今回の世界は流姫の出番は少なめで、代わりに信彦の出番を増やしました。
太陽の子・月の寵児
帰るべき世界。それを守るために廻たちと別れ、自分たちの世界を守りにいった和雄と劉子。
それと入れ替わるように現れた廻の旧友・坂木 了…仮面ライダーディルード。
小型背景ロールに映し出された絵の示す世界は?
「で、またお前達と一緒なわけだな」
「ここまで来ると、もはや腐れ縁だな」
世界の破壊者と世界の救済者は再び出会った。
なので、二つの一行は同じ道をのんびり歩いていた。
途中、了に関する質問などは全て的確かつ迅速に答えて終わらせた。
さらに…。
「へ〜、俺達以外にもクウガやディケイドになる人が居たんだ…!」
廻たちの訪れた世界の話にユウスケは興味津々だ。
「フ…」
「な、なんですか士君?」
「いや…ちょっとお前が可哀そうだと思ってな♪」
「光家秘伝、笑いのツボ!」
士は片倉夏海の話を聞き、こちらの夏海のことをあざ笑うと…。
「っフッハハハハハハハハハ!!」
夏海の秘技によって大笑いさせられることとなったが。
数分後。笑いが治まり、士達と廻達は再び道を歩き始める。
「にしても今回も凄い服装だな。昭和っぽいっていうか…」
「それをばっちり着こなすのが、俺だ!」
異世界突入によって士の服装は昭和時代を連想させるものになっていた。
「士…俺はお前のそんな自身過剰なところが理解できない…」
「それ、同感」
士とウマのあっていた廻も、士の自身たっぷりさにはついていけていなかった。さらには了までも
そんな時。仮面を付け、全身を白や黒のスーツに身を包んだ戦闘員集団”チャップ”が現れた。
「なんだこいつら?」
士は見慣れぬ者達の登場に戸惑う。
そしてその直後、周囲に攻撃が放たれた。
一行は走ってそれをかわすも、追いつかれてしまった。
「俺はクライシス最強の戦士。怪魔ロボット・シュバリアン!霞のジョーを始末しろ!」
「霞のジョーだと?」
「クライシスだって!?」
士は自分の服装が銀色のロボット怪人・シュバリアンの標的と同じであることを悟った。
そして信彦も聞き覚えのある組織名に驚く。
「クライシス!!」
突然男の叫び声が響くと、迫って来たチャップ達は一斉に引き下がった。
「霞のジョーはこの俺が守る!」
白い服をきた男は右手を天に掲げると、それを腰元にまで下ろし、勢いよく両手を左右に動かしてポーズをとった。
「変…身!」
すると、男の身体は光に包まれ黒と緑を基調とし、赤い複眼をした一人の戦士となった。
「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK RX!!」
名乗りをあげるライダーを見て、士はこういった。
「RXの世界か…」
世界の救済者、ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?
変身したBLACK RXはチュップ達をいとも容易く蹴散らしていく。
「リボルケイン!」
シュバリアンと対峙したRXはベルトのサンライザーからスティック状の剣ことリボルケインを取り出してシュバリアンと交戦する。
「その程度の攻撃では効かんぞ!」
シュバリアンのパワーと防御力は思ったより高くRXは苦戦する。
しかし、RXは諦めること無く、自らの身体を発光させ…。
「RX!ロボライダー!…ボルティックシューター!」
パワーと耐久力に優れるRXロボライダーに姿を変え、光線銃をシュバリアンに向けて発砲するが、シュバリアンもそれと同時に光弾を発射して対抗する。
すると、シュバリアンの背後に次元の壁が出現し、シームーンファンガイアとスコーピオンイマジンが出てくる。
「なんだ貴様ら!?」
クライシス帝国には存在しない怪人の登場にシュバリアンは困惑する。
「何故ファンガイアとイマジンがこの世界に?」
この奇怪な光景を目の当たりにして、ユウスケはそういった。
最も、そうしている内にロボライダーがダメージを受け、RXに戻ってしまった。
「霞のジョー!」
「…違うだろ。…変身!」
≪KAMEN RIDE…DECADE≫
わざとかどうかはわからないが、夏海に間違って名前を呼ばれた士はそれを否定しつつ変身する。
「お前はディケイド!」
「霞のジョーが何故ディケイドに!?」
「またその名前か…」
「廻、俺も…!」
「行って来い」
士が戦いを始めると、信彦は戦闘時の口調で廻に話しかけ、廻はそれに答えた。
「変身ッ!」
信彦はジャンプすると同時にSHADOW RXに変身。
「RXキィーック!!」
「グオォ!?」
そしてシュバリアンにキックを喰らわせた。
「き、貴様は!?」
「俺は月の寵児!仮面ライダーSHADOW RX!!」
「RXだと!?」
思わぬ敵の出現にシュバリアンはさらに困惑する。
なにしろRXの称号を冠するライダーがもう一人いるなどとは夢にも思わないだろうから。
≪KAMEN RIDE…AGITO≫
一方ディケイドはDアギトに変身し、見事な格闘術で敵を翻弄する。
≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AGITO≫
クロスホーンが展開され、Dアギトはライダーキックをシームーンファンガイアに喰らわせて撃破したが、スコーピオンファンガイアは次元の壁の向こうに逃げてしまった。
「覚えていろォ!!」
シュバリアンはSHADOWの攻撃を喰らい、彼にそう言いながら退散した。
ディケイドはその様子を眺めていると、
「世界の破壊者ディケイド!この世界をおまえの好きにはさせない!!」
RXはディケイドを敵として戦おうとするが、
「士君は破壊者なんかじゃありません!」
「…士君?」
夏海が割って入ってきた。
ディケイドがサイドハンドルを引いて変身を解いた。
「霞のジョーじゃなかったのか」
そういうとRXも変身を解いた。
「士君はこれまでも、ライダーの世界を救って来たんです。信じて下さい!」
長い沈黙が流れる。
「…わかった。君のその真っ直ぐな瞳を信じよう」
「うん!母は強し!」
「だれが母ですか!?」
ユウスケの言葉に夏海をツッコんだ。
「とりあえず、この世界の話でも、聞かせてもらおうか」
***
「俺は南 光太郎。RXとして、この世界を侵略しようとする…クライシス帝国と戦っている」
「光太郎…」
「ん…どうかしたのか?」
「い、いえ…別に、なにも…」
信彦の言葉に光太郎は反応し、信彦は慌てた様子を見せた。
なにをしているんだ!ここにいる光太郎は自分の知っている光太郎じゃない!
今もなお光太郎は十人ライダーとともに人類を影で守り続けている!!
頭のなかで信彦は自身にそう言い聞かせる。
同じライダーであったり同じ名前や顔している異世界人と出会うと言う経験は何度かしたが、流石に故郷とにた世界であるためか信彦の思考能力は鈍っていた。
そんな信彦の思考の間に話は殆ど済んでしまっていた。
「信彦…お前、この世界は…」
「わかってる。…ここは俺の世界とは違うんだ」
戦闘時口調のままで喋る信彦に廻は少し不安を覚えた。
なにしろ信彦の過去には……正義となるまえの記憶は最悪なことこの上ないのだから。
***
――パチッ!…パチッ!…パチッ!――
士はいつもの通り写真撮影をしていたが、写そうと人たちは、まるで士を除け者にするかの如く、カメラのレンズからは見えない所へと行ってしまう。
「この世界も俺に撮られたくないようだ。……街も、人も、風も…皆よそよそしい」
自分の世界ではないRXの世界。
それでも、写真を撮ろうとするが、士はカメラを通して、花壇の石垣部分に座る夏海見た。
「ナツミカン」
すると、夏海は立ち上がり士に話をする。
そんな光景を廻と流姫は一枚の写真を手に眺めていた。
その写真には前回の世界の主役&ヒロインたる片倉夫婦がこのうえなく愛し合い、仲睦まじくしている様子を、オーディンが見守るかのように映りこんだ写真だった。
そんな時、街中に次元の壁が現れ、先程逃がしたスコーピオンイマジンの他にも大鎌を持ったマンティスファンガイア。そして白いスーツを着こなした男が出てくる。
「見つけたぞ。ディケイド、ディロード」
「…お前か。怪人どもを送り込んでいた新たな敵ってのは」
白スーツの男に廻は歩みながらそう言った。
「フフフ…、それでは呼びずらかろう。我々の、新の名前を教えてやる。
世界の秘密結社が大結集した大いなる大組織、それが我等、大ショッカーだ!」
「大ショッカー…ドクトルGの所属していた」
「そう。奴には貴様の抹殺を命じていたが、結果として貴様らに敗れた。それだけならば他の下級幹部を多数送り込む程度にしようとしたが、貴様がディケイドと手を組んだとなれば話は別だからな」
偉そうに喋る白スーツの男。
「アポロチェンジ…!」
その言葉をキーに男は赤いエネルギーに覆われると、白いマントに盾を持ち、頭部の仮面に銀色の装飾が施された怪人となった。
「我が名はアポロガイスト。…貴様らを倒すためにやってきた。ディケイドとディロードにとっては迷惑な相手なのだ」
「そう思ってるなら現れるな」
アポロガイストの言葉に士は毒を吐いてディケイドライバーを装着しようとするが、
「マグナムショット!」
アポロガイストの銃撃によってディケイドライバーは弾かれてしまった。
士はそれを拾おうとするが、スコーピオンイマジンとマンティスファンガイアの妨害でユウスケ共々身動きが取れない。
――ズギュン!ズギュン!――
「なに!?」
廻はコールドライバーの銃撃をアポロガイストに叩きこんだ。
「クソッ!…ならば!」
次元の壁が現れ、そこからはワニ獣人・ヘビ獣人・獣人オオムカデ・獣人ヤマアラシと言った怪人が現れる。
「チッ…!」
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
舌打ちしながら廻は変身する。
理解しているのだ、この怪人達は時間稼ぎの捨て駒であることに。
「貴様の命の炎を頂こう」
アポロガイストは士にそう言うと、頭についている銀色の装飾を取り外して士とディロードに向けた。
「危ない…!!」
「ダメ、避けて!」
夏海と流姫は咄嗟に士の正面に入って来たことでアポロガイストの装飾品の力で身体からエネルギーを吸い取られていき、糸の切れた人形の如く倒れかけたが、士とディロードが抱きとめた。
「夏海!おい!しっかりしろ夏海!!」
「馬鹿野郎!変身もしないで…!」
「この野郎!!」
いくら士とディロードが呼んでも一向に反応の無い二人の姿にユウスケは怒りを感じる。
そこへ、
「廻!大丈夫か?」
SHADOWがライトグラスに乗って現れる。
そして一瞬で状況を理解した彼は、
「変身ッ!」
ユウスケのジャンプしながら行うクウガへの変身と共にジャンプし、
「ハアァァァア!!」
「RX!パァーンチ!!」
同時に空中からアポロガイスト目掛けて拳を振った。
しかし、その攻撃はかわされてしまった。
「ほ〜、ディケイドとディロードだけでなく、クウガとSHADOW RXまで…面白くなってきた。また会おう…!」
「「待て!」」
クウガとSHADOWはアポロガイストを追おうとしたが、次元の壁の向こうに逃げた者を追うことは次元戦士ではない二人には無理だった。
≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEROAD≫
「ゼァァァァァア!!」
一方、ディロードはディメンションクラッシュで弱った怪人たちを一気に殲滅し、変身を解除する。
***
桜田東病院に運ばれた夏海と流姫。
身体は異常としか言いようのない程に衰弱しているにも関わらず、医者の話だと医学的には原因不明としか表現できないらしい。そして一つだけ分かっていることは…このままでは、二人は衰弱死してしまうということだけ。
士は苦しむ夏海を見て…”シンケンジャーの世界”を出る直前の時、夏海が言ってくれたことを思い出していた。
「可哀相に…」
声のした向に四人が後ろを振り返ると、そこには…。
「鳴滝さん」
「ディケイドと…ディロードに関わった者は、全て消えゆく運命なのだ。…君達も、夏海も、流姫も…お前ら自身も!」
鳴滝は士を指さして忌々しそうに言った。
「ディロードとディケイドに関わるな。全てを破壊され、終焉を迎えさせたくなければ」
そう言うと、鳴滝は時限の壁の中に消えて行った。
***
病院の屋上。
士と廻はここに立ち尽くしていた。
そこへユウスケと信彦が来て、夏海の傍にいなくていいのか?と聞くが、
「俺は全てを破壊する」
と、自分が傍にいても夏海を傷つけるだけだと言う。
「僕達は鳴滝さんのいったことは信じない。今まで苦楽を共にしてきた仲間を信じるだけだ」
「夏海ちゃんの傍に居てやれよ、士」
二人はそういって士を励ます。
そこへ、大樹が現れた。
「こんなに隙だからけの士は、初めてだね。おかげで最高のお宝を手に入れたよ」
大樹の手にはディケイドライバーがあった。
「…相変わらず、お宝集めか?暇な奴だな」
「気に入らないなぁ、その態度。ちゃんと僕を見ていてくれないか?」
大樹は士の言葉に少し不愉快そうな表情をする。
「あの、アポロガイストとかいうやつは何者だ?ナツミカンは何故あぁなった?」
「ナツミカン?……あ〜、あの女の子のことか…アポロガイストはXライダーの世界からやってきた、殺人マシンさ」
「奴は一度Xライダーによって倒されたが、GOD機関の再生手術で復活した」
「その通り。だけど、蘇ったその命は…一か月しかなかったんだ。そこで、”パーフェクター”というアイテムを使って、他人の命を吸い取って生きながらえてるってわけさ」
士の問いに廻と大樹が答えた。
「にしても、妙だな。俺の巡った世界じゃ、パーフェクターはXライダーの変身道具だったのだが」
「…RXの他にもライダーの世界が…」
ユウスケは二人の情報量に感心してしまう。
「最も、Xと激闘を繰り広げていたGOD機関は大ショッカーと合併して、アポロガイストは組織の大幹部ってわけだがな」
そこへ、了も現れて解説する。
「坂木さん…なんでそんなことまで?」
「な〜に、俺はちょいと昔大ショッカーから恨みを買った身なんでね」
了はいつも通りの陽気な表情でそう言った。
「…悪の世界でも融合が始まってるってわけか…」
話を聞いた士はこう言って事の行き筋を纏めた。
そして、アポロガイストからパーフェクターを奪い、夏海を助けることを決意する。
だが、大樹もパーフェクターを標的にしていたらしく、さらには士が九つの世界で自分の邪魔をしてきたので、今度はこっちが士の邪魔をすると宣言する。
しかし、あくまでもフェアな条件で勝負するべく、士にディケイドライバーを返還した上で。
***
「ウワアァァァ!」
「キャアァァァ!」
逃げ惑う人々、その原因はチャップ達を率いるシュバリアンだった。
「フッハハハハハ!この地球はクライシス帝国が頂く。逆らうものは皆殺しだ!」
シュバリアン達から逃げる人々の前に次元の壁が現れてアポロガイスト達が姿を見せる。
前後を挟まれた人たちは横へと逃げた。
「なんだ貴様ら?」
「我が名はアポロガイスト。クライシス皇帝に伝えろ。偉大なる大ショッカーと手を組み、共にライダーを倒すのだ」
「貴様らの力など必要ない!」
クライシス帝国までもを大ショッカーの一部にしようと、アポロガイストは勧誘を行うが、シュバリアンはプライド故か断る。
「雑魚共め…アポロチェンジ!」
怪人態となったアポロガイストはスコーピオンイマジンとマンティスファンガイアと共に交戦をし始める。
そこへ、士と廻、信彦がやって来た。
「見つけたぞアポロガイスト…!」
「その息の根を止めてやる…!」
「士君!砕谷君!信彦君!」
二人にかかる呼び声。
それは光太郎の声だった。
「お前は…」
「さっき君は、仲間の為に…一生戦い続ける気かと聞いたね」
「それがどうかしたか?」
「俺は霞のジョーを失ってから、ずっと独りで戦い続け、そのことで余計に仲間の有難味(ありがたみ)を知ったんだ。…俺は戦い続ける。仲間の為になら!」
「…それも悪くないかもな」
光太郎の仲間を思う言葉に、士は肯定の言葉を口にした。
「それじゃ、二人とも」
「行こう。仲間の為に!」
廻と信彦はそう言った。
四人は変身プロセスをとる。
「「変身…!」」
「「変身!」」
≪KAMEN RIDE…DECADE≫
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
四人は変身し、アポロガイストとシュバリアン達へと走る。
SHADOW RXとBLACK RXがクライシス勢と戦っている内に、ディケイドとディロードはアポロガイストの方に斬りかかっていく。
「ディケイド、ディロード…返り討ちにしてくれる」
ディロードは二体の怪人を相手にし、ディケイドはアポロガイストを相手にしていたが、どちらもそれなりの修羅場を潜り抜けてきた強豪故か、ディロードも手間をかけてしまう。
「大丈夫か、士?」
「お前らしくないな、廻」
≪ATTAVK RIDE…BLAST≫
≪ATTACK RIDE…SHOCK WAVE≫
ディエンドとディルードが現れ、カードを装填し、多数のホーミング弾を撃ちだすディエンドブラストと刀身から衝撃波を放つ”ディルードショックウェーブ”を叩き込む。
「ほほ〜、ディエンドにディルードまで現れおったか」
「パーフェクター争奪戦のスタートだ」
「勝つのは俺達だがな」
≪KAMEN RIDE…HERCUS・KETAROS≫
≪KAIZIN RIDE…HYDROZOA LOAD≫
≪KAIZIN RIDE…ROSE ORPHNOCH≫
「行ってらっしゃい」
「頑張れよ」
二人の召喚したヘラクス・ケタロスとハイドロゾアロードにローズオルフェノクがディロードとディケイドの行く手を阻む。どうやらこの二人、手を組んだらしい。
「了!テメー!!」
「邪魔をするな!」
と言ってるまにも敵の攻撃に応対する二人。
「僕等に奪われることを光栄に思いたまえ」
「フッ、バカ者」
ディエンドとアポロガイストは同時に撃ち合うと、二体の怪人が二人の襲いかかる。
だが、無傷だったディルードによって怪人を相手にする。
ディエンドはアポロガイストの相手をするが、近距離・遠距離ともに能力の優れるアポロガイストのほうが一枚上手らしく、きつい攻撃を喰らってしまう。
「危ない危ない…!」
≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫
ディエンドインビジブルの効果で透明になったディエンドはそこから退散する。
≪KAMEN RIDE…ORGA≫
「失礼するよ」
≪FINAL FORMRIDE…O・O・O・ORGA≫
ディルードは仮面ライダーオーガを召喚すると、カード装填と同時に鎧を斬ってFFRさせ、”オーガストランザー”に変形させる。
≪FINAL ATTACKRIDE…O・O・O・ORGA≫
仕上げにディルードはオーガストランザーのFAR”ディルードカイザ−”の黄金に輝くフォトンブラッドのエネルギーブレードを二体の怪人にぶつけて消滅させた。
「隙あり!!」
「ウオォ!?」
技を決めた直後にアポロガイストが不意打ちを行う。
「…あとは廻達に任すか」
≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫
そしてディエンド同様に逃げてしまった。
一方RXとメタルライダーとなったSHADOWはリボルケインとフォースブリッツでチャップを蹴散らし、シュバリアンを一緒に攻撃していた。
「出でよ。ゴルゴムの闘士よ!」
アポロガイストがそう言うと、次元の壁と共に暗黒結社ゴルゴムのサイ怪人とトゲウオ怪人が現れ、RX達の戦いに乱入する。
「また新たな敵か」
「こいつらはゴルゴム怪人!」
「あいつら、自在に世界を越えられるのか」
「俺以外にもそんな芸当をやる奴がいるとは」
ディケイドとディロードは先の二人が残したライダーと怪人と戦いながらもその様子を見ていた。
シュバリアンはサイ怪人とトゲウオ怪人が加勢したことである程度は負担が軽くなった。
「感謝するのだな怪魔ロボット。大ショッカーの申し出を受け入れるか否か。もう一度、よ〜く考、えるがいい」
「くぅ…!」
シュバリアンは返す言葉も見つからず、悔しそうな声を出す。
≪KUUGA・AGITO・RYUKI・FAIZ・BLADE・HIBIKI・KABUTO・DEN-O・KIVA≫
≪FINAL KAMENRIDE…DECADE≫
≪KAMEN RIDE…ODIN≫
ディケイドはハイスピードでライダーズクレストをタッチしてフォームチェンジ。
ディロードもDオーディンにカメンライドする。
すると、今までの苦戦が嘘のように二人は善戦する。
≪KABUTO・KAMEN RIDE・HYPER≫
≪FINAL ATTACKRIDE…KA・KA・KA・KABUTO≫
パーフェクトゼクターを装備したハイパーフォームを傍らに召喚すると、二人とも同じ動きでカードを装填し、マキシマムハイパーサイクロンでヘラクスとケタロスを塵にした。
≪ATTACK RIDE…SWORD VENT≫
Dオーディンはゴルトセイバーを召喚し、瞬間移動を利用してローズオルフェノクとハイドロゾアロードの懐に入り、斬り裂いた。
敵を片づけたディケイドとディロードはアポロガイストに向かっていく。
すると、アポロガイストは次元の壁の向こうに逃げ、置き土産に適当な怪人たちを置いて。
「退けゴラァ!!」
しかし、ディロードは力技で怪人たちを退かし、無理矢理に次元の壁へと入って行った。
だがディケイドは怪人達に阻まれて次元の壁に到達できない。
「RX!バイオライダー!」
「RX!ソニックライダー!」
二人のRXはバイオライダーとソニックライダーとなった。
そして、ソニックライダーが怪人たちを翻弄している間にバイオライダーが液化能力で身体を輪のような形にしてゴルゴム怪人やシュバリアンを含めた怪人達を拘束する。
「士君!アポロガイストを追うんだ!」
バイオライダーは液化を解き、ソニックライダーと共にバイオブレードで怪人どもと応戦する。
「この世界は俺達が守る!お前は行け!」
「わかった、そうさせてもらう!」
ディケイドはRXの促しに従い、次元の壁に突入した。
***
「遅かったな」
「廻…、この世界は?」
無茶な入り方のせいか通常形態に戻っているディケイドを、余裕たっぷりな感じで待っていたディロード。しかも、さっきの世界では昼だったと言うのに、こちらの世界は夜である。
そして、そこへ一人の男が現れる。
光の加減と影のせいで顔がよく見えないが、歩み寄るごとにそれは明るみに見えてきた。
「南 光太郎」
「お前は!」
そう、登場してきたのは南 光太郎だったのだ。
来ている服はRXの世界でのものと違い、黒い服だったが。
「ってことは、ここはまだRXの世界なのか?」
「いや…違う」
ディケイドの憶測に、ディロードは否定の言葉を述べた。
光太郎は変身ポーズを取り始めた。
「変…身!」
その時、腹部に銀色の変身ベルトが出現し、バックルに埋め込まれたキングストーン・太陽の石が輝くと、彼の身体はバッタの如き黒色の戦士となる。
「仮面ライダー!BLACK!!」
「RXじゃない!?」
「だから言ったろ」
「世界の破壊者・ディケイド!世界の終焉者・ディロード!この世界をお前達の好きなようにはさせない!!」
「とうとう俺までお尋ね者かい。…鳴滝め、下らんマネを」
ディロードが呆れ果てた声を出してる間にも、BLACKは二人に戦いを仕掛けてきた。
ディケイドと同じように世界を敵に回し始めたディロード。
終焉者と救済者。二つの異名を冠する彼の行く末は…?
次回、仮面ライダーディロード
「ディケイド、ディロード。貴様らはもうこの世界から出られない」
「例え勝ち目が無くても、戦わなければならない時がある」
「夏海ちゃん!流姫さん!」
「共に戦おう…光太郎!」
共闘:光と影の王子
全てを救い、全てを砕け!
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