第039話 地球防衛軍編03 対フォーリナー戦継続中…
まだ良い兵器がないな…とカオルは感じていた。
……どんだけの人員が減ったのかな…
M11までにストーム1の関わった戦場だけでも100名以上の陸戦兵やビークル搭乗員が戦死している。
またM5でも各地派遣のダイバーの消息が途絶えという話からこの基地だけでも200名以上の実戦兵は戦死している筈だ。
戦時下においてはたかが200名の戦死…問題ないだろといえるかもしれない。
第二次世界大戦時には約7200万人の兵士が戦って2200万〜2500万の兵士の戦死者数を出した。
2012年時の世界の現役兵士数は約2500万人…
治安警備隊や予備役等いれずの数である。
単純に面積%で当てはめると、6万25百人が日本の兵士数になり、
その数値は現役自衛隊兵員数よりも少い数値になる。
で、そこから単純に6分の1に減少させると全体で416万人、その内面積%で割ると1万と40人が日本地区担当兵士数になる話だ。
10040名が西暦2025年時日本地区担当兵数と推測される。
その兵数で日本地区を護る計算をしてみると…
自衛隊の基地割合からみてみよう。
西暦2012年時は陸自14万人、海自4.2万人、空自4.3万人、
基地数は陸自が128基地と23の施設、
海自が5大基地、6基地、その他80施設
空自が12基地とその他62分屯基地、小基地があるわけで、
基地数と施設や分屯基地や小基地の必要構成比を10:1にすると、兵数10040人だと、1つのでっかい基地に60名しか配備できなくなる単純計算になる……
とてもでないがその人数ではまず海自は運用できない。
わかりきってる話だが、護衛艦はDDで160〜200名、
DEで120名位の乗組員が必要で…
自衛隊は他国と比べダメコン要員を重視して乗組員定数は多くあてており、
確かにダメコン要員を無くして2直制にすれば30名程度で運用可能ともいえたが、
その場合1発あたってダメコン要員いなく即沈没してしまう。
しかもそんな最低限の乗組員数の船をたった5隻しか運用できないともいえる。
でだ…船乗組員で60名全てとられると…基地の運営や艦整備等がまずできなくなる。
ドッグに入る大規模修繕等は外注にはなるが、
ミサイル等の弾薬等は各メーカー工場で生産され、
輸送後に各港で補給するので、管理要員も必要だし…というわけだ。
陸自にしてみると、歩兵小隊または戦車小隊や対空小隊と整備兵で約50名ほど戦闘能力あるが…常に全力行動になる。
128個の戦闘小隊が分散されて配置されるわけだ……
はっきりいって対空や戦車もいれると足りないとも言えるが…
空自の分屯基地、小基地は、6名ではただの警備要員程度しかとれず、通信などもできない。
分屯基地は山頂において日本の上空を警戒するレーダーサイト基地や、
また高高度迎撃ミサイルのパトリオットを運用する高射隊、レーダー代用の移動通信隊も運用できないともいえよう。
例えば航空自衛隊車力分屯基地は第21高射隊、第22高射隊、第4移動通信隊が駐屯してるし、
大滝根山分屯基地は山頂におけるレーダー基地として運用している。
で、高射隊だが…
最低単位で、パトリオットミサイル車、レーダーシステム車、コントロールシステム車、アンテナマストシステム車の4両が最低単位だ。
人員は24時間即応体制をとる必要があり、まず運用者は24時間当直有りのシフト制で、
ミサイル車あたりに3名、レーダーシステム車に3名、コントロールシステム車に3名、
アンテナマストシステム車に3名、
最低12名が当直体制をとる。
つまり36名が最低で、整備員、補給員が加わるか、内部ですますか…
つまり2つの高射隊で最低72名が必要であり、欠員66名になる。
車両1台1名で運用できる!!に対しては、
まず射撃体制への移行の際…
迅速に展開できるだろうか?
アウトトリガー展開に何かを踏み潰す…
レーダーシステム展開で建物にぶつけ使えなくなる…
確認しないで展開していざっというときに故障しましたが容易に予想できる。
また車両1両単位がその人数で、それ以下の場合…高射隊を統合するか生活自己犠牲…
24時間当直後本来は非番だが追加整備員居ない前提だと10時間明け番で、14時間の休憩、
その後24時間当務の繰り返しになり、
30日の月で510時間拘束、24当務で仮眠4時間、休憩1時間、10時間明け番が休憩1時間で、実働月420時間のブラック勤務になる。
さすがに実働月420時間だといざ戦闘有事に集中力保証はできないと思われ、
最低1個高射隊で36名は確保する必要がある。
かといって大小問わず均等割りだと1箇所につき30名程になる。
歩兵3個分隊と警備要員が3直で1名ずつ程度になってしまいやりくりもできなくなる。
つまり法律で決まっている定数25万人で1大基地あたり1494名が割り当てられ、分屯基地は149名…運用できる兵数になるといえよう。
残り24万を補充すれば良いじゃないかになるが…
まず戦死した兵士の補充はまだ間に合ってないだろう。
M1からM11まで1ヶ月未満…下手したら2週間程であり、平時体制から戦争体制に切り替わりつつある時期でる。
特に新人育成ではそれはみられる。
平時での志願制体制は入隊後教育に時間をかけて兵士の質を高める体制であり、
実戦まで法律面含めて教育し約1年以上かけている。
戦争下体制だと実戦面及び訓練だけで短縮育成してる。
だだ末期になると2週間程度でもの話もあがるが…
第二次世界大戦時の旧日本帝国の沖縄戦、
沖縄の15歳から19歳の女子生徒によるひめゆり学徒隊を含む学徒隊が有名であろう。
10校の女子生徒581名が学徒隊として戦地にかりだされ、戦地にて解散命令をだされて334名が犠牲となった。
学徒隊によりけるがふじ学徒隊はたった看護教育期間が10日でうちきられ戦地へと…
ただ教育期間が短かった性か56名中31名が除隊、25名が従軍希望し、最終的には3名の犠牲者にとどまった。
ひめゆり学徒隊は1944年11月から軍や衛生兵による看護教育が始まった。
志願制というが特に教育者の卵になる師範学校では半ば強制に近く…
1944年夏には離島など帰省していた生徒が呼び寄せられ、
疎開も認められてたが、学校側は疎開するなら奨学金全額返納しろ等の言葉で疎開を断念させていたという。
同じく沖縄戦の13歳から19歳の男子生徒、1780名による鉄血勤皇隊なんかだとアメリカ軍上陸後に招集、
訓練なしで即戦地へと後方支援任務に駆り出されたり、
爆弾抱えて戦車前へと飛び込む、肉薄攻撃等を行った。
最終的には890名が犠牲となった…
ただしだ…ほぼ教育なしで学生を戦地に送れるのか?には訳がある。
大正14年から旧制中学校以上に学校教科で学校軍事教練があり、小銃、軽機関銃を使った部隊訓練、行軍、銃剣術、空砲による射撃訓練があり、
即戦地への体制がとられていた。
実弾訓練は卒業前に3発のみだったが…
各学校に陸軍から現役将校を配属し、学習させるといったものであった。
ただ1937年からの日中戦争勃発で配属将校の出征が相次ぎ、教練は次第に学校長が主体となるが、
1941年10月に軍部が箱庭的体育の時間が多いいと批判され、更に引き締められた。
1944年に法改正され教練時間数は、毎週3時間を軍事教練、その他に体練を毎週4時間と週あたり1時間増え、
また野外演習が毎年4〜6日という時間数になった。
小学校でも昭和18年から学校軍事教練や援農が日常化したとの事だ。
小学校のは、木銃で藁人形をついたり、模擬手榴弾投げたり、敵陣地への突撃白兵攻撃を繰り返すというものだ。
つまり即戦場への背景は学生でも銃器取扱い、行軍命令等が教え込まれていたから可能と言うことである。
今では日本は学校軍事教練の内容は学校にはなく、入隊後に1から教え込む必要がある話だ。
でだ…学徒隊鉄血勤皇隊以外にも防衛隊ってのが沖縄にあった。
こちらは青紙招集させられた、建前上17歳から45歳までの男性、
実質上は12歳から60歳までの男性と病人含めた、2万5千人招集され、1万3千人が戦死した。
19歳からは既に兵隊に赤紙召集されてたので、19歳未満の青少年と30代、40代で家庭をもってる家長等だ。
12〜19歳まではさっきの鉄血勤皇隊と年齢被るが、こちらは無学で学校軍事教練を行ってない者になる。
学校軍事教練は優秀な人材を優秀な軍事教育と言う面があり、
こちらの防衛隊に召集された無学な青年は一般市民の竹槍訓練や避難訓練程度しかうけてない。
銃なんぞは撃ち方もわからない文字通り市民といってよい。
防衛召集という言葉すらしらず、青紙だったので直ぐに家に帰れるだろうの認識であった。
また現地にて避難してたのに勝手徴用された人も防衛隊に含まれる。
戦地では弾薬食糧運搬、陣地構築等の作業であったが…
爆弾抱えての斬り込みに駆り出されることもあった。
また米軍上陸前、渡具知海岸正面に防衛隊、鉄血勤皇隊からなる部隊を置き、支援砲撃もなく捨て石な為に…壊滅もしている。
また婦人達も軍の為に炊事、救護、弾薬食糧運搬等に動員されただけでなく、
手榴弾手渡され戦闘要員として使われ、
伊江島では斬り込み隊として戦闘に参加した。
沖縄戦はそういった悲惨な状態になっていたのである……
さて海外の現代話になるが…ロシア、スイス、中国等で学校軍事教練がいまでもある。
因みにロシアでは10日間の参加義務が15歳時にある。
AK-74を使った実弾射撃訓練があり、銃器取扱いに関して徹底的におしえられる。
ただしその危険性も教えられるために、銃をいたずらに使った事故や暴発犯罪がすくないという一面もある。
アメリカでは任意選択に1960年からなり、
フィリピンは大学では学校軍事教練があるが、和気あいあいで教練といってよいか…
ただいずれにしろ最大10日間程で、
日本の大平洋戦時下の学校軍事教練には及ばないものである。
2025年時は平時体制でもあった為に学校軍事教練は多分日本では復活しなく、
せいぜい避難訓練等が充実したあたりと推測はされる。
ならば徴兵制のある国の兵役後の国民なら早いかもしれないの意見もあろう。
韓国やロシア、ギリシャ、台湾、スイス、中国、タイ、イスラエル等は徴兵制は2016年度でもいまだあるが……
タイはくじ引きで海軍、空軍、陸軍、免除がきまる。
海軍は遠泳訓練が厳しいと一般市民に周知され、くじ引きの時に失神者が出るほどだ…
タイ人は学校でプールの授業もなく、川で泳ぐことも汚ない為に無く、泳げない者が多数な為だ。
大体8割は泳げない。わざわざタイ航空の応募資格に泳げる者をいれる次第だ。
メキシコは全員兵役義務があるが受け入れる軍が金が無いためにほぼ希望者のみが…という状態だ。
マレーシアはコンピューターによるランダム抽選で社会奉仕活動が3ヶ月。
最大兵数の中国は徴兵制だが、志願者だけで殆どたりている。
各市町村に割り当てが決まり、志願者を募って足りなければ徴兵というかたちで、貧しい農村部等では人気ある職業になる。
ロシアは良心的兵役拒否で3〜3.5年間の代替奉仕があり、
また他に特定の大学に軍事教練コースがあって履修すれば免除になる。
中流家庭以上では兵役免除の道へいくため徴兵対象の大体1割が入隊するといえ…
ここら辺は兵役後の予備役生存者がいればといえた。
生存してればだが…
国民皆兵の国是を掲げるのは韓国、イスラエル、スイス…
まずお隣韓国…北朝鮮との国防上の理由で徴兵制を維持していて、
犯罪者以外の男子は兵役につくことが避けられず、
家族内に殉職や服務不可能な戦傷、公傷を負ったものがいる者、
外国籍、孤児、性転換者、身長145cm以下または196cm以上以外は兵役につかなければならない。
現役芸能人が何とかして回避しようとするのが話題であろう。
入隊後の代替服務もあるが…
兵役は2年で、入隊前の恋人は8から9割が別れる事になる。
スイスは永世中立国でながら強力な軍隊をもち徴兵制を維持している。
強力な軍隊が無いと他国に軍事力を依存しなければならず、スイスの場合だとNATOに加盟せざる得なくなる。
NATOが何処かと戦争をおこせば中立ではなくなる為に、徴兵制を維持して強力な軍隊を保持する必要があるのが国民の総意だ。
軍事費削減の面から2012年徴兵制廃止に関して国民投票行ったら74%の反対をくらって徴兵制は継続した。
またスイスは軍用ライフルを自宅に保管できる。
自宅から即戦地へと向かう場合に備えてだそうだ。
かつ、退役者に対しても配給もしくは貸出で自宅に軍用ライフルが保管されていて、
法律でも個人が自衛の為に侵攻してきた軍隊と勝手に戦端を開く事を認めている。
少し条件が厳しくなったが、これも廃案を問う国民投票で反対をくらって継続している。
まさに国民皆兵だ。
イスラエルは珍しく女性も兵役義務があり、男性同様軍事訓練が行われる。
若干兵役期間が短く、良心的兵役拒否の条件が緩い程度だ。
極論言うと、韓国人、イスラエル人、スイス人であれば短期間で兵になる事は可能かもしれない…
ここら辺の国民なら短期間で現役復帰は可能ともいえよう。
さて2025年事情にもどるが、新兵教育を切り上げ、実技で足りない箇所を即席で…の切り替え段階といえ、
もう少しで兵卒は補充されるという時期であろう。
でだ…実戦兵の少なさもそうそうに解消できる話ではない。
F-15戦闘機6機がトルコに派遣された時は100名の整備要員派遣された。
戦車1両動かすのに第二次世界大戦時は20名の整備要員が必要と言われるように、機械を動かすのに多大な人員を必要とする。
それはフェンサーのスーツにもウイングダイバーのスラスターにもいえよう。
エアレイダーのバックパックも同様ともいえよう。
更には警備要員や整備兵以外にも、オペ娘の様に情報関係処理、また予算など制服組…
とてもでないが1万人では316箇所の配備数を賄う事ができやしない。
25万人兵数を確保して全世界兵力1億か…
または1万人で日本の基地を統廃合するか…
自衛隊の基地や施設数が多いわけは移動距離、日本全土をカバーする、専守防衛という理由がある。
1つの軍用レーダーサイトに1つの警備のための分屯基地が併設される。
レーダーサイトは山の頂上に設置して死角を無くす…
これは当たり前の話だ。
佐渡島の場合、ベースキャンプが標高450mにある。
標高950mのキャットハウス地区、標高1020mのOH地区、標高1042mのレーダーサイトのある妙見山地区がある。
で、サイト常駐は8名、2ペアで4日間24時間当務、非番明けの2日間の公休で、またサイトに戻る形だ。
つまり、8名常駐最低で12名体制ということだ。
レーダーサイトは無人でも問題ないだろ?と思うかもしれないが、機器の故障、緊急連絡などに対応できるのはマンパワーであり、
無人にできない理由のひとつだ。
ただしこれは雪が無いときの体制で、
越冬勤務になると1週間から10日レーダーサイトに缶詰になる。
それでだ…人がいる以上食料等も必要だし、冬場等機器の故障に対応しなければならない。
真冬の中ヘリで移動は危険な為、山頂まで交代要員をおくるのに雪上車で雪道をいく必要がある。
ただし道を踏み外すと…過去に雪上車が転落死する痛ましい事故があった。
冬場はキャットハウスに8名体制で雪道維持…完全に除去ではなく圧迫で道として維持し、崩れ落ちないようにする要員が常駐し、
またベースキャンプまでの麓道は一般車でもとおれるように完全除雪される。
応援要員含めて分屯基地とレーダーサイト一帯は多数の自衛隊員によって連絡を維持されてる。
除雪以外にも、軍事的に重要拠点であり、他国のコマンド部隊のゲリラ侵攻に警戒警備しなければならず、
夏場は140名程、冬場は200名程で基地及びサイトの警戒維持をしているわけだ。
ここ以外にも許可申請なく軍用レーダーサイトの山に登ろうとしたら広いところなら山全体が立ち入り禁止区域に設定されている。
フェンスが張り巡らされ、監視カメラで監視され、検問所あたりで誰何され、
それでも強行突入しようとしたら追い出されたり、逮捕され警察行きであれば良い方だ。
下手したら射殺されてもおかしくないだろう。
警備している自衛隊側からみたらレーダーサイトに爆薬を仕掛ける北の不審者なのでは?
またはリュックの中に組立式ミサイルを仕込んでいる北の不審者なのでは?…とあげればきりがない。
…法律上はそうであっても実際は2012年秋田駐屯地で軽自動車が正門から阻止されることなく侵入し、
1km奥にて確保という恥ずかしい実態だが…
在日米軍基地ならもれなく射殺爆破だろう…
撃てなければ実際に1971年に朝霞自衛官殺害事件が起きている。
この事件は過激派が高級将校の制服を入手し、軍用ライフル強奪目的で駐屯地へと侵入し、
歩哨警戒していた自衛官を集団で襲って殺害した事件で軍用ライフルは側溝に落下した為に持ち出されなかったが…
強奪成功してたら市民生活内で軍用ライフルが使われ更に凄惨な事にはなっただろう。
警備警戒に多数の人員が必要となっていて、全国に28箇所このようなサイトがある。
知っての通り自衛隊定数25万は周辺諸国に比べて少なく、過去から増えてない。
その少い人数でやりくりしている。
韓国は人口4880万人に対して正規軍69万、準軍隊6万で総数75万人口比1.55%だ。
台湾は人口2300万人に対して正規軍30万、準軍隊3.5万で総数33.5万人口比1.46%だ。
面積は0.07%、0.02%と日本に比べて遥かに狭いのにその兵数だ。
定数25万には訳がある。昭和25年に朝鮮戦争勃発し警察予備隊が定数7.5万でマッカーサー元帥の許可で創設された。
つづいて昭和28年に第三代占領軍総司令クラーク大将から、保安庁長官に対し、
防衛負担金380億を全て使わせるから32万に増強してくれの申し出がでたが、
保安庁長官は今の志願制では25万が精一杯であり、32万へは徴兵制をとらねばならないと断った。
昭和29年に日米相互防衛援助協定が結ばれ、同年に自衛隊と防衛庁発足して保安庁が廃止された。
撤退していく米軍の役割を引き継ぎ、一応の体制を作り上げる第一次防衛力整備計画が昭和33から35年の3年計画で行われ、
陸自18万人、海自艦艇12万4千t総数、空自1300機を整備することを目標とした。
でだ…この時以降増強はされることなく今日まで来て、
更にそれより少い人数でやりくりする必要があるってわけだ。
それで地球防衛軍4の世界においては、対他国軍や対人類戦を殆ど考える必要はない。
旧あった政府は2017年時に壊滅的被害を受け、
統合統一政府、そして各地区を担当する自治政府となった為に、
中国、アメリカ首班も壊滅的な被害を受けたために世界の指導者争いも無くなった。
ISISも戦中に吸収され、後継の独立性イスラム組織も結成はされるが小規模の内に別の自治政府として統一政府から認可され、
大規模にならなく戦争や紛争にならない。
他に統一政府に反対するデモやテロはフォーリナーという外敵が人類共通の敵という認識であるが為にあまり栄えない。
つまり対他国軍用の高射隊や厳重な警戒網を構築する必要性がなくなり、
それだけでも必要人員削減、分屯基地数削減に繋がる。
更に軍事的警戒要員もレーダーサイトごとには要らなくなるだろう。
移動や緊急対応展開性の問題については転送システムがある。
レーダーサイト内に転送システムを設置すれば軍事基地がなくても構わないと思われる。
結果……日本地区だけで5箇所位の集中配備で、レーダー等維持要員のみで緊急時は転送システムによる急行で対応…
軍用レーダーサイトは平時は日本で言えばARSR…国交省管轄の航空路管制レーダー施設並みの接近容易さの警戒程度に落ち着く。
建屋のすぐそばでやっとフェンスでしきられている程度と思えば良いだろう。
そして人員は集中配備で5箇所あたりで2000名規模というなら話もわかるかもしれない。
取得したカオルは楔うち、世界扉にて時間飛ばして…
…………………
こちらストーム1、ミッションの簡単な感想だ。
フォーリナーがヘクトルを投入してきやがった。
ヘクトルは硬い二足歩行の無人AIによる攻撃をおこなうと思われる兵器で、
とにかく硬いし無人AIながらの正確な射撃で、
特に近接戦になるとある意味デスゾーンともいわれるものが存在する。
ノックバックで銃口をそらせなければ正確に銃口はこちらを向く。
そしてはきだされるビームバルカン…
なので、とくに新米には遠距離からの狙撃を徹底させてはいる。
今回のミッションでは海上から多数の飛行ドローン共にヘクトルが上陸しようとしてきたが、
仲間が多数、ビークルも出陣し、
飛行ドローンは仲間が多数入ればある程度方つけてくれる。
また爆撃機カロンが大活躍して今回は比較的楽なミッションではあった。
……
こちらストーム1、ミッションの簡単な感想だ。
フォーリナーが四足歩行要塞を投入してきやがった。
先の大戦で歩行要塞1機にどんだけの被害をうけたか…
やつの外装はこちらのレンジャーの攻撃が効かず、ビークルの攻撃も利かず、
腹部ハッチが唯一の弱点であるが、ハッチ攻撃する為には下部についているレーザー砲台とレーザーバルカンの5門の攻撃、
そして無限に出てくる可能性のあるヘクトルや蟻、飛行ドローンの攻撃を潜り抜けなければならなく、
更には前後シールドとハッチ装甲の存在で横方向のほぼ真下まで来なければ射線がとれない…
つまり肉薄攻撃をせざる得なくなる。
それでも前回は多大な犠牲のもと撃破することができた…
今回は爆撃機ミッドナイトによる新型貫通爆弾の実戦テストの為に足止めを命じられ、
ハッチへの攻撃が禁じられた。
早くしろと思っていてやっときたが…
新型貫通爆弾グラインドバスターは確かに効いた。
だが足止めの為に戦友が多く死んだ…
ハッチ内部へのスナイプ決めれば多分いけたのに…
次に四足でたら素直に攻撃させてほしいぜ…
………
こちらストーム1、ミッションの簡単な感想だ。
フォーリナーが新型兵器、呼称名称シールドベアラーを投入してきやがった…
こいつは…ヘクトルと組ませるととにかくヤバい。
マンション8階建て超えで全高25m程、
特徴的なのがそのシールド。今のところ貫通させる武器がなく、攻撃するにはシールド内部から攻撃せざる得ない。
内部に突入するに当たって、シールド範囲が厄介であり、
特に移動形態でのシールド範囲は半径約35mしかなく、しかも脚が速い。
逃げる逃げる…全速力でめざさんとダメだ。
ベアラーは防御対象近くになったらシールド展開形態に移行、半径150m相当までシールドが拡大する。
その半径150mというのがまさにヘクトルのデスゾーンといえよう。
マシンガンヘクトルが中にいたらノックバックで銃口を向けさせないようにし続けなければならないだろう…
今回のミッションは空軍が躍起になって爆撃を敢行する。
正直邪魔だったといえよう…
何故意地になって3回も爆撃してくるのか……
…………
「フォーリナーの輸送船が山岳部に何かを投下しました。
調査に向かったスカウトチームの報告によると、防御スクリーンが確認されたようです。
ただちにフェンサーを現地に派遣します。ストームチームも同行してください」
「武装オーダーは…リフレクトシールドと、スピアM5、FH22迫撃砲2丁もち」
「火力ありがよいですね…同じくフェンサーで武装オーダーは同様に」
「私はエアレイダーで、ベガルタミサイルガンとZERA-GUN2丁持ちでいきます」
準備が整い転送室の第1システム台の上にストームチームが集まり…
『転送開始!!』
転送フィードあけると…山間部といった景色が見え、防御スクリーンが2つ視認できている。
『こちらスカウト2。タワーを確認。あのタワーが防御スクリーンを発生させているようです』
「左の防御スクリーン外に向かう」
『こちら輸送部隊、作戦エリアにビークルを投下できます』
『フェンサーが防御スクリーン内部に突入する。
ストームチーム、レンジャーチームはフェンサーを援護しろ』
『了解』
『フェンサー以外でも防御スクリーンを突破することはできるはず。
だが、フェンサーはそのための訓練を受けている。この任務にはフェンサーが適任だ…!』
「アクティブではないか…防御スクリーン内では怖いな…スクリーン外に釣ってくるから迎撃布陣よろしく」
『了解』
『投下位置確認』
『我々が防御スクリーンを破らねば、人類が敗北する。行くぞ!』
『BM03ベガルタ、投下!!』
『うおおおおおおおお!』
ベアラーを攻撃すると巣の黒蟻が反応しこちらに突進してくる。反転し…
『ストームチーム、無事を祈ります』
「来るぞ!!」
迎撃ライン超えるとZERA-GUNが起動、私とストーム1-2も全力で迎撃にあたる。
『この戦法のためにフェンサーはいる。この装備があれば、防御スクリーンを抜けられる!』
「突入!!全力でベアラー、巣を攻撃する!!」
黒蟻をほぼ殲滅しきって防御スクリーン内部へと突入…
『タワーの付近には巨大生物が作った地底トンネルへの出口があります。
フォーリナーは防御スクリーンで巨大生物を守っているようです』
『こちら輸送部隊、ビークルを運搬中。要請があれば投下します』
『一体なぜそんなことを……?』
『フォーリナーは巨大生物が進化増殖することを望んでいるに違いない。
それも、我々が考えるより強い願いだ。そうでなければ、こうまでして巨大生物を守るわけがない。
一体、巨大生物の進化の果てに何があるというのだ……?』
「まずは1つ…次のも同様に迎撃布陣でできるな」
『防御スクリーンに近付いたときは迂闊に攻撃するな。
防御スクリーンで攻撃が防がれるだけでなく、自爆の危険があるぞ』
『ZERA-GUN準備完了』
「もう1つの防御スクリーン内の蟻どもを釣ってくる」
『輸送部隊よりエアレイダーへ、要請を受諾、目標地点に向かいます』
『ビークル、投下!』
『勇敢なる歩兵部隊、無事を祈ります』
「来る……あっ…」
半数程がフェンサー部隊へと向かってしまった…
「予定変わらず、迎撃後突入!」
先程より少ない数の為に、
『こちら輸送部隊、ビークル輸送中』
『防御スクリーン発生装置を破壊』
「赤い奴が来たか…」
前大戦にて酸を吐かない硬い噛みつき蟻としてしてた種だが…
「固いまま変わらずか…」
赤蟻単独ならまだ怖くはない、組み合わせミックスは厄介な事になるが…
「最後の巣に向かうぞ」
最後の巣は18匹の黒蟻だけで、防御スクリーンに守られてない。
ZERA-GUN設置、ベガルタ等最大火力にて粉砕した。
「本部こちらストーム1-1、周囲の敵性反応消失、確認してくれ」
『こちら本部、確認しました。回収車向かわせます。
新たな合流ポイントαを設定しました。向かってください』
「こちらストーム1、確認した。移動を開始する」
ーしかし…あいつら…ー
生き延びたフェンサー部隊、7名中2名しか生存しなかった。
スピアを装備していたらしいが、スラスターも使わず…
歩いてといってもよい速度で移動するのみ…
ー役立たずか?ー
と思ってもよいかもしれなかった…
…………
回収車内で…
『地上にできた出口の破壊、よくやってくれた。
われわれは午後イチで突入作戦を敢行するのを決定した。
ストームチームはそのまま作戦参加してくれ。
健闘をいのる』
『巨大生物は増え続けています。地下の巨大生物の巣を破壊しない限り、状況は悪化する一方です。
再度の突入作戦を敢行し、巨大生物の増殖を止める必要があります。
前回と同じポイントから巣穴へと突入。途中までは同じルートをたどり、さらに奥へ。
前回到達できなかった深部まで進攻します。何が待っているか想像もつきません。十分に注意してください。
武装は突入前に用意されます。オーダーをお願い致します』
「私は…変わらずかな…」
「俺も変わらず」
「ギガンテスを地下に持ってければなぁ…」
『無理な相談です』
地下や洞窟内へのビークルの転送容量を超える話であり当たり前の様に却下され、
「まっ、だよね…じゃ、サポート重視でガードポストとライフベンダー、
デプスクローラーVかSレンジか……Sレンジでいくか」
………
補給隊と合流後に封鎖されてる地下街へと徒歩にて侵入するストームチーム…
『こちら輸送部隊、ビークル輸送中』
『巣から巨大生物が出てくるぞ!』
先の方で戦闘がおこっている様だ…
『こちら輸送部隊、目標地点に向かいます』
高速移動すると貫通した地下鉄部分にて、
レンジャーチームが迎撃している。
迫撃砲を撃ち込み纏めて黒蟻を爆砕していく…
『巨大生物は図体の割に音を立てない。暗闇で戦うのは不利だ!』
『背後にいてもわかりゃしねえぞ!』
『俺たちのヘルメットにはライトがある。暗闇を恐れるな!』
レンジャーは火炎放射機で誤射されるのが怖いが…
『指揮下に入ります』
地下駅過ぎたあたりで反応がある…
「ファイア」
ストーム1-1、1-2の迫撃砲弾で線路内が爆炎で明るくなる。
ストーム1-3のデプスがトンネル天井にぶら下がって更に接近する敵にショットガン、ガトリング弾を撃ち込んでいく。
天井にぶら下がる事により誤射する危険がなくなり、またライトも奥まで届く。
レンジャーらの火炎放射機の射程に入る前に接近する敵は殲滅…
あとは…うごきからすれば蜘蛛が残ってはいる。
蜘蛛はトンネル内だとなかなか前にでてくれない。
接近しながら糸に気を付けて撃ち込んでいく。
「右側は埋められてるか…壊せそうにないな」
前回潜った時は横に横坑が掘られ広間へと繋がってたが、このまま直進して殲滅せざる得ない。
地下鉄は緩い右カーブをえがいて次の集団がいて殲滅、
左右がやはり塞がれてその先は左カーブになっている。
「先の方にウジャウジャと反応出たな…」
左手に30近く、右手に40近くだろうか…
『新品に乗り換える。ちょっと待ってくれ』
「ああ」
『こちら輸送部隊、作戦エリアにビークルを輸送しています』
新品デプスクロウラーが要請により転送されてきてストーム1-3が乗り換えている。
再度進むと…
『こちらレンジャー7。前方に敵!我々だけでは突破できそうもない。援軍を!』
『本部よりストームチーム。その先にレンジャー7がいる。合流しろ!』
「ウジャウジャいる先か!!」
『レンジャー7、ストームチームがそちらへ向かう』
『レンジャー7、了解!』
「ちっ!!……右手蜘蛛多数!!アクティブ!!一回後退トンネル内で迎撃!!
レンジャー7!!地下鉄トンネル内に突っ切って来い!こちらは直ぐには無理だ!」
『レンジャー7、了解…』
「本部の座標選定ミスか」
転送後30秒間だけはエネルギーシールドに守られている。
それを期待したが…
『た、隊長!!』『被弾した!!』
『う、う、うわぁぁぁぁ』
「…黙祷」
センサーからレンジャー7の反応が消えた。
黒蟻の方向指定というべき酸の集中攻撃にやられたのだろう。
リフレクトしない限り回避は難しく、範囲外にでなければやられるが、
その範囲外にまた酸が射撃され、更には洞窟壁がある。
正直地下に関しては巨大生物に分があるといえよう。
『昔、こうやって巣穴に潜ったことがある』
『何度も聞いたぜ……』
『あのときは英雄がいたから助かった』
『英雄?』
『ああ。マザーシップを撃墜した英雄だ』
『何が英雄だ。そんな話、今でっちあげたに決まってる』
近辺の蜘蛛に関してはやっと処理できた。トンネルから右手側に2匹がいる程度で、
切れ目から広間に向かって撃ち込んでいく…
地下鉄トンネルの先は塞がれて、左右に黒蟻どもがほったと思える広間が広がっている。
更に広間の奥の方向に敵集団反応多数あるが感知外の距離で直ぐ様戦闘には陥る事はない。
広間は射線が通らない台座の様な隆起物かいくつもあり、
ここで戦闘に突入したら全滅もありえただろう…
「しかし…さっきのレンジャー7ではないが、座標ミスは何とかしてほしいな…」
『そうはいっても、座標ミスで構造物融合しないからまだましだろ?』
「……確かに」
構造物融合現象…転送システムの副作用というべき現象で、
転送先においてコンクリート壁があった場合、
転送物と転送先のコンクリートが融合して新たな物質となる現象である。
人が転送先においてコンクリートと融合してしまう…
コンクリートとの融合…コンクリート強度の肉体と勘違いしてしまう話になるが、
コンクリートの固さをもつ筋肉…つまり、筋肉動かすにはコンクリートを曲げなければならないという事象におちいり、
結果…コンクリートと融合した腕は曲げることがほぼできなくなる。
石の中にいるではない。文字通り融合だ。
ただ単に物質を押し退けコンクリートの中に出現でも、周囲の酸素がなく結果死亡してしまう話になる。
生き延びてしまう為にそれよりも悲惨な結果になる話だ。
もちろんこの現象確認の為に動物実験を経て死刑囚による人体実験も行われた。
腕などの四肢に関しては融合後切断、欠損という結果になるのがわかろう。
頭部や内臓、また首や胸部等になるが…
動かす必要ないといわれた頭部は融合の結果血液もコンクリートになり、
コンクリート血が生身部分の血管を破り大量出血で死亡した。
融合時には生きていた為に血管さえ何とかすれば、コンクリート血だけを何とかすれば生きていられる結果といえる。
ともあれ、融合現象の危険性が認知され、融合現象が起きない様に修正されたのが…
座標ミスが起きる原因といわれる。
設定座標に巨大生物がかかって修正した結果、巨大生物の集団のど真ん中……という話だ。
後方にすれば良いもののなるだけ前線に設定するから……
その点デプスの転送は座標が指定されるので転送をミスる事はない。
ただし、指定場所を決める信号発煙筒が例えばこの広間の台座の上に乗ってしまった場合…
台座の上に転送される為に搭乗はできないだろう。
操縦席は余計なものがついているウィングダイバーやフェンサー等は乗れず、
この台座を崩すこともできやしない。
台座あり広間の先に横坑がくり貫いてあり、その先に敵の反応がある。
『こちらフェンサー。戦闘中だ。援護がほしい!』
『作戦指令本部よりストームチーム。交戦中のチームがいる。救援に向かえ』
「またか!!…了解!」
転送されたチームは目の前の蜘蛛の角を曲がった左手のところに転送された様だ。
「交戦中チーム!」
『レンジャー4だ』
「後ろに逃げれないか?」
『いや背後が塞がれて前に進むしかない!!』
「レンジャー4、前方のクロスポイントに全力で撃ち込んでいる。
目の前の敵を殲滅しろ!合流はその後だ!」
『了解』
レンジャー4は両端が塞がれた地下鉄内に転送させられた様で、
塞がれた壁を背にして戦闘へと突入していた。
丁度Tの状の箇所へと迫撃砲弾が撃ち込まれ…
『指揮下に入ります』
生き延びた3名のレンジャー4が合流。
横坑は更に奥へと続き…右折で広間へと続く。右折した壁越しに蜘蛛が数匹いる為に、
デプスの上にライフベンダーを設置、回復後に突入。
『こちらフェンサー部隊。作戦エリアに到着した』
突如としてセンサーに反応がでたが、
先の転送とは別口の手段、隠密で進んできた様だ。
人類はそれまではレーダーによる探知に頼ってきた。
蝙蝠等も超音波によるレーダーで洞窟内を生活の場としている。
ただしだ…レーダーは反響処理により感知の為、曲がり角を曲がった先、更に曲がった先の反応は感知できない。
先の大戦で地下突入作戦で多くの犠牲を出した…
遮蔽物での感知外からの奇襲による。
そこで巨大生物の研究が進められ、新型センサーを人類は取得した。
遮蔽物先の反応を表示できるセンサーだ。
これにていきなり出会い頭という事故は無くなるだろう…
そしてそのセンサーから反応を消す手段がある…
隠密行動にて進む方法だ。ただし戦闘行為や、通信などをすると1発でセンサーに反応し、
それは巨大生物側も感知してしまう話になる。
『戦局報道です。新たに南米で巨大生物の巣穴が発見されました。
EDFは突入作戦を決行。巣穴の破壊に成功しました。
しかし戦いは熾烈なものとなり、多数の死傷者がでた模様です』
広間から再び横坑、更に奥に広間っぽいのがあり敵反応が奥にある。
反応数は40近く…
こちらにはまだ気がついてない。
「赤蟻か…橋下に多数いるな…」
横坑から広間の橋上は射線は通る。
「さがって横坑内から集中攻撃だ。爆風で反応させる。準備はいいか?」
了解のもと、砲撃開始…広間から赤蟻が横坑へと入ってくる。
こちらの火力も負けてはいない。
全方位から接近されたらやばかったが、狭い穴に集中すれば火力は途切れる事もない。
『ウイングダイバー、戦闘を開始します』
「広間内に直接転送してきたか…」
赤蟻のターゲットが分散しこちらへの圧力が弱まり、残敵掃討に広間へと突入した。
…………
ー敵性反応がないな…ー
ウィングダイバーが直接転送された広間の後、別のチームの者も合流、
巣の探索で奥へと進んでいた。
巨大生物を産み出す巨大クイーンがいる筈…
巨大クイーンの場所と殺害しなければまた地上へと巣穴が出現し、被害がまた出てしまう…
ドウゥゥゥ!!
轟音をたてて足場が崩壊、4分の1名近くが巻き込まれ落下した。
『合流するぞ』
『無事かぁ?』
EDFは助かる仲間を見捨てたりはしない。
『ああ』
落下した者を見捨てることなく次々と崩落した穴へと降りていく。
ストーム1らもこの人数を見捨てる事はできずに続いていく。
『すり鉢状の空洞か……』
センサーに赤点が見えた、敵性反応だ。
急激に赤点は増えてきて、高度が高い、上だ。
『こんなところで襲われたら』
黒蟻が見え即座に射撃開始。
『ひとたまりもないぞ』
「通路から出てくる!!」
『敵だーっ!』
「通路への砲撃切らすな!出てきたのはレンジャーら、ストーム1-3に任す!」
迫撃砲両手持ち2名いて良かった。
『脱出路を探せ!』
『無理だ!』
『上に敵がいる!』
通路から次々とこちらのいる空洞へと侵入してくる黒蟻…
迫撃砲の爆撃で次々と死滅するが、1発の爆撃では黒蟻は死なない。
2発くらって死ぬので爆撃の合間抜け出したのが入ってくる。
1丁あたり0.8秒間隔で迫撃砲弾が撃ち込まれる。
リロード5秒を片側ずつにするためずらしながら放つのでときたま0.4秒間隔にもなる。
ガードポストからのダメージ軽減の黄色いエネルギーラインが届いている。
『退路を塞がれたぞ!』
赤点の数が急増していく…
ークソッ!半分くらい減ったのに増援かよー
「打ち続けろ!!」
ーせっかく黒蟻を減らしてたが、また増えてきやがった…
…赤点の動きが変だ…蜘蛛か!!ー
「西側は蜘蛛だ!!東側集中!!」
蜘蛛は糸が怖いが、移動速度が遅い。先に黒蟻だ。
『このままじゃ全滅するぞ!』
『こちらレンジャー1-5!救援部隊を!急いで!』
『西側蜘蛛!!集中!!』
蜘蛛による糸が空洞内へと放たれるが、迫撃砲弾、デプスの火炎等にて次々と死滅していく…
蜘蛛も、迫撃砲弾1発では死なないが、動きが跳躍で、糸を放ってる最中は動かなくよい的だ。
『あの坂を登れ! 脱出するんだ!』
ーまた増援か!!ー
センサーに赤い反応が増えていく。
数は更に多い。
ーなにがでやがった?…西側は蟻…黒蟻か!!ー
「西側黒蟻!!集中!!」
『次から次へと敵が来るぞ! もうおしまいだ!』
『死んでたまるか!撃ちまくれーっ!』
ー東側は……蜘蛛か…多い…
蜘蛛の糸も怖いがとにかく数を減らさねばー
次々と回りから悲鳴が聴こえる、数を減らすのが先か、全滅するのが先か…
「西側蟻は減ってきた!東側蜘蛛集中!!のりきれ!!」
蟻酸も怖いが行動束縛する糸も怖い…
『最後のガードポスト!効果時間60秒!』
ライフベンダーと共に3発目のガードポストがおかれ、
糸を受けながらも糸ごと蜘蛛を爆破、レンジャーらの射撃やロケランも集中し、
次々と赤い点が減ってく…
ーもう敵増援はないか…これ以上出たら…
仲間を守りきれないなー
味方の数は既に半数以下…
『弾が尽きた! これ以上戦えない!』
ラスト2体ならば良いが…
『こちら本部!作戦は中止だ!総員退却しろ!』
敵性反応が出現しなくなった…今なら地上へと戻ることができる。
『生き延びることができたか…』
『レンジャー1-5…すまない俺は帰るぞ…』
『穴にロープがかかった!!登るぞ!!』
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