外伝その304『のび太の家庭生活』


――のび太の優しさは無上かつ、理想的なほどのものである。義父に称賛されたその優しさで、キュアドリーム(シャイニング形態であるが)の傷ついた心に安らぎを与えた。と、そこに――


「あ、噂をすれば、カミさんだよ…。ああ、僕だ」

「見てたわよ、この女たらし」

「なんだ、見てたのか…。いたずらっ子だな、君も。ご、ごめん、この埋め合わせは帰ったら必ず!!」

「その子も連れていらっしゃい、食事でもしながらゆっくりお話しましょう?」

「分かった。帝国ホテルのレストランでも…」

「おま、あそこバカ高いだろ」

「カミさんが好きなのよ、あそこのカレー」

黒江がつっこむが、帝国ホテルのレストランは値段が高く、黒江でも、おいそれ行けない事が窺える。

「君たち、この戦いが終わったら、カミさんに紹介する事になったから。帝国ホテルで」

「え、えぇ!?帝国ホテルぅ!?あたしもめったに行けなかったんだけど!?」

ピーチは驚天動地である。ピーチはダンスユニットを組んでいた関係で、生前の羽振りはそこそこ良かったが、数ヶ月に一度程度の贅沢として行っていた事を告白する。

「国家公務員で、裏の仕事もしてると、月一くらいで行けるんだ。ノビスケはもうちょい大きくなってからだけど」

28歳当時、息子のノビスケはまだ幼稚園を出たか出ないかであり、マナーがまだ、身についていないと、しずかが留守番をさせているため、はーちゃんと調を連れて行っている。その際には、のび太の両親にお守りを頼んでいる。

「ご、ごめん。わたしのせいで変な事になっちゃって…」

「なあに、カミさんは君たちを見たら喜ぶよ。ああ見えて、プリキュアとか見てたクチなんだ。魔女っ子系のアニメのグッス集めてた事あったし」

しずかは子供の頃は魔法少女(世代的には、ギリギリで魔女っ子である)フリークで鳴らし、のび太とドラえもんが撮ろうとした特撮ビデオを無理矢理、ジャンルを変更させたほどの入れ込みようであった。恐らく、プリキュアも見ていたはずだと、のび太は言う。そのことから、プリキュアである、のぞみとラブの事は大喜びだろうと推測する。(11歳当時、はーちゃんがプリキュアである事を大喜びしていたため)

「11の頃、はーちゃんの事で大喜びしてたからね。君たちのこともたぶん、内心は小躍りしてるはずだ。ああ見えて、未だにファンシーなのよな、カミさん」

「はーちゃんだしなぁ。見かけは14くらいだけど、中身は子供だって、みらいちゃんが言ってたし」

「そうそう。妖精から神様になったって言ってたし、はーちゃん、たぶんプリキュアとしてのパワーは相当のはずだよ」

「ZEROはそれを更に超えていたってことだよ。あいつはゲッター線の力を借りないと、まともに戦えないからね」


「マジンガーZEROはそんなに…」

「今の君達じゃ勝負にならない。同じマジンガーでも、スペックで同等のGカイザーを倒すからね、あいつは。それを超える力、可能性の象徴のゲッターエネルギーを制御しないと」

「俺たちでようやくだからな、あれは。ゲッター線を高濃度に浴びて、尚も自我を保てるくらいの耐性があって、始めて制御できる力だ」

のび太はZEROを超えるには、可能性の光を象徴するゲッター線を制御する必要があると説く。なのはは少女期に浴びていたため、他世界と顕著な違いが生じたが、温厚ななのはでも、闘争本能が限界まで引き出されると、ガサツになるという証明である。

「なのははガキの頃に浴びている。だから、ポカやる率も増えたが、ティアナとの揉め事を起こさないようにしてる。自覚ないが、あいつは子供の頃より、だいぶガサツで、いい加減だぞ」

「そう言えば、本人も愚痴ってたっけ。『今は、子供の頃のあたしと違うんだよ』って」

「なのはちゃんは『いい子』であろうと、無理に自分を取り繕ってたからね。今のガサツで、体育会系のが素に変わったんだよね」

なのはの変化は顕著であるが、いい子であろうとする自分を振り切ったため、意外にガサツで、口の悪いのが素ではないかと思わせる言動も見せる。また、シャーリーにもある、高次物質化能力がある世界の記憶があるためか、『アリカ・ユメミヤ』という名の少女のことを探している素振りも見せている。ただし、シャーリーと違い、その世界の事はかなり前の前世なため、かなり記憶があやふやであるため、シャーリー(響)を動かす形で捜査させているという。

「なのはちゃん、誰かを探してるっぽいんだよな。かなりあやふやだからって、シャーリーさんに頼んでたし」

「あ、そんな事言ってたっけ。あんたが自分で探したらどうなんだって、かなり渋い顔されてたなぁ」

「気持ちは分かるけど、シャーリーさんに頼むにしろ、不躾だしね。なのはちゃんに残ってる記憶が曖昧なのは、シャーリーさんに嫌がられてたよ」

シャーリー(響)はその世界のことをかなり明瞭に覚えていたため、なのはの不躾な頼みをかなり渋った。ただし、なのはが怒ると本気で怖いので、渋々ながらも引き受けたという。(戦えば、お互いにタダではすまないためでもあるし、前世で生きた世界を見つけておきたい本心もあった)

「だけど、なのはちゃん。かなり物理を行使してるよねぇ」

「怒ると、ディバインシューターか、バスターか、エクセリオンバスターだもの。はやてちゃんも手を焼いてるんだ、あれ」

なのははゲッター線を浴びてからは、教導隊の異端児扱いである。立花響の一軒で、精神的指導には向かない事が明確になり、教導隊の同僚から『教導隊をやめるべきだ』との声も出たほどだ。はやてが管理局の事情を鑑みろと、教導隊を脅した事で、その声は収まったが、実際になのはが精神的指導につくことはこれ以後は無くなった事実を考えるに、実務指導のほうが無難かつ、前線に置いといたほうが無用なトラブルの回避ができると、クロノとリンディが判断したと言える。(ただし、立花響の場合、後に判明した英霊因子のこともあり、心がタフ過ぎる相手にやり過ぎて心を折るどころか削り落としてしまったというほうが正解なので、フェイトがやっても、似た結果になると判明したが。その後、黒江達のトレーニングに参加させたところ、アレはどうやったら言うこと聞くんだ?という、教導隊の一般隊員の意見が生じたという。黒江が手を焼き、ローリングクラッシュで動けなくしても、なおも立とうとすると、ものすごく嫌がった事の理由が分かったという)

「あ、智子さんがメール?……羽織着させたら、因子が目覚めたぁ!?」

「何ぃ!?あのヤロ、沖田総司になったのか!?つか、桜セイバー?」

黒江も困惑する声を出す。智子からのメールによれば、立花響に見舞いの品と言って、新選組のコスプレ用羽織を着させたら、因子が急に目覚めたと困惑しているという。

「なんて書いてある!?」

「えーと、桜セイバーの姿になって、風鳴翼ちゃんを模擬戦で三段突きして泣かせたって…?」

「そら、泣くわ。あのガキ」

「緋村剣心と互角なんだし、剣持たせたら、誰よりも強いって自負してた人だしねぇ。幕末の人物だから、武士道や騎士道精神に興味はないし」

沖田総司は幕末の人物であるため、戦いに精神性を持たない。悪く言えば殺人マシン、よく言って、殺し屋。そんな存在である。緋村剣心は、自分と対等に渡り合えた数少ない人物と明言していた。そのため、武士道かぶれの風鳴翼を『意気込みは良し。だけど、斬り合いなんて、生きるか死ぬかでしょう?大仰な事を言って、『僕』の前に屍を晒した薩摩や長州の連中はいくらでもいました』と、」一笑に付している。しかも、シンフォギアを使用中の翼が視認すらできない『無明三段突き』を披露し、彼女を泣かせている。沖田総司化していると、『剣を振るう事に特化されつつ、緋村剣心のような者と戦いたい』思考回路なのか、風鳴翼を『子供の遊び』と断じている。智子でようやく互角になるため、覚醒間もない能力値でも、智子がかなり焦る実力を持つと判明した。三段突きの視認にセブンセンシズを必要とする事から、牙突も恐らくは出来ると思われる。また、斉藤と同じく、『悪・即・斬』を言ったため、新選組らしさも残っている。また、風鳴翼の剣技を『スポーツとしての剣なら一流かもしれないが、命の取り合いには向かない綺麗な剣だな。足りぬ、僕を満足させるには』と評するなどの配慮は見せている。智子が腕試しで戦い、それでようやく互角の戦いという事は、沖田総司の才覚は、智子が数度の転生で培った努力にいっぺんで並ぶほどという事実も判明した。智子曰く、『底が見えない。こりゃ……大器と言われたのは伊達でないと言うべきか』とのこと。つまり、智子もかなり必死に食らいついた表れで、智子でこれなら、剣技は同等とされる武子も同じだろう。その上は黒江、赤松と若松の三人しかいない。

『なんの為に剣を振るうのか考えておかないとイザという時に間に合わなくなる。それを考えるべきですね、お嬢さん』」

沖田は智子にそう言い、智子を上々と評価しつつ、戦術的には青臭いとした。黒江ほどは斬り合いの経験がなく、若き日に基礎をサボったこともあることを、動きだけで見抜かれていたのだ。それと対照的に、黒江は転生を重ねても、基礎訓練をずっと怠らなかったので、当代最強の座を手に入れたのである。黒江は求道者でもあるので、転生を重ねても、基礎的な鍛錬をひたすら繰り返していた。今回の事変で、かなり重く、取り回しが難しいエンペラーソードを軽々と扱えたのは、それを怠らなかったからだ。智子が転生を繰り返しても、剣の才能が一定のところで伸び悩むのは元から、実力に『慢心しがち』であるためだろう。

「智子は若い内に一回は慢心すっから、いざ戦う時に決定打もてねぇんだよな。俺なら一本取れるぜ。まっつぁんほどじゃねぇが、俺も山羊座の黄金聖闘士だ。望むところだ」


意気込む黒江。それでドリームも笑顔を取り戻す。


(ココ、私……。生まれ変わっても、なんとかやっていけそう。辛いことは多かったけど、もう一度、明日を諦めずに戦ってみるよ…)

かつての恋人へ送るような独白。それは『前世』を振り切り、もう一度、希望の未来へ向かおうと決意したドリームなりの『過去への決別』(正確には過去を呑み込み、その上で新たなステップで素直になる事である)

「いい面も悪い面も含めて自分、過去も未来も自分の物なんだから誇る事も蔑む事もなく抱えていれば、全てが自分の糧に成る。そう考えるべきだね。僕みたいにね。躊躇いも後悔も、眠れないほどしたのなら、今後は素直になるべきだ。自分の思ったものにね」

のび太の後押しがここで入る。

「うん!」

野比一族が石器時代から血筋を絶やさずにいられた理由。それが優しさである。それで戦国時代や幕末の動乱も潜り抜けた。(ちなみに、のび太の祖父ののびるは太平洋戦争で学童疎開をした世代で、戦後にのび助とその兄弟姉妹を儲けた時は、彼の父ののび吉の教育の名残りで『家長』として振る舞い、のび助からは気骨があり、子に厳格と思われているが、本質はのび太同様に優しい人物であった)この優しさが野比一族が栄えた最大の理由で、23世紀の記録でのび太が『野比家中興の祖』とされているのは、ダイ・アナザー・デイの功績で扶桑華族に列せられたからであるとされる。日本の民で扶桑華族に列しられたのは、のび太が最初である。記録によると、のび太が叙爵されたのを期に、日本の元・華族も扶桑華族の存在を認めるように問題提起したため、日本は『扶桑で叙爵されれば、爵位を名乗ることができ、霞会館に出入りできる』という扱いで決着させ、どうにか、国内では名誉称号扱いで落ち着いたという。(戦前の爵位は実質的は先祖の地位に由来するものであった場合が大半なので、日本での扱いは名誉称号ということで落ち着いた)





――のび太がしずかへの『お詫び』を考えている中、その21世紀日本では、フェミニズムの暴走が流行り、ウィッチ世界の文化云々にまで話がものすごくこじれてしまい、それが結果として、ウィッチ達の服装規定を変えてしまう珍事となった。また、若い女性軍人の厚遇は逆差別だ、ともなってしまったため、1946年以降の任官組は通常の軍人と昇進速度が大差ない事にする事で折り合いがつけられた。すでに任官済みの現場の軍人の反発との兼ね合いで、任官済みの者は実績豊富な者を順次、早期に将官にまで昇進させるとされ、黒江達が将官になった事の説明として、『多大な功績』を大義名分にしたため、Gウィッチが中佐以上の地位に早くに収まる結果を生んだ。(電光三羽烏の『後身』がレイブンズであると、陸軍省より正式に公表されたため、部内での混乱は余計に助長されたが…)以後、スパッツやボディスーツなどが導入されていき、その種の問題は沈静化したが、別の問題も出た。軍の規則が変わり、『婚期を逃す』のを恐れた親達の出現も重なり、ウィッチへの志願数は急速に萎み始めた。(黒田は後継者になった上、軍で上位の立場になった関係で親が諦めたため、結婚資金は黒田家の資産運用に使われた)これは時代的に仕方がないもので、それを補う、最前線で戦うGウィッチの階級がどんどん上がり、若い美遊やクロでも『大尉』が間近と、通常では考えられないほどに階級が高くなっている。現場の中堅がサボタージュしている間もひたすらに戦っていたため、戦功が二階級特進どころでないレベルに到達するGウィッチが続出した。勲章も個別授与では追っつかなくなるため、部隊規模の感状を出す案があったが、これも日本の一部から、『時代遅れ』だと批判された。戦功に追っつかないと意見が出るほどの戦功が個人単位で続出なので、統合参謀本部は『特権授与』を作戦中の経過措置という名目で認めた。それに伴い、今後の規定の創設に各国軍の将官は頭を悩ませた。部隊の隔離案はモンティの轍を踏む危険が大きいとし、戦果での昇進を少なくする代わりに、特典を授与する方向でまとまった。Gウィッチがあまりに強すぎた故の軌道修正であった。これは今後の一般ウィッチ向けのものであり、Gウィッチは戦線に不可欠なために対象とされていない。昭和天皇の寵愛が深い者も多いので、うかつな手出しが控えられたためだ。(昭和天皇はこの頃、黒江へのいじめ問題の再燃と、現場のサボタージュとGウィッチへの敵視を憂慮している。)




言うならば、黒江のシンパである防衛大臣の言葉と、戦果が個人単位で挙がり過ぎ、勲章と感状が追いつかないという切実な事情がGウィッチの優遇措置の始まりであった。この優遇措置はその言葉通り、Gウィッチに対して与えられたものなので、他のウィッチが恩恵に預かる事はないと思われたが、ダイ・アナザー・デイの長期化で、古参ウィッチが活躍していて、中堅(と、引っ張られた若手)がサボタージュしている状況の長期化を恐れた連合軍の将官達の協議の結果、『顕著な戦果を安定して出せるウィッチをS級ウィッチと認定する』という形で、一定の権利拡大を実行する事で、MATへの移籍の歯止めと、人材の保全を図った。スペリオリティウィッチ、通称、『Sウィッチ』の誕生である。Gウィッチのように、勤務態度の不問と自由勤務時間などの超高度な権限は持たないものの、給与や危険手当の倍増、機材の優先配備、休暇への配慮などが課せられ、ウィッチを少しでも、軍に留ませようと必死になっているのが分かる。また、この分類はGウィッチの公の場での分類としても使用された。(SS級という形で、Gウィッチは書類上で上位に分類された)日本のフェミニズムが、Gウィッチの市民権獲得に寄与したというのは皮肉なものであり、下士官も珍しくない扶桑ウィッチの階級が少尉以上で再統一されるきっかけになった。(下士官の地位がフェミニズムに騒がれたため、パイロットとウィッチは少尉から、とされた)同時に、海保長官の一軒で、海軍の特務士官の地位が『兵隊元帥』を地で行くモノになり、兵科将校の地位が危うくなったので、兵科士官の『地位』が今度は軍紀に明記されるという珍妙な事態になった。これに、坂本は『未熟な連中を少尉になどはしたくはないが、ジュネーブ条約の兼ね合いで、そうしてしまう…。時代だな…』と、水兵上がりである事が窺える寂しさを滲ませた。扶桑海軍の伝統は少しづつ時代の波に飲み込まれていく。Gウィッチでも、海軍航空への在籍を貫いた者はわずか数名である。芳佳もプリキュア化の兼ね合いで空軍に行く事を決めていたため、坂本のように、色々な想いから、海軍在籍を貫くのは稀有であった。海軍航空の堅苦しく、同調圧力の強い風潮を嫌う者はGウィッチであろうとも多く、大半が空軍に移籍する。撃墜王の称号の扱いで志賀が黒江と揉めて、部隊を飛び出した事は部内で有名であり、坂本が志賀を叱る事態となった。(出戻る事になったのと、志賀を推薦したのは、坂本自身であったからだ。講道館での先輩後輩関係でもあり、坂本は顔に泥を塗られた形である)海軍航空で見られた、『海軍には個人戦果を記録し、それをもとに個人をたたえる習慣はなかった』とする、異常なまでの同調圧力はGウィッチでさえも忌避するものであり、扶桑海事変直後からの大本営海軍部広報の致命的な施策ミスであったし、教育施策の致命的ミスであった。

『海軍は政治に口出しせずとは言っても、軍は政治で動くんだ。上が導入する制度がどういう役目をするのかしっかり理解しろ!撃墜王が表彰される事はそれを育てた部隊の誉れでも有ると言うのに目先の好き嫌いだけで、他でもやってる事を反対する様な間抜けとは思わなかったぞ!?』

坂本は志賀を呆れつつも叱りつけ、坂本はこの出来事で、一時は考えた空軍移籍を取りやめ、引退して政治的に改革していく道を選ぶ。先立って、ダイ・アナザー・デイでの引退を表明したため、海軍航空の中堅を慌てさせている。前史で保守派に政治利用された反省で、45年で現場を退くことは決めていた。だからこそ、病気を理由にリバウに留まり、撤退戦に参加したのだ。Gウィッチなので、衰えはないが、数年後に生まれるであろう子供のためにも、現場を退いておいたほうがいいという判断であった。ただし、海軍航空の再建のため、坂本ほどの手練であり、クロウズの貴重な生き残りを放っておく理由はなく、なんだかんだで戦うことは無くなりはしなかったという。





――ダイ・アナザー・デイでの航空自衛隊/米空軍の多大な援助と影響力もあり、空軍はその設立から短時間で、扶桑最大の航空戦力を擁するようになる。坂本は若本と共に、海軍に敢えて残る事で、Gウィッチの政治力の海軍への維持をすることも目的ではあったが、その半分は北郷への恩義を果たす事に他ならない。黒江への償いをしつつ、前史では意に介さなかった『政治』も勉強するなど、その本質は芳佳と似ていた。また、保守派に利用された前史と違い、戦間期から改革派の中心人物として振る舞い、前史で関係良好な同期とも対立するなど、黒江が前史で辿った足跡を追いかけるように生きていると、武子からは評された――








――その坂本だが、前史で職人芸を信仰した反省から、今回は火力教徒の坂本。30ミリ、ガトリング、リボルバーカノン。引退前の花道と言わんばかりに大盤振る舞いで武器を使いまくった。魔導誘導弾もF-104Jで使用。坂本は一線を退く決意を固めていたため、このダイ・アナザー・デイが、第一線の現役ウィッチとして戦った最後の機会であった――

「やれやれ。タイムマシンで機材を持ってこさせるとはな。日本に既存機材のパーツ供給を止められたからと、次世代機を使うとは…。やりすぎだぞ?」

坂本は元々、機材の予備機供給に乏しい海軍航空隊の出身であるため、機材を壊す傾向のある者とは仲が悪い傾向があった。しかし、激戦で黒江達を以てしても、機材の消耗具合は目も当てられないほどである現状への対応策としては、この非合法な調達は有効であると言わざるを得ない。当時はレシプロの限界点が意識されだした頃であるため、それを超越する機材の使用には抵抗があるが、現役最後の戦いであるので、その記念に使ったのである。この時の機体はF-104Jである。坂本の孫の百合香が式典で使用した個体で、塗装は往年の坂本の九六式を意識したものである。それを再武装したものなので、坂本が使うには派手気味な塗装である。経年で舟形武装ユニットや、エンジンユニットの表面が古ぼけていたが、手入れされていたほうである。21世紀では世界全体では稼働数が少ないストライカーであるが、レイブンズが使用した機体なので、扶桑では意外に多くが動態保存されている。タイムふろしきで念のために再生がかけられるものも多いが、坂本は『孫娘が使ったのなら、それで一回は飛ぶ』とし、最低限度の整備で出撃したのだ。


「さて、アニメと違うところを見せなくてはな」

坂本は前史でアニメの形で、別の自分を客観的に見ることで、我が振りを見直した。それが火力教徒であり、機材へのこだわりを捨てた姿である。坂本の携行する武装はこの時代からすれば重装備そのもの。魔導誘導弾も数発を装備している。魔導誘導弾は強力だが、それ単独では決定打にならない事は『経験』で分かっているため、従来通りに刀を挿しているが、烈風丸ではない。また、リベリオン本国に強力なウィッチが殆どおらず、それを補うため、F6Fの性能向上プラン『F6F-6』がF8Fの航続距離面での不評もあり、実行されているとの情報もきいているため、サイドワインダーにしたのだ。

「サイドワインダーをレシプロを履く連中に使うのは気が引けるが、恨むなよ」

F-104Jストライカーの頃には、ミサイル装備が普遍化しており、その追尾能力は自衛隊の保有する最新のものと同等である。レシプロストライカーでは、逃れる術は殆ど存在しない。ジェット時代で普遍的な防御装備のチャフやフレアがない当時、魔導誘導弾は強力な兵器そのもので、超音速でかっ飛ぶ『それ』を、マニューバーで振り切れる者を挙げるなら、この当時では、各国のトップエースくらいだろう。若いウィッチではシールドも張れずに戦死コースだ。発射から数秒後、炸裂した誘導弾が当たったウィッチが、機体の燃料に引火したと思われる黒煙を揚げながら、墜落していくのを確認する。

「黒江達のように、自衛隊の無線コードを言うのは…、どうもしっくりこんな。海軍航空を徹子に背負わせる事になってしまうが、これも私達『クロウズ』が後釜になり損ねたためかもしれんな」

戦闘を行いつつ、自らを含めた『クロウズ』が、事変世代からの世代交代が始まった1940年代始めに期待されたような神通力を発揮すること叶わなかった事を自嘲気味に独白する。それは黒江への贖罪のために生きる坂本が引退前に覗かせた、『戦士としての本心』かもしれない。

「お、あれは雁渕の妹…。訓練中か。やれやれ、日本の連中はあのポスターのどこに不満があるのか」

海藤みなみ(竹井は家のしがらみも多いため、海藤みなみの姿で行動する事が増加中だ)が呼び寄せた雁渕孝美の妹『ひかり』。まさか、ポスター撮影のためだけに呼んだとは言えない(派手な出征の見送りが出てしまったため)ので、作戦に参加させた。そのため、服部静夏共々に少尉に任官、作戦に参加を命じ、誤魔化している。二人は64の偵察中隊の奇兵隊に参加させ、訓練中である。

「ふむ。彩雲を履いているらしいな。あいつに無理をさせるなと言っとくか」

奇兵隊は彩雲を配備している。高速偵察用のストライカーで、高速性能が武器である。その高速性能も相対的に見劣りしてきたので、自衛用の武器は携行している。ひかりや静夏を回すには絶好の中隊であり、手練の偵察員が多い部隊である。近々、新鋭のRF-86Fに機種変更する予定とされるが、その配備前なのか、彩雲を使用していた。

「こちら坂本だが、奇兵隊の橋本、聞こえるか?」

「ああ、先輩でしたか」

「そちらにRF-86Fは行ってないのか?大本営は配備の決定を下したはずだが?また揉めとるのか」

橋本というのは、奇兵隊の隊長の橋本大尉のことで、菅野の同期に当たる手練である。坂本の言う通り、奇兵隊にはRF-86Fの配備が決められていたはずであった。だが、履いているのが旧来の彩雲である事から、一悶着あったのか、と聞いてみる。

「それがですね。彩雲の設計主任はご存知で?」

「ああ、福田技師だろ?彼がどうした」

「大戦で使われる唯一無二の機会だろうから、一手柄立ててから引退させてくれと要請を」

「何言っとるのだ、彼は」

「まあ、実機のほうはターボプロップエンジン化で延命されますから、それに乗っかるつもりなんでしょう。実際、魔導ターボプロップエンジンの設計図は送られて来てますからね」

「黒江め。魔導ターボプロップエンジン、魔導ターボシャフトエンジンも早めるつもりだな。RF-86は大本営に、もう一回催促してみろ」

「はい。ガキ共を扱いたら、隊長に具申してみます」

橋本大尉も困っているのだが、これは実のところ、大本営内部でのリベリオンのライセンス生産の増加に反対する勢力の策略であった。宮菱も生産準備は終わっているが、生産許可が出なかったのだ。前線からの催促を疑問に思った源田実が赤城と加賀を引き連れて、当時の関係部署に乗り込んだところ、その勢力の策略で、生産許可の書類が作られていなかったことが判明する。これは扶桑軍の自国製品への自信の高さによる、参謀たちの無駄なプライドが絡んでおり、源田と小園を激怒させたという。後日、源田や、同じく、同機の導入予定の部隊が配下にある小園の要請を受けた大西瀧治郎、山本五十六の連名での指令が飛び、RF-86Fの生産は無事に開始されたという。また、ヘリコプターの特性を持つストライカーの研究も始まり、それが魔導ターボシャフトエンジンとして結実するが、しばらく後のことだ。










――のび太の胸で泣いた事で、負の記憶への区切りをつけたキュアドリーム。背中に羽があるシャイニング形態なので、遠目からでも姿が判別可能であった。青年のび太の高潔さ、包容力。それがプリキュア達に認識された瞬間である。しずかに帝国ホテルで食事がてらに会わせろという事にはなったが、ドリームがのび太に惚れたのは、誰の目にも明らかであった。のび太は、黒江に冗談交じりに冷やかされつつも、その場にいたプリキュア達を帝国ホテルに連れて行くと明言した。と、そこへ――

『プリキュア・ファイヤーストライク!!』

「あ、ルージュだ」

ドリームが声を上げる。基地へ『定期便』を届けようとしたB-17を、跳躍からの炎弾をシュートする『プリキュア・ファイヤーストライク』で叩き落としたルージュの姿が見えたからだ。ルージュは一仕事終えて、ドリーム達のいる地点に着地する。

「その話、あたしも混ぜさせてもらうわ。のぞみ…、ドリームの保護者はあたしだもの。たとえ、生まれた世界は違っても、ね」

「さっすが!ルージュのそういうところ、好きなんだ」

「ほら、君はいい友達を持っている。ごく身近にね。歳をとって、色々なしがらみに囚われてしまって、友達に相談できなかった事が、君の失敗かもしれない」

「ええ。あたしも見たわ。この子がどんな目に遭ってきたのか。のぞみのいた世界の私自身は、のぞみを最期まで支えることができなかったって。だから、決めたのよ。この先、何があっても、のぞみを支えるって。後輩のなおには苦労をかけちゃったし、あたし自身にも、けして無かったわけじゃないもの、後悔ってのは」

「りんちゃん……、ごめん。あたしの選んだ道につき合わせる事になっちゃって」

「現役の時に言ったでしょ、あんたをフォローするって。魔法を使えるあんたと違って、あたしにできる事はそれくらいだし、それに、プリキュア5のメンバーとして、あんたの保護者しないと、かれんさん、こまちさんに申し訳ないもの」

「りんちゃぁ〜ん!」

「こ、こら!こんなところで抱きつかない!」

「だってぇ〜」


ルージュはドリームを自分と平行世界の存在である事を知りつつ、以前と変わらずに支えると宣言する。この時の誓いがのぞみの拠り所の一つになったのは確かで、後々にのぞみが荒れた理由もここにあると言える。

「綾香さん。帝国ホテルの代金、どうなりますかね?」

「数万は覚悟しとけ。歴代のプリキュアを会わせるだけで、カミさんのご機嫌とれんだし」

帝国ホテルのレストラン代金がいくらになるか勘定するのび太。結構な出費になるからだろう。

「この際だ。カミさんに会ってもらうよ、君にもね」

「あなたの奥さんって、源静香さんでしょ?よく結婚できたわよね」

「君も知ってる、雪山での出来事さ」

「なんか凄いタイムパラドックスな気が」

ルージュのいう通り、しずかとのび太の交際の始まりの出来事はタイムパラドックス的要素を含む。それに苦笑いののび太。

「ランチなら一人、\3000で行けるな、未成年連れてだし、ディナーよりはコード緩いし…」

「流石に大人になると、そういう事はできるんだ…」

「そりゃ、環境省のお役人だしね、僕。はーちゃんとは会ったかい?」

「昨日の休みの時に。ローリングサンダーなんて、どこで覚えたのかしら。はーちゃん」

「たぶん、僕の母方の従兄弟の五郎さんが置いていったVHSを見たのかも」

ルージュはのび太の世界にはーちゃんの様子を見に行き、そこでキュアマーチ/緑川なおと再会して、はーちゃん/フェリーチェの三人でノビスケの乗る幼稚園バスを救出したのだが、はーちゃん(ことは)がレッドバロンのローリングサンダーをド派手にかましたのだ。これには二人共、呆然であった。

「マニアックすぎよ!普通はエレクトリッガーのほうを…」

「ルージュ、レッドバロン自体、マニアックだよぉ」

「マッハバロンのほうがまだマシと思うよ……」

「いやいや!?」

「ガンバロンなんてのもあったような…」

「君たち、自衛隊のオタク連中が喜ぶ会話だって、それ」

妙にマニアックだが、それらは70年代に三作制作された『バロンシリーズ』という特撮番組のタイトルだ。何故かそれがすらすら出るため、のび太と黒江は呆気にとられる。

「お前ら、なんで知ってんだよ!生まれる前の特撮で、それもマニアックな部類のシリーズだぞ」

「いや…その、ウチのお父さんが持ってて…DVD…。それに大学時代にこじらせてて…」

ドリームはそう言い訳する。ピーチとルージュも同意する。三人はそれぞれ、家族が持っていたモノがきっかけで青年時代にこじらせていたらしいことが明らかになる。

「よーし、お前ら。2019年のコミケに参加な。秋雲にメールしとくから」

「えー!?」

「変身して売り子でもすっか?はーちゃんには、ここ3年やらしてるし…」

はーちゃんは黒江により、ここ数年、コミケで売り子をしている事が告げられる。『魔法つかいプリキュア』が放映中の頃は黒江と秋雲のサークルが凄い売上を記録したりする。艦娘でサークル活動しているのは秋雲のみであり、間宮のメニューの本や戦記物の同人誌を書いている。また、戦記物の場合は水雷戦隊の司令の推敲を受けているらしい。神通や川内が寄稿するなど、意外に硬派な内容のものも多い。自身の戦歴もキスカとレイテを含め、意外に凄まじいため、それを本にするだけで売れるのだ。

「秋雲、キスカとレイテにいて、南太平洋海戦にも参戦してたから、ここ数年は連作してるんだよ。それだけで凄い反響だったし」

「キスカ島かぁ。あそこ、僻地なんだよなぁ」

「しゃーねーだろ。キスカは国境線の島だし」

ドリームは錦の記憶で、キスカに赴任していた時期があると明言する。アリューシャンは扶桑領であり、事変後はシベリアに代わって、寒冷地訓練基地に使われていた時期がある。総じて、シベリアからのはぐれ怪異が出る程度であるので、錦の代はアリューシャンで寒冷地訓練が行われたのだ。太平洋戦争開戦前は左遷先であったが、開戦後は争奪戦が繰り広げられる前線と化する。

「あそこ、最前線になるから、あそこにいたら、たぶん、艦砲射撃か空襲で死ぬぜ。普通なら」

「そう言えば…」

「史実の撤退作戦なら、映画見たほうがいいな。ショーフクさんも関心する出来だし」

扶桑海軍提督たちも感心する出来という、その映画。キスカ島撤退作戦は扶桑海軍も真似するほどに奇跡であり、史実で関わっていた将軍と提督の抜擢人事の理由にも使われた。キスカ島撤退作戦の判断と操艦が木村提督の評価が高くなった理由でもあるが、当人は苦笑気味である。

「キスカ島撤退作戦ねぇ、聞いたことあるような、ないような」

「有名じゃないでしよね、あの作戦」

「まあ、攻勢重視の日本軍史上じゃ恥辱に入る選択だし、妥協的な作戦でもあったしな」

黒江は陸軍出身であるが、源田が送り込んだだけはあり、防大では戦史の授業では優等生で通り、任官後も海自に友人が多く、その関係で海軍参謀の代行ができるのだ。また、統括官になった後に海自で研修を受けており、扶桑海軍参謀の代行が可能なように叩き込まれていた。三自衛隊の国際活動の責任者として、一通りの研修や訓練は受けており、元々のパイロット気質から、戦車の操縦も出来るという。それが黒江が参謀の代行を任ぜられた理由であったのだが…。










――戦況は小康状態というべきだが、連合軍は戦いながらも、少しづつ兵器の更新を行いつつあった。一部の義勇兵航空部隊には、朝鮮戦争水準の兵器の配備が行われ始め、レシプロ戦闘機も、消耗した零戦に代わり、生産が軌道に乗り始めた烈風(紫電改は元々、局地戦闘機であるため、日本での川西航空機の後身である新明和工業も、生産が追いつかない現地の要請と、局地戦闘機として最適化されているので、戦闘爆撃機には向かないという理由で、改めての烈風の生産を勧めた)が戦闘爆撃機カテゴリで配備され始めた。戦線の空軍主力が扶桑と元日本軍の義勇兵部隊なため、航空機材は扶桑製の航空機が多めだが、その主力はジェットとレシプロが交錯していた。空自出身の義勇兵の乗る自衛隊時代のジェット戦闘機と、日本軍出身の義勇兵のレシプロ機が同じ基地にあるという状況である。日本のミリタリー誌はこれを、『ジェット戦闘機とレシプロ戦闘機の世代交代の最中を示す構図である』と特集したが、それを正しく理解しない野党が問題にしようとするなど、トラブルも多い。こうしたことは『無知な外野が問題をややこしくする』とされ、作戦の長期化を招いていた。実際、三週間でなんら軍事的目的を果たしていないことは問題であるが、リベリオンの陸海空の物量が圧倒的であることが理由である。その間に艦艇の対空防御が圧倒的に進歩し、最低でVT信管装備の水準に飛躍したことで爆撃/攻撃ウィッチの需要が全く無くなるなど、軍事的変革も余儀なくされた。怪異への対応のために台頭した魚雷無用論が史実の戦訓で叩き潰されてしまうなどのショックも大きかった。結局、怪異はMATで対応しきれないモノは未来兵器とGウィッチで対処するとされたため、扶桑艦艇は短魚雷、あるいはVLSのアスロックという形で魚雷搭載を続ける事になる。なお、数年後、通常ウィッチは強襲揚陸艦で、戦略に影響を与えられる力を持つか、才は無くとも、努力でその次元に至ったウィッチを空母で運用するという運用が戦争中に行われ始め、差別化が図られるようになるが、これは海軍空母ウィッチが陸軍系のGウィッチへの誹謗中傷を吐きまくっていた事実がダイ・アナザー・デイで明らかになったための施策であり、海軍の艦隊運用に口出しする黒江を『陸助のくせに生意気だ』という理由で誹謗中傷していた事が問題視されたためである。作戦前、黒江が地球連邦宇宙軍と海上自衛隊で本式の海軍軍人としての教育や研修を受けていたことが明らかにされたので、海軍空母ウィッチは進退窮まった。自分達よりも高度な海軍士官教育を受けていた。そして、地球連邦宇宙軍のパイロットであるという事。この事実は黒江の抜擢理由に充分であった。事変での嶋田繁太郎大将と堀井大将の暴走、志賀の一軒とを併せ、『海軍航空隊の赤っ恥』と後世に伝えられる一連の出来事であった。黒江は三自衛隊のあらゆる事態に対応可能なように、海自の護衛艦に乗艦する、陸自の空挺団の訓練に混じるなど、地位に反比例して、現場主義で色々オカシイことで、2014年以降は話題になっている。陸自の空挺団に一目置かれ、(黒江は世代的に挺進連隊で訓練を受けた経験があるため、ある意味では生き証人である)空自の絶対的エース、海自でも手腕を発揮する。そこまでやるか?と部内では有名人であり、海軍ウィッチがその重大さを知らされたのは、小沢治三郎が訓示をした際だった。統合参謀本部で、扶桑海軍のウィッチ達の『政治に口を出さない』を言い訳に政治が何を求めているかを理解しようともしない、という姿勢が問題になり、山本五十六、大西瀧治郎といった高官、岡田啓介、鈴木貫太郎といった長老をも悩ませた。海軍航空の縮小を進め、解体寸前まで崩し、そこから新生させる。それが長老の指示であった。ただし、長老達の指示はひどく曖昧であり、それに事務的ミスが重なった事、ダイ・アナザー・デイに続く内乱もあり、海軍航空は文字通り、若本が現場で孤軍奮闘する羽目となる。百花繚乱の時代を迎え始める扶桑皇国『空軍』と衰退する海軍航空。その兆候はダイ・アナザー・デイの時点で既に存在していた。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.