コードギアス反逆のルルーシュR2
Double Rebellion
TURN-16 キュウシュウ攻防戦 〜両軍の最強対決〜
「しかし、まさか君が私と共に戦ってくれるとは思わなかった」
黒の騎士団がキュウシュウを攻める予定の2時間ほど前。
キュウシュウを攻める黒の騎士団軍の旗艦『大竜胆』のブリッジに行く途中、ライは廊下で星刻と出会い、共に向かう途中開口一番にそう言われた。
「当然ですよ、僕達は今同志なんですから」
ライは苦笑して答えると、星刻もフッと笑った。
「いや、正直君はゼロや藤堂と共にトウキョウ租界を攻める奇襲部隊として行くだろうと思っていたのでな」
ライはそう言われて表情を戻した。
「ええ、まあ確かにゼロには奇襲部隊に入るように言われたんですが、直々に断ったんですよ」
そう、ライはゼロに奇襲部隊に入るように指示されたのだが、ライはそれを断ったのだ。
それに星刻は意外そうな顔をした。
「何故だ?今は立場が変わったとはいえ、君がゼロの片腕である事には変わりないはず。よくゼロが許可したものだ」
「この作戦はこのキュウシュウ戦が鍵になります。確かにこの大軍と星刻さんがいれば、相手側に主力部隊と思わせる事はできます。ですが、さらに黒の騎士団
の、主に武力面の知名度が高い僕がいれば、さらに相手にそう思わせる事ができます」
「なるほど。相手の指揮官はおそらくナイトオブラウンズ並の実力を持つ誰か。ならば、その優れた洞察力を逆手に取る、か」
ライは頷いた。
「ええ。この日本奪還作戦はこれからの世界状勢を左右しかねない、言わば天王山です。それをわざわざ一介の指揮官等に防衛はさせないでしょう。だからこ
そ、僕がここにいるんです。それに……個人的にその相手が誰なのか興味もありますから」
それに星刻は微笑む。
「フッ…なるほど。どうやらそっちが本音のようだな」
それを言われてライも笑う。
「まあ、そういう事です」
ライは表情を戻すと、付け足すように言った。
「ただ、僕はゼロからの連絡があり次第トウキョウ租界に向かう事にはなりますが。どっちにしろ本命がダメでは元も子もないので……。それにゼロにそういう
条件で許されたようなものでしたから」
「……なるほどな。とりあえずそれまではよろしく頼む」
「ええ、こちらこそ」
ライと星刻は互いの顔を見てがっちりと握手をした。
そして、間もなくしてブリッジに着くと、扉が開く。
中に入ると、そこにはオペレーターや大竜胆での指揮を担当する周香凛のほかに合衆国日本代表の神楽耶と合衆国中華代表の天子がいた。
ライと星刻が入ったのに気づいた天子が星刻に駆け寄る。
遅れて神楽耶も近づいてきた。
「星刻ー!」
星刻に抱きついてきた天子に星刻が少し驚きながらもそれを受け止める。
それに頬を緩めた星刻だったが、すぐに表情を戻す。
「天子様」
星刻が抱きついていた天子を少し放して真剣な表情でそう言うと、天子が気づいたように離れた。
そして、隣で微笑ましく見ていたライに向き直る。
「ライ様もお疲れ様です」
「いえ、天子様に比べれば私など…」
それにライは恭しく礼をする。
幼いとはいえ、天子も立派な国家元首。
先ほどまで年相応の表情と素振りだったが、すぐにこういう顔と態度に移れるのも大したものだ。
それを終えたライは次に神楽耶にも挨拶する。
「ご無沙汰しております、神楽耶様」
「いえ、ライ様のご活躍ぶりは私も聞いております。今作戦では、よろしく頼みますね」
「はっ……。あの、神楽耶様。失礼ですが、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
笑顔で承諾した神楽耶にライは問う。
「どうしてこの作戦に参加なさろうと思われたのですか?わざわざ国家元首である神楽耶様と天子様がこちらにいらっしゃる必要はないと、私は思うのです
が……」
ライの質問に神楽耶ははっきりと答えてくれた。
「確かにライ様のおっしゃるとおりです。しかし、今回の作戦は私達超合集国においても、ひいてはブリタニアにおいても天王山の戦いになる事はライ様もご存
知ですよね?」
「それはもちろん、承知しております」
先ほどライが星刻にも言った事だ。
「ですから私達はそれを見届けなくてはいけないのです。国家元首である私達自身が、この目で」
神楽耶の瞳が覚悟の上で今回の作戦に同行しているという事を雄弁に語っているのはライもすぐにわかった。
本来作戦に参加しなくてもよい彼女達が覚悟の上でここまで来ているのだ。
なら、ライにはもう言う事はなかった。
「わかりました。出すぎた事を言って申し訳ありません」
「いえ、わかっていただけたのならいいですわ。……ライ様、今回もゼロ様と同じようにあなたを頼りにさせていただきますね?」
笑顔でそう告げた神楽耶にライも誠意を持って答えた。
「はっ。この剣に誓って神楽耶様と天子様をお守りしてみせます」
そう言ってライは礼をした。
作戦開始まで後1時間……。
そして、ついに作戦が開始された。
まず後に東中華海戦と呼ばれる戦役で両軍が衝突した。
そして、星刻とライの的確な指揮により、黒の騎士団は東中華海戦を制した。
ブリタニアの絶対防衛線を崩した黒の騎士団は、カゴシマでブリタニア軍との戦闘に突入する。
『敵は我が策にはまった。天永の方角が手薄になるはずだ。上陸部隊を取り付かせよ』
星刻総司令の指示で別働隊が手薄となったヤマグチに向かう。
ライも戦闘を継続しながら近場の各部隊に指示を飛ばしていく。
「星刻さん」
『ああ、我らはこのまま押し込むぞ』
ライは聞くと、一旦神虎から離れる。
すぐに崩月に向かってきた空戦ヘリやフロートを搭載したヴィンセントウォードを迎撃する。
マシンキャノンでヘリを一掃し、切りかかってきたウォードを斬られるよりも先に切り倒す。
さらに少し遠間にいたカールレオン級の戦艦に向けて輻射波動砲を放つ。
全くのずれもなく、発射された輻射波動砲は戦艦の中心を穿ち、見事に戦艦は爆散した。
「イタリア部隊は後退して、敵を近づかせないように牽制してくれ」
『了解!』
若干出すぎていた部隊をライは下がらせる。
(中々攻めきれないな……)
まあ当然と言えば当然である。
指揮をしているのはナイトオブワンなのだから。
東中華海戦あたりで知った事だが、まさかナイトオブラウンズの長がここまで出張って来るとはライも多少驚いた。
しかし、予想の範囲内だったので、別にどうこうは思わなかった。
しばらくそんな状態が続くかと思われたが、少しした所で大竜胆で指揮をしている周香凛から通信が入った。
『星刻様、ライ様、左翼が崩れます。異常な突破力のナイトメアが一機…』
(……ラウンズか)
どうやら相手はナイトオブワンだけではないらしい。
「星刻さん、僕が行きましょう」
『すまない、まかせる』
続いてライは香凛に指示を出す。
「インディア隊を援護に回してください。左翼を一度後退させて、その一機は僕が引き受けます。その後もう一度左翼を進撃させてください」
『了解しました』
ライは指示し終えると、左翼の戦場に向かう。
そして、程なくしてその敵機を見つけた。
白と紫の異様な形状のナイトメア。
「ブリタニアの吸血鬼か」
(なるほど。道理で崩される訳だ)
『ライ様!』
敵機の足止めに専念していた部隊の隊長がライの到着に歓喜の声を上げた。
「よく持たせてくれた。ここからは僕が引き受けよう。左方の部隊の援護に回ってくれ」
『了解しました!』
指示を出した直後、既に敵機に合わせていた照準を見て、輻射波動砲を敵機『パーシヴァル』に放つ。
しかし、敵機はそれをいとも容易く避けた。
『ほお、今度はどの生贄かな?』
余裕を持った声がスピーカーを通してライの耳に入る。
それと同時に敵機が振り向いて、太腿からハドロン砲を放ってきた。
(隠し武器か!)
「ちっ!」
ライはすぐに回避行動を取る。
それに応えて崩月は相手のハドロン砲を鋭角的に回避していく。
すると、今度は相手はハドロン砲を放ちながらも、左手に持っていたシールドを展開する。
「…一体いくつ隠し持ってるんだよ」
(これはもっと持っていると見て良さそうだな)
以前攻撃性能に特化したナイトメアだとデータで見た事があったが、予想以上だ。
思わずツッコまずにはいられなかったライに展開したシールドからミサイルが多数放たれる。
(このままではこれを避けきるのは厳しい……最初にやっておくか)
相手の攻撃をある程度見切っておくためにも。
ミサイルとハドロン砲の嵐が崩月に迫る。
「奥義参の型……『月読』」
言った瞬間、ライはその攻撃の嵐をすべて回避していく。
これは相手の呼吸に合わせて攻撃を回避する回避奥義だ。
ライの持つ型を受け継いだ当時三代目の者がこの奥義を編み出した。
この奥義は先の通り相手の呼吸を読む事を真髄とする。
ライにとってそれは十八番であったし、加えて崩月の推進力もある今、これをしたらまず崩月に攻撃は当てられないだろう。
かわしながらパーシヴァルに肉迫した崩月は刀を振り下ろす。
パーシヴァルはそれを盾で受け止める。
『ほお、今までの相手とはどうやら違うらしいな。やっと見合う生贄が出てきたという事か』
「それは君の事じゃないのか、ブリタニアの吸血鬼」
それに相手は感心したような声を上げた。
『ほほお、人殺しの天才である私にそう言うか……。いいだろう、ならばおまえには最も残酷な死をくれてやろう』
「そうかよ……」
パーシヴァルが繰り出したブレイズランスをライは身を引いてかわすと、マシンキャノンを連射する。
それをパーシヴァルが避ける。
ライはすぐにそれを追撃する。
またハドロン砲が放たれるが、ライはそれを紙一重でかわす。
崩月が再びパーシヴァルに肉迫する。
「弧月閃!」
ライが三日月を模るように刀を横薙ぎに振るう。
『ちっ……』
パーシヴァルは弧月閃を身を後ろに倒してそらし、かわす。
そして、そのまま反撃のブレイズランスを突き出してくる。
「!」
ライはパーシヴァルの反撃を恐ろしい反応で輻射波動で受け止めると、その反動で後方に一旦下がった。
激しい攻防を繰り返す両者の戦闘に周りはついていけず、割り込みも援護もかけられない。
それ以前にしたらおそらく巻き込まれるだろう。
それゆえにこれは2人の決闘状態となっていた。
崩月が再びパーシヴァルの猛攻を回避し、今度は横合いに飛び出した。
そこにパーシヴァルの左肩からスラッシュハーケンが発射される。
それを崩月は頭をかしげさせる事でぎりぎり避けると、刀を振るう。
パーシヴァルはそれを盾で防いだが、衝撃は吸収しきれず吹っ飛んだ。
ライはそれを追撃する。
『おまえの大事な物は何だ?』
吹っ飛んでいた体勢を立て直したパーシヴァルのナイトオブテンからいきなりそう問われる。
「?」
何を言うのかと疑問に思ったライはそれにはすぐに答えなかった。
しかし、相手はかまわず続ける。
『おそらくおまえも同じだ。そう、命だ!』
愉快そうに笑うパーシヴァルのパイロット、ナイトオブテン。
ライはそれに眉を顰めた。
「言う事はそれだけか?」
ライの言葉に今度は相手が疑問に思う番だった。
『何?』
「なら、遠慮なく行くぞ」
再び神速で崩月がパーシヴァルに肉迫する。
ライとナイトオブテンとの戦い、いや殺し合いはまだ終わりそうもなかった。
一方、奇襲部隊の斑鳩艦隊はトウキョウ租界沿岸海中で待機していた。
今はゼロの合図待ちなのだ。
藤堂と四聖剣は既にパイロットスーツに着替え、上に制服のジャケットを羽織り、ブリッジへのエレベーターに乗っていた。
「藤堂さん、僕等はこのままで」
「ゼロからの連絡はまだ来ていない」
朝比奈が言いかけた所で藤堂はぴしゃりと言った。
しかし、今度は千葉が藤堂に言い募る。
「しかし、ナイトオブラウンズも出てきているとの事ですから……いくら星刻総司令でも…!」
「それについてはおそらく大丈夫だ。今はあのライ君もついている。心配ない」
それには仙波が答えた。
確かにこの中の全員はライの実力は認めている。
しかし、ゼロの合図が遅いのも確かだった。
「とにかく、ゼロを信じろ」
そう言った藤堂に朝比奈が反論した。
「信じられません!勝手にオレンジとかロロとかいう奴を仲間にしたり…!」
「秘密にしている事が多すぎませんか?」
千葉も朝比奈と同意見らしい。
意見はしないものの、仙波や卜部もそうだった。
卜部についてはゼロの正体はある程度知っていたが、例の作戦については何も教えてもらっていなかった。
(ゼロ……君は一体何を考えているんだ…?)
卜部がそう思っている中、話は進む。
「この前だって極秘で木下達を使って……!これならライ君の方が信じられます!」
「………」
これには藤堂も何も言えなかった。
そう、ライに藤堂や四聖剣は一度作戦について尋ねたのだが、彼はすまなそうな表情で「すみません、本当は話したいところなんですが、言えないんです」と
謝ったの
だ。
別にそれに対してライが悪い訳ではない。
彼は単純にゼロの命令を守っているだけなのだ。
それに秘密の多いゼロに対して彼はそうでもなく、加えて能力も申し分なかったため、正直藤堂や四聖剣はゼロよりも彼を信用していた。
正直、日本を解放した後彼らはどうすべきなのか、悩んでいた。
奇襲作戦開始まで後しばらく……。
崩月とパーシヴァルの激闘は未だに続いていた。
加えて星刻の神虎にもナイトオブワンのギャラハッドが攻撃してきており、交戦中という報告がライに入っていた。
(これでは進めないか……)
正直両軍は一進一退で戦闘を続けていた。
先ほど左翼が二次突撃を開始したが、ほとんど状況は変わっていない。
それにライも交戦している内に星刻達が交戦している本陣近くの場所に近づいていた。
崩月は鍔迫り合いをわざと解き、蹴りを加えてパーシヴァルを吹っ飛ばす。
そこでパーシヴァルが反撃してくるかと思ったが、そのパーシヴァルが不自然な動きを見せた。
いきなりあさっての方向に飛んでいく。
(何だ…?何かあったのか?)
と考えていた所でライはその方向が騎士団の旗艦のある方向だという事に気づいた。
「っ!まずい!」
出遅れたライはすぐに遅れを取り戻そうと、フルスロットルでパーシヴァルの後を追った。
星刻はナイトオブワンとの交戦中、敵が見せた動きに青ざめた。
いつの間にかこちらに来ていたパーシヴァルが被弾した味方の戦艦にハーケンを打ち付けてそれをこちらの旗艦の大竜胆にぶつけようとしているのだ。
そして、すぐに大竜胆で指揮をしていた周香凛もこれに気づいた。
「味方の艦艇を武器にするとは…!砲撃しつつ、全速後退!」
「ダメです!間に合いません!」
「「!」」
オペレーターの報告に神楽耶と天子が青ざめた。
「ええい!」
星刻もそれを阻止しようと動いた時に通信が入る。
『星刻さん、ここは僕が』
聞こえた声に星刻は聞き覚えがあった。
直後、パーシヴァルがぶつけようとしていた戦艦に赤い光が突き刺さり、爆散した。
輻射波動砲弾の光だ。
そう、攻撃したのはパーシヴァルと交戦していた崩月だった。
ライは戦艦を撃破すると、そのままパーシヴァルに神速で迫った。
気づいたパーシヴァルの攻撃を回避し、刀を思いっきり横薙ぎに振るう。
斬撃を盾で受け止めたパーシヴァルが仰け反りながらも、後退した。
「いい度胸してるな。戦ってた相手を放って置いて、一気に旗艦を叩いて決めようとするなんて。ちょっと虫がよすぎるんじゃないか?」
ライは挑発の意味をこめて相手にそう言ったところで、ナイトオブワンとの切りあいを一旦中断した神虎に崩月を寄せた。
『すまない、助かった』
「いえ、当然の事をしたまでです。ところで、星刻さん、少し頼みがあるんですが……」
『何だ?』
「相手を変わってもらっていいですか?」
それに星刻は驚いたような顔をした後、ライに聞いてくる。
『それはかまわないが、相手はあのナイトオブワンだぞ?』
「それはわかってますよ。作戦前、言いましたよね。興味があるって。それに“今の”ナイトオブワンがどれほどの人か知りたいんですよ」
ライは言いながらニヤリと笑う。
それに星刻はフッと笑った。
『君も物好きだな。……いいだろう、ならまかせる。私はあのナイトオブテンの相手をしよう』
「お願いします」
言うと、星刻の神虎はパーシヴァルに向かって行った。
崩月はその場に留まり、ナイトオブワンのギャラハッドと対峙する。
『ほう、今度は君が相手かな?』
年配の男の声がスピーカーを通して伝わってくる。
ナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン。
ライもそれはデータやメディアで知っている。
ラウンズの中でも一番の腕を持ち、その剣は皇帝からあらゆる脅威を排除すると言われている。
声音もそれに似合った、余裕に満ちた、威圧感を漂わせるものだ。
「ええ、選手交代って事ですよ」
言いながらライは崩月に刀を構えさせた。
正直、今ライは頭が沸騰しそうな程ゾクゾクしている。
これほど高揚した気分と状態は未だかつてないものだった。
「行くぞ……!」
ライの崩月がギャラハッド目掛けて一気に飛び出す。
正面からの突撃。
ギャラハッドはそれを右拳のパンチで迎え撃つ。
例え崩月でもあのパンチの直撃を受ければ、無傷では済まない。
(取った!)
ナイトオブワンがそう思った時、当たると思われたパンチが崩月をすり抜けた。
「ぬっ!?」
いやすり抜けたのではない。
(下か!)
ビスマルクが視線を下に向けると、そこにはやや仰向けになった崩月が月牙の構えを取っていた。
ライはパンチが当たる寸前に後ろに身をそらしながら、急降下したのだ。
だからビスマルクでさえすり抜けたと錯覚した。
しかし、反応や判断を間違えれば一方的に崩月が衝撃を被るし、ごく短い距離の急降下の操作を誤りでもしたら墜落すらありえた危険な行動でもあった。
だが、ライはそれをあの一瞬でやってのけた。
完全にビスマルクの隙をついたライは刀を突き出す。
「月牙・参式」
ちょっとこの場の使い方は違うかもしれないが、対空迎撃用の月牙。
決められるかと思ったライだったが、ギャラハッドはなんと月牙を大剣で受け止めた。
(受け止めた!?しかも峰でなく、刃で!?)
なんとあの近い間合いとこの攻撃に移る間にギャラハッドは左手に持った大剣を既に自機の胴体の前に構えており、崩月の突きをガードしたのだ。
しかも、峰ではなく、刃で。
衝撃で後ろには下がったが、片手で崩月の月牙を受け止めるあたり、凄まじいパワーを持っているようだ。
しかし、ライはそれで手を止めず、追撃に左手から輻射波動砲を放つ。
これもギャラハッドに向けて伸びていくが、ギャラハッドはなんと大剣で正面から受け止めた。
「!」
『はああぁぁぁ!!』
ビスマルクが裂迫の気合と共に大剣を振るった。
放たれた輻射波動砲のビームを切り払って分裂させる。
それに巻き込まれた周囲の機体が破壊される。
『これぞエクスカリバー!先ほどの麒麟児にも言ったが、皇帝陛下自ら名づけた聖剣なり』
エクスカリバー?
なるほど、よく言ったものだ。
確かにあのパワーは凄まじい。
だが!
ライはそれに全く憶さずにギャラハッドの懐に飛び込む。
ギャラハッドも今度はこちらに飛び込んでくる。
互いに刀と大剣を振るう。
しかし、互いに刀と大剣を交えただけですぐにすれ違う。
だが、崩月とギャラハッドはすぐに機体を反転させて互いに間合いを再び詰める。
崩月とギャラハッドがそれから何度もすれ違い、幾重にも刀と大剣を交える。
周囲の機体に構わず、二機は壮絶なまでに交錯する。
お互いかなりのスピードによりまるで、光の尾が引いて互いに何度もぶつかりあっているようだ。
何度も切り結ぶ両者は互角に見えたが、若干ライの方が押されている。
単純にパワーでギャラハッドに分があるのだ。
大剣による豪撃とそれを操るギャラハッドのパワー。
もちろん崩月もパワーはあるが、さすがにこれだけ要素の揃ったギャラハッドの攻撃に押されている。
ギャラハッドと切り結んでいた崩月はギャラハッドが放ってきた右薙ぎを刀で防ぐ。
「くっ!」
(このパワーはさすがといったところか!)
ライはそこで無理に受ける事はせず、押される勢いを利用して一度ギャラハッドから間合いを取った。
『ほお、良き使い手だ。接近戦で私にここまで喰らいつくとは』
相手のナイトオブワンの声には余裕がまだ感じられた。
(ちっ…。余裕ありか……)
さすがのライもその態度にむっときたが、心を落ち着かせる。
(なら、あれを使ってもいい頃だな)
ライは口を開く。
「……あなた相手ならこれを使っても良さそうだ」
『む……?』
ライの発言に相手のいぶかしむような声が聞こえた。
ライはそれを聞かずに左手で左肩の後ろから何かを取り出す。
ライが取り出したのは刀身のない剣の柄だった。
(刀身出力…)
ライが操作をすると、直後、崩月の左手に持っていた剣の鍔から刀身が出力された。
黄金に輝く両刃の剣。
『何だ、それは?』
「輻射波動剣、通称『神剣・フェニックス』」
そう、これが崩月の最後の武装にして、黒の騎士団の最新技術を集合させ作った剣。
刀身は柄から出力される液体金属で構成、両刃剣の形で形成。
そこに輻射波動を纏わせる事でMVS並の攻撃力を獲得する事に成功した黒の騎士団の最新装備。
剣の柄に凝縮されたギミックやシステム、輻射波動を伝導するという工夫により、それを可能とした。
これにより、接近戦での攻撃力が上がるだけでなく、携帯時にもキャパシティーや重量がかさまずに済む。
便利さと接近戦の戦闘力アップを想定した装備である。
『なるほど。貴公の本来のスタイルは双剣。つまり、ここからが本番か』
だがライはそれを否定した。
「いえ、本来は先のスタイルがそうですよ」
『何?』
ライは続ける。
「これは僕が先のスタイルの修得後に手に入れた剣を刀と共に使いこなすために自分で極めた型です。この剣はその当時使っていた剣を再現したものなんです
よ。それにこれは、正直使いたくはありませんでした」
『ほう、何故だ?』
ビスマルクの興味からくる質問にライは答える。
「ナイトメア戦では取れる戦法が限られるからですよ。これを使うと、恐ろしく接近戦に特化した装備になってしまうため、ほかの戦法が取れなくなってしまう
からです。はっきり言ってあなたのように接近戦一本に賭けているような人相手にしか使えない。だからこそ……今ここではそれが生きてくる」
崩月が右手の刀と左手の剣を構える。
「ナイトオブワン、ここからが本番というのは当たりですよ。ここからは本当の全力で行かせてもらいます」
そこでライの目つきが変わった。
その瞬間対峙するビスマルクにもその異変がわかった。
外見ではない。
(何という覇気……!それにあれは……!)
対峙するビスマルクは前に立つ崩月に、乗っているライがある誰かにダブって見えた。
(マリアンヌ様……!)
そう、ビスマルクにはかつて閃光と謳われたマリアンヌ后妃が乗っているようにダブって見えたのだ。
本来マリアンヌ后妃は双剣のスタイルを得意としていた。
無論、手合わせをした事のあるビスマルクはそれをよく知っている。
だからこそ、今目の前にいる双剣を持つ相手がマリアンヌ后妃とダブって見えたのだ。
そう、先ほどのスピードを取ってもマリアンヌ后妃に引けを取らないものだった。
ならば……。
「よかろう。私も本気で貴公の相手をさせてもらおう」
瞬間、ビスマルクの覇気が上がった。
互いに全くゆずらない程大きな覇気。
そして、ギャラハッドと崩月が構える。
「勝負だ…!」
「ふっ……。くせになるなよ」
言った瞬間、両者が高速で真っ向から衝突した。
どうなるかと思われたが、両者とも健在だった。
互いに機体の寸前で突き出した剣と刀を止めている。
両者の力が拮抗する。
「ちぃぃぃぃ!」
「なるほど。よい一撃だ」
「!」
直後、ギャラハッドが持っていた大剣を切り上げ、崩月の刀を振り払うと軽く飛び上がり、崩月にエクスカリバーを振り下ろす。
「ちっ!くっ!」
放たれた一撃目を崩月は左手の剣で弾き、さらに繰り出された二撃目を右手の刀で弾く。
そして、間合いが開いた両者がまた構える。
「せええぇぇぇぇい!!」
「ぬん!!」
互いに声をあげながら、再び衝突した。
他の機体を全く寄せ付けない崩月とギャラハッドの戦闘は未だに続いていた。
それに全体の戦況も一進一退の状態が続いている。
崩月とギャラハッドが何度も切り合う。
そして、ギャラハッドがエクスカリバーを振るったのに対し、崩月は両手の刀と剣を振り下ろす。
エクスカリバーと蒼月、フェニックスがぶつかり合う。
ここで2人は互いに全力で押し合う。
少々の拮抗の後、パワーで勝ったギャラハッドが崩月を押し切る。
崩月が後方に吹っ飛ぶ。
と言っても押し切ったナイトオブワンの顔に余裕の表情はなかった。
むしろ、険しい顔で汗を飛び散らせている。
「ふっ!」
すぐに体勢を立て直した崩月が再び神速でギャラハッドに飛び込む。
それをギャラハッドは受け止める事はせず、避けて飛ぶ。
すかさず崩月はそれを追う。
スピードには分がある崩月がギャラハッドに追いつき、両機は上昇しながら刃を交える。
螺旋を描くように上昇しながら数度刃を交えた崩月はギャラハッドの上に出ると、両手の刀と剣をギャラハッド目掛けて振り下ろす。
「双竜月下閃!!」
上方から刀と剣を思いっきり振り下ろす『月下閃』の二刀流の技。
ギャラハッドはその斬撃をエクスカリバーで受け止めた。
が、ギャラハッドは受け止めたように見せかけて受け止めた刀と剣を流す。
崩月の刀と剣の刃が滑る。
「くっ!」
(威力を半減された!)
ナイトオブワンの技量にライは顔をしかめる。
ライはこの戦闘に小細工など使っていなかった。
現に正面からの突撃がやや多い。
もちろん、後ろを取ったりと虚をつく事はしている。
だが、この程度の事はすぐに対応される。
それに形勢は五分。
だからこそ、ライは小手先の技や小細工は使用せずに次々とギャラハッドに攻撃を仕掛けていた。
どちらかが流れをつかむ事がこの闘いを決める一手となるのだ。
しかし、それはまだどちらも掴めていない。
ライは刀と剣を一旦、相手の手に乗って流す。
そして、すかさず反撃を与えないように攻撃を繰り出す。
「嵐月!」
連撃の『嵐月』の双刃の型。
崩月の連撃をギャラハッドはブレイズルミナスとエクスカリバーで防ぐ。
しかし、手数は双剣の崩月に分がある。
崩月の文字通り嵐のような連撃にギャラハッドは次第に押され始める。
しかし、このままいけばライに流れを握られると思ったのか、ナイトオブワンは豪撃を繰り出す。
『エクスカリバー!!』
「弐月豪閃!!」
ライもすぐに反応し、双刃の型のパワー一点型の攻撃を繰り出す。
互いの攻撃が衝突し、凄まじい衝撃波を巻き起こす。
近くにいた周りのナイトメアは強力な衝撃波に思わず足を止める。
ヘリ等は飛行体勢を維持できず、墜落していく。
崩月とギャラハッドも例外ではなく、衝撃でお互い後方に吹っ飛んだ。
『ぬう!』
「くっ!」
だが、互いにすぐ体勢を立て直す。
しかし、互いに全力での戦闘を続けていたため、どちらも若干息切れしていた。
「はぁはぁ……、さすがナイトオブワンですね。ここまで滾った事はないですよ」
『ふっ、こちらもこれほど楽しませてくれるとは思わなかった。さすが黒の騎士団最強と噂されている事はある』
「!…そんな噂が?」
『ああ。ナイトオブスリーとナイトオブシックスを1人で退けた貴公とそのナイトメアは我が軍では有名だよ。…少なくともその噂は本当だったという事か』
ライは気を緩めずにいながらも、いつの間にか自分がブリタニアにそんな噂をされているとは思わなかった。
まあ、あれだけの戦いをしていればいずれ噂になるのも当然だろう。
互いに再び構える。
『ピーピー!』
「!」
しかし、ライはその時計器が知らせる警告音に気が付いた。
崩月のエナジーフィラーの残量が残り少ない。
まあ、あれだけの攻防を続けていたのだから当然と言えば当然だ。
それをちらりと見てライはギャラハッドに視線を戻した。
しかし、ギャラハッドも動きを見せていない。
どうやらあちらのエナジーフィラーの残量も少ないようだ。
『どうやら決着はお預けのようだな』
「そのようですね」
互いに同じ事態だと察しライとナイトオブワンは決着は付けたい気持ちはありながらも、この戦場ではこれ以上の戦闘は禁物と判断。
互いに後退しつつ、少しの間睨み合い、距離が開いた所で互いに背を向けてそれぞれの陣に帰還した。
帰還したライは旗艦の格納庫で待機していた整備班にとても褒め称えられた。
ライはそれを受け取めつつも、すぐに表情を切り替えて整備班に補給の指示を出していた。
そして、ライは補給の間、休憩を取っていた。
今はナイトオブワンが退いた事で両軍の攻防は一時治まっている。
よく戦地で取るサバイバル食を口にしていたライはふと初めてこれを口にしたルルーシュの言葉を思い出した。
(そういえば、ルルーシュはこれをすごくまずいって言ってたな。まあ、それは否定しないが。それに戦場では味よりも栄養補給が重要だからって僕が言及し
てたっけ)
思い出しながら、ライは微笑む。
(そういえば、ルルーシュはスザクとの交渉は上手くいってるのか?)
今度はそう思いながら、ライはルルーシュがスザクに電話した後の出来事を思い出していた。
「本当にスザクと会うのか?」
「それしかナナリーを助ける手段がない事はおまえもわかっているだろう」
「ああ、まあそうなんだけど……」
ライはそう言いながらも、どこか心配している表情だった。
おそらくスザクと言えど、敵に会うのは危険とライが判断している事はルルーシュにも容易にわかった。
「おまえが心配するのはわかる。だが、俺は、俺達はあいつを信じるしかないんだ」
「ああ……、そうだな」
ライは微笑んだ後、すぐに表情を戻す。
「なら一つだけ忠告させてもらう」
「何だ?」
「シュナイゼルには…気をつけてくれ」
「?どういう事だ?スザクじゃないのか?」
ライの言葉を聞いて疑問に思ったルルーシュ。
ライは続ける。
「スザクは信用できる奴だよ。それは他ならない僕が知ってる。でも、問題はそこじゃないんだ……。おそらく、問題になるのはシュナイゼル……。以前彼を見
た事から言わせてもらうが、彼は何をするかわからないから。もしかすると、ゼロの正体を知るためにあらゆる策を講じてくるかもしれない」
ルルーシュはそれを聞いて顎に手を当てて考える。
ライは人の思考や行動を読む点において優れている。
ライの使う流派がそれの主な要因だが、もちろん彼が昔に王として色んな人間を見てきたという経験もある。
それらを踏まえると、容易には無視できない。
「……わかった。気をつけておこう」
「もし、失敗して必要なら僕を呼んでくれ。その時はすぐに駆けつける」
こうして、ライはルルーシュを見送ったのだった。
ライはあれから二度ほど出撃し、その後の今は休憩を長めに与えられ、次の攻撃の時に同時に出撃する事になっていた。
最初の帰還から既に3時間程経っており、今崩月のチェックも入念に行われていた。
時間からすると、もう空は暗くなる頃だ。
指揮は星刻が担当しているので、ライがいない場合でも全体の戦況には大きな問題はなかった。
ライは軽く仮眠を取りながら格納庫の端で休憩していると、手持ちの通信端末に通信が入った。
目を開け、確認を取るとそれは蜃気楼から送られてきた通信文だった。
そこには……奇襲作戦を間もなく開始するという旨の文とライを目的地であるトウキョウ租界に呼び出すものが書かれていた。
(……だが、これが送られてきたという事は)
交渉が決裂したという事だった。
ライはすぐに立ち上がると、崩月に寄っていた整備班に指示を出す。
「ゼロから僕に指示があった。幸い今は補給もほとんど済んでいる。予定通り予備のエナジーフィラーの装備と最終メンテナンスを」
「「「「「はっ!」」」」」
慌しく整備班が動き始める。
ライは次に総司令の星刻と大竜胆で指揮を取っている香凛に通信をつなげる。
「星刻さん、香凛さん、ゼロから指示がありました。すみませんが、僕はこれからトウキョウ租界に向かいます。ここはまかせてもよろしいですか?」
『ああ、こちらの事は心配しなくていい』
『あなたはあなたの役目を果たしてください』
「ありがとうございます。では!」
ライは承諾を得ると、すぐに整備班の作業完了の言葉を聞いてから崩月のコクピットに飛び乗る。
「トウキョウ租界までのルートの確保は?」
『既にできております!』
オペレーターにライはすばやく確認すると、システムを立ち上げた崩月を発進位置に立たせた。
「よし!崩月、出る!」
崩月が夕焼けで朱色に染まった空に飛び立つ。
飛翔滑走翼を広げた崩月が飛翔する。
目指すはトウキョウ租界。
ライが通信文を受け取った頃……。
「ギルフォード、このままトウキョウ租界に向かう」
「イエス・ユア・ハイネス」
ライに通信で電信文を送った後、ルルーシュはゼロの衣装に着替えながらギルフォードにそう言う。
何故敵であるギルフォードがルルーシュ=ゼロに従っているか。
それはルルーシュがギルフォードにあらかじめジェレミアを使って呼び出しておき、ギアスをかけたからだ。
内容は『首元の襟にに手をかけるポーズを取ったらルルーシュをコーネリアと認識する』というものだった。
忠義に厚いギルフォードは当然コーネリアと認識したルルーシュの指示に従う。
思考を失わせず、その個人の能力を生かす画期的なギアス運用だった。
そして、空が暗くなった頃、ルルーシュはトウキョウ租界に着いた。
眼下には迎撃のために砲塔を構えたナイトメアが並んでいる。
「俺が租界で何の目的もなく学生をやっていたと思うなよ」
そして、あるスイッチを取り出す。
「トウキョウ租界、今貴様を止めてやる!」
言って、ルルーシュはスイッチを押した。
そして、租界内部にあるポイントごとの列車から装置がせりだした。
それが機能し始めると、ナイトメアの動きだけでなく、租界の機械全てが機能を停止する。
使われたのはゲフィオンディスターバー。
以前、ルルーシュとライが準備させていたもので、租界全域をカバーするため、各ポイントに設置させていた。
結果、租界の全機能は役立たずと化す。
「よし、条件はクリアされた。藤堂!」
『承知した!七号作戦開始!』
それを合図にトウキョウ湾に潜んでいた黒の騎士団、斑鳩艦隊が浮上して姿を現す。
次にルルーシュはロロに通信を繋げる。
「ロロ、そちらはどうだ?」
『作戦はスタートしたよ。これからナナリーを迎えに行くから』
「よし、頼んだぞ、ロロ」
信じていた友情はまたも裏切られた。
いや。そうだ。最初から自分が間違っていたのだ。
あいつに、『友』などとあやふやで不安定なものに頼ろうとした事が。
この世に頼れるものは自分とライのみ。
己を完全な存在に置かなければ、妹は、ナナリーは救い出せない。
冷徹。非情。
俺が心から信じるのはライとナナリーだけでいい。
それ以外のものなど、所詮は駒。道具。
結局、世界は変わってなどいなかった。
そういう事だ。
だから、俺はこの瞬間、自らを最も純粋なものに変える。あの時のものに戻す。
ただ、ナナリーを守り、ライと共に戦い、ブリタニアを破壊する捨てられた皇子、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに……。
あとがき
オリジナル要素の高いと豪語していた16話をお送りしました。
前回の投稿から1ヶ月と20日くらいになりますね。
相当忙しかったので、なかなか投稿できずにいたのですが、続いて16話の投稿ができて良かったです。
しかし、相変わらずギアスの作品はたまに漢字がわからなかったり、難しい所がありますね(汗)
今回は原作では一応17話あたりのお話です。
今回のお話はルルーシュそっちのけでライがまさかのキュウシュウ戦に参加するという話を書かせてもらいました。
正直この話はずっと書いてみたいと思っていたので、すごく思い入れのある話になっています。
ただ、原作ではこの部分はほんのちらりとしか出てなかったので、色々と考えるのが大変でしたが。
だからオリジナルって前回の予告で書かせてもらったんですけどね。
ナイトオブテンとの交戦に続いて、ナイトオブワンとの決戦。
ライ大活躍ですね(笑)
原作ではナイトオブワンのまともな戦闘シーンがそれほどなかったですから、一度まともな激闘を書いてみたかったのも動機の一つです。
最強を思いっきり示すという意味で。
だから、今回の話のタイトルもそんな感じのものにしてあります。
ライの新技、崩月の新武器出まくりでした!
この話で是非燃えてくれたのであれば、とても嬉しいです!
さて、そこで出てきた崩月の新型武器の輻射波動剣ですが、まあ本文に書いている通りですね。
紅蓮聖天八極式が輻射波動を円盤状にして飛ばせたのだから、こんな武器があってもおかしくないだろうと思って作ってみました。
剣が壊れないのは、そういう風に工夫してあるから。とでも思ってもらえるといいかと。
そして、最後にライがゼロ=ルルーシュの援護のためにトウキョウ租界に向かいます。
え?無理がある?
いや、実はそうでもないんです。
だって、原作でキュウシュウで戦ってたナイトオブテンがあんな短期間でトウキョウ租界に来れたんですから。
それなりに準備をしておけば、不可能ではないだろうと考えこのネタでいかせてもらいました。
まあ、書いて投稿した今でも時間配分には不安が残る訳ですが(汗)
まあ、その部分はあまり気にしないでください(苦笑)
という感じの今回の話の解説でした。
戦闘中心のすごく熱い話でしたが、文字通り燃えてくださったのならば作者としてはとても嬉しいです!
次回はトウキョウ決戦です!
果たしてナナリーを取り戻せるのか?
ライは間に合うのか?
そして、ライはアーニャ相手にどうするのか!?
もちろん原作で出てきた紅蓮聖天八極式も活躍します!
そして、この話でライとナイトオブテンとの決着が着きます!
もう色んな意味で目が離せない次回、是非ご覧になってくださいね!
またもたくさんのWEB拍手、感想ありがとうございました!!
忙しい中でもこういう励ましの言葉が頂けたのはすごく励みになりました!
皆さん、どうか完結までの応援よろしくお願いします!
WEB拍手に名前が書き込めるという機能が付いたみたいなので、名前を書いてくれた方には返事をさせてもらおうと思います。
ちなみに上から日付が古い順で。
>> Februaryさん
私も皇帝は以外と好きです。
あの威厳のある感じと言葉が良くて。
次回の日本解放戦も是非見てくださいね!
>> 拳王侵攻隊さん
まあ、今回の話を見てくださったのならわかると思います。
ライも大変ってとこですね(苦笑)
>> 凪時雨さん
この際ですから言っちゃいましょう!
めっちゃありえます!!!
まあ、若干パラレルというかオカルトなネタですが……(苦笑)
>> スーさん
ありがとうございます。
これからもエンディングまで頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!
>> ランツクネヒトさん
ご推察の通りです。
確かにアッシュフォード学園では大騒ぎでしょうねぇ。
スザク達とのやり取りは次回からですので、是非チェックしてみてくださいね!
>> リッチさん
最近見つけて読んでくれたんですね。
新しい読者が増えて私も嬉しいです。
完結まで頑張っていきますので、これからもよろしくお願いしますね!
>> 黒月さん
もちろん頑張って自分の手で完結を目指していきますよ!
最終話の時までというのが少し気になりますが、応援よろしくお願いします!
>> ファルーシュさん
ありがとうございます。
作者にとってこの言葉が何よりの励みです。
完結まで頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!
今回、オリジナルと豪語してしまったため期待していてくれた方もいたようですが、ご期待にそえられたでしょうか?
期待通りなら私としては嬉しいです。
もう少しで忙しさからはある程度解放されるので、更新期間はもしかしたら今までより短くて済むかもしれません。
この作品の続きを楽しみにしていてくれている皆さんのために更新期間はできるなら短くしていきたいです。
最近さらに読者が増えていて嬉しい状況ですが、それに慢心しないようにがんばっていきたいと思います!
これからも応援よろしくお願いします!
感想も待ってますねー!
あとがきの後には崩月の設定もありますので、気になる人は是非チェックしてみてください。
それでは、今回はこの辺で。
また次回でお会いしましょう!
ライの搭乗機体紹介〜第2弾〜
崩月(ほうづき)
武装:ブレイズルミナスソード『蒼月』
マシンキャノン
スラッシュハーケン
徹甲砲撃左腕
輻射波動剣『フェニックス』
備考:暁と同系統の上位機種で、ライの専用機。
頭部がモノアイではなく、紅蓮と同じツインアイになっている事以外は形状に斬月や暁直参仕様と外見的な差異はない。
しかし、基本スペックは量産型よりもはるかに上で斬月よりもやや上回る。
ライが目覚めた後、ライの意見を元にラクシャータが独自の発想を取り入れて完成させたのがこの機体である。
ライの月下の戦闘データを元に斬月に徹甲砲撃左腕を搭載させ、さらに神虎に使われていたハイスペック技術を一部導入させた斬月の発展機。
つまり、斬月とは兄弟機に当たる。
機体の総合的な性能は紅蓮可翔式にも勝る程で、特に近接戦闘能力に特化した機体である。
ただ、機体の武装に試験的な最新武装があるため扱いがさらにピーキーになってしまった。
実質扱えるのはライのみである。
機体の色は蒼。実は輻射障壁を発動する時やブレイズルミナスの色も青色なのが最も外見的な特徴である。
追加:武装紹介
ブレイズルミナスソード『蒼月』
基本は青い刀。形状は藤堂の斬月に使われている刀と同じ。
スラッシュハーケンも同様に柄に内蔵しているが、ブースト機能はない。
代わりに刀身にブレイズルミナスの発生装置が内蔵されている。
刀身の中央が青く光ると、青色のブレイズルミナスが刃を形成する仕組みだ。
発案したのはラクシャータ。
強力な力場を発生させるブレイズルミナスを破るなら同質のエネルギーを持って打ち破る。
それがこの刀のコンセプトだ。
ゆえにMVS並に攻撃力が高く、ブレイズルミナスを応用する事によって刀身を大きくしたり、斬撃波を打ち出す事も可能である。
徹甲砲撃左腕
紅蓮可翔式に採用されている徹甲砲撃右腕の左腕バージョン。
ただ、これは紅蓮のよりも多少強化してあって、マニュピレーターの操作がさらに厳密になっている。
後、出力調整制御能力も紅蓮より上。
ただし、最大出力は紅蓮の方が若干上である。
これは先の二つを強化したために出せる最大出力が落ちてしまったためである。
また通常の左腕としても扱う事ができるが、より細かい動作をするには輻射波動の機能を一時的に封じなければならない。
マシンキャノン
崩月の両肩部に内蔵されている大型のバルカン。
四門のガトリングの形状を取っており、展開しひっくり返す事で使用が可能。
そのため斬月に搭載されている内蔵型機銃よりも威力が大幅に上がっている。
内蔵展開式を取っているため、敵の牽制ややや遠目の敵を狙うのに最適な崩月唯一の汎用射撃武器。
輻射波動剣『フェニックス』
輻射波動の最新技術を惜しみなく使って作られたのがこの剣である。
剣自体は展開式で刀身が出現するため、携帯時にはそれほど邪魔にならない。
徹甲砲撃左腕から送られた輻射波動のエネルギーを手から刀身に伝達。
輻射波動のエネルギーを纏う事でMVS並、もしくはそれ以上の威力を持たせた剣である。
そのため、柄にはそれを可能とするギミック、システムが搭載されている。
さらにこれを応用すれば、輻射波動のエネルギーを斬撃状に打ち出す事も可能である。
実際の形態は両刃の剣。刀身は液体金属で構成されており、色は金色。
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