総勢60万のトリステイン軍兵士が攻撃をかけた、パッシェール基地攻略の道は閉ざされようとしていた。
3日目、右翼から30万、中央から20万、左翼から10万と攻撃をしかけ、塹壕は第3線まで制圧できたのだが……
完全に落ち着きを取り戻したガリア軍が塹壕を抜けた先で野戦を選択し、ガリア野戦部隊30万の前に左翼攻撃部隊は粉砕された。
その左翼残兵を収容すべく、また何とか敵を抑えるべく中央隊は援護にゆき、結果として右翼の30万だけが基地攻略の頼りとなった。
少なくとも、中央が敵の野戦部隊を抑えているうちに右翼攻撃部隊は基地を攻略しなければならない。
だが、パッシェール基地からの執拗な砲撃、銃撃の前に多くの兵が無為に死ぬばかりだった。


左翼部隊の命運と言うのは、やはり野戦、しかも敵名将カナン直率の部隊だと言うことが大きかった。
兵力差もざっと3倍、勝てと言われて勝てる数字ではなかった。
出会い頭の衝突で左翼攻撃隊は真っ二つに分断され、連携も取らせられぬままの戦いを余儀なくされてしまったのだ。

敵の騎馬隊がまさかこれほど凶悪なものだと、ロレーヌは思ってもいなかった。
あっという間に一文字を描くと、そのままこちらに突っ込んできて、簡単に分断されてしまった。
そしてその後は数に押され、トリステイン軍左翼攻撃隊は敗退した。
今は中央からの援護もあり、左翼攻撃隊の残存は退いている最中であるが、ロレーヌは殿軍を務めていた。
押し寄せる敵に魔法を撃ち、銃を撃ち、時には銃剣で突き刺す。
それでも一向に敵兵は減らない。
それどころか増えているようにすら見える。

「ぐ、これでは……!」

苦悶の表情を浮かべる。
魔法を使いすぎてさすがにロレーヌも疲労の色を見せ始めた。
だが、少しでも気を抜けば自分がやられるとの自覚がった。
今も、横で兵の1人が眉間を撃ちぬかれ、倒れた。
周囲では砲撃により大爆発が起こり、周囲の兵を十数人一気に吹き飛ばす。

「ロレーヌ、退け! もうこの場所に味方はいない!」

後方からレイナールの声がする。

「分かった! 皆下がるぞ!」

振り返ることなく、残った僅かな部下に後退を促し、ロレーヌも味方の戦線まで下がることにした。
だが、その間にまた1人、2人と銃弾に貫かれ、倒れる。
助けたいのは山々だが、行ったところで自分と言う新たな犠牲を増やすだけだと、ロレーヌは割り切った。
次は我が身、いつ死ぬかもう分からないのだ。


ロレーヌが下がったのを見計らって、レイナールも当然部下共々引き下がり始めていた。
味方の戦線からも撤退を援護すべく射撃は繰り返される。
劣勢なのは明らかであるが、それでいてレイナールは充足していたのも確かだ。
今まで後方にいて、戦場に立つことなどなかった自分が、こうして国のために戦える。
それが嬉しくない貴族は、そういまい。
だが、それ以上に。
レイナールはこうやって同期生とともに戦えることが嬉しい。
戦争が始まり、最初は同胞の活躍を聞くことが何よりも嬉しかった。
同時に、自分も兵の命を守る兵站を預かる身として、大いに奮起していた。
だけれども戦況が一転し、多くの戦死者を出すに至ったことに衝撃を受け、まして同胞の悲報を聞くと、泣いた。
多くの同胞の死を受けながらも、後方にいる自分が嫌になった。
だが、一度はその思いを引き止めてくれたのはあの男、サイトのおかげだった。
劣勢に次ぐ劣勢の中、サイトだけは鮮やかな勝利をせしめ、トリステイン軍唯一の希望と言ってよかった。
愛する人を傷つけられ、親しき人を失い、かつての友をも殺めた。
それでもサイトが戦う姿に、自分の卑屈となった姿を比べレイナールはまた前に進むことを決めた。
結果として、賄賂の一件を明るみに出したことで近衛隊から追い出され、最前線送りとなったが、それで良かった。
今、最も信頼できる奴らと一緒に、戦えるのだから。


レイナールは塹壕まで引き下がると、部隊の掌握をした。
あまりに数が減っていることは織り込み済みだとして、それ以上に問題が発生していた。

「誰もが弾薬不足か……」

痛恨の極みだが、トリステイン軍にはこれ以上の補給は困難だった。
まして戦線が伸びているのもあるし、もう弾薬の備蓄が、無い。
ポワチエが積極攻勢に出たのも、これが一因であることは間違いない。

「どうするべきか」

自分たちがこうも弾薬不足なのだ、おそらく周りの部隊も欠乏している。
そう素早く計算すると、レイナールはふと思いついたように言った。

「そうか、こういう時のために敵と規格を一緒にしていたんだな」

さっと懐から地図を出し、現在位置を確認する。
結局、パッシェール基地を抑えれば一連の弾薬不足は解決する。
その肝心の基地攻撃がままならないのが、現状だが、打開策は必ずありはずだ、レイナールはそう思い頭をフル回転させる。
敵は波打って左翼の部隊を迎撃しているが、これの一部でも止めることができれば一時的に攻撃の空白ができるはず。
その間にせめて体制を立て直すことができれば、左翼、中央で敵を持ちこたえられるか。
否、それでは駄目だ。
結局、右翼がどうにかパッシェールを落としてくれなければ、全ての意味は無くなる。
他に案はないのか、思考は止めどなく続くが、これといって打開策をレイナールは見いだせない。
それは、やや離れた場所にいたロレーヌにも言えたことだったが。




右翼総勢30万名の攻撃に対してパッシェール基地は耐えていた。
それは何もトリステイン軍の質が低いことだけが問題ではなく、単純にパッシェール基地が一大兵站基地でありながら、要塞としての機能を完璧に機能させていたことがある。
何せ据え付けられた砲台の数は50門を越え、兵站基地であるがゆえに絶え間なく弾丸をトリステイン軍に見舞うことができた。
何せパッシェール基地の周囲のガリア兵は基地内に全員下がっており、周辺にいるのはトリステイン兵だけなのだ。
当たるを幸いに砲撃が繰り返されるのは言うまでもない。
更に基地攻撃を困難にしているのは砲台以外に据え付けられている機関銃であった。
機関銃は十字砲火を可能とするように配置しており、砲撃を縫ってようやく付近にたどり着いたトリステイン兵を残らず撃ち殺している。
明朝の攻撃からすでに、トリステイン軍は4万を超える被害を出しながら、未だにパッシェール基地の外堀にすら取り付けないでいた。


大量の出血を強いられながら、それでも右翼の攻撃隊は白兵突撃しか取りうることができなかった。
支援砲撃を要請するにも、移動式砲台が来たらすぐに相手の砲撃で吹き飛ばされ、ままならない。
基地の前は見晴らしの良い平野であり、身を隠す場所もなく、これではなすすべがない。
その中でベアトリスとヨハンナが最前線にいながら未だに生きているのは奇跡に近いのだろう。
だが、生き残っているのには相応の理由があるにはある。
ベアトリス、ヨハンナ、そして数名の部下は例によって砲撃によってできた穴に借り掩体を作り退避していたのだ。
この時は再度砲撃によって掩体が崩されることも考えられたのであるが、何もないよりはマシであるし、幸いにして掩体は敵の砲撃に持ちこたえている。
その姿を見て、幾人かの土のメイジなども同じことを行なっているが、それは気休め程度の兵しか守れない。
まして、このまま穴蔵にいても始まらない。
パッシェールは何としても落とさなければならないのだ。
それなのに、隠れているしかできない自分が悔しくて、ベアトリスは歯噛みのあまり唇を切った。

「……どうすれば良いのよ、本当に。いっそのこと、白兵突撃して華々しく散るか」
「やめてくださいよ、隊長らしくもない」

ヨハンナが珍しく、反論した。

「私らしい、と言われてもね。冗談抜きで万策尽きているのよ。基地を目前、と言っても300メートルはあるし。その間に機関銃の掃射でお陀仏しか思い浮かばない」
「そんなこと言って、隊長は今までどんな苦境も乗り越えてきたじゃないですか」
「妙に持ち上げるわね」

怪訝な表情でヨハンナを見る。

「そりゃ、私だってこんなところで死にしたくないですから。と言いますか、私はさっさと退役して歴史の研究がしたいんです!」
「それが本音ってわけね。でも、そうはさせないわよ」
「え、どうしてです?」
「決まっている、貴女はいつまでも私の副官だからよ」
「えぇっ!?」

ヨハンナは本気で驚いた。
その姿を見て、ベアトリスは笑った。
おかげで秒に前向きにもなれる。

「でも、本当にどうしたらいいのかしら。砲撃は確率論で当たってしまったら運がなかったと言えるにせよ、機関銃はそうもいかないし」
「機関銃さえ潰せれば、我々は突撃できると言うことですか?」
「簡単に言えば、そうなるけど。実際にはまだまだ問題はあるし……こんな時、兄様だったら……」

ベアトリスとしては藁にもすがりたい気分だった。
そして、もしサイトだったらどうやって切り抜けるのか、との現実逃避に近いことをしてしまう。
残念ながら、ベアトリスは「サイトだったらどうするのか?」に対する答えることはできなかったが、別の場所でサイトの考える『たったひとつの冴えたやりかた』を実行せんとする者が出たことにより、戦況はまた変化する。
それは今ここの戦場以外の場所で起きた、出来事と連動して。




ガリア軍は既に、この戦いは勝ったとの思いがあった。
何せ今もパッシェールは落ちる気配はなかったし、トリステイン軍の人員、弾薬ともに限界を迎えているとの予測ができたからだ。
対してガリア側の兵力、物資は逐一集められているし、後方でも大部隊が集結している。
トリステイン軍の攻勢が終わった段階で、その大部隊をぶつけていっきにトリステイン領内まで攻め込めばこの戦争も終わる、はずだった。
その目論見はガリア軍司令、カナン将軍のもとに届けられた『ガリア東部地域の諸都市が陥落』との電信により、崩された。


現在の主戦場から遠くはなれたガリア王国の東側地域は、あまり兵員が配置されていなかった。
その点を看破したサイトは、首都リュティスを攻める前に有る幾つかの都市を迅速に落とした。
そして大きくガリアの都市を落としたことを喧伝し、トリステイン軍が未だに健在であるとアピールしたのだ。
ガリアの都市がトリステイン軍に占領されたのは、あの『大侵攻』作戦以来の出来事であり、戦争の優劣からもはや起こり得ないと思っていたガリア国民、政治家にいたる者まで衝撃を受けた。
流石にカナンは占領されている都市が小規模なものなのを見ぬいており、確かにガリア奥部に侵入した敵を撃つ必要性はあると分かっていたが、この戦線から兵員を抜き出す必要は無いと断じた。
しかしカナンの考えとは別に、政治家たちはこれで及び腰になったのは間違いない。
彼等は自らの立場が国民によってあるものだと分かっていたし、何よりもあの『大侵攻』の時のトリステイン軍の強さ、恐ろしさを知っていた。
明言はされていないが、もしかしたら既に都市では民が皆殺しにされているかもしれない。
そんなことが大量に起きてしまってはからでは遅いのだ。
幸い、ゲルマニアを仲介にトリステインとの講話も持ち上がっている。
ならば、もう無理して戦わずに、講話しても良いのではないか。
ここに来てガリアの足並みは崩れ始め、カナンが万全を期して集めていた後詰部隊が丸々、東部へと向かうことになる。
カナンもガリア国民の安全のためと言われては、反対のしようがなかった。
にわかに、カナン率いるガリア遠征軍の士気も陰りを見せ始める……




敵の攻撃が弱まった。
ギムリは戦いの最中、確かにそう感じた。
左翼の攻撃隊が壊滅してからも執拗な攻撃にさらされ、中央軍すら防戦になるしかなかった。
今ならば態勢を立て直せる、いや、むしろ今こそ協同し、パッシェール基地を攻撃するべきだ。
そう判断した時には、ギムリはありったけの弾薬を体に巻き付け、味方陣地を飛び出していた。
基地までの距離は、対してあるわけではない。
それに、今は右翼攻撃隊に追われてこちらの動きには気づかないとの算段ができる。
さっと出ていったギムリを見て、慌てて部下も付いて行くが、すぐに数名、銃弾に倒された。
だが、明らかにこちらを狙う弾が少ない、そう看破しギムリは部下に側面への制圧射撃を命令し、自らは敵陣内に突撃する。
基地までの距離はあと500メートル、気がつくとまわりにも自分と同じように突撃をしている兵がいる。
ロレーヌ率いる左翼の残兵だった。
中にはレイナールもいる。
それを一瞬だけ見てギムリは満足する。
敵は基地周辺に展開していない。
基地の外壁に据え付けられた砲と機関銃だけが応戦する。
たった1メートル進むだけが、とても長く感じられる中、ひた走るギムリ、それに追随するロレーヌ隊を見過ごせなくなったのだろう、機関銃が目を覚まし、砲門が火を噴く。
流石に要衝、またもバタバタと味方兵が撃たれ、倒れていく。
果敢に応戦する者もいるが、やはり携帯兵器だけでは外壁の機関銃を沈黙させるに至らず、見つけられたところで蜂の巣にされる。
砲撃で空いた穴から隠れるように撃っても、そこに再び砲弾が降り注ぎ爆破される。
だが、ほんの少しの挙動の遅れにより、ついにギムリたちは基地をあと100メートルに望むところまできた。
ここまで一発も銃弾が当たらなかったことを神に感謝しつつ、ギムリは敵が早々に放棄した基地内塹壕に潜り込んだ。
ただ、そこで安心はしていられない。
すぐに目前の基地をにらみ、ギムリはどこか外壁が脆そうな場所はないか探す。
すると一箇所だけ、おそらく物資搬入用のだろう、門がある。
攻撃するならそこしかない、と思ったが敵もさるもの搬入路で十字砲火できるように機関銃を配置している。

「後少し、なのにな」

部下はほとんど死んでしまっただろう、ましてここまでたどり着いた人間がほとんどいないのだからギムリが絶望したくなるのも分かる。
だが、それでいて一番空気の読めない男がギムリの肩を叩いた。

「何が後少しだって? 俺たちはまだまだこれから、暴れるつもりだぜ」

ニヒルな笑みを浮かべる全身泥に汚れた男、ロレーヌが言った。
ロレーヌはまだ望みを捨てていない。

「確かに、諦めるには早いね。ようやく巡ってきた好機を逃す手はない」

ロレーヌの隣には、これまた泥に汚れたレイナールもいた。
ここに来て、戦場で第70期生の士官が揃い踏みした。

「これは、サイトが悔しがるだろうな。勝手に同窓会を開きやがって、と」

ギムリは笑い、言った。

「ふん、俺たちを散々こき使っておいて、自分だけのうのうと馬に乗って物見遊山しているからだよ」
「その物見遊山している間に、どうやらサイトはガリア東部の都市を落としたみたいだけどね」

レイナールは運良く、突撃を前にサイトが東部地域で暗躍したことを敵の電信から傍受していた。

「細かいことはいいんだよ。それより、今はどうやって基地内部に入るかだろう」

ロレーヌは軍旗を括りつけた小銃を肩に担ぎなおす。

「あそこの門を突破できれば、もしくは内部を擾乱し、右翼攻撃隊側の門を開けるかもしれない」

ギムリは身体に巻きつけた弾薬を数個、ロレーヌに渡す。

「だが、敵は完璧な防御体制と言うわけか。けっ、物量が豊富にあるところが羨ましいぜ」

弾丸を装填しつつ、ロレーヌは例によって悪態をついた。

「まあ、元々ガリアの豊富な資源目当ての戦争でもあるしね。そこで文句を言っても始まらないよ」
「そうかい。で、結局どうするんだ? 俺の案としては突撃あるのみだが」
「何でそうなるかね。……まったく、どうしてサイトはこんな奴を左翼の隊長にしたのやら」
「その気概は素晴らしいと思う。俺は臆病だからな。だが、だからこそできることだってある。2人とも聞いてくれ」

ギムリが神妙な面持ちで2人に自分の案を話す。
話し終えると、そく怒り顔になったのはロレーヌだ。

「ふざけんな、ここにきてまたサイトと同じようなことを言いやがって」
「だが、これしかない。他に現実的な案はあるか、レイナール」

ギムリは気にせず、レイナールに意見を求める。

「……僕に振られても。まあ、僕だって承認したくはない。しかし、他に案は」
「無いだろう。だからこそ、やるんだ。俺はお前たちを信じている。だから、俺のことも信じてくれ」
「……死ぬんじゃねえぞ」
ロレーヌはまだ納得できないとの顔をしていたが、それでもギムリの案を飲むことにした。

「こちらも最大限の努力はする。君も無理だと悟ったなら引いてくれ」

言うことは聞かないだろうと思いながら、レイナールは言った。
ギムリは頷いた、笑顔で。


ほぼ時刻を同じくして、右翼。
パッシェール基地の反対側で大規模な爆発が起きたと思うと、砲撃が徐々に減り始めた。
好機と見た右翼攻撃隊はパッシェール基地の門に、外壁に殺到した。
堅固な基地も、内部を攻撃されると脆い。
既に基地内に侵入を果たしたロレーヌ、レイナールと数十人で徹底的に外壁に据え付けられている砲を破壊、制圧していった。
それから遅れること20分ほどで、遂に右翼の攻撃隊も門の破壊に成功し、一気にトリステイン兵で溢れかえることになった。
ここにパッシェール基地はトリステイン軍の手により陥落した。
だが、基地内にギムリの姿は無かった。




パッシェールの陥落は、ガリア側にとって痛手となった。
何せ最大の補給地点であり、備蓄されている食料、弾薬全てがトリステイン軍のものになってしまう。
ただ、それでガリア軍が戦えなくなったのかと言えば、そうでもない。
未だにガリア国内で戦っているのだから、当然後方から陸路を使い兵站は維持できる。
しかし陸路と言うのは物資を運ぶにも量的制限があり、ガリア軍としても積極的な攻勢は控えなければならなくなってしまった。
兵力は依然勝っていても、さしものガリア軍が弾切れで戦えないと言う事態は避けたかった。
そう言った意味では、本来後詰として招集した兵も東部地域を擾乱した敵に充てることになったのは良かったのかもしれない。
彼らが来たら、確実に食料が不足していただろう。

逆に、トリステイン軍は攻撃開始から3日目にてガリア軍の要衝、パッシェール基地を落とせたのは幸いだった。
時を同じくして、トリステインの王宮でも変化が起きる。
徹底抗戦を唱えるマザリーニ、またその周囲の者が近衛隊によって捕縛されたのだ。
この事件により、さすがのトリステイン女王、アリエッタも事態を重く見(させられて)、講話を勧めるように勅命を出した。
後は条件を整え、講話条約を締結するだけである。
両国の使節は講話の仲介として動いた帝政ゲルマニアの首都、ウィンドボナに集まることになった。
使節が集まるまでに戦況がどう変化するのか、また、集まったとして戦闘の経過によっては講和条約が締結されない恐れもある。
トリステインにとって一番の正念場がここに訪れたのである。




あとがき

ラストスパート、頑張って作品を上げていきたいと思います。



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