今回は今までの遅れ分、急いで執筆しました!
破壊者と救済者
ネガ電王こと、時峰 劉子の協力によって廻はダークライダー達とディケイドがいる土管が大量に置かれている場所にやってきた。
そこで廻が見たのはダークライダー変身者たちが光 夏海を人質にネガの世界に生きる夏海にこの世界の宝が隠されていた電柱の近くを掘らせている場面だった。
ネガの夏海は堀った穴の中から何かを包んだ布を取り出す。
布の中に入っていたのは黒とマゼンタ色に彩られたタッチパネル式携帯電話ケータッチとイエローと黒で彩られたディエンドライバーと酷似した銃だった。
世界の救済者、ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?
「ようやく最高の宝が我々の手に戻った」
「ご苦労だったな」と上機嫌に話す音也とは裏腹にネガの夏海は悔しそうに布を地面に投げ捨てる。
「そしてこの宝達を受け継ぐのは…出て来い、士」
そう発言すると、門矢 士が現れる。
「士君!」
夏海は士の登場に驚く。
「さらに…よくやったネガ電王!ディロードまで来てくれれば万々歳だ♪」
「何!?」
士は予期せぬ者の名がでたことに驚く。
音也が指さす方向には劉子と廻がいた。
音也は銃を廻に手渡し、士にもケータッチを手渡そうとする。
「この銃が俺の宝?」
「そう…。これらはお前等の者だ。お前等は最高のライダーとしてこの世界で生きるがいい。お前たちは、影の世界の住人だ」
「成程。確かに、色々と楽しかったが…」
「いきなりそんなこと言われても困るし。ディケイドと違って俺はまだなんの歓迎もうけてないぞ。というか何このもう決まっちゃいましたみたいな雰囲気」
廻の言葉に周りの者はシーンとなる。
「さっきから気になってたが、誰だよこいつ?」
当然、士は廻に関して質問する。
「お前と同じ、選ばれたライダーだ。これから一緒にやっていくんだ、仲良くやってくれよ?」
と、音也が言った時に周囲から折り鶴がいくつも飛んできた。
音也の注意がそちらへと逸れている間に一人の青年が音也からケータッチを奪い取る。
「ほ〜、大したお宝だ」
この青年の名は海東大樹(かいとう だいき)。仮面ライダーディエンドとなって様々な異世界に存在する貴重なお宝を収集する自称トレジャーハンター。最も、士からは”コソ泥”呼ばわりされている。
「貴様…!」
音也は邪魔されたことで怒りを露にして腕を突き出し、そこへキバットバット二世が現れて音也の手に噛み付く。それによって音也はダークキバに変身。
「変身!」
≪KAMEN RIDE≫
「変身!」
≪DI‐END≫
海東もディエンドへの変身を済ませる。
そして、夏海を捕えていた変身者たちも夏海を放して各々のツールをスタンバイする。
ピ ピ ピ
≪STANDING BY…COMPLETE≫
≪HENSHIN≫
「「「変身ッ!」」」
三人はダークライダー、リュウガ・オーガ・ダークカブトへ変身する。
「手加減なしだ」
ダークキバがそう命令すると、ダークライダー達は一斉にディエンドに戦いを仕掛けていく。
流石にディエンドと言えども三人を相手にするのはきついのか、よけたつもりの蹴りによって奪ったケータッチが弾き飛ばされてしまった。
それを夏海はそれを拾った。
「この世界で生きるんだ。士、廻。お前達の旅は終わったんだ。このネガの世界でなら何でも好きなものを与えよう。あらゆる快楽を、幸福を!」
ダークキバは二人をネガの世界に住まわせる為、高らかにそう言った。
「違うな!」
しかし、士はそれを否定する。
「人は皆自分のいるべき世界を探している。そこは偽りのない、日のあたる場所。そこへ行くために人は旅を続ける。そして旅を恐れない!…そうだよな、ナツミカン?」
自分の考えを述べた士は夏海をいつものあだ名で呼ぶ。
「士君…」
そこへ廻も。
「そう。人は最初から望むもの全てを持ってはいない。だから、それを求めて旅をする。例えそのためにどれほど傷つこうと。…人の歩みは止まりない」
「…お前」
士は廻の言葉になにか共振するものを感じた。
「貴様ら、何者だ?」
ダークキバの問いに二人は、
「通りすがりの…」
「最強最悪の…」
二人は少し間をおき、お互いに頷き合う。顔を合せてまだ十分も経っていないと言うのに、まるで昔から一緒に歩んできた親友のように。
「「仮面ライダーだ。覚えておけ…!」」
二人はベルトを装着した状態でカードを掲げる。
「「変身ッ!」」
≪≪KAMEN RIDE≫≫
≪DECADE≫
≪DEROAD≫
一気に仮面ライダーディケイド・ディロードへと変身。
ディケイドはライドブッカ−からカードを九人の主役ライダー達のKRカードを取り出す。
ダークキバらとの戦闘で絵柄が黒く塗りつぶされていたが、それは元に戻った。
そして、新たなカードも。
ダークライダー達はディエンドの相手を怪人とオルタナティブに任せてディケイドとの戦闘にはいろうとするが、
「雑魚共が調子に乗るな」
ディロードは間に入って来た。
「おい何やってんだ!?」
「心配すんな、俺は強い」
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLSH≫
ディロードはライドセイバーで三人のライダーを薙ぎ払い、土管へ激突するまで吹っ飛ばした。
「フッ…」
「………」
余裕たっぷりのディロードに対して、ディケイドは呆然としていた。
それもそうだ、自分ではあんな芸当は簡単にはできない、しかしディロードはそれを難なく遣って退けたのだ。
「おい、女」
「は、はい!」
いきなりディロードに呼びかけられて夏海はビックリする。
「それ、ディケイドに」
ディロードはケータッチを指さした。
「……士君!」
夏海は戸惑ったが、意を決してディケイドに投げ渡した。
受け取ったディケイドは一枚のカードをケータッチにセット。
それによって現れた九つの紋章にタッチしていく。
≪KUUGA・AGITO・RYUKI・FAIZ・BLADE・HIBIKI・KABUTO・DEN‐O・KIVA≫
九つの紋章をタッチしたら、十番目の紋章をタッチした。
≪FINAL KAMENRIDE…DECADE≫
それにより、ディケイドの頭部にディケイドのFKRのカードが装備されると、アーマーは銀と黒に変色して、眼も緑から赤となった。。胸のアーマーも九枚のKRが収められたヒストリーオーナメントとなる。
仕上げにディケイドライバーのバックルを右腰に移し、代わりにケータッチをバックルとして収める。
これこそが仮面ライダーディケイドの真なる姿”コンプリートフォーム”。
ディケイドのフォームチェンジに周りの者の視線はディケイドへと向けられた。
「成程」
ディエンドは怪人とオルタナティブの相手をしながら冷静にそう言った。
「俺も行くか」
ディロードはその銃…”コールドライバー”にカードを装填する。
≪FINAL KAMENRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫
引き金を引くと銃口から幾つもの像は発射され、一つになると龍騎サバイブとなる。
「使えるな、これ」
コールドライバーの性能にディロードは満足したようだ。
三人はダークライダー達を相手に事も無げに戦っていく。
そして、最後の仕上げにかかる。
≪RYUKI・KAMEN RIDE・SURVIVE≫
タッチパネルの紋章をタッチしてディケイドはヒストリーオーナメントのカードを龍騎サバイブのFKRに変化させて龍騎サバイブを召喚。
ディロードも、
≪FINAL FORMRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫
「堪えろ」
自らが召喚した龍騎サバイブに向けて発砲すると、龍騎サバイブは超絶変形を果たして”サバイブドラグランザー”となる。
≪FINAL VENT≫
その間にリュウガはドラゴンライダーキックを発動しようとしている。
ディケイドはバックルにカードを装填。龍騎サバイブも同じ動きをしている。
≪FINAL ATTACKRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫
「タアァァァ!」
リュウガは勢いよくキックするが、ディケイドと龍騎サバイブの放つバーニングセイバーでリュウガを粉砕。
さらに残ったドラグブラッカーも、
≪FINAL ATTACKRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫
サバイブドラグランザーはバイクモードへと変形。ディロードを乗せて走行する。
ドラグブラッカーはそれを倒そうと高熱火炎を放つも、全く効果なし。
サバイブドラグランザーはウィリー走行しながら火炎弾を連発。それによってドラグブラッカーは逃げ場を失った。
「ディロードバーニング!!」
大声で技名を叫び、ディロードはドラグブラッカーをサバイブドラグランザーで撃破。
その直後にオーガがオーガストランザーを装備。
≪EXCEED CHARGE≫
オーガストラッシュを喰らわせようとする。
≪FAIZ・KAMEN RIDE・BLASTER≫
≪FINAL KAMEN RIDE…FA・FA・FA・FAIZ≫
二体のファイズ・ブラスターフォームが出現。
さらにディロードはコールドライバーにカードを装填。
≪FINAL FORMRIDE…FA・FA・FA・FAIZ≫
「堪えろ」
撃たれたブラスターフォームは超絶変形し、”ブラスター・ブラスター”となった。
≪≪FINAL ATTACKRIDE…FA・FA・FA・FAIZ≫≫
ディケイドとブラスターフォームはフォトンバスターでオーガストラッシュを破壊し、とどめに…。
「ディロードストリーム!」
ブラスター・ブラスターを抱えたディロードが砲身と照準をオーがに合わせて引き金を引き、強力な真紅のエネルギー弾が発射されてオーガを倒した。
≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐END≫
一方ディエンドもディメンションシュートで怪人共とオルタナティブを爆散させる。
≪ONE・TWO・THREE≫
≪KABUTO・KAMEN RIDE・HYPER≫
≪FINAL KAMENRIDE…KA・KA・KA・KABUTO≫
ダークカブトがゼクターのフルスロットルを押していると、ディケイドとディロードはカブト・ハイパーフォームを召喚する。
≪FINAL FORMRIDE…KA・KA・KA・KABUTO≫
「堪えろ」
カブト・ハイパーフォームは超絶変形して”ハイパーパーフェクトゼクター”と化す。
≪≪FINAL ATTACKRIDE…≫≫
≪RIDER KICK≫
≪KA・KA・KA・KABUTO≫
ライダーキックを行おうとするダークカブトにディケイドとハイパーフォームが逆にハイパーキックを使って大ダメージを与える。
そこへ、ディロードがハイパーパーフェクトゼクターを構え、
「ディロードヘブンッ!」
マキシマムハイパーサイクロンの如く、巨大な竜巻状エネルギーが発射され、ダークカブトは勿論、その後ろに広がる辺り一面全てを吹っ飛ばした。
余談だが、ディロードヘブンの威力のデカさを見た士や海東は少なくともディロードには勝てないと本能的に悟ったとかなんとか。
手ごま達が全員やられ、ダークキバは一人退散しようとするが、
「おっと、逃がしはしないぜ」
ディロードが立ちはだかった。
「………ネガ電王!聞こえているなら返事をしろ!」
ダークキバは精いっぱい劉子を呼んだ。劉子はダークキバの前に姿を見せた。しかし、
「ゴメン。ボクはもう、この世界から出て行かせてもらうよ」
今のダークキバにとって、それは死刑判決に等しかった。
「…久しぶりにあいつの力を使うか……変身」
≪KAMEN RIDE…MAGA≫
ディロードライバーにカードを装填したことで、ディロードの前方には炎の紋章が現れ、それがディロードを包んだ。
炎のような赤い鎧。仮面ライダーアークのような角に額に装備された人造魔皇石で造られた角、首元のたてがみのような装飾。さらには胸・両肩・両掌・両踵・額の合わせて八個の人造魔皇石。
かつて廻が巡った世界のなかでも特に厄介と言われた者の内の一人…仮面ライダーマガ。
マガの世界でダークキバに対抗する為に3WAという組織により開発されたライダーシステムで、今の状況ではうってつけの力と言えた。
「な…何だそのライダーは!?」
今まで見たことも訊いたこともないライダーに変身したディロードにダークキバは困惑する。
「死に逝くお前に答えても時間の無駄だ」
Dマガはそういうと、両手を前に突き出した。すると、右手からは炎、左手からは魔皇力波が放たれる。
「グアァァァァァァァ!!」
今まで感じたことがないほどのダメージにダークキバは無残な悲鳴をあげる。
そして、ファンガイア族最強と伝わる鎧には所々ひびが入っている。
「終わりだ」
≪FINAL ATTACKRIDE…MA・MA・MA・MAGA≫
Dマガの両足に炎のエネルギーが蓄積していき、空高くジャンプするとダークキバめがけて必殺の踵落とし”デモンズキリング”が炸裂し、ダークキバは悲鳴を上げる間もなく爆発四散した。
***
戦いが終わり、ネガの夏海はケータッチとコールドライバーを手に持っている。
「どうするんですか?貴女はこれから」
夏海はそう聞いた。
「生きていく、この世界で」
「でも、ここにいたらいずれ貴女も…」
力強く返答したネガの夏海に夏海はそうさらに返答した。
「私は明日を信じてこの世界で生きていく。…だから貴女も明日を信じて」
ネガの夏海はケータッチとコールドライバーを廻と士に渡し、二人は受け取った。
「…見つけて、貴女の世界を」
ネガの夏海は夏海にそういうと何処かへと去ってしまう。
その直後に廻も劉子を連れて去っていこうとする。
「おい」
そこへ士が呼びとめた。
「なんだ?」
「お前、名前は?」
と聞いてくる。
「…砕谷廻(くだに かい)…最強最悪の仮面ライダー、ディロード」
「俺は門矢士(かどや つかさ)。通りすがりの仮面ライダー、ディケイド」
二人は無意識に近づき合い、握手を交わす。
「覚えてぜ。名前」
「…そうか」
やりとりを済ませると、廻は再び士達から離れて去って行った。
「士君。…不思議な人でしたね」
「あぁ、また会いそうな気がする」
***
「廻!!私達を忘れるってどういうこと?いえ、そんあことはもうどうでも良いわ。一番気になるのは……その女は何であんたの腕にしがみ付いてるの!?」
探索していた間、廻に忘れらていたことで一時間近く時間を無駄にした三人…正確には流姫の怒りようによって信彦と和雄は自分の怒りなど大したものではないと感じて廻にこれと言ったことは言わなかった。
「だって…ボク、このひとが好きになっちゃったから///」
「…は?」
廻は間抜けな声を出す。
流姫は劉子の告白にまた一回怒鳴るかと思われたが、彼女も廻の腕にしがみついた。そりゃもう胸の感触がわかるくらいに。
「ちょ、流姫!?」
予想外な行動に廻は慌てふためく。
「だったら、これからはライバルね」
「そうだね、どっちが先に廻さんをオトすのか」
「え?流姫まさかお前…」
「そ、そうよ!アタシは、あんたのことを、ずっと前から…///」
顔を赤める流姫。
そして、廻は悟った。
俺のこの後の人生は間違いなく凄まじいものになるに違いないと。
今にも台風が起きそうな廻の恋沙汰風景を眺めていた和雄と信彦は…。
「「…いつのまにか、天然フラグメイカーになったりしてる?」」
と、ハモッて喋った。
まあ、そんなことをやってる間にも次元の壁は仲間の増えた一行の小屋を異世界に送っていく。
尚、廻の仮面は流姫と劉子の懇願によってつけないことになった。
次回、仮面ライダーディロード
「遂に戻って来たか。僕の世界に」
「君達の敵は社会全体だ。この世界は仮面ライダーを抹殺する」
「大樹は、私の弟です」
「14(フォーティーン)…か」
”怪盗・ディエンドの世界”
全てを救い、全てを砕け!
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