共闘!光と影の王子
「破壊者ディケイド!終焉者ディロード!」
「俺達はお前の敵じゃねぇ!」
「全くだ!」
「問答無用!ライダーパンチ!!」
攻撃してくるBLACKに二人は説得を試みるが彼は聞く耳を持たない状態。
「行ってダメなら身体に教え込んでやる」
「ライダーキック!!」
ディロードがそう言った直後にBLACKは蹴りを決めようとするが、
――ズギュン!ズギュン!――
――ズバッ!ズバッ!――
エネルギー弾と鞭のような形状となった刃の攻撃によってBLACKは技を決めることができなかった。
「海東」
「了」
「士、なにをぼんやりとしてるのさ?」
「とっとと気絶でもさせれば良いのに」
ディエンドとディルードの攻撃だった。
「お前等も、ディケイドとディロードの仲間か!?」
「心外だなー。仲間ってのは僕の最も嫌いな言葉だよ」
「俺は好きでも嫌いでもないな」
≪KAMEN RIDE…FEMME≫
≪KAMEN RIDE…SHUKI≫
二人のカメンライドによってBLACKの背後に仮面ライダーファムと仮面ライダー朱鬼が召喚される。
そして召喚された二人はBLACKを攻撃し始めた。
世界の救済者、ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?
「あのライダー達は?」
「女ライダーのファムと朱鬼。思った通り、お堅いBLACK君は女性の扱いが苦手なようだ」
「相変わらずセコイ手を使うな」
「頭脳的と言ってほしいね。さあ、来るんだ」
ディケイドとディエンドがやり取りの後、ディロードとディルードも静かに歩み去った。
***
「何故RXの世界と同じ南光太郎が、ここにいる?」
「それはここがBLACKの世界だからだ」
答えたのは廻だった。
「俺の巡ったRXの世界とBLACKの世界はリンクしていて、仮面ライダーBLACKが新たな力と命を宿してRXへと転生した世界だったがな」
「とはいえ、こっちにおける双方の世界には繋がりが無い。名前や見た目が一緒なのは偶然に過ぎないけど」
廻と了の言葉に士は納得した。
「にしても、二人とも。俺達を助けるとはどういう風の吹きまわしだ?」
「言っただろう。勝負はフェアじゃないと面白くない」
「そういうことなら、アポロガイストを見つけるまで俺達を手を組め」
「…そこまで狎れ合うのはどうかな?」
士は協力を要請するも、大樹は難色を示す。
「時間がない!」
「それを楽しみたまえ。これはあくまで、僕等と君達のゲームだ」
それを聞くと士は大樹の顔を殴った。
「ゲームのつもりはない!!」
「…なんかこう言うの青春っぽいね。僕は嫌いだけど!」
大樹はお返しとでも言士の腹を蹴った。
「そんなにナツメロンが大事か?」
「またな、廻♪」
二人はそう言って立ち去った。
「…ナツミカンだ…!」
「了…あいつの勝手は未だに変化なしか」
***
翌日の昼。
アポロガイストは人間態で堂々と街中を歩いていた。
歩いている途中、偶然目にとまった花の一輪をつんでみると、花は命を吸い取られたのか、直ぐ様枯れてしまった。
――キイィーーーン…キイィーーーん…――
何処からか金属を切るような音が。
「フッ!!」
「ハッ!!」
近くにあった車の鏡からD龍騎とDオーディンが現れた。
それを見た街の人々は恐怖を感じて逃げ出してしまった。
「ミラーワールドを駆け回って探した甲斐はあったぜ」
「パーフェクターを…二人の命を奪い返すとしようか」
「奪い返したいのなら、私を倒すんだな」
アポロガイストは怪人態となった。
「今の俺達は機嫌が悪い。覚悟しろよ」
D龍騎とDオーディンは武器を構えて戦う。
その光景を見て人々は逃げだすが、三人はそんなことにはお構いなく戦っている。
しかし、一人の少女が逃げ遅れているところをアポロガイストが人質にとった。
「そこまでだ、このガキの命がどうなってもいいのか?」
「くッ…!」
「クフフフ…!」
D龍騎は人質を取られ身動きできない状況でDオーディンはせせら笑いをしている。
「何が可笑しい!?」
「バカかお前?人質ってのはな、武器を敵からそらす…最悪の戦術なんだよ!」
そういうとDオーディンは瞬間移動でアポロガイストに眼前に現れ、ライドセイバーとゴルトセイバーの二刀流で斬りつけると、少女の手を握って再び瞬間移動で母親の前に現れ、少女を投げ渡した。
「く、クソッ!」
人質を失って悔しがるアポロガイスト。
さらに、
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫
「それ!」
「グアッ!」
ディルードが”ディルードエクストラスラッシュ”を決めながら現れた。
「さてと、パーフェクター争奪戦再開だ」
ディエンドも現れた。
「アポロガイスト、お前恥ずかしくないのか?」
「なんだと?」
「お前も大組織の大幹部なら、人質なんて姑息な手使わず堂々と来いよ」
ディロードはそう言い切った。
直後、
「トオォ!!」
BLACKが現れた。
「お前…」
「君達は、世界を滅ぼす者じゃないのかもしれないな」
先程のディロードの言葉を聞いたのか、BLACKはディケイドとディロードのことを信じたようだ。
「ディケイド、ディロードよ。貴様らはもうこの世界から出られない」
「なに?」
ディケイドの言葉の後にアポロガイストは次元の壁に消えた。
すると、三人は変身を解除した。
***
「君達は仲間を救うために、アポロガイストのパーフェクターを…」
「アポロガイストを知ってるのか?」
「あぁ」
光太郎は士に答えた。
「俺はBLACKとして、世界征服を企むゴルゴムと戦ってきた。だがゴルゴムは大ショッカーと手を組んだ。…それを取り持ったのがアポロガイストだ」
光太郎はBLACKの世界の現状を伝えた。
「大ショッカーは、どうやって世界を越える力を得た?」
「何者かが…世界を繋ぐ橋を創った」
「世界を繋ぐ?……じゃあ、その橋を使って次々と新しい敵を送ってきてるのか」
「あぁ…、倒しても倒してもキリがない。俺はどうしたら良い?このままずっと戦い続けなければならないのか?」
光太郎はため息混じりにそう口にした。
「あんたに仲間はいないのか?」
「いるさ!どんなに辛い状況になっても、俺と戦い続けてくれると言ってくれた。このBLACKの世界に閉じ込められながらもな」
光太郎は喜々として語った。
「閉じ込められたのか。俺達と一緒だな」
「いつか、RXの世界の光太郎に伝えたいと言っていた。BLACKの世界でも、戦い続ける仲間がいると言うことを…」
「そいつの名前…もしかして?」
「…霞のジョーだ」
光太郎はRXの世界からの来訪者の名を告げた。
「やっぱりそうか…」
「…?」
「フッハハハハハハ!我こそは大ショッカー最強の戦士!怪魔ロボット・シュバリアン!出でよ、大ショッカーの同志たち!」
BLACKの世界であるにも関わらず現れたシュバリアンは次元の壁からシャークファンガイアとクラーケンイマジンを出してきた。
「遂にクライシスも大ショッカーと手を組んだか。RXの世界の南光太郎はこう言ってたぜ。仲間の為なら一生戦い続けるって」
「俺も戦う。仲間の為に」
「喰らえ!」
「「「変身!!」」」
シュバリアンが光弾を発射した直後三人は跳躍しながら、
≪KAMEN RIDE…DECADE≫
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
ディロード、ディケイド、BLACKとなる。
***
「二人とも!しっかりしてくれ!!」
ユウスケが呼びかけるも二人は目を開けてくれない。
夏海は「…行かないで…」とうなされ、流姫は「…廻…」と呟いていた。
そんな間にも二人の症状は悪化するばかり。
***
≪FORM RIDE…FAIZ AXEL≫
≪START UP≫
≪ATTACK RIDE…SPEED≫
「オラァ!!」
「ウリャァ!!」
一方ディロードとディケイドは高速移動能力でシャークファンガイアとクラーケンイマジンを圧倒し、倒した。
しかしその直後、シュバリアンが光弾を発射し、三人を吹っ飛ばした。
「出でよ!我が下部達!」
さらにシュバリアンはチャップ達の軍勢を出してきた。
応戦する三人だが、ディケイドとディロードの眼に映ったのは、
「RXの世界と繋がったぜ…!」
「加勢を呼んだのが仇になったな」
次元の壁の向こうにはアポロガイストと対峙する光太郎と信彦の姿があった。
「ディケイドとディロードは、もうこの世界には戻れない。RX、まずはお前らから始末してやるのだ」
自身のある表情でそう言ったアポロガイストに、二人は沈黙しながら次元の壁の向こうを見つめた。
「キングストーンフラッシュ!!」
BLACKがベルトのバックルから赤い閃光を放ち、次元の壁周辺の守りを固めていたチャップ達を倒すと、
ディロードとディケイドにRXの世界へ行くよう促し、当然二人は促されるまま次元の壁に突っ込んだ。
しかしディロードは兎も角、ディケイドは無理な突入方法が祟って変身が解かれてしまう。
「士!しっかりしろ!」
光太郎は士を抱き起こした。
「フンッ!戻って来たか。ご苦労なことだ。褒美に、大ショッカーの力の一端を見せてやろう!」
アポロガイストが左手を上げると、それと同時に次元の壁が現れ、そこからオルフェノクやワーム群が出現し、士達が通って来た次元の壁からはシュバリアンが出てきた。
「この強大なる大ショッカーの力で、ライダー共を片っ端から潰していく。貴様らに勝ち目など無いのだ!」
「例え勝ち目がなくても、戦わなければならない時がある」
アポロガイストが呼び出した怪人達を前にしても士は不屈だった。
「この男はそうやって一人で戦ってきた。大切なものを、取り戻すために」
「そういうのを、無駄な抵抗と言うのだ」
「この世に無駄なものなんかない。…この世に生まれたもの全ては、いつか成し遂げなくてはならない使命を背負って居るのだから…!」
ここで廻が口を開いた。
「そして、独りではできないことも助け合い、一緒に支えていく相手が必要なんだ。世間ではそう言うのを…”仲間”…というらしい」
最後の台詞は士が纏めた。
「偉そうに…!何様のつもりだ!?」
「通りすがりの仮面ライダーと…」
「最強最悪の仮面ライダーだ!」
「覚えとけ…!!変身ッ!!」
≪KAMEN RIDE…DECADE≫
士はディケイドに変身した。
そして、ディケイドのライドブッカーからカードが飛び出し、ディケイドがキャッチすると、ブランクだったカードはBLACKのカメンライドカードになっていた。
「これは…」
そう呟いた瞬間、カードは誰かにかすめ取られた。
「海東…」
「了…」
疾風のように現れたのはディエンドとディルードだった。
「このカードは、君には使えない」
≪KAMEN RIDE…BLACK≫
ディエンドがカードを使うと光太郎の隣にBLACKの世界の光太郎が召喚された。
二人の光太郎はお互いの顔を見合うと、頷き合った。
「共に戦おう…光太郎!」
そこへ、信彦が二人の光太郎に言った。
三人は変身ポーズを取り始めた。
「変…身ッ!」
「変…身ッ!」
「変身ッ!!」
三人は光と共に姿を変えた。
「俺は月の寵児!仮面ライダーSHADOW RX!!」
「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK RX!!」
「仮面ライダー、BLACK!!」
今ここに、光と影の王子達が立ち並んだ。
六人は怪人共と乱戦を繰り広げ始めた。
ただし、スペックが異常に高いディロードが敵全体の三分の一の量を引き受けてくれているおかげもあってか、残りの五人は一体一体に専念して戦うことができた。
***
「士君………!!」
「廻…廻……」
二人は病院のベッドの上で未だに魘されていた。
そして、力尽きたかのような表情になると、医療機器からは心臓が止まったことを知らせる表示と音が鳴っていた。
「………夏海ちゃん、流姫さん?」
しばし沈黙していたユウスケの顔には何とも表現のしようのないものがあった。
「夏海ちゃん!流姫さん!」
必死に叫んでいると、二人の急に駆け付けた医師によって退かされたユウスケはただただ二人の生還を祈る以外になかった。
***
≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐END≫
≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐RUDO≫
一方、二人の命を救おうと奮闘しているこちら側では、ディエンドがディメンションシュートとディメンションフラッシュでオルフェンク群を一掃した。
≪KUUGA・AGITO・RYUKI・FAIZ・BLADE・HIBIKI・KABUTO・DEN‐O・KIVA≫
≪FINAL KAMENRIDE…DECADE≫
≪FINAL KAMENRIDE…HI・HI・HI・HIBIKI≫
ディケイドはコンプリートフォームとなり、ディロードは装甲響鬼を召喚して、シュバリアンを斬りつけた。
≪AGITO・KAMEN RIDE・SHINING≫
≪FINAL FORMRIDE…HI・HI・HI・HIBIKI≫
ディケイドは双剣のシャイニングカリバー手にしたをアギト・シャイニングフォームを召喚。
ディロードは装甲響鬼を装甲声刃を模した”セイバーアームド”へ超絶変形する。
≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AGITO≫
≪FINAL ATTACKRIDE…HI・HI・HI・HIBIKI≫
「ハアァァァァァァァ…!!」
ディロードが声を発し、セイバーアームドが剣撃モードから音撃モードとなると同時に、
ディケイド・アギト・ディロードは深く構えると、その手に持つ剣は光輝いていき、一気にシュバリアンに向けて振り下ろした。
「「ハアァ!!」」
シャイニングクラッシュと”ディロードインパクト”によってシュバリアンは派手な爆炎に消えた。
「おのれライダーめ…!」
「二人とも…行くよ」
「俺達に命令すんな」
怪人態となって怒るアポロガイストを目前にする四人のライダー。
四人はそれぞれ分かれてアポロガイストの周囲を四方から固めた。
「ウオォォォ!!」
ディケイドが叫びながら走るとアポロガイストは手に持っていた盾、ガイストカッターを投げつけるが、その隙にディエンドが発砲すると同時にマグナムショットでアポロガイストは応戦したが、彼の放った反撃はディロードとディルードによって阻止され、
――ガシッ!!――
見事にディケイドはアポロガイストの頭を掴み、パーフェクターをとった。
「やったぞ!」
「良っしゃ!」
「パーフェクターを、返せ〜!」
しかし、
――バッ!!――
「…フッ、僕達の勝ちだ!」
「坂木、海東!テメーら!」
ディエンドとディルードが素早い動きでディケイドからパーフェクターを盗み取ったのだ。
≪≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫≫
「あいつらふざけやがって!!」
ディロードは二人の土壇場の行動に激怒した。
「士!砕谷さん!」
そこへユウスケが血相をかいて走って来た。
「ふ、二人が…!」
「「!!?」」
ユウスケの表情と焦りから、二人は不吉極まるものを感じた。
さらにそこへSHADOW RX・BLACK RX・BLACKが、怪人達を一掃してきた。
「士、ここは俺達に任せろ!」
「早く行くんだ、廻!」
RXとSHADOWが頷きながらそう言うと、ディケイドとディロードは「頼む!」といってその場を離れた。
「アポロガイスト。…お前が一人で戦うと言うなら、こっちも一人で戦おう」
そう言ったのはBLACK RXではなくSHADOW RXだった。
「面白い…、受けて立ってやるのだ」
「……行くぞ!!」
***
三人が急いで病室に駆け付けた時には、二人の担当であった医師が悲しげな表情でいた。
「…出来うる処置は、全て施したんですが…残念です」
担当医師は頭を下げて病室から出た。
三人の顔には負の感情全てを内包したようなものが感じ取れた。
「…君達のお宝って、そんなものか…」
「分からなくはないけいど、今となっては分からなくなったな」
そこへ大樹と了が現れた。
「…何しにきた…?」
「つまんないね〜。お宝が仲間だなんて」
「貴様らなんかにに何がわかるんだよ!!?」
大樹の言葉にブチギレた廻は二人を全力で殴ろうとしたが、その直前に大樹が懐からあるものを取り出した。
「受け取りたまえ」
パーフェクターだった。
「ただし士、これからはちゃんと…僕を見ていてくれよ」
大樹はそういうと、了と共に立ち去った。
廻はパーフェクターを受け取ると、士と一緒に頷き合った。
「砕谷さん。使い方わかるんですか?」
「…命を吸い取るなんて真似ができるなら、逆に注ぎ与えることもできる筈。…やるぞ士」
「あぁ…!」
二人は自らの生命エネルギーをパーフェクターに吸い込ませた。
「そんなことをしたら、今度は二人の命が!!」
ユウスケの言葉に耳を貸すこと無く生命エネルギーをパーフェクターに溜めた二人はふら付きながらもこう言った。
「二人には言うなよ」
そう言うと、パーフェクターの生命エネルギーは夏海と流姫に向けて放出された。
すると、二人の眼が開いた。
「…士君、ユウスケ…」
「…廻、やっぱり来てくれたのね」
二人は状態を起こした。
夏海の身体に異常がないかどうか、ユウスケがやたら質問している間にこっちは…。
「信じてた、あんたが助けてくれるって」
「!?…気づいてたのか」
「フフ…当然よ。でも、嬉しい///」
そう言うと、流姫は両手を廻の頬に添えて、唇を重ねた。
それを見たディケイド一行(特に夏海とユウスケ)は顔を赤らめた。
「流姫…///」
「廻…///」
二人は自分の”愛する人”の名前を呟くと、お互いの身体を抱きしめた。
何とも言えない暖かくて、優しい感触で、廻と流姫の心は完全に満たされていた。
「おい…お前ら…そういうことは…」
士がかなりきまづそうな声で二人に声をかけると、二人はハッっとなってくっついている唇を離した。
***
その頃、
「ハアッ!!」
SHADOW RXはシャインブレイズでアポロガイストと激闘を行っていた。
「トオッ!」
「ガイスト、カッター!!」
ジャンプしてきたSHADOWにアポロガイストは攻撃を仕掛けるも、二本の剣にとってそれはアポロガイスト自身に弾き返され、SHADOWはそれを好機として斬りかかる。
「い、出でよ!ゴルゴム怪人!」
すると次元の壁からサイ怪人とトゲウオ怪人が現れて、SHADOWに突進した。
「ウワアァ!!」
其の時、RXとBLACKが駆けつけてきた。
「ライダァーパァーンチ!!」
「リボルケイン!!」
BLACKが拳をサイ怪人に振り下ろすと、サイ怪人は吹っ飛ばされて爆発。
RXもリボルケインをトゲウオ怪人に深く突き刺し、一気に引き抜いて、Rの字を描くように剣を振ると、トゲウオ怪人は”リボルクラッシュ”によって爆発した。
「行くぞ!!」
SHADOWの声に二人は力強く頷き、地を蹴ってジャンプした。
「「「トリプルキック!!」」」
三人の同時キックにアポロガイストはダメージを受け、人間態となった。
「おのれ…覚えておれ…!」
捨て台詞を吐くと、アポロガイストは次元の壁の中に消えた。
残された三人はお互いの姿を…戦友の姿を目に焼き付けた。
そして、BLACKはカードの効力が切れたのか、元居た世界に帰って行った。
***
その戦いを遠くから見ていたものが居た。
「…遂に大ショッカーが動き出したぞ。これも全てディケイドとディロードのせいだ!」
鳴滝はそう言い残すと次元の壁の中に行ってしまった。
***
戦いの後、士・廻・信彦・光太郎は近くに愛用マシンを停めて別れの挨拶をしていた。
「霞のジョーからの伝言だ。BLACKの世界でも、戦い続ける仲間がいる…ってな」
「…そうか。あいつはBLACKの世界で、戦う道を選んだのか」
「…その様子だと、光太郎。お前も何かを学んだようだな」
廻がそう言うと、
「あぁ、俺は一人じゃない。離れていても、ずっと仲間だ」
「そう…世界も空間も超えて。…断ち切れない絆があるんだから」
光太郎の後に信彦はスッキリした表情でそう言っていた。
すると、士は光太郎をトイカメラで撮った。
「勿論、君たちともな」
「…じゃーな」
三人はバイクに乗って行った。
***
「へ〜、二人の南光太郎か〜。どっちも良い表情してるな」
「確かに…良い感じだよ」
現像を終えたばかりのユウスケと信彦が持ってる写真には、二つの世界の光太郎とRXとBLACKが映っていた。
「自分の世界を見つけたら、士君もこう言う表情になるんでしょうか?」
「…どうだかな?」
「見つけられるさ、お前なら」
「廻の言う通り。望みはない訳じゃないんだから♪」
廻と流姫は寄り添うように並び立っていた。
そして二人からは恋人同士でなければ発生しないであろう、甘い空間が見受けられる気もしたが、そこは無視しよう。
――ガタンッ!!――
栄次郎が一枚の古い写真を収めた額縁を床に落としてしまった音と共に背景ロールは新たな世界を指し示した。
それは、緑の生い茂るジャングルの奥地に一人のライダーが潜んでいる絵だった。
「…アマゾン…」
絵を見た廻は次なる世界のライダーの名を呟いた。
次回、仮面ライダーディロード
「ディケイド、ディロード、アマゾン、トモダチ」
「人類の未来は、大ショッカーと共にある」
「アァァァマァァァゾォォォォォン!!」
野性児ライダー!?
全てを救い、全てを砕け!
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m