テマリの膝裏と肩に手をやり、所謂(いわゆる)お姫様抱っこをして我愛羅達がいる上の階へと跳ぶ。その際に向こうの方から「こらぁ!!何やってんのよ、ナルト!!」とか、「金髪君てばやるぅ〜♪」などの声が聞こえたが、あえて聞こえなかった事にした。

「お届けに来ましたよっと」

「…こいつらの担当の者だ。テマリは私が預かろう」

 確かこの人バキって名前だったっけ?原作でも影薄いから名前うろ覚えなんだよなぁ〜って、そんな事考える前にテマリをこいつに預けて、俺はいの達の所に移動した方がいいみたいだな。

「うずまき…ナルト…」

「おう。何だってばよ我愛羅」

「なッ!?お前我愛羅の名前を気安く「黙れ…」わ、分かったじゃん」

 お、おっかねぇ…。我愛羅ってばカンクロウにマジであたり強いな。どんまいカンクロウ。

「まぁまぁ、そんな殺気立つなよ我愛羅。んで、俺に何か用か?」

「…今すぐ俺と戦え。これ以上、こんなくだらない遊びに付き合ってられるか。…俺はお前と殺し合いたいんだよ」

 うわぁ…俺ってば我愛羅に何か恨まれるような事したっけ?まじで、嫌なんですけど。

「えっと…殺し合うのは嫌だなぁ、俺は。それに今すぐってのはちょっと無理だってばよ」

「………」

 いやいやいや、無言で殺気とチャクラを出すなよ。さっきカンクロウに向けて放ったのよりも3割増しとか。ま、俺は平気だけどさ。でも、近くにいるカンクロウなんて腰がぬけちゃってるぞ?

「はいはい、絶対に今度戦ってやるから今は我慢し「俺は今すぐ、殺し合いがしたいんだ」…全く、お前は我儘な子どもかっての。それに『コレ』引っ込めねぇと、そろそろ俺も本気で怒るぞ?」

 コレってのは、俺の周りを漂っている砂の事だ。さっきの戦いで血を吸ったからか、相当にキツい臭いが俺の鼻を刺激してくる。

「そうだ、それでいい。殺してやる…お前を。うずま「馬ぁ鹿」……」

 めんどくせぇ。こいつ原作よりタチ悪くなってねぇか?我愛羅の砂のガードを素通り(自動防御する前に動いた)して、我愛羅の頭をコツンと叩く。

「だから、駄目だって言ってんだろ?俺はこんな狭いとこで戦っても面白くねぇって言ってんの。何でお前はそれが分かんねぇんだよ。俺はもっと広い所で『全力』でお前と戦いたいの。それに…お前もやるからには『全力』で戦いたいだろ?」

「……………」コク

「なら、もう少しだけ我慢しろって。今すぐ戦いたいってのは俺も同じだ。でも、より楽しくなるんならそっちの方がいいだろ?」

「…………分かった。今すぐ殺るのは我慢してやる。だがその時は、全力でだからな」

「はいはい、分かってるっての。それからあんまり無闇矢鱈に殺気を撒き散らすなよ?そんな事してたら俺と戦えなくなっても知らねぇからな」

「………………」コク

「なら、良し。それじゃ俺は行「ここで見ていけ」…はぁー分かったよ。お前だけ俺の言う事を聞いて、俺がお前の言う事聞かないのもアレだしな」

 我愛羅の頭をコツンと叩いた拳を開き、我愛羅の頭をポムポムと叩く。我愛羅も今は我慢してくれるみたいだし、あと2試合見たらこの予選も終わるし、それまでならこっちにいてもいいよな。

 てか、勢いで我愛羅の頭叩いちまったけど…俺の隣で腕を組んで階下に視線をやっている我愛羅に顔を向けてみる。

「…何だ?」

「いや、何でもねぇ」

「そうか…」

 何でこいつ怒らねぇんだ??カンクロウとバキの方に顔を向けてみると、奇怪なモノでも見るような目で俺を見ていた。どっちの顔にも「我愛羅がキレない??」って書いてあったし、2人はテマリと一緒に俺と我愛羅から少しだけ距離を取った。

 そんなんするから、我愛羅がこうなったんだって気付けっての。

 まぁ、我愛羅がキレないってのは俺も不思議に感じるがな。勢いって時折大事なんだなぁってこの時程思った事はない。

 ん?いのとシカマルが何か含んだ目を向けているのに気付いた。悪い悪い、そっち行けそうにないわ。そんなジェスチャーを2人に送る。

 と、俺らがそんな事をやっている間に次の試合に出る2人が試合場で対峙していた。

 片や、全身緑タイツに身を包んだゲジ眉事『ロック・リー』

 片や、香燐の班員だと思われるモブキャラ。

 名前は電光掲示板にちゃんと出てるぞ。俺がただ単純にこいつには名前は必要ないと思ったので言わないだけ。てか、モブでいいっしょ。

 そして始まった試合だったが、リーの体術の前に何も出来ずにモブは負けた。

「やりましたよぉ!ガイ先生!!予選突破しましたぁ!!!!」

「おぉうう!流石は我が愛弟子!良くやったぁあああ!!!これで私の班は全員が予選突破だッハハハハハハ!!!」

 うるせぇ…あいつらって何でこう意味もなく『熱い』んだよ。

 隣を見てみると、我愛羅は何を考えているのか分からないあの無表情でガイとリーの2人を見ている。我愛羅にもあんな人がいたらこんな風にならなかったのかねぇ。

 そして直ぐに、予選最後の試合に出る2人の名前が電光掲示板に表示される。

『ハルノ・サクラ』VS『ツルギ・ミスミ』

 サクラの試合なら見なくてもいいな。どうせあいつの事だ。負けるだろ。それよりも…テマリが起きたみたいだしちょっと挨拶にでも行こうかな。

「我愛羅、テマリさんが起きたみたいだからちょっと挨拶してくるけど、お前はどうする?」

「…俺は行かん」

「そっか。ならちょっと行って来るわ」

 我愛羅は相変わらず、腕を組んだまま階下の試合を見ている。あれホントに試合見てるのか??ま、今はテマリが先かな。

「起きたみたいですね。どこか痛んだりします?」

「……何でお前がここにいるのか、私はそっちの方が気になるんだが?」

 バキがあの後直ぐに、後ろの壁にテマリを寄り掛からせるように座らせたから、今は俺がテマリを見下ろしている形だ。

 いや、俺は中腰になってテマリの視線に合わせているから、見下ろしてはいないか。

「それはそこにいるテマリさんとこの担当上忍か、カンクロウさんに聞いてください。と、それでどこか痛いとこないですか?まぁ、俺が負わせた怪我なんですけど」

「…はぁ……ホント、可笑しな奴だよお前は。怪我は大した事はない。だからそんなに顔を近づけるな。…じゃないと……困る」ブツブツ

 あれ?テマリってば何で顔赤くするんだ?やっぱり、どこか痛めてたりすんのか?一応手加減した心算なんだけどなぁ。

「…いいから、お前は早く自分の仲間の所に帰れじゃん」

「カンクロウの言う通りだ。君は木ノ葉の人間。私達がいくら同盟を結んでいるからと言って、いつまでもこちら側にいられると困るのだ」

 カンクロウとバキの二人は、一刻も早く俺にここから離れて貰いたいらしいな。多分音の奴ら…大蛇丸に変に勘ぐられたくないって事だろうけど。

「…分かりました。なら、これだけでも受け取ってください。木ノ葉で作られている万能薬です。これを傷に塗っておけば直ぐに治りますから」

 テマリに母さん特製の万能薬を渡してから、3人に背を向けて我愛羅のいるところに向かう。我愛羅にあっちに行くって言ってからじゃないと、行けないし。

▼ ▼ ▼ ▼

 目を開けて見ると、そこは試合場ではなく上の階の自分が元いた場所だった。自分がこうして座っていることから、私はうずまきナルトに負けて気絶させられたという事だと思う。…実際に戦ってみて分かったが、あいつは出鱈目な強さだった。

 風を使わせればあたしの右に出る者はいないと思っていた。それにあいつの風…嫌な気がしなかったな。そう言えば、誰があたしをここに運んだんだ?バキかカンクロウだろうか?

 そんな風に考えた時だった。私の上に影が出来たのは。誰だ?そう思って顔を上げて見ると、そこにはあたしが思い浮かべていたそいつの顔があった。

 そいつは本来ならここにいる筈がなくて、私を倒した本人の癖に私の身体を心配していて……本当に可笑しな奴だと思う。

 うずまきナルト…そいつは私に薬を渡すと我愛羅の所に行って、二言三言話してあろうことか我愛羅の肩を3回叩いてから、歩いて行った。咄嗟に「我愛羅!」と叫びそうになってしまったが、結局口は開かなかった。

 私の知っている我愛羅ならば、あんな事をしようものなら直ぐにキレて、あんな事をした奴を必ず殺す筈。そう『筈』だった。うずまきナルトは、殺されていてもおかしくなかった。だが私のその心配もどこ吹く風と言うように、うずまきナルトは自分の仲間の所に向かって歩いて行く。

「本当にあいつ何者じゃん?」

「我愛羅に触れて生きている唯一の人間か…」

 カンクロウとバキのその言葉に私は反応出来なかった。

「うずまきナルト…」

 私の口は自然とそいつの名前を呟いていた。そいつに渡された薬を手でギュッと握りしめながら。

 その時階下から「勝者、剣ミスミ」という声が上がったらしいが、あたしには聞こえていなかった。

▼ ▼ ▼ ▼

「中忍試験『第3の試験』進出を決めた皆さん、ゴホゴホッ失礼しました。おめでとうございます」

 いつもの年よりも多く残ったが、やっと12試合全ての予選が終わったか。審判を頼んだハヤテが相変わらずの顔色の悪い顔で祝辞を言うもんじゃから、皆呆れているようじゃな。それにしても…。

 木ノ葉から9名、砂から2名、音から1名か…。目下にいる下忍の多くは木ノ葉からの忍び。開催国なのじゃから当たり前と言われてしまえばそれまでじゃが…嬉しいもんじゃわい。特にナルト。お前がここにいることがな。

 わしは下忍達を値踏みするような視線を滑らして行き、列の真ん中にいるナルトに目を向けてから、小さく笑みを溢す。ナルトの奴もわしのそれに気づいたようで、苦笑を浮かべながら『ありがとう』と口だけ動かしおった。

 それに、小さく頷いてから再び下忍達に視線を滑らせて行く。

 この試験に大蛇丸が絡んでいると聞かされた時は、正直どうしたものかと思ったが…。蓋を開けてみれば、大蛇丸はこの試験中に何も仕掛けて来なかった。これからも、そうだとは限らんが…今は、この子達の頑張りを祝福しようかの。

 それに大蛇丸はわしの元教え子で伝説の三忍の1人。わし自身の手でケリを着けるのが道理と言うモノじゃしの。

「それでは、これから火影様より『第3の試験』の説明がある。心して聞くように!」

 と、考え事は後にするとしよう。ハヤテの言葉を聞き逃す所じゃった。

「えぇそれでは火影様、お願いします」

「うむ。では、これから『本選』の説明を始める。以前も話したように本選では諸君らの戦いを皆の前で晒す事になる。各々は各国の代表戦力としてそれぞれの力を遺憾なく発揮し、わしらに見せ付けて欲しい。よって本選は1ヶ月後に開始する」

 第3の試験の予選は直ぐに開始したと言うのに、『本選』まではかなりの時間がある事に疑問を持った何人かの下忍達が騒ぎ出す。これも毎年の事とは言え、少し五月蠅すぎるのぉ。

「これは相応の準備期間と言うモノじゃ」

「どういう事?」

 ただ1人くの一で予選を突破したテンテンと言ったであろう少女が、指を顎に当てて首を傾げ負った。

「つまりじゃ、各国の大名や忍頭に『予選』の終了を告げると共に、『本選』への召集を掛ける為の準備期間。そしてこれはお前達、受験生の為の準備期間でもある」

「意味分かんねぇじゃんよぉ!」

「つまり、敵を知り己を知る為の準備。予選で知り得た敵の情報を分析し、勝算を導く為の期間。これまでの戦いは実戦さながら…言うなれば、『見えない敵』と戦う事を想定して行われて来た」

 わしの言葉を聞いて、この段階で理解した者は何人おるかのぉ。

「しかし『本選』はそうではない。宿敵達(ライバルたち)の眼の前で全てを明かしてしまった者もおるじゃろう。相対的な強者と当たり、傷付き過ぎた者もおるじゃろう。公正公平を期す為に1ヶ月間は各々更に精進し励むが良い。勿論、身体を休めるも良しじゃ」

 ガイの所の下忍だと分かる少年が、「やります。僕はやります。修行修行修行です!!」と呟いておるのに気付く。フォッフォ本当に面白い子じゃ。

「と、言う理由でじゃ。そろそろ解散させてやりたい所なんじゃが、その前に一つ、『本選』の為に行う大切な事がある」

「はぁ…まだ何かあんのかよ」

「まぁ、そう焦るでない。アンコの持っている箱の中に紙が入っとるから、それを1人1枚ずつ取るのじゃ」

「私が回るから順番にね。それじゃあ…あんたから引きなさい♪」

 わしの隣から下忍達の前へと歩いて行くアンコ。手には黄色い小さな箱を持っておる。そして、極上の笑顔を浮かべているのだろうの。アンコはナルトの眼前に立った。

「1枚だけよ♪」

「ハハ…分かってるってばよ」

 渇いた笑いを浮かべるナルト。2人は知り合いじゃったのかの?全員が引き終わったのを見計らったようにイビキが声を上げる。

「よし、全員引き終わったな。では、その紙の数字を左から順に教えてくれ」

イビキは名簿とペンを持ち、メモの準備万端じゃった。

▼ ▼ ▼ ▼

「12」

 噛ませ犬、ドス・キヌタ。

「6じゃん」

 砂の傀儡使い、カンクロウ。

「3だ」

 砂の人柱力、我愛羅。

「4だってばよ」

 木ノ葉の人柱力、うずまきナルト。

「11でぇす」

 この試験唯一の紅一点で忍具使い、テンテン。

「9」

 めんどくせぇが口癖の天才児、奈良シカマル。

「2だ」

 うちは一族の生き残り、うちはサスケ。

「…10」

 口数少なく無表情、油女シノ。

「1」

 日向一族分家だがエリート、日向ネジ。

「7ですッ!!」

 青春大好き体術馬鹿、ロック・リー。

「8ですね」

 音のスパイで大蛇丸の右腕、薬師カブト。

「5だ」

 モブに近いタコ人間、剣ミスミ。

 本選出場を決めた下忍達が運命のくじを引き終えた。

▼ ▼ ▼ ▼

「うむ。では、お前達に本選のトーナメントを教えておく!!」

 わしの言葉に驚く下忍達。そんな驚かんでも、数字の書かれておる紙を引いて行く時点でトーナメントだと分かりそうなものじゃがな。

「イビキ、組み合わせを前へ。」

「はい。」

イビキはその名簿を下忍達に突き出す。

@日向ネジ VS Aうちはサスケ

B我愛羅 VS Cうずまきナルト

D剣ミスミ VS Eカンクロウ

Fロック・リー VS G薬師カブト

H奈良シカマル VS I油女シノ

Jテンテン VS Kドス・キヌタ

 下忍の各々が組み合わせを見ている中、ナルトだけはわしに笑みを浮かべてきおった。それに、小さく笑みを返して口を開く。

「では、それぞれ対策を練るなり、休むなり、自由にするが良い。これで解散にするが最後に質問はあるか?」

「はい、ちょっと良いスか?」

 確か彼は奈良家の…フォッフォ。シカク同様、中々キレる者のようじゃな。

「トーナメントって事は、優勝者は1人だけって事でしょう?つ〜事は、中忍になれるのは1人だけって事っスか?」

「いや、そうではない。この本選には審査員として『風影』殿や任務を依頼する諸国の大名や忍頭が見る事になっておる。その審査員達がトーナメントを通してお前達に絶対評価を付け、中忍の資質があるか判断された者は、例え1回戦で負けていようとも中忍になる事が出来る可能性もある」

「…と言う事は、ここにいる全員が中忍になれる場合もあるって事か。何か簡単そうじゃん」

 砂の彼は、少し自分の力に自惚れておるようじゃな。まぁ、これは自分自身で気付かんとならんモノじゃしな。

「うむ、じゃが逆に1人も中忍になれん場合もある。トーナメントで勝ち上がるという事は、自分をアピールする回数が増えるという事じゃ」

「…成る程な」

「分かったかのぉ、シカマル君?」

「えぇありがとうございます三代目様」

 そう言いながら、シカマル君は父親と同じように頭を掻くのじゃった。

「では、御苦労じゃった!一月後まで解散じゃ!!」

 わしの言葉を最後に、下忍達は各々の期間を有効に使う為に散って行った。さて…ナルトから何か話があるようじゃし、わしも出ようかの。

▼ ▼ ▼ ▼

 っと、じいさんも俺の事待ってるみたいだしそろそろ行こうかな。多分そこに殆んどの上忍が来るんだろうけどね。

 数分後、いの達には白がいる空き地の所に後で合流する事を伝えて、俺はこの塔の一番上の階に来ていた。

「さて、ナルト。後で教えてくれる約束だったな。お前がなぜそんなに強くなったのか、早速だが教えてくれるか」

 カカシのその言葉で始まった、俺に対する質問コーナー。周りにはカカシを始め、火影のじいさん、アンコさん、イビキ、ハヤテ、ガイ、アスマ、紅さんの8人がいる。まぁ、あの場にいた特別上忍から上の人達だな。

「う〜ん、何でそんなに強くなったのか。それを俺に聞く事自体変な事だって、カカシ先生もじいさんも分かってるでしょ?」

「ナルト、四代目の息子だからという理由は既に「そうじゃなくてさ、俺の中に『何が』いるのか…それを知らない人はここにはいないでしょ?」まさか!?」

 俺のその言葉に質問をしていたカカシだけじゃなく、他の7人全員が警戒するように身構えた。火影のじいさんも例外なく…。はぁ〜やっぱり、こうなるんだよなぁ。

『…ナルトすまん、我がいるせいで』

 九尾のせいじゃない。それから勿論父さん、母さんのせいでもない。俺は九尾が俺の中にいてくれて、とても嬉しいんだから。

「ま、そういう事だよ。『九尾』とは和解して、チャクラを貰ったり、術を教えて貰っていたんだ」

「九尾と和解じゃと?」

「そんな事が…」

「いえ、まさか…」

「でも、それだとこいつの強さの理由にはなるわね」

「確かにそうですね…ゴホッ」

「チャクラだけじゃなく、術までか」

「だが、それが知られれば里の者たちが何と言うか…」

「下手をすれば、暗部が動くぞ」

 上から、じいさん、カカシ、紅さん、アンコさん、ハヤテ、アスマ、イビキ、ガイだ。

 そんな事皆に言われなくても分かってる。だから俺は九尾の事も、父さんと母さんの事も言いたくなかったんだ。でも、そろそろ九尾は救われてもいいと俺は思った。だから、この機会に言ったんだ。これから、何が起ころうとも俺は九尾を守る。絶対に!!そのためなら、原作知識をここで暴露するのも躊躇わない!

「…じいさん達が何を言いたいのかは、分かってる。でも、九尾は悪くない。悪いのは…うちはマダラだ」

 それから、なぜ九尾が里で暴れるような事になったのか、父さんと母さんはなぜ死ななければならなかったのか、そして、うちはマダラはまた俺を狙って来る事を皆に教えて行く。

「そんな事があったとは……だが、ナルト。なぜ、お前はこれらの事を知っている?九尾に教えられたにしても、うちはマダラの事に詳しすぎる…」

「カカシ先生。波の国で桃地再不斬と戦ったよね?」

「あぁ、確かに奴とは戦ったな。だが、それがどうした?今ではこの里の為に、働いてもらっているが…」

 まぁ、あの時の事を知ってるのは俺と白、桃地しかいないからね。俺はその時の事を詳細に皆に伝えて行く。そして、マダラが俺に接触してきた時の話を終えると、部屋に重い沈黙が降りた。

「ナルト…お前は俺達が知らない間に、そんな戦いまでしていたのか」

「…アハハ」

「なぜ、俺に教えなかった!!俺はお前の担当なんだぞ!?それなのに…」

 カカシがここまで感情的になるとは思わなかったな。でも、なんとなく嬉しい気持ちになるのは何でだろうな。

「…カカシよ、お前の気持ちも分かるがここは落ち着け。それからナルト…今までよく頑張ったな」

 今度はじいさんが優しい笑みを向けてくる。そんな顔すんなってのじいさん。俺は俺がしたいようにしてきただけなんだしさ。

 その後じいさんから九尾と和解した事はここにいる8人だけの秘とする事。四代目の息子だという事は、俺が宣言したかったらしろとの事。マダラの事は里の重鎮、上忍、中忍には伝える事などを話してここでの話は終わった。

 最後に、紅さんから抱きしめられ、アンコさんには頭をガシガシと撫でられた。ちょっとだけ、恥ずかしかったかな?




あとがき

お久しぶりです。ギリギリ一月中に投稿出来ました。また、にじファンの時に読んでいた方は分かるかと思いますが、本選の組み合わせを二箇所変えさせていただきました。
ナルトVS我愛羅の三試合目が二試合目、ネジVSサスケ…えぇ、賛否両論あるかと思いますが、この第一試合でネジのアレコレを原作同様に変えてやろうかと思います。それに伴い、ちょっとアイデアが二つありまして、どちらがいいか読者の皆様にアンケートじゃないですが、聞いてみようと思います。
一つ目…
文字通りネジとサスケの戦いで、エリート同士の戦いかと思いきや、サスケ自信がナルトと同じ班になり自分がエリートだという自覚がもう微塵もなく、ネジの運命云々の話がサスケの過去を煽るような感じで、サスケくん大爆発とあいなる。

二つ目…
原作同様、サスケがカカシと共に遅刻して、ネジの不戦勝となるかと思いきや、ヒナタ云々かんぬん、サスケ云々かんぬん、とうじうじするネジに業を煮やし、そんなら俺が変わりにやってやるってばよ!てな感じで、我愛羅との試合の前に、ネジくんフルボッコの巻きとあいなる。

と、二つアイデアがあるんです。どちらがいいでしょう??



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