初めて執筆するコラボ。
力を込めて書きます…！
特異世界・デルタと黄金の不死鳥
海東大樹の故郷、ディエンドの世界から新しい世界へと。
いつの間にか設置されていた小型背景ロールによって行きつくディロード達。
「で、いつもの如く。目立ったものはないな」
家を出て廻の第一声はこれだった。
「表面は平和ですね」
「そういう世界の方が多いからね」
「でも、結局はとんでもないことに巻き込まれるのが」
「アタシ達の旅路」
四人もそれぞれ言い合う。
そんな時、
『……とうとうここまで来たか』
「「「！！？」」」
廻・流姫・信彦以前聞いたことのある声に神経を尖らせる。
「其の声…お前か！」
『久しいな。三人とも。随分と仲間も出来たようだがな』
それは、廻らに九つの世界を救うよう頼んだ存在だった。
どこから喋っているのかもわからず、姿もわからない存在。
「いまさらなんのようだ？九つの世界はとっくに巡ったぞ」
『だからこそ、お前等にアレをくれてやったのだ』
「まさか、あの背景ロールは…」
「あんたが…！」
その考えは的中した。
「この世界は一体何なんだ？いままで俺達を放置していた貴様がわざわざしゃしゃり出るんだから、それなりのことはあるんだろ？」
『この世界は異質以外にない』
廻の言葉に間髪入れず、謎の存在は答えた。
「…どういうことだ？」
『この世界はファイズの世界を基盤とするが、別の世界が混ざってもいる。おまけに何の因果か無数のライダー共までもがこの世界に集結している始末』
「一つの世界に無数のライダー達が？」
『そうだ。さらに、軸となるライダーも妙でな、一人目はデルタ。もう一人はオーディン』
それを聞くと廻は真剣そのものだ。
「確かに妙だな。そいつらが主軸とは…」
廻の知る仮面ライダーデルタは全ライダーの中では身体能力スペックこそはそれなりに高いが、武装と技の少なさから、弱小なイメージがあった。
オーディンにしても、軸となるライダーとしては不釣り合いなものがあった。
『それとこの世界にはもう一人のディケイド・ディエンド・クウガがいる』
「…！」
『…少なくとも、その三人とデルタはよほどのことがなければ、敵対するようなことにはなるまい。まずはその四人と接触するんだ。』
「いいだろう…。だが、一つ教えろ」
一呼吸おいて言った。
『…なんだ？』
「お前の名は？」
と、名前すら知らなかったのでそう聞いた。
『………ワール』
そういうと、”ワール”はこう言って消えた。
『忠告するが、ここのいるライダー達はお前等が知っている者達とはかなり違う。色んな意味でな』
声も気配も感じられなくなると、
「ファイズと別の世界が混ざり、異界のライダー達が集まる世界か」
廻はそう呟いた。
世界の救済者、ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す？
「せ〜んせ♪今夜はたっぷりと調教してあげるね♪」
「あの、そんなに危険なプレイは…」
小柄で愛くるしい笑顔に爆乳を併せ持った美少女とその恋人と思われるとてもスマートでイケメンな男性がこの上なくいちゃついている。簡潔に言うとバカップルというやつである。
「どこの世界にでもいるんだな。ああいう自分たちの世界に浸ってるの」
冷たい視線でものを言う廻。
ワールとの会話を終え、一行は街を散策していた。お決まりの行動だが何もしないよりはマシだ。
『貴様らか？俺達を滅ぼす魔王ってのは？』
そこへ、幾人もの怪人。
オルフェノク、イマジン、ファンガイア。
「身の程知らずが」
廻はディロードに変身しようとするが、
「変身！」
≪STANDING BY…COMPLETE≫
「な…!?」
さっきいたバカップルの男が仮面ライダーデルタとなったのだ。
「あんなバカップルが仮面ライダーデルタとは…！」
其の時、廻は理解した。ワールの言った言葉を。
「かなり違うってこういうことかい…」
この世界のライダー達は表だって言えないような性癖してたり、危険な性格をしている者が多数おり、まともな性格をしているライダーは少なめである。
「まあ良い…。変身」
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
廻はディロードとなり、デルタの傍らに立った。
「あ、貴方は！？」
デルタは見たこともないライダーを見て驚く、
「んなことはどうでもいい。今はこいつらの始末だ」
というと、デルタの返事も聞かずにディロードは三体の怪人に突っ込んでいく。
≪ATTACK RIDE…ILLUSION≫
「あのカードは…」
デルタは二体に分身したディロードのライダーカードに眼をやった。
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫
≪ATTACK RIDE…EXTRA BLAST≫
刃と銃を使って一撃でイマジンとファンガイアを倒したディロード。
「おい、お前の獲物。残しておいたぞ」
「あ…は、はい」
デルタはディロードの強さに驚くばかり。
「check」
≪EXCEED CHARGE≫
デルタは銃（デルタムーバー）からオルフェノクに向けて発砲、ターゲットサイトができる。
さらにそこから必殺キック”ルシファーズハンマー”を決めて敵を灰にした。
二人のライダーは変身を解いた。
「先生！！……このライダーは？」
デルタの恋人は戦いが終わると駆け寄る。そしてディロードである廻を興味を持ったらしい。
「俺は仮面ライダーディロード。砕谷 廻だ。お前等は？」
「…片倉景綱、仮面ライダーデルタです」
「その幼な妻！片倉夏海だよ♪」
「ディロード、君はやはり悪魔どもの味方をするのか…！」
様子を見ていた鳴滝は恨めしそうな表情だった。
＊＊＊
環境省・自然環境局・超自然災害対策室。
それはこの世界に現れる怪人たちから人々を守るためファイズライダーズを主戦力として結成された機密機関。しかし現在は帝王のベルトの喪失、景綱の脱退によって一時的に戦力が大幅にダウンしたが、ゴルドラという鬼が仲間になったことで、今はファイズ・カイザ・ライオトルーパー×2・ゴルドラという布陣になっていた。
「皆、鳴滝さんから新しい連絡が入ったわ」
室長・神宮寺菖蒲はメンバーに鳴滝から伝えられたことを話し始める。
「世界の救済者、仮面ライダーディロードとその仲間を説得してほしいというものよ」
「説得？倒すんじゃないんですか？」
メンバーの一人、仮面ライダーファイズこと土宮神楽がそういった。
「えぇ。鳴滝さんの話だとディロードは幾つもの世界を救ってきた英雄らしいわ。だから倒すのではなく説得してこちらに協力してもらいます」
「それで、彼の現在位置は？」
仮面ライダーカイザこと諌山黄泉の質問。
「…彼らは今、片倉景綱と一緒にいるそうよ。じきにディケイド達と合流するでしょうね」
場の空気が重くなった。
「ディロード…、最強最悪の仮面ライダー」
其の時、ゴルドラは呟いた。
「どうかしたのか？鬼野郎」
ライオトルーパーの一人、弐村剣輔が忌々しげにそう言う。
「いや、別に」
ゴルドラはこれといったことも言わずに黙った。
(ディロード…噂通りの実力ならば…)
「兎に角、俺達はそいつらを連れてくればいいのか」
飯田紀之がボソっと言った。
「それでは皆、お願いね。彼らに関する資料は後で送るから」
「「「「了承ッ！」」」」
＊＊＊
765プロダクション。
景綱の職場であり、彼の仲間が一緒に働くアイドル事務所。
「ホント…かなり違うわ…」
薄っすらと悲劇性ある顔で廻はそう言った。
そして、景綱達に先導されて五人は事務所の中に入った。
この先はライダーの方々のみを登場させます。
事務所のソファーで座る五人。
しばらくすると、赤紫の着物に長い金髪、包帯で左目を覆った派手な男。のんびりとした雰囲気に爆乳でプロポーションの良い美女。温厚や天然という言葉が合いそうな青年。真面目そうな女性が来た。
「皆さん、この人たちです」
景綱は廻達を紹介する。
「…俺は仮面ライダークウガ。柳生十兵衛三厳だ」
「三浦あずさ。仮面ライダーディケイドです」
「津上翔一。仮面ライダーアギトです！」
「私は如月千早、仮面ライダーディエンド」
この事務所に所属し、景綱の仲間でもある四人は自己紹介する。
ディロード一行も簡単に自己紹介を済ませていく。
「………」
「どうかしましたか？」
廻が十兵衛・あずさ・千早に注目したのをあずさが気づく。
「いや…同じディケイドやディエンド、クウガでも…やっぱ違うんだな〜って」
「「「え…？」」」
廻は士達のことを話した。
さらには士のトイカメラを借りて撮った、ディケイド一行の写真も見せた。
尚、この写真はピンボケ等はしておりません。
「同じライダーでも、やっぱ性格は反対だな」
廻の言う通り、
ディケイドである士とあずさではクール＆ドライな士。優しくのんびりやなあずさ。
クウガたるパッと見は人の良さそう青年だが、その内に優しさを秘めるユウスケ。片や数年間ライダーとして戦ってきたことで頼もしい雰囲気漂う十兵衛。
ディエンドとしては…お宝求めてきままに流離う海東と一方、真面目を絵にかいたかのような千早。
はっきり言って両者の個性は正反対と言えた。
「それに同じ夏海という名前でも…」
この時、廻は本気で光夏海に憐れみを覚えた。
名前は同じでも片倉夏海のほうが可愛らしい容姿をしている上、圧倒的なまでと言える爆乳を併せ持っていた。どっちに目が行く？と聞いたら確実に片倉夏海と人々は答えるであろう。
「ねえねぇ廻たん」
「廻…たん？」
夏海は”たん”をつけて廻を呼んだ。
「おい、やめろ。その呼び方」
「え〜！でも、劉子たんと和雄たんは許してくれたよ」
「テメェェェラァァァァ！！何妙な呼び方許してんの！？」
「ごめん廻。どうもこの子とは親近感が」
「私も…ね」
「お前らここになにしに来てんだ？」
他の面々はこのやり取りに苦笑いする。
尚、流姫と信彦はこの”たん”づけで呼ぶことは拒否した。
「にしてもお前ら本当にベタベタしてるな…」
「当たり前だよ！私達はまだ幸せ絶頂の夫婦なんだから！毎晩激しく…///」
「…結婚してたんだ」
ハイテンションな夏海とは逆にローテンションな廻。
「で、景綱よ」
「なんですか？」
「さっき、”調教”とか”プレイ”とか言ってたが…。そういうことは二人っきりの時にな」
「あからさまにここの空気とは馴染めそうにないわね廻は」
「そう、だね」
信彦と流姫は確信する。
「廻さん達のことを考えると、私達もあまりイチャイチャしないほうがいいですね。十兵衛さん、私のスキンシップを求めないように♪」
「どうかな？欲しいのはお前じゃないのかあずさ？」
「もう///」
(結局のところここはバカップルだらけかい…！)
少なくとも景綱＆夏海、十兵衛＆あずさの桃色空間の空気は廻にとっては居心地が悪かった。
＊＊＊
その夜、廻は家で一人で眠りについていた。
他の四人は765プロダクションに一晩泊まることになった。
え？何故廻だけ家にいるんだって？
それは廻自身が居心地の悪さから解放されたいからだ。
――ゴソゴソ…ゴソゴソ…――
(なんだ？)
眠りから覚めた廻。
目覚めた直後にとんでもないものを目撃した。
「あらら、起きちゃった///」
「もう少し、寝顔見たかったのに…///」
廻は顔を赤らめた。
彼の目に入ったのは、露出度が滅茶苦茶高い水着を着た劉子と流姫の姿。
二人のスタイルの良さも合いまってか、メチャエロい。
「おお、お、お前ら…なに、やってんだ///」
廻は衝撃的な光景に軽いパニック状態に陥る。
「だって、夏海ちゃんがこの格好で迫れば廻は二人まとめて愛してくれるって…///」
「オイィィィ！あのヤンデレ女！何とんでもねぇ発破掛けてくれてんだぁ！！」
「そんな大きい声出すと近所の人にばれちゃうよ♪」
流姫がいつもとは違った妖艶な声を出して廻の首筋を舐め始める。
劉子も抱きついて胸を押しつけた。
(理性を保つんだ俺!!ここでヤッたらあの夏海の思うつぼだぞ！)
廻は必死に己自身に言葉を投げかけ続ける。
「頑張ってるけど無駄だよ♪」
「別な意味では頑張ってほしいけど♪」
そういうと二人は水着を脱ぎ捨てた。つまり…。
「ヘルプ！ヘルプミー！！」
「だから無駄だって」
「気持ち良くなろうね」
「アァァァァァアァァァァァアァァァァァァァァァ！！！！」
＊＊＊
「すいません、私が間違っておりました」
次の日、夏海は正座させられていた。
あと一歩で子作りさせられかけた廻は、ギリギリのところで二人にチョップをかまして気絶させ、なんとか過ちを犯さずにすんだ。
ちなみに、二人が昨夜あのような行動に出たのは、夏海が二人の廻に対する想いを知り、酒を飲ませて酔わせた上で発破をかけたからであった。
「少し…頭、冷そっか？」
「すいません。本当にすいません」
数多もの死地を潜り抜けてきた廻の表現しきれない殺気と迫力に夏海は謝罪の言葉しか口にできない。
下手に逆らったら命がない。そう確信していたからだ。
「…怖い…」
これを見ていたメンバー達の感想。
「僕の愛する夏海…生きて帰ってきて…」
景綱はただただ妻の無事を祈るばかり。
この日を境に765プロダクションのメンバーは廻をマジで怒らせてはいけないんだと強制認識した。
＊＊＊
「あ〜！気分が悪い！！」
気晴らしに一人で外に出ていた廻。
「あの、すいません」
そこに一人の少女が。
「…誰だ？」
「私は黄泉と申します。貴方、砕谷廻さんですよね？」
「だったらなんだ？」
「ついてきて欲しいんです。私達の所属する…機関に」
「断る」
黄泉の言うことに従う理由の無かった廻は即答する。
「そうですか。残念です…」
――パチッ――
指が鳴らされた瞬間。
神楽、剣輔、紀之、そしてゴルドラがツールをもった状態で現れる
黄泉もカイザギアを装着する。
ポッポッポッ
≪STANDING BY≫
「変身」
≪COMPLETE≫
黄泉がカイザに変身すると、
ピッピッピッ
≪STANDING BY≫
「変身！」
≪COMPLETE≫
神楽はファイズへ。
「「変身」」
≪COMPLETE≫
剣輔と紀之もライオトルーパーに変身。
ゴルドラも金の釈杖を天空に掲げて変身する。
「抵抗しなければ、危害は加えません。同行願います」
「変身した状態で言っても説得力に欠けんだよ。変身！」
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
一対五。
普通に考えればディロードの方が圧倒的に不利だ。普通に考えれば…。
「久しぶりに使うか…」
ディロードはライドセイバーからカードを取り出す。
「変身」
≪KAMEN RIDE…HIBIKI≫
「「「「！！？」」」」
ゴルドラを除く全員は驚いた。
なぜなら、ディロードは紫色の炎を纏い振り払うことで仮面ライダー響鬼になったのだから。
≪ATTACK RIDE…ONGEKIBOU REKKA≫
音撃棒・烈火を装備する。
音撃棒に火が灯ると、D響鬼は振り回して周りに目標に烈火弾を浴びせようとした。
しかし、彼等もまた訓練を積んできたエージェントだ。そう簡単にはいかない。
D響鬼は別のカードを選択。
「直接叩くか…変身」
≪KAMEN RIDE…BLADE≫
バックルからオリハルコンエレメントが射出され、それを潜るとDブレイドとなる。
≪ATTACK RIDE…SLASH≫
≪ATTACK RIDE…MACH≫
セイバーモードの威力を高めると、さらには高速移動能力でDブレイドはその場に居たファイズライダーズに斬りかかった。
「オラオラァァァ！」
素早い斬撃に一同はダメージを負う、
――ガギンッ！――
ゴルドラを除いて。
「ほ〜、やるな」
「当然だ」
他のメンバーと違いゴルドラには高い戦闘能力があったので、Dブレイドのライドセイバーを受け止めた。
「相手は一人じゃないぞ！」
「俺達を舐めるな！」
ライオトルーパー二人が背後から襲いかかるが、
≪KAMEN RIDE…AGITO・KABUTO≫
「相手してやれ」
片手でコールドライバーからカブト・ライダーフォームとアギト・グランドフォームを召喚する。
Dブレイドはディロードに戻り、ゴルドラと距離を置いた。
≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEROAD≫
ディロードの目の前に多量のカードで形成されたゲートが出現。
「ハアッ！」
刃をゲートに突っ込み、ディメンションエクストラスラッシュの斬撃波を飛ばした。
「ウゥゥゥゥゥ！！」
ゴルドラはその攻撃に耐え続ける。
「神楽！」
「はい！」
ファイズとカイザはゴルドラが攻撃に耐えている内にディロードに攻撃しようとファイズエッジとカイザブレイガンの刃を振るうも、
――ガギッ！！――
咄嗟にディロードはコールドライバーを盾にして防いだ。
そしてゴルドラへの攻撃を中断すると、
「…仕方ない。一気にに決めるか。変身！」
≪FORM RIDE…DEN-O CLIMAX≫
右肩にはロッドフォームの電仮面、左肩にはアックスフォームの電仮面、胸にはガンフォームの電仮面、そしてもちろん顔にはソードフォームの電仮面が二段パージした状態で装着される。
電王・クライマックスフォームとなった。
≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEN-O≫
クライマックスフォームの胸にあるガンフォームの電仮面にフリーエネルギーが収束する
「このフォームは好きにはなれないが、使えないこともない…」
そして、
「もらった！！」
電仮面の口が開き、中から大量の小型ミサイルが対策室メンバーを襲った。
「「「「「うおぉぉぉあぁぁぁぁぁ！！」」」」」
ボイスターズシャウトによって辺りには爆発物によってできる焦げ跡が。
クライマックスフォームからディロードに戻ると、彼はマシンディローダーを呼び、そこから去った。
「ふ〜、ようやく……なんだ？」
廻の目の前には次元の壁があった。
「来いと言うことか…面白い」
＊＊＊
「全く、廻はどこにいったのやら」
「見当が付きませんね」
和雄と信彦はそう言った。
あ、それと流姫と劉子もいるのだが…。
「「………///」」
昨晩の出来事を丸々覚えていたのでなにも言えない状態だった。
そんな時、鏡から何者かの攻撃が、
「「「「！！？」」」」
四人はその攻撃をかわした。
「流石に、あのディロードから、認められているだけのことはありますね」
鏡から姿を現したのは、神々しい黄金の鎧に身を包んだミラーライダー。
「オーディン!?」
流姫は叫んだ。
「ですが、消えてもらうますよ。この世界から」
≪SWORD VENT≫
ゴルトバイザーにアドベントカードをベントインすることで、ゴルトセイバーが召喚される。
四人は即座に変身する。
「「「「変身ッ！！」」」」
≪KAMEN RIDE…DI‐GUIDE≫
≪NEGA FORM≫
「俺は月の超子。仮面ライダーSHADOW！RX！」
「行くぞ！」
四人のライダーは構えた。
「ハッ！」
オーディンは瞬間移動を絡めた俊敏な動きで四人のライダーに斬りかかるが、
「RX！ソニックライダー！ワイルハルバードッ！」
SHADOWがソニックライダーに姿を変えたことで高速移動を行い、逆にオーディンを翻弄しようとする。
「無駄ですよ」
≪ACCELE VENT≫
瞬時にオーディンも高速移動を可能とするアクセルベントをベントイン。
――バギッ！ガギッ！ドガッ！――
高速の世界で戦う二人。その姿は彼らと同じ世界に到達しなければ見ることすらできない。
「く…！」
「フフフ…！」
戦況としてはソニックライダーが不利、オーディンが有利な状態だった。
「終わりです」
――ドゥガッ！！――
「ガッッ…!!」
オーディンはパワーと防御に手薄なソニックライダーの胸部に全力を持って拳を叩きつけた。
ソニックライダーはSHADOW RXに戻って気絶する。
「信彦！」
ディガイドはSHADOWに駆け寄った。
「オーディン、何故なの？」
「…貴方達は、僕の邪魔なんですよ」
冷酷に言い切ったオーディンは次のターゲット、ネガ電王に眼をつける。
ネガ電王はそれに気づき、デンガッシャ−・ロッドモードを構え、ゴルトセイバーを打ち合った。
(廻さん…から貰った力。もう一度！)
G4は天空に手を伸ばすと、そこから次元の壁が現れてギガントが現れる。
実は廻がディロードの力で、切り札たる武器を何時でも取り出せるようG4に簡易的な次元干渉能力を与えたのだ。といっても、武器などと言ったものを取り出すことにしか使えないが。
ネガ電王がオーディンと武器をぶつけ合っているところをチャンスとし、ギガントを背負い、ベルトに接続、発射した。
――ズバァァァァァァァァ！！――
「甘いです」
「何？…ッ!!?」
ギガントのミサイルを発射した直後、オーディンは一秒とかからずにネガ電王を気絶させ、瞬間移動でG4のもとにやってくると、ゴルトセイバーで彼の腹部をアーマーごと貫いた。
――バタン…――
力なく倒れたG4。残るライダーはディガイド一人。
「許さない…！」
「そう言われても仕方ありませんが、そんな雰囲気で言われると傷つきますね」
「黙れ！変身！！」
≪FORM RIDE…KNIGHT SURVIVE≫
疾風が吹きさすみ、ナイトサバイブとなるディガイド。
ダークブレードを片手に構え…。
「ウオオオォォォォォォォ！！」
＊＊＊
「ここは…」
ディロードは今、どの世界にも存在にも属さない次元の挟間に居た。
「ディロード」
「…鳴滝」
後ろから声がして振り向くとそこには鳴滝が居た。
「俺は答えを変えんぞ」
「だろうね。…ならば、力技で話をするまで」
鳴滝の背後から二人のライダーが現れた。
そして、鳴滝は消えた。
一人は、金色の一本角に赤い複眼、さらには白色の生体装甲にクウガのそれと同型のベルト。
虚無を司りし戦士、仮面ライダー無我（ムガ）。
もう一人はアギト・シャイニングフォームに似たフォルムをしているものの、
眼が鋭く、青と銀の身体、悲しみと絶望で覚醒した、仮面ライダーグリーフアギト。
「もはや、話もなんも無いな」
≪KAMEN RIDE…≫
「変身」
≪DEROAD≫
「さらにもう一丁」
≪FINAL KAMENRIDE…KU・KU・KU・KUUGA≫
対峙する二人のライダーの力は最強フォームにも劣らないので、ディロードはDアルティメットクウガとなる。
「悪いが、俺は俺の意思で戦わせてもらう」
≪FINAL ATTACKRIDE…KU・KU・KU・KUUGA≫
Dアルティメットの右足に膨大な封印エネルギーが収束して雷のような火花を散らす。
「ウオリャアァァァァァ！！」
助走をつけ、ジャンプと同時に前転を行い、右足を思いっきり前に突き出す。
アルティメットキックが大炸裂した。
――ドガアァァァァアァァァァァアァァァァァン！！！！――
まるで核爆発でも起きたかのような爆音と爆炎。
次元の挟間でなければ、大きすぎる被害が出ていただろう。
「…戻るか」
＊＊＊
765プロダクション。
仕事が一段落した千早と翔一はのんびりとテレビを見ていた。
「いや〜、今日も働きましたね〜」
「あの、まだまだありますからね。仕事」
「あ、そうでしたね♪」
そんな他愛もない会話をしているとき、テレビがコマーシャルに入った瞬間。
「なんだ？」
「これって…？」
テレビには仮面ライダーオーディンが映っていた。
『仮面ライダーディロード。僕の名は仮面ライダーオーディンと申します。
貴方とは直接会いたいのですが、中々見つからないのでこのような形で用件をお伝えします』
テレビの映るオーディンは我が物顔で喋る。
『それと…貴方が逃げないよう、貴方のお仲間達を強引ながらも預かっています』
画面一杯に写っていたオーディンが画面から退くと、後方で十字架に磔にされたディガイド・SHADOW RX・G4・ネガ電王の姿が。
『貴方の力を、僕は試したい。場所は廃棄された巨大ドームです。良い返事を待っていますよ。
ああ、それからこの世界に来訪している仮面ライダーの方々も是非ご覧になると良い。決して忘れられないものが見れますよ。…それでは明日の正午に。楽しみにしていますよ、ディロード』
オーディンはその言葉を最後にテレビ画面から消え、テレビには本来放送されている番組が放送されたが、オーディンのせいで緊急速報となってしまう。
＊＊＊
オーディンの招待放送。
それは廻も帰り際に通りかかった電器店で目にした。
「…オーディン、俺をコケにしたこと。…後悔させてやるよ」
その強く握られた拳からは、血が垂れていた。
次回、仮面ライダーディロード
「なら、こいつらを使い、ディロードをあるべき道へと」
「さあ、ゲームの時間だ」
「俺は今猛烈に機嫌が悪い。さっさとケリつけて、テメーを殴る！」
「あれが、ディロードの力…！」
”オーディンの遊戯とディロードの全力”
全てを救い、全てを砕け！
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