今日は以前ミレイさんからお願いされていたニーナとユフィの謁見予定日。
ナリタでの戦闘のあとすぐに連絡が来ていたが俺の予定とユフィの予定をなかなか合わせることが出来なくて今日ようやく時間を合わせる事ができた。
相手は一応皇族なので俺がいないと謁見させてあげることも出来ないからな。
ミレイさんにはすでに連絡してあり、今日の午後2時から謁見できる事を伝えてある。
ユフィにこの話をした時は本人もあの時は怖かったようで、思い出したらあの時の恐怖が甦ったようで少し涙目になっていたけど謁見自体はすぐに了承してくれた。
原作ならスザクがチョウフで黒の騎士団と戦う時に謁見が出来るのだが、俺がここにいることでこんな所にも話の変化が現れているみたいだ。
まあ今は11時でこれからの予定は何も入れていないので、謁見時間までは特にすることもない。
突然招集がかかれば俺も行かなければならないが、時期的にも今は何も起こらないはずなので心配ないはず。
俺の副官であるヴィレッタには俺のナイトメアスタッフの元に行かせてある。
彼女もナイトメアパイロットとしての腕は上の方なので、俺がラモラックで使わない新しい武器のテストを彼女にもやらせてみようと思い向かわせた。
今頃はサザーランドにも搭載可能な新しい武器の資料をレオ君と相談しあっているに違いない。
どうせなら俺の魔改造サザーランドでも預けてみようか?
あれなら大抵の武装は搭載できるだけの馬力はあるだろうし・・・・・・いや、止めておこう、あれはたとえヴィレッタでも扱いきれないと思う。
俺もそろそろラモラックの新武装案を考えて出さないとな、レオ君が早く出せってうるさいし。
どうしようかな? ミサイル発射機構を回転式に改造して、さまざまな弾を撃てるようにしようか。
出来るならばドラグーンなんかも作りたいが技術的に無理だろうか?一応駄目もとで案だけは出してみよう、出すだけなら自由だしな。
他にはなんかあるかな、ラモラックに乗せるとなると結構制限が出来るしな。
そんな事を考えながら自分の部屋でラモラックの武装改造案の書類を作っていると、外が騒がしくなった気がする。
時計を見てもまだ12時になったばかりで、お昼休憩まではまだ30分ほど残っており外が騒がしくなるような時間でもない。
しかもその騒がしさは徐々に俺の部屋に近づいて来ている気がする、女子職員の悲鳴のような声と男性職員の驚くような声がここに近づいて来ているのが部屋の中からでも聞こえてくる。
一体何事なんだ? 俺がそう思っていると、俺の部屋の扉がノックもなしに突然開き騒ぎの原因であろう2人が入ってくる。
「よぉ!! レイ、遊びに来たぜ!!」
「レイ、久しぶり」
そう言いながら俺の部屋に入ってきたのは、俺と同じラウンズであるジノとアーニャだった。
「ジノ、アーニャ、何でここに!?」
俺は突然の来訪者に驚きの声を上げる、この2人は本国警備でブリタニア本国から離れることが出来ないはずだから。
「アーニャと有給をあわせて遊びに来たんだぜ、それから1つ届け物も持ってきたんだぜ!」
ジノはそう言うと手に持ったアタッシュケースを上にあげる、あの中にその届け物が入っているらしい。
「レイ、凄く会いたかった」
アーニャはそう言うと俺に抱きついてくる、俺がここに来てから結構な時間が経っているが、そんなに俺に会いたかったんだろうか?
「アーニャ、俺も会いたかったよ、ジノもだ。とりあえずお茶でも入れるからそこに座ってくれよ」
俺はそう言ってジノとアーニャに部屋にあるソファーに座るよう促す。
2人はそう言われるとすぐにソファーのもとへ座りにいき、俺がお茶を入れるのを待つ。
俺がお茶を入れて戻ると2人はアタッシュケースから何かの資料を取り出している。
「ジノ、その資料は何だ? アタッシュケースから取り出したみたいだけどそれが届け物か?」
俺は2人の前にお茶を置きながらそう問いかける。
「ああ、レイとりあえずこの資料を見てくれよ。シュナイゼル殿下がつい先日発表されたものなんだ」
そう言うとジノは一枚の資料を俺に手渡す、俺はその資料の1行目を見て驚く事になる。
「フロートシステム!! ついに実用化したのか!?」
「なんだレイ、もう知っていたのか? まだブリタニア本国でも陛下とラウンズしか知らないのに」
俺の驚いた声を聞きジノは喜ぶ半面、俺が知っていることに疑問を持つ。
「え、ああ、ここにはロイドさんがいるから概念だけは聞いていたんだ」
確かにこれはまだ本国でしか発表されていないみたいだ、少なくともエリア11にいる俺の元にこの情報はまだ回って来ていない。
「ロイド博士もここにいるのか!! それなら知っていてもおかしくないな、ロイド博士はシュナイゼル殿下の協力で研究してるんだからな」
ロイドさんのおかげで何とかごまかせることが出来た。ロイドさんありがとう、今度プリンを差し入れます。
「これが私達の機体に載れば戦いは一変する」
アーニャがそう言って自分のナイトメアであるモルドレッドの改造案の資料を見せてくる。
「そうだぜレイ、俺のも見てくれよ!!」
そう言うとジノも俺にトリスタンの改造案の資料を見せてくる。
「ジノ、レイには私のを先に見てもらう。ジノは後にして」
アーニャはそう言うと俺の方に強引に資料を押し付けてくる。
「わかったよアーニャ、久しぶりにレイに会えたからって、痛っ! アーニャ、俺が悪かったから足を踏むなよ!!」
ジノはアーニャに足を踏まれたのか、資料をひくと足をさすっている。
俺は久しぶりの光景に思わず笑みがこぼれ、ジノとアーニャも俺が笑うとつられて笑い出す。
「こんな風にやるのも本当に久しぶりだぜ、レイも早く本国に戻って来いよ」
ジノはそう言って俺に速く戻ってくることを促す。
アーニャも同じ事を考えているのか首を縦に振っている。
「ここは黒の騎士団って言う新興勢力がどんどん力をつけてるから苦労してるんだよ。それに敵の新型はラウンズ専用機並みの性能があるんだ、データ見るか?」
俺はそう言って机の上からパソコンを持ってきて、ナリタでの戦闘の映像ファイルを開く。
その映像を見ている間は2人もラウンズの目に変わる。
紅蓮弐式が撤退して行く所まで見ると俺は映像を止めて二人の方を見る。
「どう思う、このナイトメア?」
「確かに性能は俺たちラウンズ専用機と比べても遜色ないな」
「それにパイロットも腕を上げていったら厄介」
ジノとアーニャはそれぞれ意見を述べていく。
「俺はこの右手が厄介だと思う。俺のラモラックのリボルビングバンカーが外部破壊の武器としたら、この右手は内部破壊の武器だ。現状では触れなければ問題ないが、これが改良されて触れなくてもこの武器が使えるようになったら厄介だと思う」
実際トリスタンとモルドレッドはその攻撃で一度行動不能に陥っている。
「確かにそう、でもレイならこれの攻略法も考えてるんでしょう?」
アーニャはそう言って俺に問いかける、ジノもそう思っているのか俺の方を注目している。
「手がないわけじゃないよ。このナイトメアは良くも悪くも右手が命、距離をとればこのナイトメアは敵じゃないだろうね」
ランスロットはその多彩な武器で敵を圧倒するが、紅蓮にはそれがない。
機動力はランスロットと変わりないが、距離をとりながら部隊を率いて囲めば紅蓮は討ち取れない相手じゃない。
「このナイトメア、俺一度勝負してみたいな。レイどうにかならないか?」
ジノが突然無茶なお願いをしてくる、無理に決まっているだろう。
「ジノ、ここはエリア11でお前は本国警備の任務中なんだ。今日は休暇でここに来ているからいいけど、ジノを戦場に出せるわけないだろう」
「それもそうか、このナイトメアは興味があるんだけど仕方ないか」
ジノはそう言うと諦めてくれた、まあジノからしたら本国警備が退屈なんだろう。
・・・・・・ロイドさんに頼めばランスロットと模擬戦ぐらいさせてくれないかな?ロイドさんだったら喜々として承諾しそうなんだけど。
「ジノ、ロイドさんに模擬戦がしたいって言ってみればどうだ? ロイドさんの新型が完成してるから頼めばやらせてくれるかもよ?」
「本当か!? ロイド博士に頼んでみようかな!! ちょっと連絡してみようぜ!!」
ジノはそう言うと俺からロイドさんの研究室の連絡先を聞きだして連絡しだした。
「アーニャ、ジノは本国で相当退屈だったのか?」
俺はアーニャにそう問いかける。
「ジノは本国でいつも暇そうにしている、今回ここに来るのもジノの提案」
アーニャは俺の出したお茶を飲みながらそう答える。
「そういえば有給とってきたって言ってたけどよく陛下がラウンズが2人も本国から離れることを許したな」
EUとの戦闘が何時再開するかわからない今よく許してくれたな。
「フロートシステムの資料は国家機密、だからそれの護衛をかねると言ったら許してくださった、ジノは私のおまけでついてきただけ」
要するにジノの方から誘って来たけど、段取りをとったのはほとんどアーニャってことか?
まあ昔からジノは段取りとるのへたくそだったからな、アーニャがやってあげたんだろう。
「何時までこっちにいられるんだ? 有給って言ってもそこまで長くはいられないんだろう?」
「予定では3日後の夜にはエリア11を出ないといけない」
そうなのか、ここには3日はいられるってことか、俺1日休みをとろうかな?
急には無理だろうか、予定では特に問題ないから申請して見るか。
「やったぜレイ!! 明後日なら模擬戦が出来るんだってよ!!」
ジノがそう言って俺とアーニャの方に話しかけてくる。
明後日が無理になったから3日後に休みをとろう、後で申請しにいこう。
時計を見ると何時の間に時間が過ぎたのか、もう1時30分になっている。そろそろミレイさんとニーナが政庁にやってくる時間だ、迎えにいかないと。
「ジノ、アーニャ、俺はこのあと予定があるんだ、2人はどうする?」
「俺たちもついて言ったら駄目か? 駄目なら何処かで時間を潰しておくけど」
ジノはそう返事をする、アーニャの方を見るとジノと同意見のようだ。
どうしようか、連れて行ってもミレイさん達は文句は言わないだろうけど・・・・・・それにせっかくこの2人が遊びに来てくれたんだし、連れて行くことにしようかな。
「まあいいと思う、せっかくだし2人にも紹介するよ」
そう言って俺はフロートシステムの資料を金庫の中にしまうと、2人を連れてミレイさん達が待っているであろうロビーへと向かう事にした。
ロビーで俺の到着を待っていたミレイさんとニーナの2人と合流し、ユフィの待つ部屋まで歩いているのだが空気が重い。
俺の後ろを歩くジノとニーナの顔はやや引きつっていて、俺に哀れむような視線を向けている。
そして空気が重くなっている原因とも言えるミレイさんとアーニャ。
この2人が俺を挟むように歩いている。
別に俺にくっついて歩いているわけでもなく、睨み合っているわけでもない。
ただ2人は俺を挟んで何も話さないのだ。
俺を取り合うこともせずただ俺の隣りを歩いている。
よく男1人を挟んで睨み合うと言う話を聞くのだがこの2人は一度も目線をあわさない。
この2人実は一度会ったことがある、俺とミレイさんのお見合い話の後に。
その時にこの2人が揉めたことがあって俺がその時一度キレたのだ。
今となっては俺も大人気ないことをしたと反省しているのだが、この2人はその時から馬があわず、今回会った時も形式上の挨拶はかわしたのだがその後は一切口を聞いていない。
そして間に挟まれている俺はどちらかに話しかけることも出来ず、ただただユフィの元まで進むしかない。
「そうだわレイ、今晩久しぶりに2人っきりで食事にでも行かない? 」
唐突にミレイさんが俺にそう問いかけてきた、2人っきりという部分を強調して。
「レイがこのエリアに派遣されてから私達まだ一度も食事を一緒にしていなかったでしょ? せっかくの機会だし今日は私と食事をしましょ!」
そう言いながら俺の手を取って俺の方を見つめてくる。
「ちょっと待って、レイは公務で忙しい。あなたと食事をする時間なんてあるはずがない」
俺が返事をする前にアーニャが口を挟んでくる、目にはミレイさんに対する敵意を持って。
「あなたには聞いてないわ、私はレイと話しているの。口を挟まないでくれます?」
答えるミレイさんも言葉に棘がある。
「レイはこのエリアで任務を受けている、それにラウンズとしての仕事もあるからあなたといる時間なんてあるはずがない」
「それこそレイが決める事でしょ、ねぇどうなのレイ? 私と食事する時間なんて作れるわよね、だって私達婚約者だもの」
時間が作れる事など当たり前だと言う目で俺を見るミレイさん。
「レイ、無理なら無理ってはっきり言うべき」
そう言って暗に断れと言うふうに俺を見てくるアーニャ。
「「どうなの、レイ!?」」
ミレイさんと食事していなかったのは本当だし、婚約者のことを出されると断りづらい。
それに仕事はヴィレッタを副官にした事で減ったわけだし絶対に時間が作れないと言うこともない。
「・・・・・・時間が作れないわけでもないしミレイさんと食事に行くよ」
俺がそう言うとミレイさんはガッツポーズをして勝ったことを喜んでいる。
一方アーニャはこの世の終わりのような顔になって唇をかみ締めて悔しさをあらわにしている。
「それじゃあホテルのレストランを予約しておくわ、楽しみにしていてね」
アーニャに勝ち誇った顔を向けてからミレイさんはそう言うと、携帯でどこかに連絡を取り始めた。
アーニャは悔しそうな顔をしていたが、少しすると何かを思いついた顔になる。
そしてミレイさんが電話を終えると待っていましたといわんばかりに俺に話しかけてくる。
「レイ、街を回る件だけどジノなんて放って置いて2人で行こう?」
上目遣いで俺にそう問いかけてくるアーニャ、当然2人でという部分を強調している。
「ちょ、アーニャ!?」
ジノは突然の提案に驚いているがアーニャが一睨みすると黙ってしまった。
ジノの隣にいたニーナなんて「ひぃ!」と悲鳴を上げ、顔は青ざめている。
「ジノもかまわないみたいだしいいでしょ、レイ?」
なお上目遣いで問いかけてくるアーニャ、横でミレイさんが何か言いたそうだが良い手が思い浮かばないのか、悔しそうな顔で黙っている。
「ああ、ジノがそれでかまわないのならそれでいいよ」
俺はそう言ってジノに問いかける。
「お、俺はかまわないから2人で行ってくれ(ここで俺が行くなんて言ったらアーニャに何されるかわからないぜ)」
「わかった、じゃあアーニャと2人で行こう(ごめんジノ、今度埋め合わせはするよ)」
俺とジノは目で語り合い、話を終える。
ミレイさんとアーニャはそれぞれ予定が取れた後は最初の時と同じように俺を挟んで喋らなくなった。
少しするとユフィの待つ部屋の前につき、部屋に入った。
「ユーフェミア皇女殿下、このたびの謁見の許可を頂きありがとうございます」
ユフィの前に来ると俺たち5人は跪き、俺が代表して挨拶をする。
「かまいません頭を上げてください、レイ、皆さん。あら? ヴァインベルグ卿にアールストレイム卿? お久しぶりですね、如何してこちらに?」
ユフィはこの場にいるジノとアーニャに興味を持った。
「リンテンド卿に本国から極秘資料を運ぶ任務を受けこちらに参りました。コーネリア殿下には挨拶をすませましたので、ユーフェミア殿下への挨拶を兼ねて同行させてもらいました」
ジノがユフィの質問に答えると、ユフィも納得したのか顔から疑問の表情が消えた。
「それでそちらの方々がこの間の、・・・お久しぶりでよろしいのでしょうか?」
「はい、ユーフェミア様! ニーナ・アインシュタインです。あの時は助けていただいて本当にありがとうございました!」
ニーナは頭を深々と下げてお礼を述べる。
「ミレイ・アッシュフォードです、本当にありがとうございました」
ミレイさんも後に続いてお礼を述べる。
「いえ、私は皇族としての義務を果たしただけです。お礼を言われることなんて何も・・・・・・」
「そんなことありません!! あの時のユーフェミア様は私にとって女神様のようでした!!」
(このあとニーナが褒めてユフィが謙遜すると言う状況が10分ほど続く)
「それにしても本当にお久しぶりですわね、レイにジノさん、アーニャさんと3人揃って会えるなんて」
ニーナとのやり取りに一段落つけたユフィが突然そんな話をしてくる。
「そう言えばそうですよね、本国にいた時も数回しかあえなかったですし」
ジノもいつの間にか敬語を止めて普通に話しはじめる。
「あの、ユーフェミア様はラウンズの皆さんとお知り合いなのですか?」
2人の会話を聞いたミレイさんがユフィにそう問いかける。
「ええ、レイはラウンズになる前に暴漢に絡まれていた私を助けてくれてその時お友達になったんです。ジノさんとアーニャさんはラウンズ襲名の時にお会いしてお友達になりました」
「あの時は本当にビックリしたぜ、なんせレイが会ったこともない皇族の方と知り合いだったんだからな」
「私もあの時はビックリした」
ユフィ、ジノ、アーニャの3人の説明を聞いてミレイさんとニーナは驚いた表情をしていた。
「俺だってあの時は相手が皇女様だって知らなかったからかない失礼なことをしてしまったよ」
「そんなことありません!! あの時のレイは私にとってまさに白馬に乗った王子様でした!!」
そう言ってユフィが俺のことを褒めはじめた。
初めは聞いているだけだったアーニャとミレイさんも話に加わり、三人で僕の褒め合いをし始める。
って言うかアーニャとミレイさんって仲悪いんじゃないのか? めちゃくちゃ楽しそうに話し合っているぞ。
ニーナは話には加わらずユフィの方を見て幸せそうな顔をしているし。
少しするとジノが俺の方によってくる。
「このこの、色男め。羨ましいぞ」
肘で俺をつつきながらそう言ってくるジノ。
「・・・・・・羨ましいならこのポジション変わろうか?」
「それはやめとくぜ、関係ない俺がみててもかなり恥ずかしいからな」
そう思うなら茶化さないでくれ、自分があんなに褒められていたらもはや羞恥プレイでしかないんだ。
そんなこんなで時間は過ぎ、謁見の時間が終わりに近づいてきた。
「ゴホンッ! ユーフェミア様、そろそろ時間です」
俺は咳払いをして時間が来たことをユフィ達に告げる。
「あら? もうそんな時間ですか? 仕方がありません、この話はまた次回に続けましょう」
えっ! 次回とかあるの!?
「そうしましょう、ユーフェミア様」
「そうする」
ミレイさんもアーニャも納得しないで!!
「ミレイさん、ニーナさん、これから私のことはユフィでかまいませんわ。だってもう私達お友達でしょ」
ユフィがそう言って2人に微笑みかける。
「・・・・・・そうね、ユフィ。じゃあまた今度お話しましょうね」
「ユフィ様、ありがとうございます!!」
2人もそう言って返事を返した。
そしてミレイさんはそのままアーニャの方を向いた。
「アーニャさん、私達以前のことで仲違いしてましたけどこれを機に仲直りしましょう」
そういうとミレイさんはアーニャの前に手を差し出す。
「私もあの時は悪かった、これからはアーニャでいい」
そう言ってアーニャもミレイさんの手を握り返す。
「「でもレイのことは譲らないから!!」」
2人はまったく同じタイミングでそう言ったので、お互いに笑い出した。
とりあえず仲直りはしてくれたみたいだ、これで良しとしておこう。
最後の言葉は聞かなかった事にするんだ、俺!!
「ミレイさん、アーニャさん、私もまだ諦めていませんからね」
ユフィは爆弾発言を残して退室して行ってしまった。
残された俺たちはもはや何も言うことが出来なかった、こうしてニーナの謁見は終了したのだった。
おまけ@
夜ミレイさんと食事するためにホテルに行くと、隣の席には何食わぬ顔でアーニャとジノ、そして巻き込まれたらしいニーナが座っていた。
食事中ミレイさんが俺にあ〜んを迫ってきて、俺の背中には殺気の篭もった冷たい視線が突き刺さり、ミレイさんの表情は終始にこやかだった。
おまけA
アーニャと2人で街を回っていると、行くところ行くところでミレイさんとニーナ(無理やり連れてこられたらしい)がさも偶然のように待ち構えていた。
この日は1日中アーニャが腕を組んできて終始笑顔で、その光景を見るミレイさんは終始悔しそうな表情だった。
ちなみにジノはこの日政庁にいて、俺の許可を得て、ラモラックのシミュレーターでラモラックの乗り心地を試していたらしい。
レオ君は「初めてであれだけ動かせるなんてさすがラウンズ」とジノを凄く褒めていた。
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