カラン…コロン…
下駄が地を踏む度に、そのような音が鳴る。
こいつを履くようになってもう何年になるのか。少なくともここを出る時には履いてなかったのは覚えているがな。…と、そんなどうでもいい事を考えている間に着いたらしいな。
森を行くわしの目に入ってくるのは、里を外敵から守るためにある塀と、「あ」「ん」と大きく書かれている門が外側、つまりはわしに見えるように開いている光景だ。
五大国の内の一つ火の国。そしてその中にある忍びの里はわしの生まれ育った地…木ノ葉の里。数年前に帰って来た時も思ったが…。
「ちっとも、変わってないのぅ」
それにしても、ここに戻ってくるのも随分と久しぶりになるな。猿飛先生は元気にしてるかのぅ…クク、元気に決まっている。あの人は里の者が皆元気でおればいいと言う人だからのぅ。
森を進んで行くうちに門も塀もその大きさを変えて大きくなっていく。そして門を通り里の中へと入ると、直ぐに里のものと思われるガヤガヤとした喧騒が耳に届いて来る。
「やはり活気があるようだのぅ…ここは」
急ぎの用があるならば、門の側にある通行人を検査している所へ向かうのだろうが、わしは今小説の取材で来とるからのぅ。…無視して先を急ぐとしようかの。
里の上忍や暗部の者らがわしに気付いておるようだが…。まぁこの里は良くも悪くも『平和な里』だからのぅ。
さて、わしは小説の取材の為に『アソコ』へ行こうかの。グフフッ…アソコはいつ行っても若い女子(おなご)がおるからなぁ。今日はどんな女子がいるのかのぅッ!
「はぁ…ナルト兄ちゃん最近会ってくれないんだなぁコレぇ」
「まぁまぁ、木ノ葉丸ちゃん。リーダーは今中忍になるために頑張ってるんだし、こればっかりは仕方ないって」
「でもなぁ…」
「でも〜リーダーは〜中忍になれるのかなぁ?」
「ッ!!ウドンッ何言ってるんだコレぇ!!ナルト兄ちゃんは絶対に、絶対に中忍になるんだぞ!ナルト兄ちゃんはアカデミーの先生達が言うような、落ちこぼれじゃないんだぞコレ!!」
「ご、ごめん、木ノ葉丸君。確かにそうだよね。リーダーは強いもんね」
ん〜?何やらガキどもが喚いているようだが、わしには関係ないな。わしは早く『アソコ』に行って、ピチピチでムチムチの女子に会いに行くんじゃいッ!!
と、その前に…
「こっちのお嬢さんともお近づきになろうかのぅ。グフフフ♪」
▼ ▼ ▼ ▼
「分かればいいんだなコレ」
そうだ。ナルト兄ちゃんは強いんだ。俺はナルト兄ちゃんと一回だけ一緒に修行したから分かるんだ。俺はあの時思ったんだな。じじいの次の火影は、ナルト兄ちゃんしかいないって。
でも、そう思ってるのは俺だけ。ナルト兄ちゃん本人もそんな事思っていないと思う。でも、俺はそう信じてる。火影になるのはナルト兄ちゃんだって。
さっきウドンにも言ったけど、アカデミーの先生達はナルト兄ちゃんの事を落ちこぼれだって言う。ナルト兄ちゃんが下忍になれたのも、一緒の班になった『うちはサスケ』って奴と『春野サクラ』って奴のお陰だって。
でも、俺は信じない。だってナルト兄ちゃんは俺のヒーローなんだから!
(ウドン〜何であんな事言うのよ!木ノ葉丸ちゃんの機嫌が悪いのあんたも分かってるでしょ?それから…木ノ葉丸ちゃんの前でリーダーの悪口言うなんて何考えてんのよ!)
(うぅ〜ごめんよぉ〜)
俺がナルト兄ちゃんの事を考えていると、後ろの方でモエギがウドンと小声で話しているのに気付いた。
この2人と今みたいに行動するようになれたのも、全部ナルト兄ちゃんのお陰だったなぁ。でも、この2人はそれを知らないし、ナルト兄ちゃんの本当の実力も知らない。
2人がナルト兄ちゃんの事を知った時、なんて思うのか、なんて言うのか、それが楽しみな時もあった。
でも、今は早く知ってもらって俺と同じように思ってもらいたい。
ナルト兄ちゃんが落ちこぼれと言われる事が、俺は悔しい。俺はナルト兄ちゃんに言った事がある。
「ナルト兄ちゃん、何で本当の力を隠すんだよ!皆本当の事知ったら、ナルト兄ちゃんの事をあんな風に言わないぞコレぇ!!」って。
でも、ナルト兄ちゃんは「ん〜今はその時じゃねぇんだ、木ノ葉丸。それにな木ノ葉丸。お前1人だけでも俺の事を知ってくれてる。俺はそれだけでいいんだってばよ」
そう言って、俺の頭をグシャグシャと撫でながらカッコいい笑顔で俺を見てきたんだ。
あんなカッコいい人を、俺は他に知らない。じじいの事を悪く言った時にも、ナルト兄ちゃんは俺を叱ってじじいがどんなに偉大な人かを教えてくれたし、俺を『火影様の孫』としてじゃなく1人の『木ノ葉丸』として見てくれる。それが、どんなに嬉しい事か皆知らないんだ。
それにナルト兄ちゃんがそんな風に言われるのも、今だけだ。中忍試験本戦でナルト兄ちゃんは本当の実力を出すってこの前会った時に言ってた。だから、俺も今だけ我慢するんだ。それが、ナルト兄ちゃんの子分の俺の役目なんだなこれ!
「キャッ!どこ触ってんのよ、この親父ィ!!」バチン!!
「いやいやいや、すまんかったのぅお嬢さん。それにしても、何と言うバインバイン。グフフフフフ♪」
「〜ッッッ!!エッチィイイ!!!」バチン!!
なんだ?近くの茶屋からお姉さんとおっさんが出てきたと思ったら、おっさんがお姉さんにビンタされた。…絶対原因はあのおっさんにあるんだなコレ。
良し!里の平和はじじいとナルト兄ちゃんの代わりに俺が守るんだなコレ!!
「〜〜ツツ…やれやれ、相変わらずこの里の女は気が強いのぅ。だが、そこがまた良し♪」
「おいッそこのエロ親父!!この里で悪い事をするならこの『木ノ葉丸』が黙ってないんだぞコレぇ!」
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手に残る柔らかい尻の感触…ムチムチじゃったのう♪
「おい!そこのエロ親父!!この里で悪い事をするならこの『木ノ葉丸』が黙ってないんだぞコレぇ!」
と、わしがその余韻に浸っておったと言うのに誰だ?
「ん〜?誰かと思ったらガキだったか。はぁ〜わしはガキに用はないわい。わしに構ってないでどこかに行ってろい、シッシ!」
手の甲をガキのいる方に向けて振る。ガキに構っておったら、取材に行く時間が減ってしまうからのぅ。
「な!?お、俺はガキじゃない!俺にh「やや!そこのお嬢さん、わしと一緒に茶でも飲まんか?」このエロ親父がッ!!!」
ガキが何か言っておったが、それを無視して横を通り過ぎた女子にわしが声を掛けようとしたその時、喚いていたガキがわしに向かって拳を突き付けてきた。
それを片手で軽く止めて、ガキに向き直る。はぁ…面倒くさいがこのガキに少しだけ構ってやった方が、何かと早いかもしれんな。
「のぅお前、名前は何と言う?」
「???木ノ葉丸だけど…って、話変えるなこのエロ親父!」
木ノ葉丸…確か、猿飛先生の孫の名がそうだったような…。暗部や上忍の数がさっきよりも増えてる事から、本当に孫のようだのぅ。
このわしでもこの子に何かしたら…といったところか。はぁ〜本当に厄介な奴に絡まれたもんだのぅ。
「あぁ…木ノ葉丸と言ったな?お前とその後ろのお前らにラーメンでも奢ってやる。だから、それを食べたら家に帰れ」
「え!奢ってくれるの?なら私一楽のラーメンが良い!!」
「僕も〜」
「モエギ!ウドン!」
ガキが後ろにいるガキ2人の反応に驚いているが、わしにしてみればその反応は願ったり叶ったりだ。ここは畳み掛けるが吉だな。
「おうおう、一楽だろうが二楽だろうがどこでも良いぞ。ほれ、早速行こうか」
そう言って、2人のガキを連れてラーメン屋に向かう。ちらっと後ろを窺ってみると、はじめのうちガキが喚いていたがそれもわしらが10mくらい離れたところで「…俺も行くぞコレぇ!!」と言って走って来る。
クク…やはりガキはガキだのぅ。さて、銭は惜しいがそれよりも取材が出来なくなる事の方が痛い。早くこいつらにラーメンを奢ってやって、わしは『アソコ』に向かう事にしよう。待っておれよ!ピチピチムチムチの女子達ィ!!!
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雲1つない気持ち良い青い空。里はいつも通りの賑わいを見せて活気に溢れている。そんな中を私は『ある人』を探して、屋根から屋根へ跳び移っていく。
視線というか、白眼を併用して様々な所を見渡して道を歩いている1人1人の顔を確認していく。こっちじゃなかったのかなぁ…。
父上が中忍試験の予選が終わったと言ったから、こうやって探しているのに…どこにいるんだろう。
あの人がいるだろう場所。向かうだろう場所。その中で最も確率の高い所は…。あの人の特徴や好みなんかをもう一度自分の中で整理して、あの人が向かいそうな所を思考していく。
あの人の事を考えるだけで、胸がポカポカしてくるなぁ…って違う違う!今はその人を探すのが目的でしょ『ハナビ』!
私の名前は日向ハナビ。日向家当主、日向ヒアシの娘で日向ヒナタを姉に持つ。本当なら今の時間、父上と鍛錬してる筈なんだけど…あの様子じゃ無理だもんね。
というか、私も早くお見舞いに行きたいのにどうして面会謝絶なのか…それを聞くためにも私は『あの人』を探す。
どこにいるんですか…ッ見つけた!!
探していた人物を私の白眼が捉えた。全く、こうやって私があなたを探している間、ラーメンを食べているなんて…でも、見つけましたよ。
私は建物の屋根の上から飛び降りて、あの人がいるラーメン屋に飛び込む勢いで走って行く。
「見つけましたよ!『ナルトさん』!!」
殆ど叫びに近い声を上げて、ラーメンを食べているナルトさんの背中に抱き付いた。そのせいで、ナルトさんが咽てしまったけど。ふふ♪それで許してあげます。
▼ ▼ ▼ ▼
第3の試験の予選が終わった後、俺は直ぐに火影のじいさんとあの場にいた上忍、特別上忍に俺の秘密を話した。
まぁ、その後色々あったけど今はこうして一楽のラーメンをゆっくり食べれているんだから不思議だ。
いくらじいさんやカカシが俺の事を庇ってくれたとしても、周りの人たちが俺の事を怖がらないと思わなかった訳じゃない。
いや、正直に話すとじいさんやカカシにも、不安を抱いてはいた。火影の名を持つじいさんと俺の父さんの教え子のカカシ。
この2人だとしても俺は不安だった。もしかしたら、受け入れてくれないかもしれない。そんな事を一瞬でも考えていたけど、実際には温かい手で撫でて貰ったし、怒ってくれたし、笑顔で接して来てくれた。
それが、どんなに嬉しかったか知れない。
『…あの火影がお前を大事にしている節は何度も見ていたが、まさか本当にお前を受け入れるとはな。我がお前の中にいるというだけで嫌悪している他の者達と違って、あの場にいた者達は全員がお前を受け入れていた。良かったな、ナルト』
九尾…。お前にも今まで心配かけたけど、俺はもう大丈夫だ。火影のじいさんが、カカシが、ガイが、アスマが、イビキが、ハヤテが、そして…あの姉さん達もいるからな。
『紅という女の事は良い。問題は、あのアンコとかいう女だ。あ奴は、大蛇丸の元部下だと言う話だったが…大丈夫なのか?』
大丈夫。あの人は大蛇丸とは関係ない。それに…最後の俺を撫でてくれたあの人の顔、お前も見たろ?
『……まぁ、な』
目に光るモノを溜めながら、カッコいい笑顔で撫でてくるんだもんなぁ…。あの笑顔は卑怯だって。大蛇丸の元部下とか、あの人の性格とか、そんな理由で恋人が出来ないみたいだけど、実際あの人って美人だから人気はあると思うんだ。
『なんだ、ナルト。お前、あの娘達がいながらあの女の事を好きになったのか?』
ち、違ぇよ!俺にとってアンコさんは、カッコよくて頼りになる姉さんみたいな感じの人なの!それに娘達って何だよ、娘達って。
『はぁ…分かってない筈がないだろうに。山中いの、日向ヒナタ、波の国で出会った白、それからテンテンとか言うお前にちょっかいを掛けてくる者、まぁ後は砂のあ奴くらいか』
いやいやいや!百歩、いや千歩譲っていのやヒナタ、白とテンテンは…そのぉ俺の事を好きなのは分かるが、テマリはないだろう!あいつにフラグを建てた覚えはない!!
『ふらぐ?と言うのはよく分からんが…よもや、本当にそんな事を抜かしている訳ではないだろうな?』
ぐ…あ、あぁ。俺は好きになってもらった覚えは全くないッ。
『………ならば我からは何も言うまいよ。お前が勝手に撒いた種だからな。』
おい、そんな意味深な事言うなよ九尾。俺はまだ…。
と、俺が一楽でラーメンを啜りながら九尾と話をしていたら、小さな女の子っぽい声が後ろから聞こえた。いや、このチャクラの反応から予想はついていたが目的は俺だったか。
「見つけましたよ!『ナルトさん』!!」
ムグッ!!あ、あぶねぇ…ラーメン噴き出すとこだった。テウチのおっちゃんはラーメンを噴き出したり、残したりすると怒るから俺は頑張って口の中にあるラーメンを飲み込んでから、背中にタックルしてきたちびっ子に顔を向ける。
「ング…ハナビ、人が物を食べている時にそういう事しちゃ駄目だろ?んで、俺を探してたみたいだけど何の用だってばよ」
振り向いた先にいるのは、ヒナタと同じような艶やかな漆黒の髪を肩まで伸ばし、ヒナタと同じような純白の瞳と透けるような肌をしたちびっ子。
「はぁい、ごめんなさい」
そう言って俺の背中から離れるちびっ子。こいつの名前は『日向ハナビ』。俺がヒナタを家まで送ってやった時に出会った女の子。はじめて会った時は、俺の腹の下までしかなかったっけなぁ。
「えっと中忍試験の予選、どうでした?」
「ん?何だそれが知りたかったのか。お前んとこの親父さんに聞いてないのか?」
「はいッナルトさんに直接聞きたいと思って、こうやって探してたんです」
「ふ〜ん…ま、良いけど。俺は予選通過したぞ。お前が知ってる奴で言うと、シカマルにシノ、それからネジ先輩も予選通過だ」
「ネジ兄さんですか…でも、あの人なら納得です。というか、シノさんは兎も角、シカマルさんも予選通過したんですか?」
ネジの事を話すハナビの顔は、分家の者に対するモノじゃない。あれは自分よりも柔拳を使いこなす事に対する尊敬やそういうモノだ。
ヒナタじゃこういう反応は返ってこないと思うから、本当に性格が全く似てない姉妹だな。というか、シカマルに失礼な事言ってるって自覚ないんだろうか、こいつ。
「シカマルは強いぞ。あいつの頭の中に何通りの戦術があるか俺は知らない。てか、ヒナタのお見舞いに行かないのか?俺はこの後、いの達と皆で行く予定だ」
「へぇ〜ナルトさんがそう言うなら強いんですね。今度からそういう風に見る事にします!お見舞いにはさっき行ってきたんですけど、面会謝絶ってドアにあってそれで…これもナルトさんに聞きたい事なんです」
面会謝絶??何でだ?まぁ、何はともあれ病院に行ってみてからだな。
「悪い。俺もそれは初めて知った。検査してたからとか考えられるけど…ま。病院に行ってからだな。てかハナビ。お前飯は食ったのか?」
「そうなんですか…なら、私も一緒に行きます。お見舞いには行きたいですから。昼食は…恥ずかしいですけど、まだなんです」
テへへと舌を可愛く出して、お腹をさするハナビ。仕方ねぇ、奢ってやるか。
「分かったよ、どうせ俺にたかる気だったんだろ?おっちゃん、こいつにもラーメン1つ」
「あ、チャーシューメンでよろしくお願いします」
こ、こいつ…俺でも、月に一回食べるかどうかっていうチャーシューメンを。はぁ…奢ってやるなんて言わなきゃ良かった。
「ハハハ!ナルトもこのちっこいのには弱いみたいだな。チャーシュー1枚おまけしてやるから元気出せ」
「ありがと、おっちゃん」
テウチのおっちゃんがチャーシューを1枚、俺のラーメンの上に置いてくれる。本当にこの人は気前がいい。人間的にも、イルカ先生とタメを張るくらい良いからな。
そして、数分待つとハナビの前に湯気の立った美味しそうなチャーシューメンが運ばれてくる。
「へい、お待ち!」
「ありがとうございます。それじゃナルトさん、いただきます!」
ハナビは備え付けられている割り箸を手に取り、小気味の良い音を立てて割る。あぁ…俺はまだ今月一回も食べてねぇんだよなぁ。
俺は隣のハナビを横目で見つつ、自分のラーメンを食べていく。すると、今度はハナビが来た逆の方から俺が良く知るチャクラの反応が3つと、他の奴らとは違うでかいチャクラがこっちに近づいて来るのに気付いた。
3つのチャクラは木ノ葉丸達だけど、このでかい奴誰だ?俺はこんなチャクラを持ってる奴、知らないぞ?ラーメンを食べながら、隣にいるハナビを守る事を頭に置いて、今も近づいてくるでかいチャクラの奴を警戒する。
そして一楽のラーメンの暖簾を潜って来たのは木ノ葉丸達と…って何であんたがこんな所に木ノ葉丸達と一緒に来んだよ。
「あぁ!!!ナルト兄ちゃん!!」
「ホントだぁ。リーダーがいるぅ」
「横にいる子って誰かな?」
「ん?何じゃ、お前たちの知り合いか?なら、ラーメン代はやるからこいつと一緒におれのぅ」
そう言って、暖簾をまた潜って出て行く歌舞伎役者みたいな格好をしたオヤジ。俺はカウンターから席を立ち、そのオヤジのように暖簾を潜ってこの目で、本人かどうか確かめる。
「ちょっと待ってくれってばよ。おっちゃんの名前、教えてくれってば」
「ん〜?わしの名を知りたいか?そうかそうか。ならば、教えてやる」
後ろからハナビや木ノ葉丸、テウチのおっちゃんの声がするけど、俺の耳はもうこの目の前の歌舞伎者の言葉しか聞いていない。
「あいやしばらく!よく聞いた!妙木山蝦蟇の精霊仙素道人、通称・ガマ仙人とはこのわしの事だぁあああ!!」
やっぱり…このウザい名乗りと歌舞伎者の格好。
「…伝説の三忍の1人、自来也さんですね。俺は『波風ナルト』、はじめましてだってばよ」
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