外伝その231『フューチャーヒーロー2』


――のび太に従士として付き従うようになって、2018年度で20年近くが経過した調。その頃には、名字を黒江が便宜上、使っていた『月詠』に改名していた。今使っている名前そのものが仮名(調には、そもそもは別の名前が本名として存在している事がわかっている。また、事故死した読神社の神主の嫡子の一人娘というのが本来の出自と目されている)であったため、名字にはこだわりはさほどなく、ちょうど今までの生活には戻る気はなかったのもあり、黒江が使ったものを引き継いだ。20年近くの歳月を無為に過ごしたわけではなく、聖闘士候補生として修行を積み、その過程でGウィッチになった。使い魔は犬系で、気質も数多の平行世界と違い、薩摩武士の狂奔の気質に変わっている。(要するに、スイッチが入ると闘争本能丸出しになる)普段は元から態度が明るくなった程度だが、戦闘になると別人になる。その点は黒江の気質が感染ったと言える。その変化は風鳴翼に対抗心を持たせるには充分だった――


『――そういうことです、風鳴翼さん』

『野比のび太と言ったな。君は月詠に何をしたのだ?』

『僕は受け入れてあげただけですよ。行き場が事実上無いに等しかったあの子を、ね。』

『あの子は亡国の騎士です。それ故の哀しみを癒せる場所が必要だったのです、風鳴翼さん』

『信じられない……あなたがあの戦艦大和の化身とは』

映像通信なので、大和の姿に驚く風鳴翼。かつて、悲劇的な最期を遂げし日本最大最強を誇った大戦艦の化身。戦艦大和が大日本帝国海軍のシンボルであった事は、祖父が元日本軍の下級将校だったのもあって知っていた。その大和の化身が儚げな印象さえ与える10代後半の少女の姿である事に衝撃を受けた。

『よく言われます。船としては数年程度の生涯なので、象徴と言われても困るのが本音です』

大和は日本のシンボルのように語られるが、たいていの世界では無為に温存され、坊ノ岬沖海戦で敢え無く撃沈されてしまうか、戦後に原爆実験の標的にされる(主砲の威力が知られ、すんででそれを免れた世界もある)。また、よく比較されるアイオワ級への速度的劣位からの罵倒なども気にしている節がある(最も、アイオワ級はほぼ巡洋戦艦だが)大和。

『貴方は船の意思が具現化した九十九神のようなものなのですか?』

『そういうものとご理解頂ければ幸いです。私は坊ノ岬沖に沈み、やがては宇宙戦艦に生まれ変わる身です。言わば、私は大日本帝国海軍の戦艦大和であり、地球連邦宇宙軍の宇宙戦艦ヤマトなのです』

戦艦大和の躯は未来世界において、宇宙戦艦ヤマトに生まれ変わる。それが反映され、大和のパーソナリティには少なからず、沖田十三や古代進のパーソナリティが見え隠れする。

『貴方は海の要塞の存在と力の具象化。それに引き替え、私は防人として大切な者を守れなかった。貴方は沈みはしたが、国を守った……』

戦艦大和はその身と引き換えに『日本』という国そのものを破滅から救った。一方の翼は天羽奏を守れなかったという悔恨がずっとあり、それが生涯の悔いとして残っている。しかし、大和とて、無為に温存されたが故に、健全であった時の連合艦隊を率いた機会はミッドウェーの一回のみである。その負い目が大和をウォーモンガーにしてしまったのも事実だ。長門がどっしり構えているのに対し、大和は妹以上のウォーモンガーである。

『いえ、私は長門さんや陸奥さんと違って、健全であった時の連合艦隊を率いた事は一回くらいしかありませんし、私は期待と裏腹でしたから…』

大和の艦歴は後年の悲運の新鋭戦艦『アンドロメダ』に酷似している。アンドロメダはバルゼー艦隊は倒せたが、大和は肝心要の敵艦は撃沈出来ていない。その負い目が大和を前線へ突き動かす原動力であり、日本が大和型を前線へ突っ込ませる大義名分としている。大和型戦艦は日本にとっては最高傑作であるが、扶桑にとっては次世代のフォーマットになるベース艦という認識で、さほど思い入れはない。日本での人気にむしろ腰を抜かしたのが当の艦政本部だったのがその表れだ。また、扶桑の大和型戦艦は元来は移動司令部運用が目されていたので、リバウ攻防戦時の派遣にも反対論が根強かったが、大和が自分で天皇陛下に上奏した(長門には『畏れ多いことだぞ!』と咎められていたが、天皇陛下が怒る長門を諌めた)ことで派遣され、これを受け、政治的理由でモンタナ、アルザス、インペロ、ブリタニア新戦艦群の予算が各国で承認されている。(カールスラントはそれどころでなかった)。しかし、アルザスは船体が鹵獲され、インペロは戦中の予算不足で半ば頓挫。ブリタニア新戦艦群のみが味方側として完成を見た。また、46cm砲はバダンの持ち込む、より強力な次世代大型艦以外であれば優位点足り得るため、長砲身化による兵器としての寿命延長が二度ほど試みられている。皮肉な事に、昭和天皇自らが決めた、戦争抑止力としての公表が建艦競争に繋がったのだ。そのため、大規模改造で次世代大型艦に合わせる形でショックカノン砲塔が積まれたのだが、エネルギー量が今の核融合炉では継続使用に足りないので、一回の戦闘で一回の使用が限度だ。(後に、ラ級の量産で規格統一の意図もあり、波動エンジンになり、改ラ級準拠のパワーを得るが)

『貴方も苦しみを抱えているのか…』

『そういうことです。あ、そちらにも調の情報はアップデートされてるはずです。渡された端末から見れます』

大和はそう説明する。調の情報はアップデートされ、ウィッチに覚醒め、聖闘士候補とウィッチ軍人の二足のわらじを履いている事、古代ベルカで使用していたデバイスが発掘され、なのはの手引きで調の手に戻った事が記されている。それこそがアルトリアが自分の覚醒で空中元素固定などを駆使し、本物の召喚の媒介としたデバイス『エクスキャリバー』のオリジナル。当時の古代ベルカで『レヴァンテインに並ぶ業物』と称され、当時の最高技術が注ぎ込まれ、伝承にある概念武装の再現を目指したものである。薩摩犬の原種である甑山犬が使い魔であり、調の魔力は黒江からの継承、オリヴィエのそばにいた故のリンカーコアの強大化もあり、なのはとフェイトにも引けを取らない。感応で概念武装がそのまま宿った幸運と、古代ベルカでの苦難の歳月は彼女に力を与えたというわけである。

『やはり、月詠は女史の概念武装をそっくりそのまま受け継いだのですね…』

『彼女らは個人の魔力だけでなく、世界の持つエネルギーを転換して力を奮う事が出来るのです。英霊足り得る資格を得た状態で信仰を得て、更に祀られた故に与えられし力です』

『つまり、錬金術のように何かをバーターにして現象を起こすようなリスクはないと?』

『世界の法則を書き換えるので、信仰を束ねるための労力が強いて言うなら代償ですが、彼女らにとってはリスクにはなり得ない』

『信じられないわ。それに、黒江綾香のあの力はそれとは別のものも含んでいるはず』

『あの方はレイブンズ一の努力家であり、それ故に多方面の力を求めたのです、マリア・カデンツァヴナ・イヴさん』

ただし、黒江達の不幸は一つある。今回の事変時のプロパガンダでは『電光三羽烏』という名称で国内向けにされていた事の弊害で、レイブンズの名は逆輸入だったという不幸だ。そのプロパガンダを担当していた人事課と広報部の人員は、この当時には既に退役済みだった。この二つが同一の存在であるとプロパガンダし始めたのは、ダイ・アナザー・デイが差し迫った時期と、遅きに失した。(欧州諸国ではレイブンズの伝説は生きていたが、ミーナが早合点したのが揉める要因であり、これが少なからず、ミーナの覚醒後においても、人事的な意味での失点に繋がったのも事実だ)今回は魔神双皇撃を披露しているため、智子と黒江は国内で特に警戒された節がある。智子の白バラ勲章もマンネルヘイムの保身の道具として使われたため、智子は嬉しくはない。要するに、封印状態の際の実力と、真のポテンシャルが人間戦略兵器なほどの余りの落差は連合軍上層部が扱いかねる代物なのだ。それについては、日本は『兵力節約になるし、とにかく前線で働いてもらおう』と肯定的である。

『いいじゃありませんか。黒江さんにいじられキャラにされるより』

『あの人、人をレフティギター引いてそうな軽音楽部部員って形容したんですよ!?元の世界ではヒットチャート総なめしたのに!』

黒江は滞在中の後半期は、マリアをいじって遊んでいたようだ。マリアは声色が箒にそっくりだが、マリアのほうが落ち着いた雰囲気であり、弄られ属性があることから、黒江におもちゃにされていた事がマリアの口から語られた。ガングニールを着て戦闘したら圧倒され通し。味方になり、アガートラームを着ても手も足も出ない。それどころか、黒江があっさりアガートラームを起動させてしまったというショックな出来事もあった。更に、後でだが、箒が自分と同型のギアで生活を送る様子が伝わり、地味に落ち込んでいた。

『それは私も似たこと言われてますし、黒江さんや箒さんは聖闘士です。シンフォギアを纏う上での制限はないんです』

『私達からすれば、自分達の努力が馬鹿らしくなるわ……。特に、黒江綾香のバイトの画像はなんなの!?心象変化による変形もなしに、通常のギアでコスプレ喫茶って何なのよ―!』

『あ、キレた』

マリアは地味に、黒江が滞在中にしていたバイトの画像が堪えるようだ。大和に呆れられるほど子供っぽい反応だ。調も箒も、シンフォギア姿で過ごすことが野比家では当たり前であったし、黒江など、変身してのプラグスーツ姿で小遣い稼ぎをしているほどである。

『あ、今度、ドラえもんに貴方の体内時間をマッドウォッチ改良型で操作してもらって、気分だけでも味わってみます?』

話を聞いていたのび太がここでアイデアを言う。マリアはシンフォギアの適合率は実のところは天羽奏よりも適合率が低いため、LINKER服用が必須条件である。マリアに聖域にいくほどの暇が確保できるか不明であるため、とりあえずはLINKERの改良でお茶が濁されている。そのためにマッドウォッチが出てきたのだ。

『気分だけでも、って…』

『聖域に行けるほど時間取れないでしょう?それに、シンフォギアで日常を過ごすって、修行になりますよ』

『うーむ…。そちらの話を聞いていると、感覚がおかしくなってくるんだが…』

『ドラえもんの道具は時間に干渉できますから。なのはちゃんやフェイトちゃんも便利にしてますよ。何だったら、翼さん。貴方がやってみます?』

『遠慮させて貰う。何かの一線を超えてしまいそうでな…』

『もしかして、シンフォギア姿で片付けられないのを見せたくないとか?』

『何故それを!?も、もしや女史に聞いたのか!?』

『普通にアニメやってましたし、僕の世界』

『何だとぉぉッ!?』

『2012年あたりからシリーズで。なのはちゃんの世界のほうがあなた達に近いかもしれません』

翼は平行世界でのアニメという形で、自分の恥部が知れ渡ってるという重大な事実に頭が混乱してオーバーヒートしてしまい、茫然自失状態となった。流石に、フェイトが天羽々斬を使っている事は少なからずバレているだろうが、フェイトが面と向かって言う方がいいとのことで、伏せられた。だが、平行世界のアニメということで自分達の事は知られている事がわかると、翼は恥ずかしさで固まってしまった。マリアは呆れつつ、のび太や大和とシンクロしたように、ため息をついたのだった。



――こうしたコミカルな場面は戦いの中の癒やしと言える。戦闘そのものは血みどろかつ、機動兵器がお互いに鉄屑に成り合うものであるが、戦いの中での『日常的な』風景は普段より尊く感じるものだ。しかし、一方でGウィッチ依存とさえ揶揄される戦場でのウィッチ要員の不足は日日が経過し、前線部隊の消耗が表れるにつれ、顕著になりつつあった。東二号作戦の頓挫による弊害が前線の航空ウィッチ不足という形で表れ、Gウィッチも疲弊し始めていた。それを見かねた日本防衛省は当時に生存していたフィクサーを通し、遂に、彼に依頼を出す。

――2018年前後の日本 某地――

「Mr.東郷、引き受けてくださるので?」

「俺に仕事を依頼するのに大義名分はいらない…、依頼する本当の理由を聞かせてくれればいい。日本人はやたらと大義名分を気にする。過去の歴史のトラウマからか……」

「我々は過去、明治生まれの指導者達が始めた負け戦のせいで日陰者になりました。子供でも勝敗がわかるあの忌々しい戦を…」

「それがあんたら『元日本軍人(敗者)』の言葉か……」

「そうです、Mr.東郷。我々はあの戦争に青春を費やした。だが、待っていたのは軍国主義者というレッテル貼りの罵倒だった。そして、ナチスは我々を都合のいい駒として利用していたに過ぎなかった。更に数十年前、奴らは私のたった一人の倅を殺した。その個人的復讐も兼ねているのです」

デューク東郷に依頼してきた老人はかつて、日本軍の青年将校であった。敗戦を境に、全ての価値観が逆転した世界で辛酸を嘗め、更にショッカーに愛息を殺された過去を持つ事から、極度のドイツ嫌いになった事がわかる口ぶりであった。デューク東郷(正確に言えば、『三代目』は初代と二代目と違い、多少なりとも若々しい言動である)は一言だけいう。依頼人の持ってきた、彼の現役時代の後輩達が依頼料として出したキャッシュを一瞥するなり言った。

『たしかに……領収書はいらないだろうね?』

「おお!」

老成していた頃の『初代』や晩年の『二代目』なら言わない、冗談めいた台詞回しをするあたり、彼は若々しいのである。ただし、この台詞も言った。

「奴らは俺の心に火を灯したのだ……」

――かつて、イスラエル諜報部影の実力者にして、元ナチスのスパイ『虫』と相対した際に初代デューク東郷が独白した際のもののアレンジであり、初代から綿々と受け継がれし『記憶』がそう言わせた。元々、デューク東郷はナチス残党組織と度々相対してきていたため、ある意味では宿敵と言える存在と言える。2019年以降のデューク東郷は正確に言えば、メモリークローンの二代目かつ、通算で三代目だが、二代目より言動が若々しい。だが、経験と記憶が受け継がれているため、誰も違和感を感じはしないし、ツッコもうともしない。それが彼という存在だ。依頼人は元日本軍将校であり、2019年まで長寿を保つ日本政界のフィクサー。その彼からいかなる依頼を受けたのであろう。少なくとも、バダンに戦後間もなくの頃の本国での冷遇から加入していった日本軍人も多いが、彼のように、戦後に実業家、後に政治家に転じた後にたった一人の息子をショッカーに殺され、その恨みから、その敵対勢力である仮面ライダーに加担するという道を辿った元日本軍人も多い。バダンに打撃を与える依頼なのは確かだろう。――




――元々、未来世界の過去に存在した吉田茂は日本軍解体直後の軍人達の窮状が自分の予想より悲惨だった事に驚き、イスラエルのモーシェ・ダヤンからの苦情などを機会に、再軍備を繰り上げ検討し始めた事、構想として、数十年は時代時代の必要最小限を達成できるだけの自衛隊の規模で忍び、然るべき時に完全なる軍隊にする事を戦後の終わりと考えていた。その事を知る者がいなくなったのが日本の不幸であった。他国が日本軍事力の復興が図らずもなったことで、手出しを控えるようになり、日本が悩んだ今までの外交懸案が嘘のように解決していった事は日本人たちに『話し合いが出来ない相手は全力で叩きのめすしかない』という世界の原初のルールを思い出させた。ウィッチ世界は戦時中真っ只中であり、平時の理屈が通用しない世界である事、有事即応が何より寛容な世界である事から、平和が長く続いた戦後日本の文官統制とも揶揄される文官優位は有効ではない事が示されたのも、日本は扶桑軍隊にどうやって、文民統制を徹底させるか、について苦心するのだ。また、扶桑軍から出ている『人的負担が日本は軽すぎる』という苦情も最もである。吉田茂の新軍構想が世に出回り、日本連邦時代を迎え、元ロシア極東領を合法的に大量に取得(北方領土含め)したことで、同地に詳しい扶桑軍人の存在が必要になった事から、扶桑軍の部隊を元・ロシア領に駐留させる事の見返りに、海援隊含めての海防組織に21世紀式兵器を提供する事を約束した。ダイ・アナザー・デイで投入された護衛艦型艦艇はその協定で提供された兵器をもとに、23世紀世界の指導で作られたものだ。しかし、日本が推し進めた無知も含めた強引な改革は扶桑に混乱を齎した。その詫びとして、純粋な空母運用が政治的理由で頓挫した日本海上自衛隊の新造する強襲揚陸艦の洋上防空の任務を『ジェットストライカーを履いたウィッチ』に担わせる案が浮上、政治的理由もあり、採用された。その強襲揚陸艦の飛行隊長に任ぜられたのが坂本であり、日本では空自出向扱いの海自隊員という処遇であった。これは海軍空母航空団は日本にないので、こうした便宜上の身分になったわけで、また、制空などの任務を空自に一本化しようとした名残りでもあった。これも扶桑海軍空母航空団の立場が不安定なものである証拠であり、ダイ・アナザー・デイでの黒江達の苦労の証明、扶桑海軍空母航空団のその後の辛酸を予期させるには充分な顛末と言えた。東二号作戦の頓挫の詫びがF-4EJ改やF-14D改の早期配備の促進なのは、せめての誠意であった。ウィッチは日本にいるということは当時、いくら旧軍の秘密部隊が公にされたとは言え、未知数であったからであるが、その人的補償は魔法のノウハウがないに等しい日本では不可能に近かったからだ。扶桑の切り札といえるGウィッチ達を他国軍在籍組も含めて優遇することを認めているのも、日本としての人的補償が不可能に近いが故のバーターであった。しかし、その優遇の公式化が現役中堅組の反発を招くのも事実である。Gウィッチはその強大な力で上層部からは優遇されるが、有限の力しか持てない他のウィッチの妬みを買ってしまうのだ。それはレイブンズ関連のプロパガンダ戦略の誤りにそもそもの原因があるため、ダイ・アナザー・デイの様子が伝わるにつれ、当時の参謀本部や軍令部はプロパガンダ方針の誤りを悟り、多くのウィッチ擁護派の将校は臍を噛んだという。――






――ただし、ダイ・アナザー・デイ当時に外見上であるが、最も若輩者である調が甑山犬の使い魔(よく似た改良種の薩摩犬と思われたが)を持つGウィッチと化すると、一応であるが、Gウィッチへ周囲の抵抗感が緩和し始める。また、調のあどけなさを残した容姿は、往時の智子の方向性に似通っていた事もあり、実質的にプロパガンダ的意味では智子の『次』を担えるとされ、1946年以降に若年層の志願を煽るポスターに多用されるようになる。(圭子は今回の歴史では、その銃撃狂が仇になり、当時からプロパガンダには使用されていない)結果としては、外見はともかくも、戸籍上の年齢とクーデターへの流れを経て、若年層への煽りに使いにくくなった智子の後を受けて登板し、その代打的役目を果たしたわけである。その功績もあり、扶桑軍籍も取得。太平洋戦争に『扶桑皇国空軍64戦隊所属』のウィッチとして従軍したのである。徒弟制がクーデターを大義名分に、事実上解消される中、『赤松貞子の最後の弟子』としての箔もあり、次の大戦までの戦間期には重鎮扱いとされ、64を長く支えたという――



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