呉の本国――長曾我部と和平を結んでから戦も無く、比較的平和な日々が続いている。
しかし平和な光があれば、そこには時として暗く深い影も生まれるもの――
その影は呉王である孫権の屋敷を確実に覆っていた。
「…………」
仕事の合間の気分転換にと、孫権は特に用事も無く通路を歩いていた。
窓から差し込む太陽の光は眩しく、青空は澄みきっていて綺麗である。
そんな時――
「あ…………!」
通路の向かい側から――前に喧嘩をして以来――気まずい雰囲気の周喩が歩いてきた。
孫権は思わず視線を下に逸らし、彼女と眼を合わせないようにしてしまう。
「…………」
周喩は視線を合わせない孫権を一瞥した後、何の挨拶も無く横を通り過ぎる。
彼女が通り過ぎる瞬間、孫権は妙に緊張して身体が固くなる感覚を味わった。
周喩の気配が無くなった事を背中で感じた後、孫権は唇を噛み締める。
「…………ッ!」
孫権はあまりの自分の不甲斐無さに、傍にある壁に頭を打ち付けたくなる。
謝ろう謝ろうと頭では思っているのに、いざとなると正反対の行動を起こしてしまう。
自分に尽くしてくれる家臣1人に満足に謝罪も出来ない王など、自分くらいのものだ。
孫権は改めて自分が王として未熟であると思い知らされた。
そんな彼女の様子を少し離れた場所で物陰から見つめる影が2つ――
1つは心配そうに孫権を見つめ、もう1つは呆れ顔で見つめていた。
「孫権様……長曾我部と和平を結んでから、ず〜っとあんな調子ですねえ」
心配そうに見つめているのは、周喩に続く呉の軍師である陸遜。
隠しようにも隠しきれない豊満な胸は今日も健在のようである。
「オマケに周喩と会うといっつも険悪な雰囲気だし、勘弁してほしいよ」
呆れ顔で見つめているのは孫権の実妹である孫尚香。
彼女は最近屋敷内に漂っている険悪な雰囲気に耐えかねているようである。
落ち込んだ様子でその場を後にする孫権を見送った後、孫尚香は深い溜め息を吐く。
その後、彼女は溜め込んでいた物を吐き出すように叫んだ。
「もう嫌! シャオ、こんな屋敷はウンザリ!」
そう言うと孫尚香は身体中から覇気を発しつつ、その場から去ろうとする。
「あ……! ま、待って下さいよぉ〜〜〜」
陸遜は初めて見る彼女の姿に驚きながらも、慌てて後を追い掛けた。
孫尚香が向かったのは自身の部屋であり、そこへ飛び込むように入る。
そしてすぐに何処からか大きめの風呂敷を取り出し、部屋中の軽い荷物を纏めていった。
「あ、あの〜……小蓮様?」
後を追い掛けて部屋に入った陸遜はその様子に思わず彼女へ声を掛けた(小蓮は真名)。
その声に孫尚香は「何……?」の一言と共に陸遜を一瞥する。
「ど、何処かへお出掛けするんですか? 荷物を纏めていると言う事は……」
「そうよ。もしかしたら物凄く長いお出掛けになるかもしれないけどね」
荷物を纏め終わり、固く結ぶと孫尚香は風呂敷を背負った。
まるで泥棒のような姿であるが、彼女は気にしていないようだ。
「物凄く長いお出掛けって…………まさか家出するつもりですか?」
「そうね。何時頃帰るかは分からないし、家出って事になるかもね」
シレッと答える孫尚香に対し、陸遜が慌てて家出を止めようとする。
「そ、それはいけません! 孫権様が心配しますよ!」
「周喩といつも喧嘩してるお姉ちゃんなんか、シャオは知らないもん!」
「……確かに最近孫権様と周喩様は険悪ですが、きっと仲直りをしますよ」
「そんなの何時になるか分からないもん! シャオはもう我慢の限界なの!!」
孫尚香が頬を膨らまし、自分なりの精一杯の抗議をしてみせる。
傍から見れば微笑ましい光景に見えなくもないが、陸遜にして見れば威圧感がある物だ。
一歩下がった陸遜の隙を突くように孫尚香は彼女を押し退け、部屋から出た。
「とにかく何と言われようと、シャオはここから出て行くからね! もう止めないでよ!」
「だ、駄目ですよ小蓮様ぁ。私は孫権様に何と御詫びの言葉を言えば良いんですかぁ……」
陸遜の必死の訴えを、孫尚香は鼻で一蹴する。
「黙ってれば良いの。もしお姉ちゃんに聞かれた時は、街に出掛けてるって言えば大丈夫!」
「そんな無茶苦茶なぁ……! いくら何でも嘘や知らぬフリを通すには限界がありますよ」
「そこら辺は軍師の知恵で解決して。それから絶対に私を裏切らないでよ? 信じてるからね」
「ううっ……絶対に無理ですってばぁ!」
涙眼を浮かべる陸遜だが、もう家出をする決意を固めた孫尚香には無力である。
そして孫尚香は勢いよく走り出し、颯爽と陸遜の前から姿を消した。
「本当に行っちゃった…………私はどうすれば良いのぉ……!!」
孫権への忠義と孫尚香からの信頼と言う2つの物に挟まれ、陸遜は激しく苦悩する。
どちらを取っても悪い結果しか出ないような気がする――陸遜もかなりの苦労人のようである。
◆
呉で1つの騒動が起こってから数日後――幽州は変わらずの平和な日々を送っていた。
ある者は訓練に、ある者は見回りに、ある者は暇潰しに街へ、ある者は書類整理――
幽州にとっての平和はこのローテーションが毎日続く事だ。
「うえ〜〜〜……暑いわぁ」
そんな中、元親の部屋で情けない声を出しながらダレている女性が1人。
正体は関西弁と気さくな人柄が――兵士や一部の武将に――好印象の霞だ。
霞はいつも羽織っている上着を脱ぎ、衣服はさらしと袴だけと言う刺激的な格好をしていた。
「霞……気の抜けるような声を出すな。それと上着を着ろ」
同じく部屋で椅子に腰掛ける水簾は呆れた表情で霞を一瞥し、手に持つ本に視線を戻す。
ほんの少しだけではあるが、彼女の額にも汗が流れていた。
「せやかて暑いんやもん。服も脱ぎたくなるし、気の抜ける声も出したくなるやんか」
「暑い、暑いと思うから余計に暑くなってしまうんだ。涼しいと強く思え」
「…………この暑さでそんな事を考えられる奴の顔が見てみたいわ」
今日、幽州は今までにない猛暑に襲われていた。
昨日の過ごしやすかった気温がまるで嘘のように感じられる。
その為か、あちこちで暑さに倒れる者やダレる者が見られた。
「孟ちゃん達もこんな日によく街に出掛けていくなぁ。尊敬するで」
「お前も曹操達を見習ったらどうだ? 何かが変わるかもしれんぞ?」
「いや〜ん。ウチは今のままでええ」
そう言うと霞は絨毯の上に大の字で寝転がり、柔らかな表情で眼を閉じた。
彼女の表情はまさしく至福の時を身体全体で味わっている物である。
しかし今までの彼女達の行動を見て苛々している者が他に3人居たりする。
「お前達……先程からご主人様の部屋で何を好き勝手やってるんだ!!」
苛々している者達を代表し、愛紗が水簾と霞を怒鳴った。
彼女もまた、今日の猛暑に参っている者の1人らしい。
水簾と同じく、彼女も額から汗を流していた。
「私はご主人様と涼しい話でもしようかと思って来ただけだ……」
「ウチはチカちゃんとゆったり過ごそうと思って来たんや。それにチカちゃんの部屋って風当たりが良いし、暑さを忘れられるんやもん」
2人の理由を聞いた愛紗は、思わず頭が痛くなるような感覚に襲われた。
何と自由に満ちた理由であろうか――元親なら簡単に承諾しそうで怖い。
「それにしても肝心のチカちゃんの姿が来た時から見えへんけど……どうかしたんかなぁ?」
「……元親なら街の鍛冶屋に出掛けてるぞ。直してもらった槍を取りに行ってるんだ」
桜花が大量にある書類を整理しながら言った。
その言葉を聞いた霞と水簾の顔が驚愕に歪む。
「ちょっ……ええっ!? どうしてそないな大事なことを早く言ってくれなかったん!」
「そうだぞ伯珪! それを聞いていれば、ここで待たずに鍛冶屋へ行ったものを……!」
「お前等が勝手に入って来てダレてたんだろうが! そんな奴等に教える義理は無い!」
桜花、霞、水簾が「う〜〜〜」と唸りながら睨み合う。
全てはこの猛暑のせいだろうが、傍から見れば猫同士の喧嘩のようである。
愛紗はもう付き合いきれんと言わんばかりに、彼女達を無視する事にした。
「それにしてもご主人様遅いですね。もう帰っても良い頃なのに……」
すぐ傍で行われている喧嘩を愛紗と同じように無視し、朱里が帰らない元親の身を案じる。
しかし愛紗はそんな心配は無用だと言うように、首をゆっくりと横に振った。
「きっと寄り道をされているんだろう。鍛冶屋が届けてくれると言うのに、あの人は……」
「御自身の大切な武器ですからね。届けられるのを待っていられないんですよ、きっと」
「確かに……ご主人様はそう言う御方だ」
2人がそんな噂をしていると、ドスドスとこちらへ歩いてくる足音が聞こえてきた。
恐らくと言うか、予想するまでも無いが、足音の正体は先程まで話をしていた元親だろう。
そして豪快に勢いよく部屋の扉が開けられた――
「暑いなぁおい。いやいや、参ったぜ」
「お帰りなさいませ、ご主……………………!?」
「どうしたんですか? 愛紗さ……………………!?」
部屋に帰ってきた元親を迎えた愛紗が、今の彼の姿を見て言葉を失った。
そんな彼女を疑問に思った朱里もまた、元親の姿を見て言葉を失う。
喧嘩をしていた3人も、振り向いて見た元親の姿に釘付けの状態だ。
「どうしたんだお前等。急に固まっちまって」
「も、も、も、元親……その格好は?」
「ん……? ああ、これか」
桜花が震える手で元親へ指を指し、問い掛ける。
しかし当の元親は呆気らかんとした顔で答えた。
「今日は外がクソ暑いだろ? だから思い切って上着を全部脱いだんだよ」
そう、今の元親の格好は上半身裸の状態なのである。
眼帯は付けているし、下は勿論穿いているが、上半身は何も身に着けていない。
ちなみに脱いだ上着は――元親が好きなのか――少し長めの腰巻と化していた。
「「「「「…………」」」」」
愛紗達は思わず元親の上半身を食い入るように見つめてしまった。
今まで元親の胸や腹筋は何度も見てきたが、上半身全てを見たのは初めてだ。
鍛え抜かれた肩、無駄な肉など一切無い腰回り、魏との戦の時に付いた傷痕――
恋する乙女達を夢中にさせるには充分な物である。
「……何だお前等。人の身体をジロジロ見やがって」
流石の元親も視線の多さに居心地が悪くなり、愛紗達を注意する。
元親にそう指摘された後、ハッと我に返る愛紗達。
「コホン……も、申し訳ありません。ご主人様」
「はわ、はわわ……! やっぱりご主人様って良い身体してる……!」
「さ、流石に元親は並の鍛え方をしてないな。うん」
「兵士達はご主人様を目指すと言っているが……無理だな」
「ええもんを見させてもろうたわぁ。流石はウチの心の人……!」
全員の顔が風邪を拗らせたように真っ赤だった。
しかし各々の感想が何か含みがあるような感じがするのは気のせいだろう。
「まあ、とにかくだ。見な、これが俺の新しい相棒よ!」
そう言うと元親は、肩に掲げていた新しい碇槍を全員に見せた。
今まで元親の身体に眼が行っていた愛紗達だったが、今度はちゃんと碇槍に眼を向けた。
その姿を見た愛紗達は思わず「おお……」と、称賛の息を吐く。
以前の碇槍は先端が黒く染められていたが、今の碇槍は全体が炎のように赤い。
大きさは以前と変わらないが、鎖で飛ばす先端の刃が細くて太いVの字型になっている。
更に先端を繋ぐ鎖は店主が気を利かせたのか、以前よりも太くなって頑丈さが増していた。
「素晴らしい出来ですね。ご主人様が更に戦場で輝くのが眼に浮かびます」
「はは、ありがとな。俺も早く新しい相棒に慣れて、手に馴染ませたいぜ」
愛紗に褒められ、元親が照れ臭そうに頭を掻いた。
そんな彼の姿を、霞が羨ましそうな眼で見つめる。
「チカちゃんも武器を新しくしたんなら……ウチも同じ物に変えたいわぁ」
「お前に武器を新しくするぐらいの金があるのか……?」
「…………それを言わんといてや水簾。言ってみただけやて」
そんな会話が陰で交わされているのを元親は知らない。
そして用事が済んだ元親は愛紗、朱里、桜花に言われ、仕事に戻ろうとした時――
「お兄ちゃ〜〜〜んッ!!」
けたたましい声と共に、元親の部屋の扉が開かれた。
そうして入って来たのは鈴々。猛暑でも彼女の元気は健在らしい。
目立つ登場をした為か、一斉に元親達の視線が鈴々に集まった。
「どうした鈴々。このクソ暑いのに元気が良いな」
「はにゃ? お兄ちゃんはやけに涼しそうな格好してるのだ」
「ああ、まあ気にするな。それでどうしたんだ?」
「うん。あのね…………鈴々、川へ涼みに行きたい!!」
◆
幽州のとある市――その中を小柄な少女が元気良く歩いていた。
褐色の肌に紫の長髪を白いリボンで纏め、白と赤を混ぜた色の衣服を身に纏っている。
反面、腹部と足は必要以上に露出しており――少女ながらも――少々派手な衣服だ。
「これが長曾我部の治める街か……思ったより賑やかね」
少女――孫尚香は呉を飛び出してから数日間、馬を使って幽州までの道のりを歩いていた。
今まで追手が来なかった事を考えると、どうやら陸遜は姉に告げ口をしなかったらしい。
彼女にはただの家出と言っておいたが、孫尚香には自分なりの思惑があった。
(お姉ちゃんと周喩の仲を拗らせる原因になった長曾我部元親……“幽州の鬼”とか言われてるらしいけど、きっと何か疾しい事があるに違いないわ。シャオが化けの皮を剥いで、お姉ちゃん達に報せてやるんだから。そうすれば……)
長曾我部の本心を暴けば、きっと姉も同盟の件を考え直し、周喩との仲も修復される――
孫尚香は自分なりに実姉や周喩の事を心配していたのである。
「いつまでも街を見物している訳にもいかないし……何処かで長曾我部の情報を得なくちゃね」
孫尚香は辺りに親切そうな人は居ないか、見回して探し始めた。
しかし女性陣は忙しそうに市を走り、男性陣は何気に強面が多い。
どうしようかと悩んでいた時、街の人々の話し声が孫尚香の耳に届いた。
「太守様、今日も森にある川で釣りをするのかな? 俺、見掛けたけど」
「それは違うだろ。俺も見たけど、張飛様や諸葛亮様達も居たぞ」
「そうなのか。それじゃあ水浴びかな? 今日はかなり暑いし」
孫尚香の眼が輝き、一目散に話をしていた人々の元へ駆け寄った。
話をしていた人々曰く、詳しく訊いてきた彼女は「危機迫る様子で怖かった」と言う。
◆
「それにしてもまあ……よくこれだけ小さい奴等が集まったなぁ」
適当な岩に腰掛け、感心したように吹く元親。
彼は未だに上半身裸のままだが、川が近くにあると格好が普通に見えるから不思議だ。
「ふふふ。そうですわね」
そんな彼の右隣にしっかりと座り、微笑を浮かべる紫苑。
彼等の眼の前には川で遊ぶ鈴々達、背丈が普通の女性より小さい面子が勢揃いしていた。
着ている服を濡らさないように気を付けているが、既にずぶ濡れの者が何名か居るのはご愛敬だ。
鈴々の『川へ涼みに行きたい』と言う提案から始まった今の光景は元親によってすぐに承諾された。
無論愛紗、朱里、桜花は仕事優先と猛反対したのだが、元親が時間を掛けて説得したのである。
――――後から書類整理を全力でやると言う約束を取り付けられたが。
その後、鈴々が色々な者達に一緒に来るよう呼び掛けたのである。
説得された朱里、鈴々に連れられた璃々、華琳の付き添いから帰った桂花と季衣、月と詠の侍女組、大喬と小喬の姉妹――偶然に偶然が重なり、背丈が低い面子が集まったのだ。
それと元親だけではこの面子を纏めきれるか不安と言う理由で、各陣営の保護者も集めた。
全ての女性達の母親的存在である紫苑、魏軍の纏め役的存在である秋蘭、面倒を看るのは得意と豪語する霞と、珍しい組み合わせが集まった。
他にも星、翠、水簾と付き合いたい者達が居たのだが、見回りの交替や訓練で行けなかった。
残った愛紗と桜花は仕事、恋はご飯、華琳は興味が湧いた文献の読解、春蘭は訓練と、何とも凄い偶然である。
「お〜い! あんまり深みがある場所に行くんじゃねえぞ!」
「「「「は〜い!!」」」」
元親が手を上げ、遊んでいる鈴々達に注意を促す。
一部の者が元気良く返事をした後、彼女達は遊びを再開した。
「ふふふ。元親殿はまるで皆の父上みたいですね」
そんな元親の姿を見た秋蘭は微笑を浮かべ、ゆっくりと空いている左に座った。
「そうかぁ? 璃々にも時々言われんだが、俺ってまだそんな歳じゃねえぞ?」
「歳などは関係ありません。何と言いますか、元親殿はそう感じさせるんですよ」
「秋蘭ちゃんの言う通りですわ。ご主人様にはそんな素質がありますよ」
紫苑と秋蘭に挟まれながら言われ、元親は頭を無意識に掻く。
何と言うか、少しだけ照れ臭かった。
「褒められてるような、そうでないような、微妙な感じだな」
「紫苑も妙ちゃんも褒めてるんやで。チカちゃ〜ん」
そう言いながら霞が後ろから元親の首に手を回し、ゆっくりと抱き付く。
彼女の豊満な胸が元親の背中に当てられるが、元親は特に何の感想も無いらしい。
呆れたように軽い溜め息を吐き、元親は霞に言う。
「霞……後ろから急に抱き付くのは止めろって言ってんだろ?」
「ええやん。こんなに良い女が抱き付いてるんやから、普通はもっと喜ぶとこやで?」
「……けっ! な〜にを言ってやがるんだよ。ったく」
2人のやり取りに思わず微笑ましさを感じる紫苑と秋蘭。
だがそんな様子を草むらから見つめる影が1つあった――
「とうとう見つけたわよ……長曾我部元親。シャオが必ず本心を暴いてやるんだから」
人影はそう呟き、決意の瞳を燃やした。