虎の章/第48’話『仲間の故郷にて〜孫仲謀の葛藤〜』
コンコン
……ん、今誰か扉を叩いたか?
でもまだ日も昇ってないし、多分気のせい──
「直詭ー、起きてるー?」
……気のせいじゃなかったのか……
てか、今の声は雪蓮か?
こんな時間に何考えてんだ?
「ね、姉様、やはりまだ寝ているのでは?」
「みたいだねー。ちゃっかり鍵も掛けてるみたいだし、どうするのお姉様?」
「ふふっ、ここは私に任せなさいな。こんな鍵くらい力技でどうとでも──」
ガチャ
「扉の前で物騒な物言いはやめろ」
「あ、起きてた」
「おはよ、ナオキ♪」
「……起こしてしまったかしら?」
「あぁ、起こされたとも。三人揃って何の用だこんな時間に……?」
孫家の三姉妹が揃いも揃って……
鍵を掛けてなかったら間違いなく入って来てたな。
「起きてくれて何よりだわ。さ、直詭も行きましょ♪」
「行くってどこに?」
「釣りよ釣り!今くらいの時間から行かないと、案外釣れないのよ?」
「朝から私は政務があると言ったのだが、姉様には逆らえなくて……」
「シャオは全然大丈夫だよ♪」
「……行くなら三人で行って来いよ」
「あら、孫家の三人だけで行かせるつもり?刺客に襲われたらどうするの?」
「雪蓮がいるだろうが……」
「でもナオキが一緒に来てくれた方が安心できるよ?だから一緒にいこ♪」
「ゴメンね直詭。二人とも、言っても聞かないから……」
「……ハァ、でも俺、釣り具とか持ってねぇぞ?」
「釣竿くらい、その場で作れるからいいわよ。ね?行きましょ?」
正直な話まだ寝てたいんだけど……
蓮華だけならともかく、雪蓮と小蓮が一緒となると断るのはほぼ無理だな。
仕方ねぇ、付き合うか。
「じゃあ得物持ってくるから待ってろ」
「別にそこまでしていく必要ないわよ。城の近くの小川だし」
「念を押すのは俺の勝手だろ?付き合うんだからそのくらい許せって」
「やっぱりナオキは真面目だね。ちゃんとシャオたちのこと守ってくれるってことでしょ?」
「そのくらいはさせろ」
「……あ、ありがと、直詭……」
「蓮華、お礼を言うなら恥ずかしがらないほうが良いわよ?」
ホントにこいつらは……
何で蓮華だけこうも性格違うかな……?
「それじゃ、出発〜♪」
●
雪蓮を先頭に目的の場所へと向かう。
まだ月が沈み切ってないから足元どころか目の前すら暗い。
雪蓮は大丈夫みたいだけど、蓮華と小蓮は俺の腕にしがみ付いてる。
……小蓮は何か楽しそうだけどな。
しばらく歩いて、目的の小川へと到着した。
到着して早速、雪蓮が人数分の釣竿をこしらえてくれた。
んで、この中では一番釣りの経験があるからだろうな。
雪蓮が俺たちに釣りのレクチャーを始めだした。
「──で、こうやって釣り上げるの。分かった?」
「分かりましたが、私に釣れるかどうか……」
「とりあえずやってみようよ♪ほらナオキ、シャオの横座って♪」
「別に場所くらいどこでもいいだろ?」
そんなこと言いつつも、一応は小蓮の横に座る。
んで、俺の反対側には蓮華が腰かけた。
その蓮華の更に隣に雪蓮が座って、いざ釣り開始だ。
始まって、皆釣り糸に視線を注ぐ。
さっきまではしゃいでた雪蓮や小蓮も無言になった。
まぁ静かなのは良いことだけど、こうも変化が激しいとちょっと驚かされるな。
「……ん?よっと!」
「わ!ナオキが一番乗りだ!」
「ちょっと大きめね。やるじゃない♪」
「あんまり釣りの経験はなかったんだけどな、ボウズにならなくてよかったよ」
「……ぼうず?」
「一匹も釣れなかった奴の事をそう言うんだよ」
「これは敗けてられないわね。私も直詭に負けないくらい大きいの釣らなきゃ!」
「シャオも頑張ろっと!」
「わ、私も一応……」
気張り過ぎても良いことないぞ?
聞いた話だと、出来るだけこっちの気配は消したほうが良いらしいし。
そんなにやる気満々だと、むしろ魚が逃げて行くんじゃねぇか?
「お!また釣れた」
「また直詭〜?ちょっと、場所変わってよ!」
「場所の問題か?まぁいいけど……」
「まったく姉様は……」
ま、この位の我が儘なら可愛いもんだろ。
言われるがままに雪蓮と場所を交代して、また糸を垂らす。
「さぁ……来い来い!」
「お姉さまやる気だねぇ」
「当たり前でしょ?一番経験あるのに、敗けてられないわよ!」
「だからって、すぐに場所を変わるのはどうかと……」
「あんまり喋ってると魚が逃げるんじゃねぇのか?」
「おっと、それもそうね。じゃ、みんな真剣にね」
──それから大体30分くらい……
「よっと!んー、さっきよりは小さいか?」
「ちょっと直詭!何で直詭ばっかり釣れるのよ!?」
「知らねぇよ。魚に聞け」
「お姉様〜、シャオもう飽きちゃったよぉ〜……」
「私だってそうよ……もういいわ。シャオ、果実とか探しに行きましょ?」
「はーい」
「蓮華はどうする?」
「私はまだしばらく続けます」
「じゃあ直詭、蓮華の事よろしくね。あ、魚焼くときの火は私が付けるから、先にしちゃダメよ?」
「へいへい」
「じゃあ行ってきまーす」
一匹も釣れねぇから本格的に飽きたな……?
二人とも、言うが早いかさっさと森の中に入って行った。
「ん〜っ!ちょっと俺も休憩かな」
「かなり良い調子で釣れてたのに休むの?」
「6匹も釣れりゃ上々だろ。それに、エサが近くに2つもあったら魚も迷うだろうしな」
「へぇ?私に気を使ってくれたの?」
「そう言うことにしといてくれ」
釣竿を置いて、近くに落ちてる小枝をいくつか集める。
んで、持ってきた刀を使って串をこしらえていく。
ついでだし、火を起こす時用に薪も集めておくか。
「……ねぇ直詭」
「ん?」
「ちょっとだけ、話をしても良い?」
「改まってなんだよ?」
別に深刻そうな表情じゃない。
何気ない会話って感じだろうな。
「……その、直詭はどう思ってるのかって、ちょっと知りたくて」
「何をだよ?」
「ほら、姉様が言ってたでしょ?私たちとの間に子を作れって……」
「……あぁ、それか」
「それなりの付き合いにはなったけど、まだ誰ともそう言う行為はしてないんでしょ?」
「夜這いかけてきた奴はいるけどな」
「いるの?!」
「あぁ。誰とは言わねぇけど、俺も心の準備とか整ってなかったし、長々と話し合ってその場は帰ってもらった」
「……じゃあ、今日も鍵を掛けてたのって……?」
「まぁ念のためと言うか……そう言うことするなら、それなりに場とか心とか整えないと相手にも失礼だろ?」
「……思ったよりも真剣に考えてるのね?」
「あの時雪蓮に言われたからな。俺の価値を決めるのは俺自身じゃなくて、俺の事を見ている人だって」
「そう……」
ヒトの価値を決めるのは他人だって雪蓮は言った。
なら、俺の価値を誰かが決めるように、相手の価値を俺が決めることもあるはずだ。
子作りなんて簡単には言うけど、女性の方にはすごい負担がかかるし一大事でもある。
そんなに軽々しくやるのは失礼だし、相手を軽んじてるんじゃないかって思わさせられるからな。
「でも、鍵は掛けなくていいんじゃない?直詭の事を好きだから部屋まで行ってるんだろうし……」
「雪蓮とか祭とかは、一緒に夜更かしして酒呑もうっていう理由でも来るんだよ。今日は仕事が昼からの分だけだから今こうして付き合ってるけどな」
「ふふっ……なら、掛けざるを得ないわね。でも、今日みたいに開けてくれたりはするの?」
「仮に蓮華が訪ねてきたらか?」
「えぇ。聞いておいてもいいでしょ?」
「まぁ、その時に起きてれば開けるだろうな。てか、来る気か?」
「へ?!あ、いや、その……!そ、そう!単なる確認よ!」
「あ、そう」
多分だけど、蓮華ならちょっと駄弁りに来る程度だろう。
だから普通に開けそうだけどな俺。
てか何を狼狽えてんだ?
「そ、そう言えば直詭!あなたの方はどうなの?!」
「俺の方ってどういう意味だよ?」
「だ、だからその……!こここ子作りする気はあるのかって言う……!」
「……恥ずかしいなら聞かなくていいのに」
「で、でも!私だって気にはなってるのよ?!私だって無関係じゃないから!」
「そんなに怒鳴ってると魚が逃げるぞ?」
「魚とか今はどうでもいいの!直詭はどうなのかって聞きたいの!」
じゃあ何しにここに来てんだよ……?
「答えて直詭!あなたは、その……私たちと子作りするというか……夫婦になる気はあるのかってこと!」
「何でそんなに切迫してんだよ……?」
「ね、姉様の言ったこととは言え、直詭にその気があるかどうかは知りたいじゃない!?」
「……ちょっと落ち着けって」
「私は冷静──」
「うっせぇ」
このまま放っておくとまだまだ怒鳴るんだろう。
だから、蓮華の口に指を当てて黙らせる。
突然の事に、蓮華も目を白黒させてる。
「っ?!」
「取り敢えず一回深呼吸でもしろ。話の続きはそれからだ」
「……わ、分かったわ」
こんな状態の奴と何話したって仕方ない。
まずは落ち着いてもらわないとな。
「落ち着いたか?」
「え、えぇ……」
「取り敢えずだな……女の子が子作りだのなんだの、大声で言うことじゃねぇと思うって先に言わせてもらうからな」
「あ、あぅ……」
「まぁ、興奮したらそうなるのも仕方ねぇか」
蓮華の横に腰を下ろす。
自分で言ったことの恥ずかしさに気づいたんだろう。
蓮華の顔は耳まで真っ赤で、俺の方を向かないように俯いてる。
ったく、勢い任せで何言っても良いわけじゃねぇんだから……
「で、俺に子作りする気があるかって話だったな」
「え、あ、あぅ……」
「取り敢えずそれに答えるとするなら、今はそこまで考えてないってのが本音だ」
「か、考えてないって……」
「一言に子作りって言っても、腹を痛めて子を産むのは相手になる。それに、そのための行為にだって、多少なりに痛みはあるって聞いてる」
「そ、そうなの?」
「聞いた話だけどな」
「でも……我が子は目に入れても痛くないとかって言うんでしょ?なら、お腹に子供を宿すくらい……」
「そう簡単に割り切れねぇ性格してんだよ俺は。お互いに好きだったとしても、相手に辛い思いさせるんじゃねぇかとか考えると、そのための行為に及ぶのに躊躇する」
「……ちょっと考え過ぎじゃないの?」
「俺はそうは思ってない。それが、男なりの責任だと思ってるからな」
「直詭……」
「別に愛し合いたくない訳じゃねぇぞ?俺は皆の事、それぞれに好きだし」
「っ?!」
「……何で驚いてんだよ……?」
「だだだだって、そんなにハッキリ……!」
「……こういうのは遠回しに言わないほうが良いだろうが」
「で、でも……!いきなり、その……すすす好きだなんて言われたら、誰だって驚くわよ!?」
「……悪かったよ。でも、本心だぞ?」
「そ、それはその……な、直詭の目を見たら、分かるけど……」
そうは言いつつも、蓮華は俺の方をチラチラとしか見ようとしない。
……まぁ、俺の言い方が悪かったと判断しよう。
「──のことも……?」
「ん?今なんて言った?」
「え、えっと、その……わ、私の事も、好きかって聞こうかと、思って……」
「……………」
「ちょ、ちょっと!黙らないで答えて?!」
「じゃあちゃんと言うから、俺の方を見てくれる?」
「え?」
「横顔見ただけでも、曖昧な返事はしてほしくないって分かるからな。だから、俺もちゃんとした言葉にするから、蓮華もちゃんと俺の目を見て聞いてほしい」
「……………わ、分かったわ」
少し蓮華の息が荒い。
まぁこんな話してるんだ。
しかも、俺の言い方も悪かった部分はあるだろう。
だからきっと、それなりに鼓動が早くなってるんだろうな。
……ぶっちゃけ、俺もそれなりに早くなってるんだけど……
「言っていいか?」
「……(コクン)」
「じゃあ……俺は、蓮華の事が好きだ」
「……………」
「一つの大きな目標に向かって、真正面から必死にぶつかって行く、その真剣なところが好きだ」
「……………」
「まだまだ俺が知らない部分もあると思う。これからは、そう言った部分も見せてくれると嬉しいかな」
「……………」
「……言い終わったぞ?」
「へ?!え、えぇ、ちゃんと聞いてたわ!」
「聞いてるのは分かってるけど……俺にだけ言わせるのか?」
「どどどどういう事?!」
「こういうのは、お互いに言い合ったほうが良いんじゃないかと思っただけ。別に俺の一方的な言葉だけで蓮華が納得するならそれはそれでいいけど」
「えっと、それは……」
「言葉にするのが恥ずかしいなら、無理にしなくてもいいぞ?」
「……………」
俺がそう言っても、蓮華は俺をじっと見つめたまま。
少し口が動いたけど、何を言う訳でもない。
いつの間にか蓮華も釣竿を横に置いてたことに今気づいた。
「……ね、ねぇ直詭?」
「ん?」
「私は今の直詭みたいに、自分の気持ちをしっかりとした言葉にできない」
「俺だって、全部が全部を言葉にしたわけじゃねぇよ。今言葉に出来るものをそのまま言っただけだ」
「それでも、私の事をしっかりと見ててくれたって、すごく伝わってきた。それがすごく、嬉しいの」
「そっか」
「直詭にだけ言わせるのは不公平だし、私も自分の想いを言うべきだとは思うんだけど……」
「そんなに深刻に考えなくてもいいぞ?」
「ダメよ。言わせっぱなしじゃ、次期王として示しがつかないわ」
「今ここに二人きりなのに、誰に示すんだよ……?」
「そ、そんなことはいいの!私も私なりに返事はしないといけないの!」
「……じゃあ、ちゃんと聞いてやるから、言ってくれよ」
「え……?あ、うん……でも、言葉じゃちょっと……」
「ん?」
「い、言ったでしょ?言葉にすることはできないって」
「まぁ言ってたけど……じゃあどうすんだ?」
「……怒らない?」
「何に?」
「え、えっと……今からすることに……」
「何するんだ?」
「ぇ……ぁ……ぁぅ……こ、言葉にさせないで!」
さっき以上に蓮華の顔が赤くなった。
そんなに恥ずかしいならしなきゃいいのに……
「無理してほしくないんだけど?」
「で、でも!」
「……何かの責任に駆られてするべきだとか、そう思ってるなら聞かねぇぞ?」
「え?」
「あくまでさっきのは、俺が言いたかったから言ったんだ。蓮華自身が、王とかそう言うの関係なしに、俺に返事をしたいと思ったうえでの返事しか聞かない」
「直詭……」
「それで初めて公平だ。今ここにいるのは、俺と蓮華って言う、二人の人間。身分とかそんなのはどうだって良い」
「……分かったわ。じゃあ直詭」
「ん」
小さく深呼吸した蓮華が、少し俺との間を詰めてきた。
言葉じゃなくて行動で何かしらの返事をするつもりなんだろう。
だからそのまま、蓮華の行動を待つ。
「こういうこと……やったことないから、下手かもしれないんだけど……それでもいい?」
「……蓮華のやり方で良いよ」
「うん、ありがと直詭」
蓮華が小さく頷いた。
んで、ゆっくりと蓮華の顔が俺の顔に近づいてくる。
「姉様たちには内緒だからね?」
「言ってほしくないなら黙ってる」
「約束よ?」
「あぁ」
そのままさらに近づけてきて、唇同士が一瞬触れた。
その一瞬に蓮華はドキッとしたのかすぐに離したけど、でもまた唇を重ねて来る。
「んちゅ……」
「ちゅっ……」
唇からお互いの熱が伝わってくる。
どこかほんのりと甘い。
ただ単に柔らかいだけじゃなくて、唇から蓮華の鼓動もわずかに感じられる。
「ちゅ……はむ、ぇろ、れぇろ……ちゅむ……っ」
「はぁむ……んちゅ、れぉ、れろ、ちゅむ……じゅる……」
一度唇を重ねて気が楽になったんだろうか?
徐々に大胆に、今度は舌も絡めて来る。
互いの唾液が混ざり合って不思議な味だ。
口からこぼれるそれすら求めるように、俺もどこか吸い寄せようとする。
「……んぷぅ、れぇろ、れろ……はふ、ぁ……んちゅ……」
「ちゅむ、ふぅ……れろ、ぇろ、はむちゅ、んぅ……」
唇を離すのがお互い惜しいんだろう。
いつまでも相手を求めるように貪って行く。
気がつけば、蓮華の手が俺の太ももに置かれている。
その手が徐々に上の方に──
ガササッ!
「「っ?!」」
突然、近くの草むらから物音がする。
それに過敏に反応してお互い一気に顔を離す。
「ナーオキー!見て見て、こんなに一杯見つけてきたよ♪」
「十分な収穫でしょ?これだけあれば朝食には充分──あら?」
小蓮は兎も角、雪蓮は俺たち二人の挙動がおかしいことにすぐ気づいたらしい。
俺ら二人の顔が赤いこととか、蓮華に至っては口元を抑えてることとか……
それを見て、あからさまにニヤニヤとしてる。
「ふ〜ん♪シャオ、戻ってくるのがちょっと早かったみたいよ?」
「へ?なんでなんで?」
「そそそそんなことはありません!ちょ、ちょうど釣りも区切りを付けようと思っていたところで……!」
「今し方手を離したようには見えないけど?」
「え、えっと、それは……!」
「……雪蓮、さっさと飯にしねぇか?あんまり帰るのが遅いと、冥琳辺りにどやされるぞ?」
「ふふっ、それもそうね。あ、串も薪も用意してくれてたの?じゃあ、焼いちゃいましょうか♪」
……何をどこまでやったかまでは兎も角、雪蓮には大抵の事はばれてるんだろう。
あの勘の鋭さは反則だしな……
「じゃあ焼き始めるわよ」
「はーい♪」
「あ、直詭?」
「ん?なんだ雪蓮?」
「ちょっと耳貸して?」
俺が返事する前に、雪蓮は俺の耳元に口を寄せていた。
「(帰ったら、私とシャオにもよろしくね♪)」
「っ?!」
「ふふふっ♪期待してるわよ♪」
「……ナオキ?どうかしたの?」
「……なんでもねぇよ。果実の方は俺が皮剥くから寄越しな」
……帰ったら帰ったで、一体どれだけいじられるんだろうか……?
少し蓮華の方に目を向けて見れば、これまでにないくらい顔が真っ赤だ。
「……コレはアレだな、俺の責任と言うことにしておくか」
後書き
何て言うか、はい……
呉ルートの例のイベントが近づくにつれて心が痛みます。
私なりのストーリーにはするつもりですが……
……どうなるんでしょ?(ガクガク
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