三度目ながら覚えてもらっているかは怪しい限りなので再度紹介を。

俺の名は天谷佳克(あまやよしかつ)、GXの世界へとやってきた転生者という奴だ。

最近、ヨシカツと呼び捨てにする奴が増えてきた。

まあそれはいい事なんだが。

GXの世界ではデュエルモンスターズでの勝敗が全てを決める。

まあ、ごく一部リアルファイトをする奴もいるが、社長のようにリアルファイトをする奴をカードで止める奴もいる。

床を切り裂いてめり込んでたなそう言えば、あのカードはチタン製なのだろうか(汗

それはともかく、前回の十代とのデュエルの後、いらないカードをカンパしてもらった結果。

枚数にすれば50枚近いカードが集まった。


いいカードもいくつかあった、例えば戦士の生還が手に入った事は大きい。

墓地のカードを回収する方法は今の所前回やった魂の解放と異次元よりの帰還のコンボだけだった。

禁止と制限を行ったり来たりする死者蘇生やリビングデッドの呼び声、

何れ禁止カード化する早すぎた埋葬などはともかく、何かないと戦線維持が難しい事もあるだろう。

鳳凰神の羽根も手に入った、同じ墓地回収ではあるが、こちらは難点が多い。

墓地のカードなら何でもいいという汎用性の高さはいいのだが、手札を一枚捨てないと使えないため重い。

更には、デッキトップに戻るため、ドローカードとコンボしなければ次のターンまでお預けという事になる。

使いどころを間違わなければ強力なカードなんだが……。

後、微妙ではあるが使えそうなカードに投石部隊などもある。

それから何と言っても荒野の女戦士がもう一枚手に入ったのは大きい。


当然ながら使えないカードも多い、

アーメイル、一眼の盾竜、魔装騎士ドラゴネス……この3枚融合素材と融合モンスターカード。

アーメイルと一眼の盾竜のステータスは同じで攻撃700防御1300もちろん通常モンスター。

融合後の魔装騎士ドラゴネスの能力は攻撃1200防御900もちろん通常モンスター。

なめてる……絶対なめてるだろ!

いやだって、下手すると融合しないほうが使えるんだからこれ……。

融合しない状態でもやっぱ使えないけどw

まあ、融合前も融合後もレベル3なんだけどさ、結局アタッカーにも壁にもならない。


そして! カードイラストをみて思わずクリボーかと思った通常モンスター。

屋根裏の物の怪、レベル2で攻撃550に防御400。

見た目は殆どクリボー、精霊も出てきそうなんだけども……、ローレベルのファンデッキでも組まないと使えない。


まあ、そんな訳でとても組みこめないカードも結構あったけど、それなりに戦士族のデッキになった。

キーカードなんておこがましいが、異次元よりの帰還が今の所一番のキーカードかな。

異次元戦士族なんて形もいいかもしれん。

もっとも、そのためには色々と不足している訳だが。主にDPが。

まあ、異次元デッキはどのみち仕込みのカードが増えすぎてバランスが崩れやすくなる。

十代のような鬼引きがあれば別だが……。



「おーい、ヨシカツ! そこらへん見学してこようぜ!」

「十代、わかった。今準備する!」



幸いにしてと言うか、十代とは前回のデュエルで友人として認識されたっぽい。

そういえば、十代って前半はいいけど、後半は悲しい奴だったよな。

あれだけ友人に裏切られまくった主人公も少ない。

白の勢力が出てきては裏切られ、ゾンビになって裏切られ、訳の分からない疑心のせいで裏切られ。

まー、再度対戦するための理由付けなんだろうけど、そりゃ覇王にもなるっての……。

あの頃の十代、仲間ってカードの事だもんな……本人意識してるかどうか知らないけど明らかにいじけてるよ。

せめて俺くらいは仲間でいてやろうと思う。

覇王になった十代も格好いいしカードも嫌いじゃないけど、十代がかわいそうだ。



「なっ、どうしたんだいきなり妙に優しげな目をして」

「いや、何でもない。じゃあ行こう!」

「おっ、おう、行くぜ翔!」

「うっ、うんアニキ!」



そういえば、十代と見学ってーと、万丈目と取り巻きが来るんじゃ……。

そう言っている間にも、十代がデュエルの匂いがするとか騒ぎ始めた。

デュエルしている事が遠方からでも分かるってどんだけ(汗



「臭う、臭うぞ! デュエルの匂いだ!」

「えっ、勝手に入っちゃっていいの!?」

「駄目だろ……」

「だよね、ヨシカツ君……」

「おい、こっちこっち! すっげーぜ!」



これは、デュエルフィールドか、野外や試験会場とは少し違う。

観客を意識した、いわばドーム球場のようなものだ。

流石には入れる人数は限られるが……。

どちらにしろ、ここでデュエルする意味はあまりない。

何故なら最新式のデュエルディスクと言う事になっているこれは、単体でソリッドヴィジョンを展開できるからだ。

そうじゃなければ、野外でデュエルなんて出来るはずもないんだから当然だ。

もちろん、音響施設や体感設備が最新らしいので、多少違うのかもしれないが。

あくまで、観客のための施設だと思われる。

とはいえ、おのぼりさん化している十代にそんな事は関係ない。



「ふぁー凄いね」

「まあ、楽しめるならなんでもいいけどな」

「じゃあ、やって見ようぜ! ヨシカツも戦士デッキ出来たんだろ?」

「ああ、そうだないっちょやってみるか!」



思わず十代に乗せられて、ブルーの取り巻き共の事を忘れていた。

そう言えばいたな、ああいうの……。



「という訳にはいかないんだなこれが」

「ここは、オベリスクブルー専用のデュエルフィールドだドロップアウトのお前たちが来る所じゃない!」



そう言って、入口にある紋章を見せる。

巨神兵のマーク……のはず。だが偉くスリムになってるなオイ。

社長、もしかしてオベリスクが太めなの気にしてたのか……。



「うーん、ならお前、俺とデュエルしないか?」

「……誰かと思ったら」

「万丈目さーん、クロノス教諭に勝った110番ですよ」



すると上の方で斜に構えていた万丈目が俺達に気付く。

そして、少し眉を動かした。

まあ、この当時の彼は2人の兄のプレッシャーの前に虚勢を張らなくてはならなかったから、威張り散らしているが。

まだデッキはあまり強力なものが無かった気がするな。

はっきり言えばフィニッシャー級のモンスターがなかった。

まあ、出す時間が無かっただけという気もするが。

後に、VWXWZやアームドドラゴン等それなりのフィニッシャーも手に入れるが、

VWXYZは手札消費が激しすぎるのが難点だし、アームドドラゴンは進化するのに時間がかかるため、

長い間アームドドラゴンを生かし続けるかレベル系マジックカードを必要とする上、効果は手札消費が必要になる。

まあ、アニメは裏守備がないので、モンスター破壊はしやすいが。

同じレベルモンスターでも安定性の高いホルスの黒炎竜と比べるとどうしても見劣りする。

おジャマデッキを手に入れるまでの彼は今一ぱっとしないデュエリストと言うイメージがある。

あっ、そういえばヘルバーナーがいたな。

あれが元々のフィニッシャーだったのか、すっかり忘れていた(汗

漫画版ではライト&ダークネスドラゴンをフィニッシャーとする強力なデュエリストだが。



ともあれ、なんだかんだで帰って夕食を食べた後、十代はお定まりの呼び出しを受ける。

俺はあんまり関係なさそうだなと思い、同室の濃い面子とデッキについて話していたら、十代に呼びだされた。



「どうかしたか?」

「ああ、昼の奴らに呼びだされたんだが、お前も来いって」

「へ?」



まあいいか、そういえば……。

オリ主はこういう時、取り巻きの一人とやるのがお約束だっけか。

まあ、あんまりメタな事言ってるとやばそうなのでこれくらいにして。



「わかった、皆ちょっと行って来る」

「がんばるっちゃー」

「おう!」



俺達は一路あのデュエルフィールドへ向かう事になった。

何かと言えば結局のところ、オベリスクブルーの教師長になるクロノス先生を破った十代が気に入らないと言う事だ。

万丈目は十代にデュエルをしかける、まあそんなわけで大喜びで食いつく十代とのデュエルが始まった。

その時、俺はというと、取り巻きの一人が俺を部屋から連れ出し、校舎の裏庭に来ていた。

取り巻きは2人いて、一人はごつい男、そして目の前にいるのは眼鏡をして髪をなでつけた女声の男だ。



「お前、ギルフォード・ザ・ライトニングを呼び出したって本当か?」

「十代とのデュエルか、もう知れ渡ってるんだな……」

「本当なんだな……」

「ああ」

「ギルフォード・ザ・ライトニングはデュエルキングの友人城之内さんの愛用カードだ。

 お前なんかに使える訳があるか!

 俺とそのカードを賭けてデュエルしろドロップアウト!」

「そう言う事か、彼のファンも結構いるもんだな」



なるほど、ギルフォード・ザ・ライトニングはかなりのレアカードだったらしい。

売店で売っているレベルにおいては、だが。

とはいえ、戦士系の上級モンスターなんて今の時期、城之内のカードが多いんだが。

戦士族は殆ど遊戯と城之内が使っていたから、遊戯のは下級が多かったし。

アニメや漫画に出てこない戦士系のカードはまだ少ない、パラメーターが微妙な通常モンスターを除けば。

まあ、ゲートガーディアンが実は戦士族なのはここだけの内緒だw



「あのカードはオベリスクブルーの俺にこそふさわしい」

「ってことは、戦士系のデッキってことか」

「お前とはレベルが違うがな」

「なら、アンティを受けてもいい、ただし俺がお前に求めるのは増援の魔法カードだ」

「増援、そんなもの勝ったら2枚でも3枚でもくれてやるよ!」

「ありがとう、じゃあ始めるか」

「「デュエル!」」

取り巻き:LP4000   佳克:LP4000



今の発言、凄くありがたい。

まあ、俺が勝てるとは限らないけれど、増援こそ戦士系の最重要カードといっていい。

覚えている限り、GX時代は2枚までつっこめたはず。

元の世界では1枚だけしか入れられなかったが、この時代なら2枚いれられるからかなり使い勝手がいい。



「先攻はもらった! 俺のターン、ドロー!」



はぁ……また後攻か……反撃には向いているが。

デッキ的にはそんなギミックはないからな……。



「俺は、手札から切り込み隊長を召喚!」

切り込み隊長:効果モンスター/星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400


「そして、その効果を発動! レベル4までのモンスターを特殊召喚できる!

 俺が召喚するのは2体目の切り込み隊長!」

切り込み隊長:効果モンスター/星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400


「なっ!?」

「そう、切り込み隊長には2つの効果がある。

 一つ目は召喚された時に、レベル4以下のモンスターを特殊召喚する効果。

 もう一つは戦士族以外のモンスターがいない時、攻撃目標を自分にする効果。

 しかし、切り込み隊長が2体揃うと、どちらも自分にしか攻撃させない効果を発動するため、

 結局どちらも選択出来ず、攻撃をする事が出来なくなる。

 これぞ切り込み隊長ロック!」

「へぇやってくれるね……」

「フンッ、俺はオベリスクブルーだぞ、オシリスレッドのドロップアウトとは違うんだ。

 お前なんかすぐさま倒して見せる!

 俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」



へぇ、いきなり切り込み隊長ロックとはやるな。

俺は少し感心していた、というか舐めていた自分を反省する。

確かに、所詮は取り巻き、無茶な強さは持っていないだろうが、

それでも、オベリスクブルーには違いない、既に3年以上のデュエル経験があると言う事なのだ。



「俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードはっと、ふむ、マジックトラップが3枚、モンスターが3枚、バランスのいい引きだな。

戦士の生還が最初から手札にあるのはいい事だ、しかし、使いどころが難しいな。


荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200

投石部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻 900/守2000

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


お、これならロック外しは難しくないかもしれないな。



「俺は荒野の女戦士を守備表示で召喚! カードを一枚伏せてターンエンド」

荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200


「ドロップアウトの考えそうなことだ、守備表示でしのげるなんて甘い考えだって教えてやる!

 俺のターン、ドロー!」



俺が守備表示でしかモンスターを出せなかったと思っているようだな。

まあ、むしろそう思ってくれた方が助かるんだが。



「俺は、ロケット戦士を召喚!」

ロケット戦士:効果モンスター/星4/光属性/戦士族/攻1500/守1300


「更に、永続魔法、連合軍を発動する!

 連合軍の効果発動!

 自分フィールド上にいる戦士族、魔法使い族のモンスターの数×200ポイント戦士族モンスターの攻撃力をアップする!

 俺のフィールドにいる戦士族は3体! よって600ポイントアップ!」

切り込み隊長:攻撃1200→攻撃1800

切り込み隊長:攻撃1200→攻撃1800

ロケット戦士:攻撃1500→攻撃2100



「これならもう決着がついたようなものだな!

 行くぞ! 切り込み隊長で荒野の女戦士を攻撃! 突撃斬!」



切り込み隊長によって、荒野の女戦士は破壊され消えて行く。

いつも損な役回りしてもらってるな……まあ、効果が効果だから仕方ないんだが。



「墓地から荒野の女戦士の効果発動!

 レベル4以下の地属性戦士族モンスターを攻撃表示で特殊召喚する!

 俺が召喚するのは荒野の女戦士!」

荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200


「ふん、続けてもう一体の切り込み隊長で攻撃!! 突撃斬!」

『キャァーー!!』



切り込み隊長に攻撃を受けまたも破壊される荒野の女戦士。

その後更に俺まで剣風で煽られる。

十代にいろいろカードをもらったおかげで助かった。

荒野の女戦士沢山持ってたよな……。


佳克:LP4000→LP3300


「荒野の女戦士の効果発動! 俺は翻弄するエルフの剣士を攻撃表示で特殊召喚する!」

翻弄するエルフの剣士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200


「破壊耐性持ちか! だがダメージは受けてもらうぜ!

 ロケット戦士で攻撃! 行け無敵モード!!」


ああ、そう言えばそんな感じだったな。

ロケット戦士は文字通り手足を胴体に収納しロケット噴射で突っ込んでくる。

翻弄するエルフの剣士はつばぜり合いをしていたものの、剣先がそれてロケットは俺に突っ込んできた。

芸が細かいな……。


「ぐぁぁ!!」

佳克:LP3300→LP2600



「これでターンエンドだ!」



ダメージを与えて気をよくしたんだろう。

あえて、無敵モードの事は説明しない取り巻き、まああれだ、自分から攻撃をする時ロケット戦士は戦闘では破壊されない。

そして、攻撃した後相手が戦闘破壊されない場合攻撃力をエンドフェイズまで500下げる。

この2つの効果がある。

そして、翻弄するエルフの剣士はエンドフェイズまで攻撃力900になっていた。



「俺のターン、ドロー!」



新しく来たカードは……、今の所は使い道はないな。

しかし、上手く行った事は事実だが、それでもピンチには違いない。

やはり連合軍が厄介だ、攻撃力の増幅で一線級とは呼べないモンスター達がかなり強化されている。



「俺は投石部隊を守備表示で召喚する!」

投石部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻 900/守2000



「また守備表示か!」

「そして、投石部隊の効果発動!

 自分フィールド上の戦士族モンスター1体を生け贄に捧げ。

 このカードの攻撃力以下の守備力を持つ表側表示モンスター1体を破壊する。

 俺は翻弄するエルフの剣士を生贄にささげ、切り込み隊長を破壊!

 カタパルトブレイク!」

『グワァー!!?』

「切り込み隊長が破壊された事により、連合軍の効果がダウン!」

切り込み隊長:攻撃1800→攻撃1600

ロケット戦士:攻撃2100→攻撃1900




ここが実は案外難しい、投石部隊は自分を生贄にする事も出来る。

しかし、それをすると壁がなくなる。

というか、さっきの翻弄するエルフの剣士を守備表示で残すのも一つの方法だった。

ただし、攻撃力1900以下のモンスターには戦闘破壊されるためあまり意味はない。

投石部隊を残せば防御力が2000と大きいため一応の壁は出来るが、相手の場には連合軍がある。

攻撃力を増幅すれば下級モンスターとて2000を超える攻撃力を持つ事もある。

どれが一番いいとは言い切れないのがこういう状況之難しい所だ。

全く、モンスターが来すぎるのも問題だな……。



「カードを一枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」


今奴の手札が2枚、俺の手札は4枚、手札アドバンテージは俺にあるが、フィールドは奴の方が有利だ。

ここらで一手こちらも用意しないとな……。



「今までは切り込み隊長ロックを維持するために出さなかったが。

 もう、遠慮はしない!

 俺は切り込み隊長を生贄に! 無敗将軍フリードを召喚!」

無敗将軍フリード:効果モンスター/星5/地属性/戦士族/攻2300/守1700



いいカードを持ってるな。

あれと王宮のお触れを組み合わせれば、相手のトラップや速効魔法を気にせず攻撃できるようになるんだが。

まあ、俺もデッキが重くなるかもしれないが。

外したい上級もいなくはないので、微妙な所だ。



「連合軍の効果で攻撃力400アップ!」

無敗将軍フリード:攻撃2300→攻撃2700


「これでフリードの攻撃力は2700、もう止める事は出来んぞ!

 無敗将軍フリードで、投石部隊に攻撃! 挟撃・騎馬軍団!」

「トラップカード発動! 弱体化の仮面!

 攻撃モンスター一体の攻撃力をエンドフェイズまで700下げる!」

「なっ!?」



ふぅ……危なかった……、上級を出してくるとは思わなかったからな。

連合軍との合計で2700突破されていたらやられていた。



「くそ! ターンエンドだ!」

「俺のターン! ドロー!」



今回引いたカードは……よし!

これなら何とかできそうだな。



「俺は鉄の騎士ギア・フリードを攻撃表示で召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


「気でも狂ったか! 俺の場のモンスターは攻撃力2700と1900だぞ!」

「そんな訳がないだろう、俺のデッキのもう一つのエースモンスターを紹介してやろうって言っているんだよ」



そう、このカードも十代にもらったカードだ。

というか、十代はパックの引きも神がかり的だからな……。

隼人の奴にマスター・オブ・オージーをやったりするくらいだ。

よっぽどレアを集めまくってるんだろう。

俺としちゃうれしい限りだがね。



「マジックカード発動! 拘束解除!」

「何!? 拘束解除だと!!??」

「鉄の騎士 ギア・フリードを生贄に捧げ、デッキから剣聖−ネイキッド・ギア・フリードを特殊召喚する!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:効果モンスター/星7/光属性/戦士族/攻2600/守2200



生贄に捧げと言っているが、画像的には鎧がはじけ飛んで中身の筋骨隆々な兄ちゃんが現れたようにしか見えない。

原作でも、ソードマスターの種族は力が強すぎるので鎧で拘束して力を落としているとか言ってた気がするな。



「更に、ネイキッド・ギア・フリードに装備魔法稲妻の剣を装備! 攻撃力が800ポイントアップ!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:攻撃2600→攻撃3400


「そして、ネイキッド・ギア・フリードに装備カードが装備された事により効果発動!

 表表示モンスター一体を破壊する! 俺は無敗将軍フリードを破壊! サウザンドソードブレイカー!!」


効果で発生した無数の剣が無配将軍フリードを囲み、串刺しにする。

かなりグロになりそうだが、刺さった時点ではじけて消えているので血等は出ていないようだ。



「くそっ!」

「無敗将軍フリードを破壊した事により、ロケット戦士の攻撃力が低下!」

ロケット戦士:攻撃1900→攻撃1700


「そして、ネイキッド・ギア・フリードでロケット戦士を攻撃! ネイキッドブレイド!」



ロケット戦士を切り裂いた剣の衝撃派がそのまま、眼鏡の取り巻きに襲いかかる。

流石にエフェクトが派手だな、取り巻きなんかふっ飛ばされてないか?



「ギャー!!??」

取り巻き:LP4000→LP2300



投石部隊は守備表示のまま残してある。

そして、念のために……。

これを張っておけばそうそうやられないはず……。



「カードを一枚伏せてターンエンド!」

「おっ……俺のターン!

 ドロー!!

 んっ…………?

 ああ、そうか……。

 クククッ、ハハハッ、はぁーっはっはっは!」



カードを引いたとたん眼鏡の取り巻きは狂ったように笑いだす。

よほどいいカードを引いたんだな……。



「知っているか? 剣聖−ネイキッド・ギア・フリードは凄いモンスターだが、欠点も大きいって事を」

「完璧なモンスターはいないはずだから当然と言えば当然だが?」

「そうじゃない、剣聖の弱点はな、コレだ! 装備魔法発動! 強奪!」

「強奪だと!?」



やられた!

確かに強奪によるデメリットは剣聖−ネイキッド・ギア・フリードのほうが他のカードより大きい。

元の世界では禁止カードだったが故に頭に入っていなかった。

この時代はまだ強奪も制限カードとして使える!



「剣聖−ネイキッド・ギア・フリードを俺のフィールドに召喚!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:効果モンスター/星7/光属性/戦士族/攻2600/守2200


「更に!

 装備魔法が装備された事により剣聖−ネイキッド・ギア・フリードの効果発動!

 サウザンドソードブレイカー!! その忌々しい投石部隊を切り裂け!!」



そう、強奪は装備魔法カード、

剣聖−ネイキッド・ギア・フリードは装備魔法カードを装備する毎にモンスターを一体破壊できる。

つまり、このままでは俺のフィールドはガラ空きと言う事になる!

そして、俺の残りライフは2600、ダイレクトアタックを食らえばライフはゼロになってしまう。

それだけはさせない!



「速効魔法発動! 我が身を盾に!

 ライフを1500払い発動! フィールド上のモンスターを破壊する効果を無効にし破壊する!」

佳克:LP2600→LP1100


「剣聖−ネイキッド・ギア・フリードを破壊!」

「なっ、なにィ!?!?」



上級モンスターが増えた分モンスターを保護できるカードが必要という事で入れたんだが。

いや、カードをくれたのはルームメイトの亀村亀太郎、なんというか太っ腹だ。

しかし、まさかこんな使い方をする事になるとはな……。



「おっ俺は……、斬首の美女を召喚し……ターンエンド」

斬首の美女:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1600/守 800

連合軍効果

斬首の美女:攻撃1600→攻撃1800



最後のカードはアイドルカードといったところか、ちょっと物騒だが。

これで奴の手札はゼロになった。

かく言う俺も残り一枚、次のドロー次第だな。



「俺のターン! ドロー!!」



手札に来たのは……突進!

これなら、このターンをラストターンに出来る!



「俺はフィールドの投石部隊を生贄に捧げ、効果発動! 斬首の美女を破壊! カタパルトブレイク!」

『キャーッ!?!?』

「何!?」

「手札よりマジックカード戦士の生還を発動! 鉄の騎士ギア・フリードを手札に戻す! そしてそのまま召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600

「そして、ギア・フリードでダイレクトアタック! 行け! 鋼鉄の手刀!」

「だが、そいつでは俺のライフは削りきれない!」

「それはどうかな、手札から速効魔法発動! 突進! ギア・フリードの攻撃力が700ポイントアップ!」

鉄の騎士ギア・フリード:攻撃1800→攻撃2500


「なにィーーーーーーーー!?」

取り巻き:LP2300→LP0



どうにか勝利した、奴の手札消費が激しかったお陰で勝てたともいえるか。

十代のようにドローソースを沢山積んでいる訳でもない以上、ガス欠も早かったわけだ。

戦術に関して言えば、恐らく俺とさほど変わらない気がするな。



「ふぅ、流石に言うだけの事はあったようだな」

「負けた俺に塩を塗る気か!!」

「いや、実際そう思ったんだよ。俺はこう見えてデュエル歴は長いんだ、10年くらいはやってる。

 学校でやっていなかっただけの事だ、その俺を追い詰めたんだからなかなかだと思うぜ」



実年齢は20歳以上なわけだしな……。



「フンッ今日は調子が悪かっただけだ! しかし……約束は約束だ。

 アンティの払い、これでいいだろう」

「ああ……まさか本当にくれるとは思わなったよ」

「フンッ、お前たちのようなドロップアウトと違って俺は約束は守る。

 いいか! 今回のはまぐれだからな! 口外するんじゃないぞ!」

「わかってるよ」



案外悪い奴ではないのかもしれない、とはいえ、デュエルに選民思想を持ちこんでいるのは事実だが。

まあ、今回は増援の魔法カードを手に入れられた事でよしとするか。

戦士族デッキの要だからな、そういえば十代達はどうなっただろうな……。

いやまあ、原作通りならとっくに寮に帰ってるか。

俺も疲れた……、帰って寝る事にしよう。






あとがき

今回はテンプレ風に取り巻きと闘わせてみました。
ただ、かなり強かったかもしれないですねw
下手するとこの頃の万丈目より強いかも知れん(汗
まあ、万丈目には破壊輪と防御輪のコンボがあるので、万丈目のほうが有利かな。
そしてまー、ミラーマッチ風にして見ようと思い、相手も戦士族でやってみました。
今回パワーはむしろヨシカツのほうが高かったかもしれないですねw



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