「ゴップ閣下!」

「おお、オクスナー君かどうしたのかね?」


焦って飛び込んできたオクスナー少将を見て少し驚くゴップ。

だがゴップ自身言いたい事の検討はついていた。


「ジオンが動いたか?」

「はい! 既にクラナダを落とし、サイド1方面に向けて艦隊を動かしているようです」

「恐らく、私が依頼した偵察が引き金となったのだろうね」

「……その可能性もあります」


オクスナーはゴップの手前誤魔化すように言うが、十中八九そうだろうとみていた。

対してゴップはむしろ表情を緩めてすらいた。


「なるほど、それは願ってもない事だ」

「は?」

「彼らは恐らく我らが艦隊を改修している事を知っているだろう。

 そして、艦隊レベルで活動出来るほどの数を揃えるには2ヵ月は必要だ」

「なるほど」

「そして、ジオン側も時間が欲しいのは同じなのだよ。

 恐らく新型MSを持っている事は偵察をもって割れた、なら量産したいのが人情だろう?」

「それは……」

「だが、今は新型機が全体に行きわたっている等という事はないだろう。

 2割も出来ていたら凄いとすら思うよ」

「確かに、否定する要素はないですな」


実際、ジオン側のMS事情はかなりお寒い。

本来より11ヵ月前の開戦であるためザクUの生産期間が1ヵ月だけしかなかった。

更に破棄される予定のMSをなんとか使える様に整備しながら進軍している状態だ。


「そんな現状で開戦すれば、隙も大きくなるとは思わないかい?」

「隙……」

「サイド1に防衛用の艦隊以外のほぼ全てを回した。

 サイド2側はかなり手薄になってるはずだね?」

「それは……確かに」

「なら丁度いい。サイド1と2にミサイルをありったけ送ってやりたまえ」

「と言いますと?」


ミノフスキー粒子下では広域にチャフを展開されたのと同様に、電波はまともに反応できなくなる。

だから、オクスナーからすれば役に立たないものを送ってどうする気なのかと思った。

しかしゴップはいつもの調子で言う。


「嫌がらせだよ。彼らは宇宙要塞を出してくるんだろう?

 そんな大きなものに対してなら誘導なんて必要ないはずだ。

 まっすぐ飛ばしてひたすら攻撃を加えていれば相手は勝手に疲弊する。

 数の優位を徹底的に押し付けるのが吉だろうね」

「確かにその通りですな」


誘導が使えない事を逆手に取る作戦だった。

時間があれば誰でも思いつく作戦だろう、しかし今直ぐ、電波が使えなくなる状況に適応出来る人間は少ない。

今まではチャフ等により限定的に使えなくなる事はあっても、戦域全体が使えなくなる事は想定していなかった。

だから、使えないというデメリットは考えられても使えないなら使えないなりに作戦を練る事に関してはまだまだだ。

ゴップは既にその使えないなりの作戦を作る事が出来る、軍政だけの人間ではないのだとオクスナーは理解した。


「とはいえ、いくら急いでも各サイドやルナ2からの持ち込みだ半日程度はかかるだろう。

 サイド1の戦いはもう終わっているかもしれないがね」

「どちらが勝つと思いますか?」

「わからんよ。連邦軍全体で当たるならともかく、奴らはサイド1つの防衛隊と比べれば強大だ。

 だからそのままなら勝てないだろう。

 しかし、彼は最初から戦争を想定して動いていた。

 ならば何某かの策があるんだろう」

「策ですか」

「見せてもらおうじゃないか、未知の敵への戦術をね」


ゴップは楽しそうに手を組む、オクスナーには彼が何かをすると確信しているのがうかがえた。

そもそも、艦隊の改修をしなければ勝ち目が薄い以上、どのみち待つ以外の方法はない。

ゴップの自信を信じてみるしかないとオクスナーは判断した。



機動戦士ガンダム〜転生者のコロニー戦記〜





第二十話 前哨戦



ソロモン、アクシズ、ペズン、ロードスと名付けた宇宙要塞を盾にしながら進軍を進めるジオン軍。

当初の想定よりも多少遅くなっているのは否定できないが、それでももうすぐサイド1が見えるだろう。

本来は奇襲の予定であったため、この様な作戦を取るつもりはなかった。


だが、ギレンやキシリアの仕掛けた策謀が次々看破され、奇襲等不可能なほど監視の目を気にする必要が出て来た。

そして、このままいけば連邦艦隊がミノフスキー粒子に対応してくる可能性すらあった。

こんな状況で奇襲効果等期待できるはずもなく、進軍計画は何度も前倒しになり、不足する戦力は要塞コロニーで補う。

現状考えられる最善のやり方であると、ドズルも納得していた。


無論不安もある、サイド1で迎撃してくるのはジオンの策略を次々看破した男だ。

MSはサイド1,2同時攻撃の予定からサイド1のみに絞った事でほぼ予定通りの戦力がある。

ただし、旧式主体であるため戦闘力という意味では連邦を絶対的に圧倒出来るとは言い切れない。

サイド1を壊滅させたらこちらの艦隊も半壊していたでは済まされないのだ。

何故ならサイド1防衛隊は連邦の全宇宙艦隊から言えば10分の1程度にしか過ぎないからだ。


「やるしかないか」

『敵艦隊への核攻撃ですか』

「そうだ、数に限りがあるとはいえMSの生産が間に合えば増強は可能だ。

 コロニー攻撃用の予備を艦隊戦に回す」

『了解しました』


ドズルはコロニーへの直接攻撃と違い敵艦隊への核攻撃そのものに否定的だったわけではない。

問題は、核攻撃に対する反撃が来る可能性とコロニー攻撃のために盛大に消費する予定の核の予備を減らす不安だ。

ただ、ドズルもその辺り麻痺してきている事に気が付いていなかった。

核攻撃というものが、一般人にどういう衝撃を与えるのかという事を。



「月の影から出ます」

「ミノフスキー粒子散布開始。特に要塞周辺は綿密にな」

「は! ミノフスキー粒子散布開始!」


実の所、隕石をベースとした要塞コロニーは大きすぎ視認する事が出来るため意味は薄い。

ミサイル等の誘導やレーダーを誤魔化す事が出来てもその存在は丸わかりだ。

しかし、ほんの数分でも誤魔化せればその分サイド1に近づく事が出来る。

遠距離からのミサイル飽和攻撃等されたら、要塞とはいえかなりの被害が出る事になりかねない。


「戦闘濃度に散布しながら、サイド1に接近せよ。

 各要塞は敵艦隊の捕捉を急げ!」

「はっ! 各要塞に通達、目視による索敵を急げ!」


当然、ミノフスキー粒子下においては、レーダー等役に立たない。

赤外線や可視光線を使えば索敵可能ではあるが、問題点も多い。

赤外線は細く射程が短く、広範囲をカバーするのに向かない。

可視光線は盛大に見えるので、相手側に丸わかりだ。

結局の所、電波を使わない方法は視認が一番という事になる。


隕石は核パルスエンジンを複数つけてかなりの速度を出している。

初速をつければ逆噴射しない限り減速しない宇宙において、基本的に必要なのは初速をつける作業だけ。

速度そのものは、音速の十倍以上でも問題なく維持できる。

後は、目的地に向けての微調整と減速のための噴射剤が必要なくらい。


ミノフスキー粒子の尾を引きながら、月の影から4つの隕石要塞が姿を現す。

ソロモンとアクシズという大型を中心とし、ペズン、ペンタらの比較的小型の隕石要塞が並んでいる。

これらの要塞には砲もあるが、何より補給が可能である点が大きい。

皆工廠を備えているため、修理だけでなく新規生産も可能だ。

実際、これらの工廠ではザクUの生産が今も進んでいる。


その後ろを艦隊が陣形を維持しながら進んでいく。

艦隊規模はサイド1防衛隊よりも多いが、砲の数や火力いおいては劣っている。

正面から殴り合って勝てるのはグワジン級くらいのものだろう。

チベ級重巡洋艦は同じ巡洋艦であるサラミスよりも上という程度、サイズ的にも砲撃船においてマゼランの相手は出来ない。

大多数を占めるムサイ級に至っては、元々仮装巡洋艦の様な代物の上MS格納庫に圧迫されて砲はお粗末に過ぎた。


それを補うためにMSは可能な限り持ってきてはいる。

更に要塞にはMS適正の無いパイロットや新兵用にガトルを配備している。

機動兵器の数では恐らく後れを取る事はないし、MSの力で圧倒出来ると踏んでの布陣だ。


「敵艦隊発見しました! 艦種まではまだわかりませんが、その数は1000を超えています!」

「長距離ミサイルを準備しておけ、艦隊が完全に月の影から出ると共に発射する!

 仕掛けがされてあれば何らかの反応は出るだろう」

「は、全艦ミサイル発射準備!」


どのみち、ミノフスキー粒子で周辺の誘導は出来ないため、その範囲外に出るまでは直進するミサイルを積んでいる。

その辺りはジオンの方が何年も進んでいる、ミノフスキー粒子についての研究は博士亡命後も続けていたのだ。


十分前後で隕石要塞らが完全に姿を現す。

そして、それらの要塞や艦隊から一斉にミサイルが発射された。

暫くはまっすぐ進んでいたが、範囲から出ると活発に動き始め、どんどん爆発していった。

思ったより近くで爆発した事もあり、核の爆圧が艦隊にまで届いてくる事になった。


「っどうした?」

「恐らくですが機雷かと思われます!」

「機雷だと!? つまり敵軍は我らの進軍ルートを見通していたという事か!?」


ドズルはこの状況に対しかなり不味い流れだと予想していた。

ジオンは宣戦布告をしすぐさまクラナダに奇襲、戦闘が終わり次第補給してサイド1方面に進んだ。

そのままサイド1を奇襲出来れば一番良かったのだが、相手が防衛準備をしている事は予想していた。

相手がこちらの及ばない様な監視方を持っているとすればあり得る話ではあった。

だが、進軍ルートに機雷の敷設となれば、もっと不味い。

なにせ相手の予定通り動かされていると考えなければならないからだ。

相手側はこちらに対しての切り札すら持っている事を前提に戦わねばならない。


「機雷といえどミノフスキー粒子下では電波による誘導は出来ん。

 絶対当たらないとまではいかないが、命中率は低下するだろう。

 機雷原の特定は出来るか!?」


機雷を散布されている範囲の特定が出来れば、対処はそう難しくない。

恐らく砲撃戦に持ち込むために、敵艦隊との距離がサラミスの射程範囲に入る程度になっているはずだとドズルは予想する。

ならば、隕石要塞を盾として使い艦隊は機雷原の後ろから射撃をする。

そして、MSを展開すれば逆転は容易だ。


「はっ! 見る限り敵艦隊主砲の射程ギリギリ辺りに設置されていたようです。

 今の核爆発によって3割程度は吹き飛んだものと思われますし、ニュートリノの影響で誘導機能が失われたものもあるはずです。

 恐らくは残り半数程度であるかと」

「ふむ、ならば隕石要塞を押し立てMS戦が可能なラインまで前進する!

 敵艦隊の砲撃が多少当たっても構わん!

 但し、兵士らは爆発が届かない内部まで避難しておく様通達しろ!」

「ははっ!」


最初から躓く可能性は覚悟していたが、核ミサイルは今のでほぼ使い切ってしまった。

核バズーカ様に改修を施したものなら売るほどあるが、流石に艦艇の砲から発射するには規格が違い過ぎる。

次に撃つ時はMSの展開後となるだろう。

つまり、相手の攻撃をいかに無効化して接近するかが重要になってくる。

だが、ドズルは軍人としては猛将であっても知将とは言えない。

コンスコンもドズルよりはマシだが艦隊司令としての経験の話であり、奇策に対処するのには向かない。

ギレンも天才と言われているが謀略での話であり、艦隊司令としても優秀だがこの場にはいない。

ドズルは多少の不気味さを感じたものの他の対処法があるわけでもなく、力押しで突破しようと動き始めた。


















「最初から核攻撃とはやらかしてくれる」


俺は冷や汗と共にその言葉を言う。

いや、本当にいきなり撃ってくるとは思わなかった。

でもまあ、予想通り核は売るほどあるって事なんだろうな。

そうでもないと4つのサイドにある数百のコロニーを壊滅させるなんて事出来るはずもない。


「……疑っていた訳では無いですが、開戦の号令を核で飾るとは相当な数の核を持っているのでしょうな」

「ああ、だがこれでこちら側も遠慮する必要が無くなった」


正直、正面から核攻撃されるだけでこちらはボロボロになりかねない。

防衛策をいくつも用意してはいるが、どれだけ機能するものかは未知数だ。

何せ、核攻撃を利用した艦隊戦なんてのは原作ですら無かった事なんだからな。


「とりあえず、奴らの方に残った機雷を全て向けるように。

 ミノフスキー粒子下に入ると熱源による近距離探知しかできなくなるからな」

「はっ!」


実際機雷に関してはサイド1にあったものを全て投入した。

何せ相手がどこを通るかなんて大雑把にしかわからないから、かなり広範囲に散布されている。

それでも核攻撃第一陣を制する事が出来たのはとにかく数が多いからだ。


機雷敷設による防衛なんて各コロニーでやるものだ、つまりサイド1に属する100以上のコロニーにあるという事。

海賊被害なんてのは、結構あるものだしその海賊ってのも実の所、9割方どっかのサイドか企業のひも付きなのだ。

戦闘艦艇や戦闘機を維持するのがどれだけ大変かを考えれば自ずと答えが出る話である。

サラミス一隻の維持で数億は確実に飛ぶ戦闘行為をすれば修理なんて数十億、下手すりゃ百億を超える。

そんな費用個人で出せるのは超のつく金持ちくらいだ。


最も金持ちが捕まるリスクまで犯して戦闘艦艇を保有するかはまた別問題だ。

もし何かするとしても、傭兵を雇うか伝手を使ってそういうのを抱える組織に頼めばいい。

なので大抵はなんらかの大規模組織が裏で運用しているのが海賊の実情だ。


当然、一隻だけ等という事もなく、対応するにはそれなりのものが必要になる。

そこで考えられたのが、海賊を近づけない様にし、その間に連邦軍に依頼を出すというもの。

時間稼ぎ用として作られたのだ、とはいえ、相手が脅威と感じないなら意味はない。

なので誘導でぶつかってかなりの規模の爆発を起こすようになっている。


そういうものを核コロニーは数百から数千も保持している。

それをかき集めて展開すれば数十万もの機雷群の出来上がりだ。


「続けてミサイル発射準備、ミサイル装填次第順次発射、無誘導でも問題ない。

 正面にあるのは隕石コロニーばかりだ、あの規模の代物だ、直進させれば当たる!

 
実際的はでかいのだ、狙って撃てばまず外れないくらいには近づいてもいる。

もっともまだメガ粒子砲の射程外なのでミサイルが生きてくるのだ。


「しかし、要塞を傷つけるのは容易ではないかと」

「目的は足止めだ、要塞や敵艦から出てくるMSが機雷原から出ない様にな」

「そういう事ですか、しかし、あまり長い時間は持ちません」

「構わん、恐らく後少しだ」

「はっ」


メガ粒子砲の射程範囲の外にある要塞コロニーの方向へひたすらミサイルを撃ち込み続ける。

ほとんどのMSはそれで足止め出来ている。

だが一機凄まじい速度でミサイル群をすり抜けて突入してくるMSがあった。


「MS単機だとっ!?」

「通常のザクの3倍の速度で突っ込んできます!」


ちぃ、シャアかよ。

下手すると殺されるな、しかし俺に出来る事は最善を尽くすしかない。


「緊急マニュアル3−2だ! X9−B2−33に一斉射撃!」

「緊急マニュアル3−2! X9−B2−33へ全砲門斉射!」


俺の指令をバスクが全体へ伝える。

この指令は相手のいるポイントとザクの速度を計算しその算出される場所の4倍至近を目標に発射される。

速度は3倍だが、どうせ射撃までのタイムラグもある。

更に当たればめっけもんだが、当たらなくても相手の突入を阻害出来れば十分だ。

そう言う意図の一斉射撃だ。


「敵、緊急反転をし離脱します。しかし、離脱時に何か発射しました!」

「シールド艦、ビームシールド展開!」

「ウルズ、スクルド、ヴェルザンディ。シールド展開!」


このために3隻のマゼランの砲を半分にし、ビームシールド発生装置を据え付けた。

10基ある発生装置のうち7基は前衛コロニーに据え付けているが残りはここだ。

正直言って、核攻撃を防げる可能性のある兵器はこれしか思いつかなかったのだ。

量産体制に入ってはいるがまだまだ効果のほどは実証されてないのが不安ではあるが。

閃光で全て見えなくなる。

そして、光がシャットアウトされて真っ暗になった。



暫くして徐々に明かりが戻ってくる。

どうやら、生きている様だ、全く……恐ろしいなシャアは。


「……全艦被害知らせ!」

「シールド艦無事に核攻撃を防ぎ切った模様。

 しかし、3隻のうち2隻がオーバーヒートで伝送系が使い物になりません」

「ぶっつけ本番だからな、仕方ないだろう。博士には今後の課題と言っておこう。

 それで、MSの方はどうなった?」

「既に撤退したようです」


あれだけの予測偏差による未来位置射撃を簡単に回避されたら艦隊の立つ瀬がないんだが。

それについでとばかり核バズーカを撃ってくるとは本当に面倒な。



「まあいい、時間は稼げた。

 次の作戦の準備を始める。各艦紡錘陣形に!」

「艦隊防水陣形!」

「それから、戦場カメラマンの人達はこの辺で引き揚げてもらってくれ。

 確か後方のサラミスに乗ってもらってたはずだな。

 核ミサイルが撃たれた事はもうわかっただろう?

 コロニーを攻撃する所も見てもらいたかったが、それはこちらで撮って送る事にしよう」


艦隊を紡錘陣形にし、そのくせじりじりと接近していく。

タイミングを合わせないと酷い事になりそうだからな。


「さて、そろそろだな」

「本当に無茶をなさいますね」

「だがこれくらいじゃないとジオンに勝てない」



そう、そのための仕掛け。

本当は別の方法を取る予定だったものもある。

しかし、ジオンがいなくなればいらなくなる可能性もある。

ならば派手に行くのが一番だろう。


「そろそろ離脱を頼む」

『了解しました!』


それから更に10分ほどこちらが盛大にミサイルや機雷、メガ粒子砲で歓迎し続けた結果。

ジオン軍の前進をかなり抑制できていた。

今MS戦に持ち込まれると消耗戦になって不利なので、こっちも必死だったのだ。


「時間合わせ! シールド展開、対ショック防御開始!」

「シールド展開、対ショック防御!」


シールド艦にビームシールドを展開させた数秒後、凄まじい衝撃が起こった気がした。

実際の所宇宙なので、伝播した結果なのか視界から得た情報がそう思わせたのかわからない。

だが、長々と加速し続けて相手がミノフスキー粒子を展開するのを待ちさらに加速させた隕石。

それが敵の隕石要塞にぶちあたった。


それも一つではない、合計10の隕石によるメテオアタック。

その速度もマッハにして20近くまで加速しており、当たった要塞が砕けて飛び散ってくる。

連れて来た4つの要塞はどれも中央に大穴が空いて内部構造が丸出しになっている。


「今だ! 敵艦隊に適宜斉射!:

「オールウェポンフリー! 個別照準で敵艦隊へ攻撃!」


相手の士気が低下したのに合わせこちらの主砲を叩きこむ。

削った量はそれほどでもないが、敵艦隊に混乱が起こっているのは間違いない。

畳みかけるべきか?

一瞬そう思ったものの、まだ敵MS部隊は出てきていない。

ここからはどうしてもドッグファイトが必要になってくるか……。












あとがき


今回は少し切り所が悪いかもしれません、ご容赦を。

しかしまあ、長々引っ張ったメテオアタックがようやくできましたw

ネタそのものは割と最初の方から考えてたんですがね。

実際に艦隊戦まで行かないと出せないので、引っ張る羽目になりました。


シャアですが一応出て来たものの核バズーカ一発撃って帰るだけにしました。

もっと活躍できるはずと思われる人もいるかと思いますが、時系列的に一週間戦争の10ヵ月前なんですよね。

だからシャアもまだ感が良くてもニュータイプ能力については知らない程度ですし、

パイロット技術もまだ磨いている段階だと思われます。

なので多少の弱体化はお許しください。


とはいえ、サイド1攻防戦はまだ数話かけるつもりですので、まだ出てくる可能性があります。

正直、望君には荷が重いので、直接戦闘は避けたいところではあるんですが(汗



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