「だらしないですねぇ、マスターは。」


   ふと、彼の頭上、いや、頭の付近から

   かわいらしい声が響いた。

   彼の頭からひょっこりと顔を出したのは、

   いつか見たジュゼやマーサのような

   精霊の姿そのものであった。





はぴねす!
〜Magic & Fairy Tale〜
Tale1 バレンタインイヴ
            マイハート
ヒミツの妹心



   「仕方ないだろ?これからのことを思うと

    疲れて何をするにもやる気がそがれる・・・・・・。」



   「いったいこれから何があるんだ、マスター?」



   また別の声が頭のから聞こえる。

   そしてよくみると、もう一体

   気恥ずかしそうにひょっこりと頭を

   出している精霊もいた。



   「ああ、明日はバレンタインといってな、

    “女の子から好きな男の子にチョコレートを贈ろう”

    をキャッチコピーにした、某チョコレート会社陰謀の日だ。

    で、さっきの電話は明日みんなにチョコレート配るから

    その買出し手伝ってという暗黙の了解だ・・・・・・。」



   哀愁の漂っている雰囲気を醸し出し、すでに心ここにあらずといった感じだ。

   毎年恒例行事の買出しに巻き込まれる様を今からシミュレートでもしているんだろうか。




   そんな恋する女のコたちの戦いを知らない精霊たちは

   なんと声をかけていいかわからず、主である雄真の様子を

   ただ頭の上で見守るほかなかった。





   現在雄真が使役している精霊は三体。

   明るく敬語を使う従順な炎の精霊イリス、

   気さくで兄貴分の風格を漂わせた風の精霊ブラス、

   無口で恥ずかしがりやな水の精霊クリア。

   もっとも、彼が精霊を使役できるようになったのは

   ここ1年の話。卒業と同時に彼の師匠が海外にいってしまうため、

   任せるにふさわしい力を持ち合わせたか試すために、炎の精霊イリスと契約させることにした。

   もっとも、師匠にしてみれば、彼の実力がわかればいいので、

   精霊と契約できなくても別段問題なかったのだが、

   予想に反して力を蓄えていたらしく、雄真はあっさりとイリスと契約を交わしてしまった。




   精霊は契約する際に試練を課す。

   その試練は精霊によってさまざまだが、

   大概は契約者の力、すなわち強さを求める場合と、

   精霊自身の欲求を満たすか否かである。




   とにもかくにも、雄真はイリスの課す試練をどうにか達成し、契約するに至った。

   師匠も満足し、安心して任せられる、と一言残して旅立ったのは余談である。

   その半年後にブラスと、そしてその三ヵ月後にクリアと契約して今に至るというわけだ。







   「と、とにかく、マスター。急いで着替えて出かけないといけないんじゃ・・・・・・。」



   なんとか主を立ち直らせようと、イリスは声をかける。

   その声にはたっと正気を戻した雄真は落胆しながらも準備を始めた。







   数分後、着替えて支度の終わった雄真はいまさら気がついたかのように声を上げた。

   もちろん精霊たちを連れて行くか否かだ。

   基本的に彼は精霊たちの意思を尊重して行動させている。



   ただ、人前には出せないので、

   出かけるときは先ほどのように雄真の髪の毛にはいって行動することになる。



   「と、そうだ、お前たちはどうする?

    何かと面倒な作業だから、退屈かもな。

    こっちも必死であんまりかまってやれないと思うんだ。

    イリスたちはここに残るという選択肢もあるけど、どうする?」



   「う〜ん、人間社会の勉強になるので、あたしはマスターについていきます。」



   「右に同じく」



   「・・・・・・あたしも・・・・・・いく・・・・・・」



   三者三様に答え、満場一致で雄真についていくことが決定した。

   暖かい拍手が精霊たちの間で沸き起こる。



   「じゃ、俺の髪に入ってくれ、

    家にゃすもももいるから、気をつけるようにしないとな。」



   すもも、というのは彼の妹小日向すもものことだ。

   雄真の父大義の再婚相手、音羽の連れ子で、

   笑顔のかわいい近所でもよくできた子と評判だ。

   ただ、ときどき時間間隔のずれた行動をするのがたまにキズである。

   独特の時間間隔から仲間内の皆様からは”すもも時間”と愛嬌をこめて伝えられている。



   精霊たちは雄真の髪に入り、準備が整ったところで廊下を出て、

   階段を降り、家族がそろうリビングへと向かう。





   「あ、兄さん」



   リビングに下りてきたところでかわいらしい声がかかった。

   頭には少し大きめのリボンが、そして洋服のほうにも

   同じデザインのリボンが両肩のほうについている。



   「なんだ、すもも。お前もこれから出かけるのか?」



   「えっ?あ、う・・・・・・うん、ちょっと・・・・・・そこまで。」



   なんとも歯切れの悪い言い方だが、

   いかんせん、雄真に行き先を気づかれるわけにはいかなかった。

   もちろんそれは彼女にとって明日の一大イベントに関する最重要機密事項だ。

   といっても、この日なんで出かけるのかなど、雄真とて気づいていることではあるが・・・・・・。   



   「俺もこれからでかけるけど、どうする?一緒に出かけるか?」



   「本当!?うん。・・・・・・あ、え〜と・・・・・・」



   「どうした?何か都合の悪いことでもあるか?」



   「う、ううん。そ、そういうわけじゃないんだけど・・・・・・」



   どうあっても歯切れの悪い返事しかできない。

   彼女が淡〜い恋心を雄真に抱いてるのは端から見ればバレバレであるが、

   幸いにしてちょっと鈍感なため、雄真が彼女の思いに気づくことはいままでなかった。



   嬉々として彼女の思いに気づき協力するものもいる。

   もちろん彼女の実母音羽と雄真の腐れ縁兼幼馴染の準だ。

   音羽の場合は娘の幸せのため、準の場合はただ単に面白いからだと協力している。

   もちろん、すもものほかに雄真に好意を抱いている女子あらば、

   準は有無を言わさず、雄真争奪戦に引き込むであろう。

   雄真のため、と豪語しているが、巻き込まれたものはたまったもんじゃない、と後に雄真は語る。



   「そっか。まあ、俺も準に呼び出されたから途中までなら、と思ったんだが・・・・・・。」



   「そうなんだ、う〜ん・・・・・・、うん、やっぱり一緒に行く!」



   自分の買い物に付き合うわけではないと悟ったのか、

   さっきとは打って変わって数刻考えただけで即決した。

   もちろん、今日は雄真が遅くなると考慮したうえでの即決だ。

   常日頃、準と出かけた雄真は確実に遅くなるのは毎度のこと、

   ハチが誘われたとしても家で惰眠を貪ることが決定事項だ。



   「わかった。戸締りは終わってるみたいだから玄関に先にいってるからな。」



   「うん、わかった。あ、兄さん。」



   「ん?なんだ?」



   何か不安に駆られたのか、雄真を呼び止める。

   振り返った先にある妹の顔には、

   ちょっと困ったような寂しそうな表情が浮かんでいた。



   「この前みたいに、ちょっと遅くなったからって、

    先にいったりしないでよ?ちゃんと待っててね。」



   「う〜ん、遅くなるとは言っているが、

    あんまり準を待たせることはしたくない。

    なるべく早くするんだぞ。」



   「う、うん。わかった。急いで準備してくるから待っててね〜〜〜!!!」



   そうして、慌てて部屋に行き急いで準備を始めた。

   ほとんど準備はできていたので、確認だけでよかったのだが、

   やはり好きな人と一緒に家を出るのか最終チェックに時間を費やし、

   結局彼女が二階から降りてきたのは5分ほど後のことだった。

   この間、雄真はちゃっかり腹ごしらえを済ましていたりする。

   なんとも抜け目のない一時であった。




TO  BE CONTINUED


    なかがきという名の座談会(シルフェニア出張版)

GLがまだ仕上がっていないというのに・・・・・・

は〜い、いつでもみんなのアイドル♥
渡良瀬準で〜す♪ヨロシクね♪
今日のゲストはすももちゃんですよ〜♪

また俺はここでも強制参加なのか?

だから、月の古城でも言ったけど
雄真は主役なんだからここにいてあたりまえなの

兄さんは贅沢です
私だって本当は出演したいのに、後半なんて・・・・・・

すまんなすもも、だが
ストーリーの設定上仕方のないことなのだよ

いっそすももが変身して
悪者を倒すというのはどうだ?
面白そうだが・・・・・・

変身というネタに関しては
すでに“りらっくす”でやっていたな・・・・・・

きれいに後日談もありそうな終わりかたでしたね♪
以下エンドレスみたいな。

あ、あははははは・・・・・・

あのあとのお話も気になるわねぇ
で、そうなったとして、雄真はどうするのかしらねぇ

う〜ん、雄真に助けを求める
あの方に相談、薬ができる、治る
そしてまた誰かが犠牲者に・・・・・・
リアルに以下エンドレスになりそうだな

なんで俺に助けを求めることが前提条件なんだ?

そんなのきまってるじゃな〜い♪

いまさら言うむべもなし

わかった、もう聞かない・・・・・・

兄さん、最近立場ないですね

そりゃあ、主人公だからな(ね♪)

いいんだ、どうせ俺なんて・・・・・・

兄さん、いじけちゃいましたね・・・・・・

と、とにかく、この作品はプロローグから始めているわけだが・・・・・・

いったいどれくらいで終わるんですか?

プロローグだけでも結構長いわよ?

この後戦争に巻き込まれて先輩に会うだろ

そのあとは学園のアイドルに会うんですよね?

そしてそして、そのライバルに集中砲火受けて

その日の夜に学校が破壊されて・・・・・・

やっぱり長いですよ

まあ、みんなの出会いから書いてるからな

いったい何話までいくのかしら・・・・・・

話的には50〜60話を見積もってるが・・・・・・
内容のほうが濃いからなぁ

細かくいけば、200話いくんじゃないか?

こっちもリアルに想像できるな

ところで、HPのほうでは
いくつか雛形ができてるって話だが・・・・・・

ああ、ネギま!とラブひなのクロスに
はぴねす!の三節目が大体出来上がってるな

SO2とGLのほうはどうなんですか?
ミカエルさんカンカンですよ?

ウリエルもまだかなぁと言っていたぞ

おまえらいつの間に仲良くなってんだ・・・・・・

まあまあ、とにかく早く仕上げろってことで♪

準、楽しそうだな・・・・・・

他人の不幸は蜜の味って言うじゃないですか♪

そうやってお前は俺を弄んだんだな・・・・・・

いや〜ん、雄真のことを思ってのことなのにぃ♥

そう思うなら私だけ応援してくださいよ〜

だめよ、すももちゃん
恋愛のチャンスはみんなにあるんだから
誰か一人って言うわけにはいかないのよぅ
でも、すももちゃんには強い味方がいるじゃない♪

そうですね、お母さんと兄さんと
一つ屋根の下っていうメリットを活かして・・・・・・

そうそう、そのいきよ、すももちゃん♪

なに不吉なことを計画してやがる・・・・・・

うらやましいぞ、雄真・・・・・・

だったらかわってやるぞ・・・・・・

ふん、修羅場になるのがわかっていて
かわると思っているのか?

やっぱり、あんた楽しんでるだろ・・・・・・

さあ、何のことだか・・・・・・

っていうかせめてWeb拍手でコメントくれた人に
何かいってやれよ、無視じゃかわいそうだ。

ぐはっ・・・・・・、ピンポイントで
イタイところつきやがって!!

でも、これは重要なことですよ
読者をないがしろにするのはイケナイ事です

ふむ、それもそうだな、ではこの場を借りて
Web拍手でコメントをくれた皆様方
誠にありがとうございました
これからも面白い作品を提供しとうございますので
なにとぞ、なにとぞごひいきのほどを。
すでにコメントが消失しているので、
ここでは返答ができませんが、次回からは
返答の機会もつくろうと思っていますので
よろしくお願いします。
再度、Web拍手でコメントをくれた皆様方
誠にありがとうございました

うんうん♪きちんと礼節を尽くしてこそ
読者の反応もあるって事よね♪

まあ、こっちは読者が少ないからな
作品的自体も結構マイナーなものだ

でも、最近わたしたちはアニメになってますよ
声優陣がみんなPCのほうと一緒って噂が・・・・・・

俺は沖縄に住んでいるから
ぶっちゃけアニメ見れないからわからんな
確認している限り、メインヒロインは
PCと同じ声優だった気がするがな

雄真の声優が気になるわねぇ
いったいどんなセクシーボイスなのかしら〜♥

さて、そろそろ締めの時間だな

兄さん、逃げましたね・・・・・・

引き際も肝心だから♪

次まではすももメインだな

じゃあその次は誰が出てくるんでしょうか・・・・・・?

不幸の占い的中率100%
少し先の未来が見える先輩だ・・・・・・

骨は拾ってやるからな雄真・・・・・・

それでは今回はこのへんで

ばいば〜い♪

某月某日
瑞穂坂学園付属
小学校校門前より実況中継



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