外伝その244『対立と可能性』
――ウィッチは基本的に、自分たちが定期的に世代交代するとは言え、世界の守護者であるとする自負がアイデンティティであった。だが、そのアイデンティティが人同士の戦争で飛躍的に進歩した兵器達、とりわけ、一機で地形すら変えられるスーパーロボットに侵されるとし、救援を断った挙句の果てに全滅した部隊が続出した。また、Gウィッチを『突然変異の異常者達』と見做し、敵視する風潮があった。基本的にウィッチは先輩後輩関係は緩かったため、明確に先輩後輩関係が存在するGウィッチはその意味でも異端と見なされた。だが、Gウィッチは元々、その時代に名うてで知られた者達が、転生でその技能が本来、絶頂にあった頃以上に強化されているので、戦果を挙げやすいのは当然であった――
――ヒスパニアのバルセロナ――
「やれやれ。またウィッチ中隊が壊滅した。上はとうとう、俺たち以外を戦線から引っ込める案まで検討しだしたぞ」
「仕方ないわ。他の子達は前の世代より今の現役世代のほうが強いと思ってるもの。それに認められないのよね。自分達でどうにもならない敵が『科学が極端に発達した世界の産物で、その時代で普遍的な兵器で、上には上があること』を」
「俺なんて、何回かの転生で何回も挫折味わったんだぞ。それで聖闘士やサムライトルーパーになったんだし、俺らへの誹謗中傷には飽き飽きだよ」
「人は毛色が違うものを生贄にする性質があるわ。貴方達は戦局すら変えてみせたけど、逆にそれが強大すぎると危険視されて、それが迫害のもとになった。皮肉だけど、それが人なのよ。ニュータイプ同士でさえ殺し合いが絶えないんだし、当然の帰路よね」
「アムロさんとシャア、カミーユとシロッコ、ジュドーとハマーン・カーン……。例を挙げるとキリがないからな。特に、アムロさんとシャアはララァ・スンの事で遺恨があるからな。ネオ・ジオンに戻った理由の半分はカミーユにあるし…」
「そういう事。ただ、若い子達の場合はもっと別の次元――……、ウィッチの摂理や、自分達が必要とされなくなる恐怖に根ざしたものよ。超えてしまうと何てことはないけれど、普通はその次元にはたどり着けない。日本に自衛隊が存在していることを受け入れつつも、終戦後の理想をまだ夢見る人達はね、幣原喜重郎外務官の追った理想を自分の理想と思ってるような人達に近いわね。都合のいいこと」
「聞きに来りゃ聖闘士になるくらいまで鍛えてやんのに。ガキ共は口だけ達者なトーシローしかいねぇのか」
武子は道中、日本人が戦後に世論が分かれた理由を自分達と後輩たち、ひいては歴代のニュータイプ達の対立を引き合いに出し、黒江に説明した。自分達が迫害された事があるように、日本も終戦時の理想を裏切るような自衛隊の存在を許せない者が一定数存在するが、身を守ってくれる誰かがいないと不安になる当然の心理もある。極論だが、極道の用心棒や鉄砲玉、ひいては政府要人のSPはその心理を満たすための道具なのだ。武子は意外なことだが、根っからの職業軍人であるので、極めて現実主義である。そのため、日本の左派世論が扶桑を数年に渡って振り回した事には不快感を顕にする面がある。日本は戦後、平和主義を謳いつつ、GHQ指令で警察予備隊を作り、それを自衛隊に発展させた歴史がある。日本連邦の交渉が一時、暗礁に乗り上げかけたのも、扶桑軍を旧帝国陸海軍と同一視し、大幅な軍縮を喚いた革新勢力の政治工作によるものでもある。だが、実際に21世紀の日本はかつての好景気を微塵も知らぬ世代が若年層を占め、経済的活気は外国人観光客で以て保たれているに過ぎなかったため、ある一定の年齢層は軍事的に大きな負担をしてでも、経済復興を最優先させた。日本連邦軍は左派勢力を黙らせるため、自衛隊と扶桑軍の合同部隊と説明されている。費用対効果が不明とされるウィッチの経費削減も叫ばれ、困り果てた扶桑は、Gウィッチという『確実に一騎当千を約束された』ウィッチに投資する選択を取った。実際、黒江と智子は鎧戦士と聖闘士、相反する二つの力を手中に収めていたので、プロパガンダにも丁度いいが、国内の『世代交代』を叫ぶ反対派に配慮し、反対派の攻撃材料にされた智子に代わり、その弟子筋の調を起用することになる。更に現場の対立を煽る通達も出されていた。航空作戦での空母機動部隊の生え抜き搭乗員の極度の消耗を恐れた日本側により、義勇兵以外の空母機動部隊の参陣を自粛せよという指令が発せられ、空自と米軍、元日本軍/空自の義勇兵たちで制空権を確保せよという、現場を顧みない無茶苦茶な指令が出されたのだ。これはい号作戦やろ号作戦を踏まえての空母機動部隊の温存策であったが、いくら高性能ジェット機があると言っても、一機で20を超えるレシプロ機を落とせというのと同義であり、批判を浴びた。しかし、空母機動部隊は一度でも消耗すれば、米国との生産力差がモロに出て、数回負けるだけでジリ貧になると強弁され、扶桑軍は言い返せなくなった。その代わりの投資がGウィッチ達への投資という選択として結実する。
「多分、上はウィッチの居場所が科学の発達でなくなることで、ウィッチが発現しても、世の中に必要とされなくなる空気ができるのを警戒しているのよ。スーパーロボットが大手を振って戦ってるのに不快感を持つ部隊は多いわ。自分達の苦労は何だったんだって、ね」
「はぁ?」
「若い子たちは達成感が欲しいのよ。それと賛辞が。そうね、例えば…。ほら、のび太君の近所にいた正木さんのボウヤが中学校でヘルパーにいびられた結果、誰かに褒めてもらいたい心理が大人になっても暗い影を落としたようにね」
「あのボウヤ、子供の時にチヤホヤされても、大きくなると、兄弟や親の見る目も変わった事に耐えられなかったからな。やらかして、そこをジャイアンが庇わなきゃ、親と兄弟に施設に入れさせられてたからな。それと同じか?」
「そういう事。あのボウヤも可哀想ね。」
「ああ。ジャイアンが詳しく話してないから、わからんが、ボウヤがショックを受けてしまったらしーからな」
のび太の少年時代に、家の近所にいた正木家のボウヤ。武子が引き合いに出した理由がある。そのボウヤが青年になったら、親と兄弟に軽蔑される行為を何かかしらやらかし、ジャイアンが庇わなければ、強制的に矯正施設に入れさせられそうだった事件が起こったのだ。ジャイアンがその家を財政的に援助する事でどうにか収めさせた。彼をジャイアンが雇う事で守ったともとれるが、それはその『ボウヤ』(身体障害者)が中学生の時に家の都合で神奈川県に二年ほど転居していた際、県の派遣したヘルパーにネチネチしたイジメにあい、その後遺症で顔色を伺うような性格になってしまい、多感な時期に何をしても褒められなかったという体験が彼を歪ませ、大人になり、『やらかした』という。ジャイアンが全てを話していないので詳しくは不明だが、ボウヤが母親と買い物のしすぎによる金銭の何かかしらのトラブル(借金などではないとの事)を起こしてしまい、それに激昂し、軽蔑した母親と兄弟達の手で矯正施設に入れられそうになったのをジャイアンが強引に割って入って庇い、ジャイアンが彼を自分のスーパーの社員として雇うことで、半ば強引に手打ちにさせた(金銭的に不自由であった彼らにとって、ジャイアンが提示した彼への給与が魅力的であったのも大きいが)というのは黒江も聞いていた。そのボウヤはその際の家族の自分への態度や目つきを見て、激しくショックを受けてしまい、人間不信を抱いてしまった。その結果、彼は自分の味方で居続けてくれたジャイアン、のび太夫婦、それと子供の頃から慕っていた調、当時には90代と老齢の彼の祖母にしか心を開かなくなってしまう。その事件により、のび太やジャイアン達が彼の心のケアに心を砕くことになったという。これがジャイアンの任侠な面が公に知られる出来事であり、結果として、彼への真っ直ぐな慈悲が世間から任侠的な慈善家と評価され、スーパー経営にプラスとなる。『彼』はその後、老境が見え始めた頃に肺炎を患い、47歳という年齢もあって、元からの不整脈と肺炎から併発した心臓発作で亡くなってしまう。ジャイアンは彼の家族への援助を自分の息子のヤサシに言い聞かせて続けさせ、自分を素直に慕った弟分の弔いとして、彼の葬式などの費用を会社で負担したというが、その彼が持っていた心理とウィッチの現役世代の抱く心理は似ているという武子。そのケースと同じで、ウィッチ達には『褒められる事が嬉しくて、ウィッチになった』、『チヤホヤされたい』という心理で軍に入隊した者が多い。誰もが芳佳のような崇高な理由で志願しているわけではなく、花嫁修業や職歴をつけるために志願させられたケースもある。その癖、いざ必要とされる局面になると、怖気づく。そんなウィッチも多いため、Gウィッチのように『闘いで綺羅星のような輝きを見せる事が確実』な人材は是が非でも重宝すべき人材であると、有事になって初めて認識されるに至った。その点で言えば、Gウィッチは有事にならなければ、その大事さが認識されない存在なのだ。(因みにジャイアンは大学の同期や後輩の弁護士を複数、法人にしたジャイアンズの法律相談、自分の顧問弁護士として複数雇ってもいて、そういう採用も、ジャイアンの評価を高めた)
「私達は有事になって、初めて必要にされる。だけど、私達が戦う事で若い子らに劣等感を持たせるのは困り物よ」
「でもよ、ガキ共に今の闘いは酷だぜ。兵士が情け容赦なく、自分を狙って来るんだぞ?おまけに十字砲火に晒される。全部が宮藤みてーな筋入ってる連中じゃねぇからな」
「若い子達は単純な思考で動いてる。特にこの時代は、軍歴はステイタスシンボルのような意味合いが強かった。ウチの両親もそのクチだったわ。姉が死んでからは、特にね」
扶桑の一般市民にとって、軍歴は一生食いっぱぐれない保証をもらうのと同義であると見なされていた。これは高額な恩給が約束されていたからで、日本の野党が扶桑の年金制度などの批判から手を引いたのは、軍人恩給をもらっている層が扶桑の男性の過半数を締めていたのにショックを受けたからだ。また、その大半は徴兵で数年間の義務を果たした兵士出身者だったからだ。扶桑はこの時期、女性には志願制と徴兵の併用、男性は陸軍でだが、徴兵で軍隊の人員を賄っていた。しかし、日本連邦化で求められる知識力などが遥かに向上するのと、近代兵器は徴兵された兵では扱えないとする観点から、徴兵を廃止する動きが出たが、農村地帯から『農村出身の青年が名士になるチャンスを奪うな』とする抗議があったために保留扱いとなった。この時期、学のない農村出身の青年が成り上がるチャンスは徴兵で甲種合格となるしかなかったからだ。それが農家の次男、三男が軍隊に行くと言われた理由だ。結局、この問題は大学の定数が増やされたり、軍専門学校の再編で海軍と空軍の人員確保に一定の目処が着くまで持ち越される。ダイ・アナザー・デイ中に噴出したため、当然ながら、作戦中に解決は不可能だ。できるのは、義勇兵をどんどん増やすくらいだ。日本で義勇兵の公募を行う以外に、兵力を手っ取り早く確保はできない。徴兵制度は『募集検査』という名に変えられ、戦時の需要を満たすためもあり、名を変えて存続する。
「そのくらいならまだいいさ。ウィッチ同士で戦う機会なんざ、今回とあと数回あるかないかだろうよ。日本の潜水艦絶対殺すマンぶりが発揮されれば、潜水艦をウィッチ輸送や潜水空母には使わなくなるのは目に見えてる。だから、今の経験は本当なら、かけがえのないものなんだがな。伊400潜も役に立たなくなったしな。いや、あれでパナマ運河破壊できれば苦労はねぇな」
このダイ・アナザー・デイの戦闘がウィッチ同士が大規模に戦った最初の戦だが、リベリオンはウィッチ輸送に潜水艦を用いるドクトリンだったため、通商破壊と見なした日本連邦軍の潜水艦狩りが大規模に行われた結果、輸送艦代わりに使っていたのが仇になり、ウィッチの数も同期して低下するという悲劇が発生。リベリオン本国にとって致命的になりかねない事態が開戦から間もなく起こる事になるのだ。実際、日本連邦は伊号400型潜水空母の運用を取りやめようとしたが、既に保有艦の大半がウィッチ対応改造されており、かかった費用の回収がまだできていないという状態であったため、静音性の改良が施された上で、Gウィッチ用の潜水母艦として使用されるに至る。元は数機の晴嵐を積んでの潜水空母であったが、その目的地とされたパナマ運河の攻撃の必要が無くなった事、通常ウィッチを晴嵐の代わりにしたところで、世界情勢的意味でその意義を喪失していたのを、Gウィッチ用の輸送・緊急展開用の潜水艦として生き永らえさせる事を選んでいる。
「今は若い子達からすれば、異常な時代だそうだけど、他の世界からすれば普通に戻っただけよ。もっと言えば、人型ロボットが主力兵器になる世界なんて、想像だもしないわよ」
「仕方ねぇよ。俺たちが関係持った世界は、ゲッターエンペラーがイルミダスを倒すために目覚める世界なんだぜ。23世紀の時点で初代とGが量産に入ってる時点で察しろよな」
ゲッター軍団は初代とGを量産するところから始まるため、23世紀の地球連邦軍はそのスタート地点に立ったばかりの段階である。MSやメタルアーマーよりも戦闘力は格段に高いが、スーパーロボットはガンダムファイターと同レベルにパイロット探しが難しい。そのため、ゲッターGも無人運用がとある世界がなされていたほどである。
「向こうは初代ゲッターが組織的に運用されてて、その上位機種にドラゴンがある世界だから、他の世界より敵が強い表れだってこった」
初代ゲッターが量産されたはいいが、パイロットの技能にもよるが、ゲッター1形態の個体は技能が低い場合、片腕を喪失するケースが多くあった。ゲッター合金の耐久性が合成鋼Gより低いという問題もあるが、ゲッター1の性能特性が知り尽くされている事も関係しており、ゲッター2が初代の量産機の形態としては最も活躍していると言えるだろう。
「それに、今更……ウィッチの力ったってよ。なのはやフェイトみてーに魔砲を撃てるわけでもねぇんだ。固執してたら、それ以上の力に倒されるのがオチだぜ。だから、オレは転生する度に、力を求めたんだよ。その結果が黄金聖闘士で、サムライトルーパーだ」
「そこまでいくと物好きに捉えられるわよ。…そう言えば、貴方、その姿まだ維持してるのね」
「ウチのガキが来てるし、見分けのためだよ。あいつとは声もめっちゃ似てるから、調の容姿と声を使ってんだよ」
自身の容姿の事を尋ねられた黒江はそう答えた。彼女の養子であり、大姪の黒江翼は声色も綾香が本来、この時間軸に持っているべき声色に酷似しているため、綾香は容姿と声色を変えている事を武子に教える。調の声色ではあるが、明確に語尾が違うのと、言葉遣いが基本的に荒いので、聞き分けは容易である。また、事実上のソウルシスターの関係になっているため、調はこの時点で『雷光斬』(超弾動)を素で撃てるようになっているという。
「あ、貴方。百合香ちゃんを坂本に会わせた?」
「作戦が始まる前に翼と麗子に連れてこさせたよ。前史じゃ見れなかった成長した姿だから、あいつ、いつになく喜んでたよ」
「私も、成長した美奈子と肉体を持った状態で話したのは、今回が初めてよ。前の時は娘の体を借りてでしか、成長した後のあの子とは会話を交わせなかったから」
「そう言えば、お前、前史は肉体が死んじまった後に神姓を得たんだったな」
「ええ。貴方に数百年の孤独を味わせてしまった事は心残りだったわ。まぁ、今となっては昔のことだけど」
「昔の事だ、お互いにな。それによ、この時代だと若造扱いなんだぜ、俺ら。これからは肩の力抜いてこーぜ」
「一時でも平和になれば、ね」
前史で年寄り扱いだった時間が長かったため、二人の会話はその肉体年齢からはかけ離れている。また、黒江はこの時期には普段の一人称を仕事以外では、『俺』に変えたのが分かる。(公には私と自分、小官を使用している)元々、赤松からは一貫して『ボウズ』と呼ばれているため、その影響もあるだろう。
「んー、バルセロナは比較的平和だな?」
「マドリードからは離れてるもの。もとは別の国な事もあるけどね。半島の南端で戦闘が起こってる事はまだそんなに実感はないわよ、ここは」
「本当なら観光と行きてぇが、そうも行かねぇ。レンフェの駅に行こう。ドラえもんが未来のレンフェ103系電車を使えるようにしたというから、180分もありゃマドリードだ」
「あの子、なんでもやるのね」
「ヒスパニアは国家行政機能がフランコ将軍一派の追放で麻痺しちまって、イベリア半島全体の統制が上手く行ってねぇらしいからな。連合軍がマドリードとバルセロナの区間を事実上の統制下に置いたから、ドラえもんがインフラ整備をやったんだ」
「なんでもできるのね、ドラえもん」
「既存の鉄道網だと使えねぇから、わざわざ、軌道ごと作ったんだそうだ。連邦政府も鉄道運行に必要な人員を送ってる。サービスは日本基準にしてあるから、冷凍みかんが出るぞ」
「ヒスパニアに来て、なんで冷凍みかんなのよ」
「要望があったんだと」
「……」
「しゃーねーって。スペインは金ないとかで、同位国に冷淡なんだ。地球連邦軍の物資輸送や人員輸送の都合もあるし、ドラえもんに高い金出して造らせたんだよ」
「妙に世知辛いわね」
「フランコ政権崩壊の余波で、蒸気機関車とかも暴動で稼働不能になったとか言われて、上も困ったんだ。そこにドラえもんだ」
連合軍はドラえもんに高額の委託金を出し、自分達の戦略に都合の良いインフラ整備を行わせた。ドラえもんも野比家を去った後は裏稼業で食っており、そうしたインフラ整備を引き受けるようになっていた。ダイ・アナザー・デイに間に合わせるため、連合軍にかなり未来デパートの品々を買わせたらしい。
「未来デパートにいくら払ったの、上」
「億単位じゃないかな。少なくとも予想戦域が広大だから、予備も買わないといけないって、ドラえもんが言うんだから、間違いない」
駅に高速列車が着く。流線型の21世紀型の高速列車だ。地味に21世紀にスペインで実際に走る高速列車を再現するのはドラえもん、アドバイザーのスネ夫のこだわりで、スネ夫は鉄道マニアらしい。二人は部隊ごとその列車に乗車し、つかの間の休息で見れる、車窓からの景色を楽しむのだった。(この列車をニュース映画で見た日立製作所が『うちの列車いかがです!』と、彼らが手がけたイギリス鉄道800形と同系車を売り込もうとするが、ヒスパニアの行政機関は機能不全であり、扶桑に要望を伝えるしか連絡ルートがなかった。直ちに扶桑はその要望を連合軍に伝え、連合軍は直ちに車両を兵員輸送用という用途を通達した上で発注したという。また、あちらこちらに連合軍は兵員輸送などの利便性向上のために路線を増やしたい意向であり、保線や敷設作業車両を大量に発注したとも)
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