は無かったために汁物もない。
調味料は胡椒だけでなく、塩などもまったく使わない。
つまりマヨネーズなども無縁の食文化だ。

狩猟採取報酬で生活した結果…
総摂取カロリーのタンパク質の割合が50〜80%、
炭水化物の割合は5〜33%になり、
1日の摂取カロリーが1200kcalで、
参加者の体重が平均で8kg減り、空腹時の血糖値が正常に、
そして中性脂肪の数値が激しく下がった。

肥満人のダイエットにはちょうどよいが…
基礎代謝以下で生活つづけると危険な状態に陥る場合がある。

平均的な生活活動強度なら基礎代謝の半分くらいのエネルギーを日常動作に使っているのが普通だが、
餓死の危険が迫ると動作が不活発になってエネルギーを倹約するようになる。

動作が不活発…脳の動きを制限したり等正常な精神状態にならなくなり大変危険だから止めましょうだが、
一応1日1200kcalで最低限生命維持ラインといえていた。

『あと、荷車引くのが馬でない何か…』

「何か?」

『生物では無さそうなんだけどね』

(ゴーレムかなぁ?)

人口集中して都市化する際に避けられない問題がある。
ごみ、そして排ガス、昔で言えば馬ボロ…

まず現代のタイのバンコクは人口約800万人、1,589平方kmの行政都、
フィリピンのメトロマニラは約1,186万人の613.9平方kmの首都圏、
そこはマニラ市だろというが、マニラ市はたった38平方kmにすぎないのでメトロマニラが排ガスが酷い。
双方とも排ガスによる汚染が問題視されている街だ。
日本も高度成長期には排ガスが酷かった…それが現代のバンコクやマニラといえよう。

中国は大気汚染が酷いが、排ガスは規制されていて、工場の方がが酷いので除外する。
排ガス規制も、強制廃車…
日本にも15条廃車、強制廃車はあるが車検を何度も通さない、
つまり何年も運用してないとみなされる行政手続きによるものでだ。
排ガス基準満たしてないから、改修してくださいでなく、強制的に廃車しますと厳しいもんだ。
その影響で路線バスが4千台も廃車になるという。
ギリギリなのを作るな売るなと言いたいが…


中世においては馬ボロや牛ボロといえよう。
そんなに交通関係では頭数いないから馬ボロでないんじゃ?と思うかもしれないが、
まず日本人は歩きすぎ!!というのが、海外の人の感想で、
日本人女性の平均歩数は50代までで約7千歩、
アメリカ人3千歩、スイス9千歩というデーターが出ている。
アメリカはすぐ車という移動ぶりで、それほど歩かない生活をしている。

バンコクにおいては…ほんと歩かなく、歩いたら汗だらになるからが現状ともいえ、
庶民の脚はバス、タクシー、バイタク=モトサイ、水上バス、運河船で、
トゥクトゥクはバンコク市内は比較的観光客向けになっている。

タクシーは、レート1万円が今時3500バーツ程で、高速含めて1時間半程、100km乗っても、メーターで2,000バーツですむ。
更には適正運賃表からは1,700バーツ、深夜料金も加算無しだ。
日本なら100km計算で約3万円、深夜料金が約3万8千円、渋滞計算なしでだ。
初乗りは35バーツ…
なので正直ドライバーはメーター使用は近距離は嫌がるともいえよう。

バイタクは1kn位まで20〜30バーツ、それ以上は10バーツであがる。

電車等は?と思うかもしれないが、近距離都市交通システムのBTSが2路線、
エアポートリンクが1路線、地下鉄のMRTが1路線、そして2016年MRTの高架路線が開業して、
日中にバンコク市内を15分に1本以上走る路線が5つに増えた。

タイ国営鉄道は日本で言えば長距離在来線に相当して都市間交通の為に、
駅区間も長く、本数も少ない。

バスは頻繁に走っていて、タイ語表記なので読めないが、番号とマップで見比べるしかない。


水上バスはバンコク王宮脇を南北に流れるチャオプラヤー川を運行するチャオプラヤー・エクスプレス=CPXおよびツーリストボートで、
35の船着き場を南北に結ぶ。
CPXは1日約4万人の利用客だ。
1列片側2席で、立席こみで200名はいけるだろう。
朝は7分間隔、日中は普通停泊のみなら20分、急行合わせて10分間隔でうごいている。

運河船はバンコクを東西に走る運河を運行する、
生活排水が多分流れ込んでいるドブ川を水飛沫あげながら走る渋滞知らずの高速船で、
……注意しなければならないのは、確実に座席に座ってると運河の飛沫がかかり洋服が悲惨な事になるため、
ブルーシートを側面をあげなければならない。
まだ東のセーンセブ運河線は横詰めれば8人はいけるサイズなのでよいが、

プラカノーン運河線とトンプリーの運河線は、ルア・ハーン・ヤーオをつかっていて、
プラカノーン運河線はスピード出せない蛇行だからよいが…
トンプリーの運河4線はスピードが出て座席は横2列が限界ボートなのに…っう事だ。

因みにバンコク市外では、ソンテウ、トゥクトゥク、モトサイが庶民の脚になる。
バイトの時給が30バーツだからそれ以上はあげられないのが実情ともいえる。


それで、バンコクのバスはBMTAが7千台が、タクシーは11万台近く走行している。
人口800万人に対してなので、100万人ではバスが875台、
1日利用客はバンコク都内利用客は100万人なので12.5万人相当。
タクシーは1.4万台相当で、平均30実車と考え63万人相当。

BTSは1日70万人以上が乗車し、ピーク時には積み残しが発生するが、1日8.75万人分、
2012年度のBMTは24万人なので、1日3万人…

水上バス、運河船は、水上バスが5千人、
セーンセーブ運河線は立ち席含め1ボート200名以上は無理なはずで…
通勤時間帯はラッシュが酷く積み残しもある程だが頻繁に走っていて、1日8万人は固いと思う。
なので、1日1万人ってとこだろう。

トンプリーの運河4線合計で1日2万人あればよいほうか?なので1日25百人ってとこころで、
100万人相当の場合述べ人数になるが88.75万人が公共交通機関利用者数だ。

全ての人員移動を馬車に換算すると…

辻馬車が最大3名、乗り合い馬車が最大12名あたりで…

乗り合い馬車で参考になるのが成駒屋で、東京日本橋の松坂屋裏から、横浜の馬車道の吉田橋まで4時間、
3分の料金、かけそば150杯分の料金でむすんだ。
6人のり、2頭仕立てで、京浜間鉄道開通で廃業したが、
25台の馬車、60頭の馬で膨大な利益を出していたそうだ。

88.75万人の足だが、
まずタクシー分の63万人相当の1.4万台タクシーは辻馬車換算で3倍あたりの3.2万台の辻馬車と考えて、馬は3.2万頭そのまま必要だろう。

残りの15万人の足だが…6人乗りの乗り合い馬車と考えると…
20往復で消化し、1500台の、交代馬含めて3500頭あたりとざっと算出されよう。

で、問題のボロにやっとなるが、1頭あたり14kg〜23kgのボロがでるので、
100万人在住の都市部内が23kg出すと考え1日あたり、816tのボロが路上に放置される結果となる。
1回の収集能力が50kgとして、1日10回となると、1632人のお掃除人が必要となる。
でなければ中世のパリのように不衛生都市としてペストが蔓延が懸念されたが…

ゴーレムにて一気に解決つく話になった。

……

『マスター、そろそろ北微西距離200mに2mの生命反応』

「ん?…何処だ?」

うっそうと繁って生物を確認できない。

『150…100』

見えてなければヤバイ筈の距離に近づいてく。

因みに猟での散弾銃による射撃ではバックショット弾で大体距離30〜50mが動く目標に対しての当てられ殺害できる目安だ。
野生の獣は基本的には臆病で警戒心の強い生き物であるため、
獣のほうから距離をとって離れていく。
ただし人の味や、餌を覚えた熊は積極的によってくるだろう。だから登山客による餌付けは駄目だ。

そしていきなり角を曲がったら出会い頭に、というパターンは大変危険だ。
特に興奮した猪は人間を倒さねばならない敵とみなし、突撃してくることがある。
因みにスラッグ弾だと70m〜100m、
熊用のライフル銃だと200m〜300mだ。

『50』

因みに鹿猟のしかたが参考になるだろう。

グループ猟の巻き猟は待ってる猟師の箇所へ追い込むやり方だが、
単独猟の忍び猟は難易度が格段にあがる。

鹿がいる場所の見当を付けて、足音や気配を消しながら近づき、鹿を発見して撃つ…ただ単純な事だが、
山の中を足音を立てずに人間が歩くことはかなり困難で、人間が鹿を見つける前に鹿に見つかるのが大半だ。
その場合、鹿は警戒鳴きをして付近にいるすべての鹿に外敵の存在を知られてしまう。
鳴いているのが聞こえても姿が見えないことが多い。

鹿が鳴かないこともあるが、この場合は音もなく逃げられて人間は鹿がいたことすら気づかない。
鹿の足跡、寝床、糞は見つかるが肝心の鹿にはお目にかかれないということも…

だから先に見つけなければならないが…

『25』


(何処だ?)

まだ見つからない…生体反応はあるからいるとして目を凝らすがみつからない。

『15…マスター!動いた!』

左腕に絡まる糸、急激に引っ張られ、
カオルは上方へと宙に浮く。
使徒シャムシエルの力により空中にて静止する力場を発生させて、逆に引っ張り…

(人間サイズのクモかよ!!)

上方から落ちてきたのは体長2m級の巨大なクモであった。
お尻から糸を出してたようでお尻から落ちてきた形だが間違いない。
地表ばっかり警戒してて上方を見過ごしていた。

クモは落とされた混乱受けた様子はなく方向転換し始めるが、
カオルは慌てずに右手をシャムシエルの高周波ブレードに変えて駆け出し一閃…

クモは左右に真っ二つに割れる。

『マスター、どうだった?』

「人間サイズのクモだった」

『へっ?クモ???』

「ああ、クモだ」

『えっ、だって…2mサイズ反応…』

「それがクモだったわけだな…」

クモの分類で地球上で、一番デカイのは、和名ルブロンオオツチグモになる。

ギネス世界記録では、足を広げると最長30cm、重さ170g、産まれたばかりの赤ちゃん犬の重量に相当する。
性質は攻撃的。
人間に対する毒性は強くないが、身体が大きく鋏角も大きいため、噛まれると小型犬に噛まれる程度の怪我をする。
刺激毛が目や粘膜に付着したときや噛まれたときの痛みも相当に激しい。

餌は主にトカゲやカエル、各種昆虫。飼育下ではマウス等、
鳥も捕獲できれば食べるだろう。

「不意をつかれて、クモ糸で引っ張りあげられたよ」

『はい?マスターがひっぱられた?』

脚伸ばして30cmのルブロンオオツチグモはクモ糸をださない。
徘徊性で、陸上を生活するクモで、穴を掘って生活し、毒でもって捕食する。

造網性…クモ糸で巣を作り捕食する最大級個体は、日本でも生息するオオジョロウグモになる。
糸を出すのは最大でそんなもんで。コバッタはそれを知っているため混乱していたようすだ。

因みにクモの糸で最大強度とよべるのが、2010年に発見されたダーウィンズ・バーク・スパイダーで、25mに及ぶ巣を造り上げる習性をもつ。
それまで存在はしられてたが、科学発表されなかったクモだ。
メスの18mm程度の個体でその網を造り上げる。

だが25mの巣でも人間に引っ掛かると切れてしまう。
因みにカオルの身長体重は、162cmの47kg。
通常のクモ糸ならば3mm、ダーウィンズならば1.5mm程でおとなの標準体重を持ち上げられる。

だが勢いよくとなるとその2倍はほしいといえよう。

だが左腕に絡まった糸の太さは1mmも無い。
またクモを逆に引っ張り、かなりの力を加えたのに切れてない。

ちょっと無理矢理とるのも厳しく糸と肌の隙間に指をいれて指先をブレードに変化させて切っている。

『マスター、そのクモ欲しい』

2013年に日本、鶴岡市のスパイパー社が開発した石油に頼らない量産体制を整えた人工クモ糸は、
強度は鉄鋼の340倍、伸縮性はナイロンを上回り、耐熱性は300度を超えている。
人工クモ糸よりも数倍の強度を持つ強化天然クモ糸だ。

「捕獲器は持ってきてないし、このサイズの作ってないんだろ?
他にも居るんだろ?このサイズのクモ」

『同一反応ぽいのが…その森の中だけで2万以上は居る』

「なら個体捕獲は次回で…繭玉か…これ回収してみる」

『繭玉?』

「獲物を捕らえてつつんでいる繭玉がある。
大きさからいって1mサイズの狼だと思うけど…」

『人じゃないんだ』

「多分……」

『じゃあ、それよろしく〜』

繭玉を大きなクモの巣からキレイに切り取って…
このままクモの巣ダイブは見事に絡まるだろう。
クモの巣では横糸に粘球がつけられて、粘球破裂で絡まる。

因みに一回クモの巣からとったクモを回りの糸ごとぬぐってから巣に返すと、
自分の巣なのに躊躇し始め、無理に巣にのせると自らの巣に絡まってしまう。

クモの糸には種類があり、まずクモの巣の網の糸にも、
枠糸、縦糸、横糸、しおり糸、足場糸、卵のうを作る際の糸等がある。
また基本クモの糸は絡まない。
絡むじゃないかには、糸を引くさいに後付けで粘着物質の粘球を糸に絡ませている。
粘球が接触した際に破けて糸が絡むわけだ。

で、粘球は小さく、いちいち避けて通るのは蜘蛛にとっても大変だ。
オニグモならば横糸の直径が2.5μmで、
粘球の大きさは小さいのが、幅12.5μm、長さ17.5μm。
大きいのが幅16.5μm、長さ22.5μm。
粘球は約50μmごとにつけられ、粘球間は約25μmとしかない。
一応オニグモは雌の成体で30mmから20mmあたりの大きさ。
1mmは1000μmなので、
自分の体長の1000分の1の間隔しか足の踏み場がない形で作られる。

それではいちいち見ながらではクモもスピードがでない。
なのでしおり糸というのがある。

常にクモのお尻から出ている種類の糸で、巣の中心とクモを結ぶガイドライン的役割を行っている。
しおり糸で脚の間隔が本能でわかり、粘球を脚が避けているから絡まないというわけだ。
拭ったらしおり糸が切れてしまうために自分の巣のトラップがわからなくなる。

獲物を捉える時はしおり糸を出しながら、縦糸を出してす巻きにしていくという器用な形で巻いていく。

(……ところで…どう換金するのだろう?)

真っ二つに割った巨大クモの死骸を見て悩み…
噴霧式真空パックをかけて虚数空間の冷凍室へと置いておく。

「……ところで…このサイズ以上の反応ある?」

『いるよ〜、多分6mサイズ…いく?』

「……いってみるか」

さっきの反省から地上ではなく、上空から目標へとすすむ。

さっきのクモは地上から10m〜15m辺りに巣を作っていた。
上空50mはクモにとって範囲外、
上空30mは時たま糸がかかり引っ張られる範囲内ともいえた。
ナゲナワグモの様なもんだろう。
ナゲナワグモは足場を組んだように糸をはってぶら下がると、
更に粘球のついた糸をぶら下げる。
獲物の昆虫が近づくと振り回して遠心力つけて投げ、
獲物が引っ掛かるといっきに降りていき獲物を糸で包みあげてとらえるわけだ。

もちろん、逃げる力が強ければ逃げる事もできようが、大抵の獲物は空中を羽ばたいている為に軽い。
あっけなく捕まり一気に繭で包まれて糸は切れずにすむ。

このクモは獲物を引っ掻けると引っ張って巣で餌繭とする習性があるようで、

ざっと2mサイズ反応と言ってたが、クモは脚を広げて2m超えの2.3m、
胴体腹部だけなら、長さ横が1m台、高さが1m未満とさほど大きくはない。
重さが21kgとまぁまぁ重めで、獲物を引っ張る力を保つのだろう。

安全圏を探しながら絡んできたクモをわざと釣り上げ、一閃し、資源を回収しながら…

因みに繭の中に1mサイズの昆虫もいた…

餌繭からは原型を伴わない死骸、いやその死骸すらとけている状態のもある。

一般的に体液のみを食すると誤解をうけてるが…
クモは溶かした液体を食する…
体液だけでなく、筋肉や脂肪、内蔵等まるごと溶かして溶けない外骨格のみが残る形になる。

オニグモならば捕獲した際に神経を麻痺させる毒液と共に消化液を流がしこむ。
勿論瞬時に溶ける様なもんではない。
二噛み程して、神経毒により動きが緩慢になって糸を巻いていき、
運搬体制を整えて、巣穴に持っていく形になる。
おおよそ15分程の工程だ。

餌繭状態では外に漏れだす心配もないのか、
蛹のように完全に生命のスープにして食すると考えられていた。

『500m』

まもなく6m級の個体近くなったとコバッタが告げてくれた。

『400m…300m…えっ?』

また糸がかかり…

「またクモかよ!!」

いつもより強烈な力がかかる。
普通の者ならば間違いなく引っ張られるだろうが、マッハ2の速度を出す力がある。
抵抗してこちらも引っ張ろうとするが、意外に強い抵抗をうけ、糸が切れてたたら踏む。

(げっ!!)

すると更に巨大なクモが自ら空中へとはねあがってきた。

『マスター!目標急速接近』

「ジャンプしてくる巨大なクモだ!」

絶対に200kg以上、1tはありそうかもしれない巨大なクモが自らの脚でジャンプしてきた。

(げっ)
カオルの目からはクモの噴霧というべきのが高くつきだしたお尻からカオル向かって放たれ、
辛うじて横にかわして難を逃れた。
噴霧は上方向からで下降し木にかかると…

(粘る…クモの糸か…)

あれに絡まったら身動きがかなり制限される程であろう。

(正面からは危険か)

まだ超巨大クモはで滞空中、横回りで後方へと、

(後ろからも?)

クモの糸を飛ばしてきた。
頭の後ろにも目らしきものある。

(厄介だな…)

クモが墜落した時を狙うかを考えてたら、クモは木々に糸を噴霧し、
瞬間的にネットを形成した。
ネットに着地、1tもあってもネットにかかっている木々で重量と衝撃を分散しているのだろう。

「"加速"」

巨大クモがまたジャンプしてきたのに合わせて、虚無魔法の加速を唱えた。
世界の流れが遅くなり、巨大クモも世界の流れに取り残される。

カオルは右手をブレードに変化させて頭からつらなる胴体と腹部間接部を狙って一閃。

巨大クモは頭胴体と腹部で真っ二つにゆっくりと離れていった。
加速を解除すると巨大クモは落下して生き絶えていった…

「おわった」

『マスター…ちゃんと飛んでたの?』

「ああ、飛んでたさ…上空500m程だから…直線580m位は離れてたな…
そこに正確にピンポイントに糸かけてくるから一般的な対地攻撃ヘリなら下手したら引き落とされるかもな…」

『うわぁ…』

「とりあえず戦利品だ。回収してくる」

この巨大なクモ…体重は…
(ん〜500kgあたりか?)

その体重でなら、先のようにネットを張れば木から落ちることはないだろう。

にしてもその脚力はおそれいる。
ハエトリグモのごとく、ジャンプして襲ってきたが、
500m上空にいたカオルよりも高い位置へと飛び上がったわけだ。

しかも背後にいても複眼でみられ、下方向にも複眼があった。
死角はない個体といえよう。

長さは頭胴体部と腹部あわせて5.5m、脚延ばせば8mはいきそうだ。

(でっと…巣があるはずだよな…)
巨大なクモの巣を探して…


人型をした繭が…明らかにやばそうなのが巣かかっており、
注意して繭に切り込みを入れ穴を開けてくと…

繭の中には人らしいのが入っていた。

(あちゃ〜…死体か…)

と思って穴から見えていて、肌がでている肩の部分触ってみると柔らかい。
(ん?…臭くはないから…生きてるんか?)

肉は、死後硬直後に、柔らかく熟成=腐敗する。それは魚肉や陸上肉…牛、豚等…人間もかわらない。

様は熟成肉は腐敗する前の段階といえてた。
熟成肉と腐敗肉どう違うの?とだが、0〜2度による低温管理による菌の繁殖を抑えた状態で寝かしたのが熟成肉で、
標準気温で寝かせて菌が繁殖したのが腐敗肉であった。
ただ、食中毒や他のカビが付き表面を焼いても駄目な場合もあることはあるが…

繭を注意しながら切って全身が出るようにすると、
女の子…おそらく胸の膨らみから12才くらいの子を餌繭から剥ぐ事ができた。

肌の色はまだ赤い、体温はある。
手の動脈は…
(ん〜?)
動いている感じはしない。
洋服を破いて胸を直接は流石に躊躇する。
本来なら5分遅れれば…というが、救命カプセルに任せれば死後少したっても蘇生は可能であるので、
他の6個の繭も人の可能性があるので着手した。
ターミネーターを虚数空間から出して警戒させながら、
巣から繭を剥ぎ、餌繭から出す作業をつづけ…

まずは二つ目の繭…
(硬い…)
あきらめて次の繭へと移行した…

一般的なクモと違い、おそらく溶かしてすするという行為をしないのだろう。

毒に関してはおそらく使ってないかだ。

地球の日本のクモに関して、人間に効く毒を持つのは在来種でもある。
ただし命に関わるようなものでなく、蚊のような症状で大抵おさまるが、
赤く腫れ上がったり、頭痛、発熱等アレルギー症状が出る場合がある。
そしたら大きい病院に行く程度だ。

ただし…外来種のゴケグモ系はかなりヤバイことになる。
症状が重い場合は身体の硬直等が起き、
蜂毒と同様にアナフィラキシーショックで死亡する事がある。

そしてアメリカに生息しているドクイトグモは、別名ヴァイオリンスパイダーと呼ばれ、強力な毒をもつ。

まず噛まれた事に気づかない場合があり、ほったらかしにするのが悪化の元になる。
時間経過と共に激痛が始まり8時間以上続き、
水ぶくれになりそのうち壊死してしまう。
他のクモ毒と違い血清注射では効果なく、外科手術して患部を切り取り、全身抗生剤投与と大事になる。

因みにタランチュラは毒は強くない。
えっ?と思うかもしれないが、素手で触るなだけ注意すればよいクラスだ。
ペットとして飼われている程であるのに毒が殺人レベルならば…わかるだろう。

外来種のうち、生体系、農林水産業、人の生命・身体への被害が大きいものは飼育などが禁止されてるが、
タランチュラは指定されてない。


7つの餌繭からは先のと合わせて4つ固くなった人間が見つかった。

まだ詳しくはわからないが、圧迫死後の腐敗が始まったら食するのかと思う。
でなければ原型を残したままではない状態で見つかり、
また生存者も消化酵素が打ち込まれていて表面上はなんにもないが、
内部の内蔵等が今も溶けている段階といえてる状態であろう。

救命カプセルの診断では、生存者3名は仮死状態…極めて生命維持活動が低下してると診断され、
蘇生作業へカプセルが閉じられた。
こちらは収納し…

残りの遺体を…

エバーミングや葬儀社スタッフの世界の仕事になるが
死後硬直がほぼMAXで発見された場合、
間接を折るや外す等の措置をして納棺を急ぐ。
さもなければ次の段階は腐敗になり、最期のお別れさえもきつくなっていく話になる。

幸いにして間接部に関しては繭で圧迫しているために外に飛び出るというのはないからよいとして、
折り曲げている膝間接、腰間接をどうするか…

そのまま液体窒素をふりかけ冷凍柩措置をとり、冷凍室に納棺し…

忘れ物ないか確認してカオルは高度をとり街へと向かう。

(しっかしまぁ…)

この森の広さは約20万haだが、都市に近い。
その森林に地球では見ない巨大な肉食のクモがいて、人間でも捕食されてしまう…

街外では中世の地球と違い、人が住めるような環境では無いようだ。

太古の地球人類の天敵はいた。
クマ、ライオン、トラ、オオカミ等の大型、中型哺乳肉食動物等だが、
彼等の習性、及び人類武器文明の発達により早くに人間が優位にたち、
絶滅に追い込んだのが数知れない。

ヨーロッパライオン、ペルシャトラ、ニホンオオカミ…いづれも絶滅した肉食獣だ。

ヨーロッパにおいてはまず平地での王者だったライオンの地中海北岸生息のヨーロッパライオンが紀元100年頃に絶滅した。
古代ローマの闘技場にて闘剣士や他の猛獣と戦わされたり、積極的な狩りによってが理由だ。

ライオンは1体でいるところを槍と盾と20位の集団であたれば案外捕縛できる。
現代でいえばマサイ族の狩り手法になる。

武器を持たずに1対1で直面したら餌になるがおちとはいえるが…

闘技場で戦わされた猛獣にカスピトラがいる。
カスピ海沿岸及びその東側山岳地帯が生息地だった為に、
絶滅は1974年と案外最近だ。

ヨーロッパオオヤマネコ、スペインオオヤマネコ、
ヨーロッパオオカミ、ヒグマ、グズリ…

いずれも森林部が生息地の為に一時期駆除の為に絶滅しかけてたが辛うじて生き延びている。
過去には度重なる家畜被害のために、シュヴァルツヴァルト…現在の異名は黒い森だが、当時は魔の森の開拓を行い、
シュヴァルツヴァルトからはオオカミは居なくなり、
またヨーロッパ各地でも駆除を積極的に行ったので、西側からは居なくなり、
1950年代に駆除が行わなくなったので絶命は免れてはいる。

ニホンオオカミは山間部の森林でかなり生き延びていたが、1900年に絶滅が確認された。

だがヒグマでもそうだが1対1で武器ありならばなんとかなるが、
巨大クモの様にならない程ではない。

この惑星ドルは厳しい環境なので街壁の中に安全を求めているのだろう…

…………

森を越えてから着地し、徒歩で街へと近づく。

カオルが向かっている街は、
一番外側の街壁は直径10kmの円状のかなり巨大な街壁を持ち、
人口はおよそ115万人とコバッタから情報を伝えられた。
その際に翻訳データーも更新され会話はもう問題ないだろう。あとは文字になるが…

(……やっぱり審査ある様だな)

街へ入る際に審査があり、重犯罪者が街に入るのを阻止している形になってるのだろう。
その際にお金を納めて入場税をとってるのかもしれない。
なんかしらの記録をとっているのかもしれない。
少なくともカオルがそのまま並んでもすんなり入れないだろう。


街壁に同化して入場審査を覗き…

(ほう…カードか?)

カードを衛兵に見せて、身分を証明していた。
といってもプラスチック制ではなく、木彫りではある。
偽造はしやすいかと思うが、黒くインクか何かを頻繁に使ってるのか、盤面が黒い。必然的に控えで偽造防止にはなってるのだろう。

(作るべきだろうな…)

と思いつつ、銀貨らしいのが税だと認識して…
街壁から観察し、服装を確認し幻影をかけて現地人の格好になり街中へと…

街は門から大通りが延びていて、傍らには6〜7階建ての商店兼住居の建物が並ぶ。
100万人クラスの人口が住むので平屋だけでは街は拡がりすぎて街壁建設が追いつかないと推測される。
下層は石材で丈夫に組まれ、中層以上が木材の物件だ。
表通りは商店が1〜2階に入っていて、推測だが店主等が3階居住区画、
4階以降は店員、7階が下働きと思える。
一本入った通りは1階から7階まで住居が入っているだろう。

現代と違い、エレベーター等無いために上層階程安い。
そりゃ現代でさえ駅の階段4階を登る場合、階段、エスカレーター、エレベーターがあると、
皆がみなエスカレーターを選択していく。
コミケで有名なビックサイト西館の吹き抜けロングエスカレーターでもやはりその傾向だろう。

現在でも2008年のワンフェスでのメンテナンスミスが原因の東京ビックサイトのエスカレーター逆送事故後…

コミケでは事故以前もそうだが、企業ブースが置かれてた西館4階までは屋外階段が上り導線となっている。
事故以前の理由としてはエスカレーター2箇所に集中すると、さばききれないのが1点、
降りた場所で前に進めず立ち止まり、後ろから強制排出による事故が懸念されるのが1点等による。
下記の理由は花火大会等で駅エスカレーターが供与停止される理由のひとつでもあるといえよう。
最近コミケにいく暇がないので、いつの間にかに企業ブースが西館1Fに移行してたが、
それでも直の場合には階段迂回ルートでの導線が正解ともいえよう…

常時と考えると、地下5階から地下1階の改札口まででる都営新宿線新宿駅が参考になろう。
橋本方面側は、階段と上下1本ずつのエスカレーターがついて、
まずB5のホームからB4の折り返し踊り場まで、
そしてB4からB1の改札口まで登るが、
殆どの人が混雑するエスカレーターに集中する。
階段は登る人はまばらだ。
なので他に2箇所の中央B4レベルからB1メイン改札行きの長いのがあるがエスカレーター専用になっていて、3本上り、3本下りで対応している。
でだ…さらに大江戸線が同改札につかわれていて、B7から中央B4レベルに人が上ってくる訳ワカメだ。


さて、中世レベルの話にもどすが確実に階段で、
まず毎日5階や6階、7階まで食材抱えて上り、
そしてさらに上水や下水、洗濯物等の話になってくる。

まず上水だが、現代みたく各階層で蛇口を捻ると水が出ることなく、
まずは水は水瓶などで、地上水道あれば水道でくみ、
なければ井戸から水を汲み上げだろう。

建物まで登るだろうに?についてはパイプ技術、ポンプ技術、および常時稼働する動力技術がなければ7階まで水は昇らない。

まず水圧…現代の水道供給圧は基本2階程度までしか水は昇らず、更に上層にはポンプによる加圧が必要だ。

昔の団地等は各建物から高い給水塔がたてられ、
受水槽にて公共から受けて、そこからポンプ加圧で一気に給水塔の高架水槽まで汲み上げられ、
そこから各家庭に落差による供給システムがとられていた。

水道の発達した古代ローマ帝国においては高い山地の水源から直接水道橋をつくって、高度をたもったまま都市へときれいな水を導いた。

中世後期ヨーロッパにおいては風車や水車が揚水等にしようされて、
上水道として提供された。
なので圧力は違うのがまぁわかろう。

地域配水型の頑丈な給水塔は産業革命以後のもので、
現代においては役目をおえてるのが殆どだが、住居やビル等になっている。

なので、中世レベルでは地上レベルにおいて水がとくとくでる程度である。

そしてパイプ技術だが、筒による水の運搬ができなければ建物の上層に水はなぼらないだろう。

下水に関しては以前述べたがが、あくまでも地上や地下レベルでの本管や導管の話で、
この都市の様な各物件が3階層以降各階に居住する物件ではない。

なにが言いたいかと言うと、パイプ技術がない限り、高い階に水洗トイレはない。

中世ではおまるや汚物受け付きトイレを使用して、
汚物は定められた汚物層に持っていく形だが、汚物層は地上レベルにあるために、
これまた階段登り降りがある事になる。
それで横着して路上に捨てるのが習慣となって、自らの首を閉める結果となった。

この街は路上には散乱はしてないので、公衆トイレや汚物層がちゃんと機能してるとは思えていた。

そして洗濯、調理についてだが…
洗濯については排水ができない以上、自室ではできない為に、毎回洗濯物を地上に持ってきて洗っているのだろう。

そして調理についてだが、かまどを使うとなると火事の危険がある。
ここも値段の差があり、避難設備等発達もしてなければ、上層程逃げ遅れるのは確実だ。
暖房なんぞ…火事のもとになりかねない。

なので、上層程安い値段で…との話となる。

そんなにすまなきゃと思うかもしれないが…街壁都市の街壁内の人口密度は高く、
住みやすいと言われた12世紀の城塞都市ケルンでも1平方kmあたり1万人になる。

2010年アメリカフォーブス紙発表の世界人口密度都市ランキングで20位でベトナムのホーチンミンが1平方kmあたり9450人、
マニラが15位の1平方kmあたり1万550人にランクインしている。

更に市で単純に人口を面積で割ってみると、
東京23区の豊島区が1平方kmあたり2万2658人とかなり密集している。
高層マンションなど建ち並ぶ為にその人口密度が可能ともいえよう。

街壁が簡単に拡張できなければ新たな土地は確保できない為に、外側か上層に伸びるしかないわけであった。

BETAが来る以前でも、街壁の外側では安全な生活が営めそうにないこの惑星…
人間寝るときが一番無防備になる。

96年、故星野道夫氏のヒグマ襲撃事件でもそうだ。
テントに寝ていた道夫氏をヒグマが襲撃し、道夫氏はヒグマの餌となった。
道夫氏はグズグリー撮影のプロフェッショナル、
本来ならヒグマはこの時期襲わない筈だったが…

安全に寝る為に人々は街壁内に必然的に集中せざるえなくなるといえていた。

看板にかかれている文字はわからない。
あとクモを買い取ってくれるところもわからない。
手近な商店ぽい店の中に入って…

(ここは…ハズレかな?)

入った商店は皿など食器類取扱いのお店だった様だ。

それでもカオルは聞いてみるのが一番と
かりに、
「すみません〜」

カウンターに座って店番やっている女性に声をかけた。

「ん?なんだい?」

店番のものはカオルの呼びかけに反応し、商品を持ってないので販売ではないと判断したのだろう。

「おっきいクモの買取りはやってくれるのでしょうか?」

「おっきいクモ?」

「ええ、街外の森にいた」

「あ〜あ、残念ながら洋服屋や薬屋でないのでね…
冒険者ギルドならやってくれるよ」

「何処にあります?」

「南門出張所なら、右に15軒程先だよ」

「ありがとございます〜」

礼を言って店から出て、教えられた冒険者ギルド南門出張所に向かって…

少し大きめな店舗が見えてきた。
教えられた数からは間違いない筈で…カオルは入っていく。



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