累計アクセス数が遂に200000を突破!
最終話に向けて、ラストスパートです!
神への進化と満足と昆虫王
とある海岸で、四体の怪物が争っていた。
片や金色の右手と紫の左手から、片や血錆の左手と赤い右手から。
双方は欲望の波動を放出しあい、ぶつけ合い、あたり一面はエネルギーの激突による爆発に見舞われている。
だが何時までもこの状況では埒が明かない。
それゆえに、双方は波動の放出をやめ、己が肉体を鬩ぎ合わせる。
『映司のやつ、完全に暴走してんのか!?』
『間違いありません。現に、刃介さんまで・・・・・・』
赤い鳥の異形・アンクと、血錆と紫の妖魔龍・キョトウは、今自分たちに掴みかかっている二人の状態に、深い憤りを覚えた。
『『ヴオォ!!』』
金色の刀の異形・ガトウと、紫の恐竜の異形・映司は、短く叫ぶと同時にアンクとキョトウに廻し蹴りをして浅瀬に吹っ飛ばすと、当然のようにしつこく追撃してくる。
『真木!なんで映司にメダル入れた!?紫のメダルが欲しいんじゃないのか!?』
『四季崎・・・・・・なぜ無粋な真似を!?彼を完全なモノにする筈では!?』
アンクとキョトウは、高台からこちらを監察している、人形を腕に乗せた黒衣の男・真木と、編み笠を被った和装の男・四季崎に睨んで糾弾するように問う。
「火野くんがどうしても渡してくれないんですよ。いっそ暴走させてしまえば抵抗しなくなるかと思いまして」
「案ずるなって。刃介はその程度じゃ壊れはしねぇ。こいつは一種の強度試験と思ってくれないか」
と、二人が悠々と語っている間にも、
『『ヴぁああああああああああああ!!!!』』
二体のグリードが狂乱の咆哮を喚き散らしている。
だがその心中にて、二人はかつての記憶と共に思い起こしていた。
映司はかつて失った欲望・・・・・・どんな場所にも届き、誰かを救える腕、力が欲しかったことを。
そしてその欲望は、今が最高潮と言わんばかりに滾っていることを。
刃介は再認識した強靭な我欲・・・・・・己が望んだ暖かなもの全てを手に入れ、それを望むがままに守り通せる、神さえも殺せる力が欲しくて堪らなかったことを。
((力を・・・・・・!!))
そして、
『ぅぅぅぅぅ・・・・・・!!』
『ぉぉぉぉぉ・・・・・・!!』
映司とガトウの身体から、三枚の紫が飛び出してくる。
コアメダルは二人の腹部に納まると、
「ああああああああああ!!」
映司が全ての変身の手順を省略し、周囲の海水を凍らせて直接プトティラコンボへと変身してみせたのだ。
「おおおおおおおおおお!!」
≪RYU・WA・DRAGON KNIGHT!≫
ガトウは自らと違う属性のコアで変身する所為か、コンボソングが歌われる中で、凄まじいオーラを発しながらリュワドラコンボに変身した。
「「・・・・・・・・・・・・ッッ!!」」
二人はそれぞれ、大地よりメダガブリュー、空間よりメダグラムを引っ張り出し、獣のように突貫していく。
一方は火炎と冷気という相反する属性で、もう一方は龍種と龍種という同属性での戦い。
勝負はハッキリ言って未だ動揺を隠し切れないアンクとキョトウのほうが若干押され気味だ。
しかし、
「アンクくん。倒すならさっさとしてください」
『引っ込んでろ!!お前に言われるまでも無い!』
真木は空気をぶち壊すように言い放ち、それにアンクがキレ気味に応えた。
「そんで、どうするんだ虚刀?」
『黙っていてください。私の遣り方で解決します』
四季崎の問いかけに、キョトウは若干はぐらかすように応えるも、
『こいつらを倒す・・・・・・命を手に入れるために』
『叶える・・・・・・今まで以上に、もっと、幸せを』
次に己の欲望を口にして、こちらに突っ込んでくるオーズとブライに、アンクとキョトウはそれぞれ腕を構える。
右手と左手には、赤々とした火炎球弾と禍々しい妖気の塊がある。
二人はそれを真正面からオーズとブライに向けて飛ばそうとした、その瞬間、
”ありがとう”
ついさっき言われた、あの一言が脳裏をよぎる。
そしてそれが元になって、
――ドゥウウウゥゥゥゥゥン!!!――
二つの球体は、オーズとブライのすぐ横を霞めて行き、後ろの岩を粉砕した。
「「―――ッ!」」
これには二人の狂戦士も注意を後ろにむけたが、それも時間稼ぎにもならない程度のことにすぎない。
今再び、紫の獣と相対する二体の異形は、
『なんで・・・・・・なんでだ!?』
『やはり、私は・・・・・・』
アンクとキョトウは、困惑しながらオーズとブライに突っ込んでいく。
その困惑は次第にやり場の無い怒りに変わり、武器の有無に関係なく、狂戦士を圧倒する。
『なにがありがとうだ!?』
『今更、そんなことを・・・・・・!』
二人は思い出す。
初めて映司や刃介と出逢った日のこと、『力』を与えた時の事を。
”お前から貰ってたんだ”
『ああ、渡すんじゃなかった!』
”初めて出会った瞬間にくれたんだ!”
『こんな事になるとわかっていれば・・・・・・』
”刑事さんも、そいつも、朝からの長い付き合いだから”
『こんな奴に・・・・・・こんな・・・・・・』
”俺はお前に惚れているからな。だから俺は、お前が欲しい”
『全てを隠して・・・・・・平和に、暖かな・・・・・・』
”お前のメダルじゃない。―――あいつのだ!!”
言葉で誤魔化すたびに、二人の記憶から引き出される相方の台詞。
「「ヴゥゥゥオオオオオ!!」」
今ある現実において、求める力に呑まれ暴れ回る姿。
『映司・・・・・・』
『刃介さん・・・・・・』
『『力が欲しいなら、こんな程度で暴走してんな!!』』
己自身と相方――双方のふがいなさに憤怒した二人の拳は、
――ズンッ・・・・・・!!――
紛れも無くオーズとブライの胸に突き立てられ、二人を砂浜に吹っ飛ばした。
その際、オーズから紫以外の全ての所有コアが飛び出してしまい、アンクはその内の一枚、キョトウはその内の三枚を掴むと同時に人間態に戻る。
「―――アン、ク・・・・・・」
「な、なみ・・・・・・―――」
変身がとけ、生身で砂浜に転がる映司と刃介。
その二人の姿を、右手でタカ、左手でブラカワニのメダルを持ったアンクと七実は、
「―――このバカが」
「はぁ、全く―――」
二人はずぶ濡れの身体に鞭を打つように、目の前で転がる相方二人に、侮蔑と呆れの言葉をおくる。
そこへ、真木と四季崎がこちらに歩み寄ってくると、
「―――――」
「うッ・・・・・・!」
真木が今再び、映司の紫を呼び込もうとしている。
「まだ抵抗するんですか?」
真木は無感情なまま、砂浜に落ちたコアのうち、ラトラーターの三枚とバッタを拾う。
「火野くん。本当に後戻りできなくなりますよ」
「それでも・・・・・・これは、要るから・・・・・・」
映司は砂浜に倒れながらも、断固としてメダルを譲ろうとしない。
「よく言ったぜ、火野。こんな、臆病眼鏡にくれてやるモノなんざ・・・・・・蹴りや拳で充分だ」
と、今度は刃介が体力を振り絞り、立ち上がりながら肯定した。
「―――アンクくん。やはり火野くんは消してしまいましょう」
真木はそうアンクに告げた。
「虚刀『鑢』。さっさと我刀『鋼』を運ぶぞ、俺の屋敷に」
四季崎は一方的な意見を七実に叩きつける。
「「君達の欲しいモノの為に」」
そして、
「「・・・・・・・・・・・・」」
その一言で、アンクと七実は、映司と刃介に近寄っていく。
「アンク・・・・・・」
「おい」
「忘れてた・・・・・・」
「あ?」
映司は倒れたままアンクの顔を近くで見て、急に何かを思い出したかのようニ、懐に手を入れて、
「一年分の、アイス・・・・・・」
それは、以前にも四人のグリード(実質的にカザリと真木)によって大半のコアを奪われ、映司とアンクが大喧嘩をした際、映司が提案した再協力の条件であった。
「・・・・・・今日の分・・・・・・」
懐から明日のパンツに包んである小銭を渡そうと、手を伸ばす映司。
「火野、オメェ・・・・・・」
そんな映司の姿に、刃介は何ともいえない感情を抱きだす。
「では火野くん。・・・・・・良き終わりを」
そこへまたも無粋にはいってくるのは、右腕をグリード化させている真木。
「ッ!」
それに対抗して刃介も両腕をグリード化させる。
だがそれは無意味に終わった。
アンクの『右腕』が、真木の右腕を掴み、映司を庇うようにしているのだから。
「なんのつもりですか?」
「さあ?俺もなんのつもりなんだか?」
「放しなさい・・・・・・!」
「そのつもりは無い!」
その強い反発の意志は、アンクの『右腕』に炎となって灯り、真木の右腕を振り払う。
結果、仰け反らされた真木の腕の人形に、炎が移ってしまった。
真木はその火を見て、思い出してはならない記憶を呼び起こす。
結婚が決まった途端、自分を邪険に扱った実の姉を、結婚式前夜において・・・・・・眠っている隙に寝室へ放火を行って焼き殺した―――トラウマというものを。
「ぅお、おおおおおおお!!?」
真木はパニック状態となって火のついた人形を海へと放り投げた。
まあやってることは余人からすれば正しい。しかし投げた本人はというと、
「ダメだからぁぁ!!投げちゃダメだからァッ!!――無いよ!!無いよ!!」
「やっぱ、あいつ人形が絡むとただのボケになるな」
海に入って必死こいて人形を探す真木に、四季崎は溜息交じりで嘆息する。
「アン、ク・・・・・・―――」
「・・・・・・・・・・・・」
映司は名前を言って気絶し、アンクは何も言わずに立ち去って行こうとする。
「戻って来い、七実・・・・・・!」
「刃介さん・・・・・・」
身体はボロボロだが、いまだ眼光に鋭い欲望を秘めた刃介に迫られる七実。
そこにも下種な感情は欠片もなく、ただ純粋に七実と共にいたという欲望だけがある。
「悪いが我刀、それは後回しだ」
――ガッ!――
「ぐぉッ!」
四季崎は、刃介の鳩尾に光弾をぶつけ、無理矢理に意識を毟り取る。
「刃介・・・さん・・・」
七実は倒れる刃介の身体を抱きとめる。
「四季崎・・・・・・なんの為に?」
「何の為にって、屋敷へ運ぶ為だ。それに、迎えも来てるようだしな」
指指された方向には、自動車とバイクから降りてコッチへ向ってくる里中とルナイトの姿が見えた。
*****
「里中が火野を見つけて、財団で保護したそうです」
街中で後藤達は、スマートフォンに送られた情報に安堵する。
「兄さんはどうなったんです?」
だが、それは映司についての安堵だけだ。
「それが・・・・・・シルフィード会長と、鑢と、四季崎が・・・・・・鋼を四季崎の屋敷に連れて行ったらしい。何か相当重要なことがあるらしいんだが」
金女に問われた後藤は、詰まり気はあるものの、素直に応えた。
「そっか。まずは一安心、ってわけにもいかねぇか。ったく、俺が日本離れてる間にそこまで状況悪くなってるとはねぇ」
「黙っててすいません。治療に専念してほしくて・・・・・・」
後藤はそうして伊達に謝り、メダルリュックを背負うと、伊達は後藤の背中を叩き、
「サンキュー」
とだけ言った。
「だけどよ、これからどうするんだ?世界の終末を防ぐってとこまでは判るんだがよ」
「まずは火野と合流して、あ奴のガードをこっちで固めるとしよう」
「そうすれば、真木博士も手出しし難くなると言う訳ですか」
烈火、竜王、金女はこれからのことを相談しあう。
「刃介のことは一旦後回しだ。四季崎はあいつを殺すつもりはないだろうしな。向こうは今、鑢らに任せて、私たちは火野の方に集中しよう。でなければ、この世は暴走した欲望によって喰らい尽されるぞ」
竜王は目付きを厳しくしながら、起こりうる最悪の結末を提示した。
「話によると、けっこうな数のコアが真木博士に渡ったと聞いてますが、まだ足りてないんですよね。紫のそれが」
「そいつを火野から手に入れる前後に、世界の終末を始める気なのかもしんねぇな」
金女と烈火もほぼ事実に等しい未来を予測する。
「一度、財団に戻ろう」
後藤は話を全て纏めるべく、みんなにそういって本社目指して走り出す。
「すっかり逞しく成っちゃって。・・・・・・お父さん嬉しい!」
「不解――気持ちは判らなくもありませんが、なんかムカツクので止めて下さい」
父親気取りをする伊達に、ちゃっかり毒入りのツッコミをしておく金女であった。
そして、一同が全員立ち去ったとき、草の茂みからコソコソと現れたのは、
「完全復活まであと一枚」
「拙者は三枚でござるな」
ウヴァと白兵だった。
*****
クスクシエ。
今その店内は、比奈と知世子だけしかいなかった。
「そう。映司くんとアンクちゃん、鋼さんと七実ちゃん、それに比奈ちゃんのお兄さんも、そんな大変なことに・・・・・・」
比奈は遂に全てを話したのだ。
隠していた戦いのこと、オーメダルとグリードのこと、映司とアンクと信吾の関係、今の映司の状況などなど、比喩表現ではなく文字通り全てをだ。
「やっぱり、すぐには信じられないですよね・・・・・・」
「―――ううん。世界には不思議なことなんて一杯あるもの。メダルのお化けを信じるくらい屁でもないわよ」
と、明るく状況を飲み込んで見せる知世子。
「信じられないのは、比奈ちゃんのほう」
「え?」
「アンクちゃんか、お兄ちゃんか、どっちかに決めなきゃとか――映司くんとアンクちゃん、どっちかが戻ってくるなんて、そんなの認めちゃダメよぉ!」
知世子は店に置いてある置物の人形を手にとってそういった。
「でも、何もかも都合よくなんて、勝手なこと言っても・・・・・・実際に戦ってる映司くん達が辛いだけです」
「うーん・・・・・・正しいのかもしれないけど・・・・・・でもそんなの詰まんない。もっと欲張って良いじゃない!」
「知世子さん・・・・・・」
「映司くんも、アンクちゃんも、お兄さんも!って―――ちゃんと欲張れるのは比奈ちゃんだけよ」
「ちゃんと、欲張る・・・・・・」
何の力も、何の知識も無い一般人に過ぎない知世子。
だが彼女は彼女なりに、一度か二度は世界を旅行して廻った経験がある。
その人生観は、同じように無力な常人である比奈の心に、何か尊いものを齎す貴重なアドバイスとなった。
*****
そんな頃で、アンクはどこぞの雑木林にいた。
孤独を味わっているのか、ただ一人で考えに耽っているようだ。
「(映司からメダル盗るの忘れてたな)――何をしてるんだか、俺は」
と自分に対して呆れていると、
「―――文句なら聞いてやる」
気配を察知して先に言葉を発した。
「アンクくん。君は人間に近づきすぎましたね。・・・・・・ある意味君の欲望通りですが」
「フッ、どこがだ?俺は相変わらず、メダルの塊だ」
「君をメダルの器にするのは中止です」
「ッッ―――!!」
突如告げられたソレに、アンクは木陰から急いで出て真木を迎え撃とうと、すぐにグリード態となるが、
――グサッ――
『ゥあ・・・・・・!』
ギルの右手は、アンクの胸に深く突き刺さった。
そしてギルの右手が、今まで集中させて来た多くのコアと、タカ・クジャク・コンドルの赤いコアを一枚ずつ抜き取ったと同時に、
――パリパリ・・・・・・ッ――
人間の姿に戻り、倒れ伏せながらも自覚した。
己が魂たるタカのメダルに、ある程度のヒビが入ったことを。
「―――――!!」
アンクはそれでも『右腕』から火球を飛ばして牽制する。
ギルはそれを難なくかわして真木に戻る。
「君が他のグリードよりはマシかと思っていたんですけどね、買い被りだったようです」
冷徹かつ非情な言葉だけを残し、真木は大量のコアを持って立ち去っていった。
当然、コアの殆どを抜き取られ、弱体化したアンクにそれを追う余力は無い。
今の彼が如何にか守り、残されたメダルは、一枚ずつのタカ・クジャク・コンドルと、フォース・コアが三枚。
「―――全くだな。しかも馬鹿馬鹿しいのは・・・・・・さっきからずっと・・・・・・満足してるってことだ」
その時のアンクの表情は、どこか嬉しそうでいて、皮肉そうでもあった。
*****
鴻上ファウンデーション会長室。
「地下の保管庫?」
「なんでそんな所に火野を?」
「確か、王の間ってのがあるんだよな?」
「大丈夫なのですかそこは?」
「理由は聞いてません」
そこでは伊達と後藤と烈火と金女と里中がコソコソと話し合っていた。
なお、竜王は諸事情で別の場所にいる。
「ええい、後藤ちゃん、花菱。兎に角行ってみよう」
「あ、ロックされてますよ。出入り禁止だそうです」
里中はコソコソせず、ずけずけと事実を突きつける。
「え、どういうこと?何考えてんだ会長は?」
「さあ?私の業務ではないので、失礼します」
里中はどこまでもドライに振る舞い、バッグを肩にかけて移動しようとする。
「前から思ってたけどよ、あの里中って姉ちゃん、ドライすぎねぇか?」
烈火は里中の人物像として、マイペースで辛党でビジネスライクというものしか知らない。
だが、
「忘れてました」
里中は立ち止まり、
「後藤さん、これ」
ある一枚のカードキーを後藤に投げ渡す。
「マスターキーです。秘書補佐として、預かっといてください」
「里中・・・・・・」
「じゃ――お疲れ様です」
今度こそ本当に、里中は移動していった。
「あんがとよ!本当によ!」
「―――ステキッ!!」
「不良――烈火くんはまだしも、伊達さんの今の声音はNGです」
などと、里中が人情を見せた直後に、金女の毒舌が冴え渡った。
結果として、これで四人は地下保管庫への進入が可能となったのである。
*****
所戻ってアンクはというと、
『キィィ』
『リュー』
彼の頭上に二機の機械、タカカンとリュウカンが旋回すると、向こうから走ってくる主の手元に戻っていく。
「・・・・・・お前ら・・・・・・どうして?」
アンクは座ったまま首と目を少し動かして、自分を探し当てた者の姿を視認する。
そこには驚いた表情の比奈と、やはりかという表情の竜王。
「探したの。映司くんのやり方見てたから」
「それにしてもアンク。この様子だと、手酷くやられたらしいな」
竜王はあたり一面に散らばるセルメダルを見ながら言った。
グリードの観点からして、今のアンクは大量出血をしたに等しい。
「それで、なんだよ?」
「・・・・・・もう一度、話したくて」
「帰って来い、アンクよ」
「・・・・・・・・・・・・」
アンクはその言葉に沈黙する。
「アンク。くどいようだが、深手を負わされたのだな?大方、真木あたりに」
「別に」
と返すも、アンクは判っている。
同じグリードであるが故、竜王はアンクの体内から多くのコアが奪われたことに気付いている。
「・・・・・・この身体はなんとも無いから、安心しろ」
「アンクのこと、聞いたんだけど」
比奈はアンクの誤魔化しを押しつぶすように意味を明確にする。
アンクはセルを零しながら立ち上がり、木の幹を支えにしながら。
「もうすぐ返す」
「返すって・・・・・・お兄ちゃんのこと?」
「要らなくなる」
「アンク。お前、よもや・・・・・・?」
竜王は勘付いた。
もうアンクに残された時間は、実に短いものになっていることを。
「リュウギョク。お前には、他にやることがあんじゃねぇのか?」
「アンク・・・・・・。わかった・・・・・・」
らしくない言葉に、竜王は頷いて其の場から走り去った。
自分が成すべき戦いの為に。
*****
地下保管庫の重厚な扉。
後藤はその読み込み機にのマスターキーをスラッシュする。
ロックが解除され、四人は扉を開けて部屋に入っていく。
王の間へと入った四人。
そこで一番に目についたのは、
「・・・・・・火野」
王の間に置いてある・・・・・・玉座とも言うべき場所に座る火野映司。
その風貌からは、王者の覇気さえも感じさせる。
「これは、招かれざるお客だが、火野くんを説得してもらうには良いかもしれないね」
と、鴻上がゆったり歩きながら四人に向けて言い放つ。
「説得?」
「火野映司くんはね、遂にその欲望の器を開いたんだよ」
「はあ?」
「不解」
伊達と金女は、欲望の器についての詳しい事情は知らないため、素っ頓狂は声を出してしまう。
「伊達さん、金女さん。久しぶりなのに、すいません」
玉座に座ったまま映司は謝罪し、
「俺思い出したんです、俺の欲」
「と言いますと?」
映司は玉座から立ち上がり、
「力です。どんな場所にも、どんな人にも絶対に届く俺の手、力・・・・・・俺はそれが欲しい」
瞳を虚無の紫に変えて欲望を曝け出した。
「手に入るとも!!君の素晴らしく巨大な器に、欲望の結晶!その無限のセルメダルを飲み込みたまえ!」
鴻上はリモコンを操作すると、途端に部屋の奥に張られていた赤いカーテンが脇に失せていき、そこには隠されていた無量大数の力!
「なんじゃこりゃ・・・・・・」
烈火もこの光景に唖然とする。
「欲望こそ命の源。欲望は生命の進化を起こす。君も全く新しい進化を果たす、真のオーズとして!800年前に成しえなかった、神に等しい力を手に入れる!」
奥の間にある文字通り数え切れないほどのセルメダル―――実際には有限だが、人が一目で数え切れないがゆえに無限と称されるほどの膨大で莫大なそれは、紛れも無く神への進化を促す呼び水となるだろう。
「しかしその為には紫のメダルがどうにも邪魔だぁ!このままじゃ、真のオーズどころか、真のグリードだよ!でもどう言っても彼は、紫のメダルを手放してはくれないんだよぉお!!」
鴻上はわざとらしく、演技っぽく、胡散臭く泣き出した。
いや、この男の場合、真剣で泣いてるかもしれないが、その両目からは雫が流れていない。
「伊達くん!!金女くん!!」
「冗談じゃねぇ。真のオーズもグリードも願い下げだ!!」
「大体、こんなことは私の任務に入っておりませんが」
伊達と金女は真っ向から鴻上の意思に反発する。
「火野帰るぞ。お前可笑しくなってるんだ」
「こんなトンデモねぇ量のメダル・・・・・・どうなっちまうか、わかったもんじゃねぇぞ!」
後藤と烈火は映司の腕を引っ張ろうとするも、
「俺の器なら、飲み込めますよ・・・・・・!」
映司はその腕を振り払い、目の前に広がる凄まじい力の結晶を恍惚とした表情で見ている。
だが、それもつかの間で、
「ッ―――真木博士だ・・・・・・!」
自分と同じ波動を感じ取り、映司は王の間から飛び出して行った。
「「火野っ!!」」
「火野さん!」
無論、それを黙って見過ごす彼等ではない。
後を追って走り出していった。
*****
同時刻、とある武家屋敷。
厳密には四季崎の現代における拠点の敷地内の庭に建てられた古風な土蔵の中。
「―――――・・・・・・っ」
その床の上で、鋼刃介は眼を覚まして両の目蓋を開けた。
「漸くお目覚めのようね」
「ルナ・・・・・・イト?」
自分の顔を真上から見下ろす金髪翠眼の美女。
「苦労したわよ。此処に運んでから眼を覚ますまで、こいつに警戒しっぱなしだったんだから」
忌々しそうに語る彼女の視線の先には、土蔵の奥深くで胡坐をかきながら日本酒を飲む四季崎の姿がある。
「俺は・・・・・・確か・・・・・・」
「暴走させられて、正気を失っていたのですよ。刃介さん」
「な、なみ?」
今度は、彼が最も親愛を寄せる女性の声。
その声はルナイトのそれと同じく、上から見下ろすように聞こえてくる。
少しすると、自分の頭が柔らかで暖かな物に乗っていることを自覚し、彼女の細い指が刃介の頭を撫でてくれている。
そう、膝枕というものだ。
「・・・・・・そういうことか」
刃介が現状を理解し、上体を起こした。
「かかかっ。やはりお前が俺の見込み通―――いや、それ以上の出来栄えだな」
「四季崎記紀・・・・・・」
酒を飲み終えて此方に歩み寄ってくる四季崎。
だけど何故だろうか、何時ものような敵意が沸いて来ないのだ。
まるで、待ち望んでいたものが、すぐ其処に来ているような。
「さて、これで『強度試験』は終了。残るは最後の仕上げのみ」
四季崎は被った編み笠でも隠しきれないような愉悦の笑みを浮かべている。
「来い。お前がずっと欲しくて堪らなかった力を与えよう」
「俺の・・・・・・俺だけの力を・・・・・・」
「そうだ。望むもの、守るもの、それら全てを法則を無視して如何にかできる絶対的な力」
「ちょっと待ちなさいよ四季崎」
と、そこでルナイトが待ったをかけた。
「ついさっきまで身体中にエネルギー迸らせて暴走していたこの人に、より大きな力を投入すればどうなるか・・・・・・!」
「問題ないだろう。その確認の為に一度暴走させたんだからな」
半ば怒りの表情で迫るルナイトに対し、四季崎は飄々とした態度で受け流す。
「ですが、もう暫くの休養が必要です」
「いや、大丈夫だ七実」
「刃介さんっ」
刃介は立ち上がり、七実に優しく微笑んでから、四季崎と向かい合う。
「四季崎。力をくれるってんなら今直ぐに寄越してもらうが、その前に慣らしが必要だ。お前のことだから、コアだけでなく、他の大量のメダルを使うんだろ?」
「良い答えだな。確かにお前には一先ず『完全体』になってもらう前に、大量のセルメダルを取り込んでもらう。今までお前が稼いできた貯金は全て、ここに持って来てある」
「俺んチに入ったのか?不法な家宅侵入および窃盗罪にあたるなこれは」
「どっち道、持ち主のもとに還るんだから帳消しだろう?」
四季崎と刃介はそう言いあいつつ、土蔵の奥深くに歩いて行く。
四季崎は土蔵の一番の奥の壁に突き当たると、一旦振り返ってこう告げる。
「まずはお前が溜め込んできたセルメダル約20000枚を返還しておく」
トントン、と音を立てるように壁を小突く。
すると、何やら床の下からガタガタという物音や振動が伝わってくる。
そして、上から一枚のセルがチャリンと落ちてきた直後、
――ジャリィィィイイィィィン!!――
天井の一部がパカっと開き、天井裏に当たる部分から20000枚のセルメダルが一挙に放出された。
「面白い」
刃介は邪悪に微笑むと、その身を金色に輝く一本の刀へと変えた。
『ヴヴヴぅぅぅおおおおお!!』
堅く閉じられた口が開き、鋭く牙が顕わになると、人間とは思えないような叫び声が響く。
それに呼応して、セルメダルが活性化し、力を欲する存在の口へとドンドン吸い寄せられていく。
湯水のようにあったセルメダル。
だがそれも、限りない欲望の前では、所詮有限のものでしかない。
一分と経つこともなく、20000枚のセルメダルは全てガトウの体内へと吸収された。
『ヴゥゥ・・・・・・ふぅ、はぁ』
大量極まるセルを取り込み、ガトウは中腰になりながら息を整える。
「よしよし。じゃあ、これからお前に本番のメダルを与えるとしよう」
四季崎はそう言って床に手をつくと、何かを探すように両腕を動かし、そして何の変哲も無いような窪みに指を突っ込んで力任せに上へ持ち上げた。
するとそこには、
「隠し通路、というか、隠し階段?」
ガトウは刃介に戻ると、随分ベタな展開に眉を吊り上げた。
「そんな顔するなって。入ってるブツがブツなんでな、逆にこういう感じのほうが見つかりにくいだろ?」
四季崎は四角く刳り貫いてある穴に中に入り、釘で打ちつけてある縄梯子に両手両足を引っ掛けて下に下りていく。
「行くしか無いみたいね」
「らしいですね」
地下に通じる暗い穴を見ながら、ルナイトと七実は興味深そうにしている。
「それじゃあ刃介、先に」
「ああ」
刃介は三人の中で先に縄梯子に手足をかけて下りだす。
後続の二人も薄暗い穴へと入っていき、一分ほど下り続けると、そこで漸く明かりが見えてくる。
ペースを上げて、一気に下に行くと、そこには得意げな表情になった四季崎が、蝋燭に火をつけていた。
「本俸初公開となる俺の工房だ」
その言葉と共に、四季崎は指先に銀色の炎を灯し、手を振ってその炎を周囲に全てに振りまいた。
銀色の炎は後ろにいる刃介たち以外の全ての蝋燭に火種となり、真っ暗闇に等しい空間を光で満たす。
「っ―――こいつは、まさか・・・・・・!?」
工房内が明るくなったことで、刃介は凄絶な光景を目にする。
傍らにいるルナイトと七実も、その壮絶さに言葉すらないようだ。
「これが我刀『鋼』を超完全体するキーアイテム・・・・・・『無限のフォース・コア』だ・・・・・・!」
そこには、蝋燭の明かりによって虹色の淡い光を齎されたコアメダルの―――山!山!山!
地下の工房の大きさはおよそ一般的な一軒家と同じ面積である為、必然的にここにあるメダルの数も、決して無限というわけではない。
しかし、『無限のセルメダル』同様、一目で確認し切れない量を、人は無限と呼ぶ。
「800年間、人目を忍びながら手掛けてきた、俺の生涯における欲望の賜物だ」
四季崎はフォース・コアを指差しながら説明に入る。
「これらによってお前は進化を果たす、真のブライとして、真のグリードとして!800年に及ぶ研鑽が、遂に神をも斬り殺す力へと到達する!」
四季崎はハイテンションとなり、口調にも熱がこもっていく。
「今のお前が持っている他系統のコアメダルは、確か二十枚チョイだったな。それらを取り込み、俺の中にある八枚を得た時にお前は完全体となる」
「そして、この半端ねぇコアメダルで・・・・・・」
刃介は、自分でも知らず知らずの内に笑顔となっていた。
まるで、長年の夢が叶った、無垢な少年の笑顔そのものだ。
「四季崎、本当に大丈夫なのですか?もし、コレの所為で刃介さんに何かあったら・・・・・・」
「心配すんなって。俺の刀鍛冶と魔術の腕前はお前自身が証明してる」
「・・・・・・・・・・・・」
それを言われたら返す言葉が無い。
四季崎はニヤけた表情で黙った七実を見て、次の瞬間には、
「それに第一よ・・・・・・もったいねぇ話だが」
笑顔は掻き消え、言葉の通り本当に残念そうな顔で、
「お前は壊れちまうんだからな」
「えっ?」
――パチッ――
――パリッ・・・・・・!――
指が打ち鳴らされた。
同時に聞こえてきたのは、七実の体内で何かにヒビが入るもの。
「かふっ―――」
苦しげな息が彼女の喉から漏れた―――吐血と一緒に。
「な、七実ッ!!」
「七実ちゃん・・・・・・!」
刃介とルナイトは、吐血をして膝をついた七実に駆け寄る。
「四季崎、テメェー!!」
「なんで七実ちゃんのコアメダルを!?」
二人は敵意を通り越して、ドス黒い殺意と憎悪と憤怒に身を焦がさん勢いで四季崎を睨みつけている。
「いやいや、俺だって勿体無いと思っている。何しろ虚刀『鑢』という枠組みを逸脱しかねん程の存在だからな。――いいや、もしかしたら、だからこそコイツを壊せたのかもしれないな」
「御託なんざ聞きたくもねぇな!!表に出やがれ!!すぐにでも殺してやる!!」
刃介は大声を上げて怒鳴り、懐からメダルホルダーを取り出して収められているコアを全て体内に吸収した。
「昂ってきたようで結構。そろそろ真木も動いてる頃合だろうし、丁度良いか」
四季崎はそうして刃介共々地上へと昇っていく。
片や殺気、片や嬉々に心を染めながら。
残されたルナイトと七実は―――。
「けほっ、けほっ」
「七実ちゃん、しっかり!」
地面に血溜りをつくる七実に、ルナイトは必死になって抱き寄せ、治癒魔術をかけようと精神を集中させ魔力を練り上げた直後に、
「いいんです。こういうのには、慣れてますから」
驚くほどに冷静な七実の声によって遮られる。
「私としたことが、忘れかけていました。死も苦も、四半世紀も連れ添った友人と大差ないというのに・・・・・・」
元々、原典の彼女は、その特異体質が起因して重い病を複合的に患っていた。
その病魔一億とさえ言われたモノの大半が、致死性レベルばかりで、発症者が鑢七実でなければ酷すぎる死に様となったであろう。
だが、その病魔一億に拮抗するほどの自然治癒力ゆえに、七実は生きてこれたし、死に損ないと比喩された。―――言葉の通り、苦痛と死に体は鑢七実にとっては友人といって差し支えないほどに慣れ親しんだ感覚なのだ。
「この人形の体になって、全ての難業から解き放たれていましたとはいえ、不覚にも程がありますね・・・・・・」
そう、今の彼女は四季崎記紀のつくりあげた偽者。
さらにメダルの塊たるグリードとなったことで病魔一億からは無縁となっていた。
「病魔のことだけでなく、四季崎は何時でも、私たちを廃棄できた筈なのに・・・・・・」
ある意味、これは鑢七実の人生において最大級のドジである。
作られた、ということは細工が施されていても可笑しくは無い。
四季崎の贋作たるデシレならば、これを知っていて、細工を起動させるくらいわけもない。
「七実ちゃん・・・・・・ごめんなさい、私・・・・・・」
ルナイトはそんな七実をみて、謝った。
何も出来ない自分に、もう助からない――長くない彼女に対して。
「謝らないで下さい。今となっては、錆び付いて刃毀れした身ではありますが、まだ最後のお役目を果たすまで、消えるつもりも死ぬつもりもありません」
「・・・・・・兎にも角にも、一度ここを出ましょう。また何かされたら、堪ったもんじゃないわ」
ルナイトは健気にも微笑む七実を負んぶして、縄梯子に手をかけた。
*****
≪RYU・WYVERN・DRAGON≫
≪RYU・WA・DRAGON KNIGHT!≫
「ヴォオオオアアアアアアア!!!!」
『あーらよっ!』
ブライ・リュワドラコンボのメダグラムと、デシレの呪刀『鎮』の刃が激突しあう。
ガギンガギンという、普通の刃物ならとっくに折れているであろう衝撃が空気中に充満する。
なにより二人は純粋な剣戟を繰り広げながら空を飛んでいた。
四枚の翼と八枚の翅を広げて、激突しては離れまたぶつかる、というサイクルを繰り返している。
だがこれを延々と繰り返すわけにはいかない。
『(そろそろか)』
デシレは頃合を見計らうと、一気に地上へと高度を降ろしていく。
「逃がすか!」
当然ブライもそれを追って降下する。
下りた場所は、ビル街の歩道の下に造られたトンネルの正面。
そこへ降り立った直後に、
≪PTERA・TRICERA・TYRANNO≫
≪PU・TO・TYRANNO SAURUS!≫
火野映司がプトティラコンボに変身して、ギルと相対している状況と出くわした。
「火野!」
「は、鋼さん!?」
『おや、四季崎氏も来ていたのですか』
『今はデシレだ、ギル』
デシレの策略によって一気に緊迫してきた状況。
そこへさらに、
「「「「変身―――!!」」」」
――パカッ――
リバース、プロトバース、ブレイズチェリオ、チェリオが現れる。
それだけではない。
「変身!」
≪BARA・KANI・KITSUNE≫
クエス・バラカニツネも颯爽と駆けつけてきた。
≪DRILL ARM≫
≪SETTOU・ROU≫
≪ANTU・KAMA≫
リバースはドリルアーム、ブレイズチェリオは切刀『鏤』、チェリオは暗刀『鎌』を転送装備して、共に目の前の異形に挑んだ。
「火野!お前は力を使うな!」
「俺達に任しとけって!」
などとリバースとプロトバースが言うも、そうは言ってられないのが現実だ。
状況としては七対ニという数の上ではかなりのアドバンテージがあるというのに、ギルもガトウも一歩たりとも退かない勝負をしている。
ギルに到っては残りコアはたったの三枚であるにも関わらず不完全となるべき箇所が無い。これも一重に『人間という欲望の塊』を軸にグリードが誕生した結果なのかもしれない。
デシレは武器があるとはいえコアは八枚。
だが、持ち前の未来予知能力で一歩先を読んでいくこともあり、デシレも質の上でアドバンテージを得ていた。
『伊達くんですか?人生の終わりを逃したようですね』
「御陰様でね。――あんたも随分変わっちまって」
『御陰様で』
ギルとプロトバースはそう短く会話する。
思えばこんな戦場で二人が会話すること事態が初めてだった。
『フン・・・・・・ッ!』
『おら・・・・・・っ!』
ギルとデシレは、紫と銀の波動を周囲に撒き散らし、ライダー達を跳ね除ける。
その所為で、転送装備も強制解除させられる始末。
『ぉぉぉぁぁぁ・・・・・・!』
ギルはそこへ追撃をかける様に、
「うぅっ!」
立ち上がろうとするオーズの背中に紫の波動を浴びせる。
それによって体内とベルトのコア、合わせて7枚のそれが活性化し、必死に抑え込む様相を見せるオーズだが、
「このメダルは渡さない。手に入れた、俺の力・・・・・・!」
彼は立ち上がり、覚醒した欲望を開いていく。
「ウオオオォォォォォアアッ!!」
そしてオーズは、欲望の化身たるグリードへと姿を変える。
ありとあらゆるモノに、破壊と虚無を齎しかねない禁断の力へと。
「火野、やはりもう既に・・・・・・」
「マジ、かよ・・・・・・!?」
「不止、でしたか」
クエスもブレイズチェリオもチェリオも、オーズのグリード化に嘆くような声を出して立ち上がる。
『火野くん。完全な暴走も時間の問題ですよ』
ギルがそう告げると、リバースとプロトバースは、急いで映司に駆け寄る。
「火野!メダルを博士に渡せ!」
力を捨てさせ、人間に戻らせる為に。
『でも、世界の終末を止めなきゃ。――俺は、この力で!』
「バカ野郎!!その手見てみろ。そんな手で何掴むってんだ?――何を守る?何処へ届く!?」
「何でも一人でやろうとするな!火野!!」
だが二人の説得も虚しく、
『俺は欲しい・・・・・・力がッ!』
映司は力任せに制止を振り払い、ギルに挑もうとする。
勿論、二人の戦友はそれを止めようと、必死になって映司に食い下がる。
『全く・・・・・・』
ギルもその様子に溜息混じりで呆れる。
一方でデシレ達はというと、
――ガギン!ガギン!ガギン!――
「四季崎ィィィイ!!!!」
『いいな。もっと昂れ』
メダグラムの紫の刃と、呪刀『鎮』の黒い刀刃が幾度と無くぶつかり合う。
「何故ぇ、七実の命を!?」
『言ったはずだ。俺の欲望は究極を越えた超完全を生み出すこと。その為の作業工程だ』
理由を語った時のデシレの声音は、まさしく一本の刀といえる程に冷徹なもの。
「俺を昂らせ、狂気に満ち溢れさせ、欲望を極める為に――あいつを・・・・・・!!」
『理解が早くて助かるな』
超完全体へのキーたる『無限のフォース・コア』。
それらを支配しきるには、今まで以上に巨大な欲望の力が必要となる。
刃介の永久に広がるソレの膨張に、ビッグバンの如く爆発的な加速をつける必要性があったのだ。
「鋼!よくはわからねぇが、加勢すっぞ!」
「兄さん、行きますよ!」
「こやつ等だけは、立場を捨ててでも倒すべきだ!」
そこへクエスたちも一斉に戦いへ乱入していこうとする。
だが、
『お前らは要らないんだ。悪いが長々と相手をしてやれそうにないな』
デシレは興ざめしたかのような声音で、呪刀をより強く握る。
それに呼応して、刀身に封入された魔力と呪詛がオーラとなって可視されだす。
『呪刀「鎮」、限定奥義―――』
所有者たる刀工は、両手で刀の柄を握り、真正面に構えて、
『呪刀詛悪』
そうして解放されたのは、此の世全ての悪と此の世全ての呪を、混沌なる闇にて交じらせたかのような、ただただ真っ黒な邪で歪なナニか。
陽炎のようにフラフラとうろつき、触手のようなものが獲物を探して蠢いている黒いモノ。
悪性に満ちた呪詛の集大成が、一本の刀から解き放たれた。
――ズィィィィィイ!!――
黒いモノは、生き物らしき音をたて、凄まじい速度で縦横無尽に戦場を駆け巡る。
「チィ!」
ブライも予想外なこの攻撃方式に、舌打ちせずにはいられない。
『そらそらぁ!逃げてばかりじゃ意味がねぇぞぉ!』
デシレはここで刀身を振り回し、黒いモノの動きをより乱雑で予期しえぬものへと変えていく。
「やっべ!」
「くッ」
チェリオとブレイズチェリオは、脚力と身軽さを存分に使うも、それでも逃げるのが精一杯。
とても加勢出来る状況ではない。
『さて、そろそろ最大出力だ』
デシレは今再び剣を構え、上段に持ち上げて、ブンッ!と風を切る音を立たせて思い切り振り下ろした。
すると、
――ズィィィィィィィイイイ!!!!――
黒いモノは、獲物を食らうために這い回る獣から、純粋に目の前に存在を破壊する滅却の黒き光刃となって、ブライに襲い掛かった。
「刃介!」
その間際に、クエスがブライを庇おうと彼の前に立った直後、
「「うゥッ、わぁぁぁぁぁあああああ!!!!」」
破滅の闇が二人を纏めて喰らい飲み込んだ。
「兄さん!」
「鋼ッ!」
幸いなことに攻撃対象外だった二人は、大した傷など負う事すらなかったが、それでも仲間の窮地には叫ばずにいられない。
トンネルの外へ吹っ飛ばされ、アスファルトが砕け、地面から舞い上がった土煙の中にいるブライとクエスの姿は未だ見えない。
しかし、バジュンという音を鳴らしながら、バラとカニとキツネのコアメダルが、土煙の中から弾き出されてきた事で、ブライは兎も角クエスの状態を思い知らされた。
デシレは弾き飛ばされたコア三枚を拾って、
『もういいか』
と、頃合を見計らうように呟く。
デシレは三枚のコアメダルを手中にしながら歩き、ギルの隣で立ち止まる。
「きさ、ま・・・・・・コア、メダルを」
『こいつは元ある場所に返すことにしよう』
土煙の中から、忍び装束を血塗れにした竜王が、幽鬼の如き表情と足取りと声で出てきても、デシレは碌に相手にさえしようとしない。
ギルはその様子に一瞥してから、真木に戻る。
「コソコソせずに君たちもそろそろ動いたらどうです?」
『お望みの品は此処にあるんだがな』
バッタのコア、バラ・カニ・キツネのコア。
それらが翳された時、
「お前が持ってたのか!!」
「取り返してくれるとは、感謝するでござるよ」
ウヴァと白兵が物陰から姿を見せる。
真木とデシレはそんな二人に向けて、最後のピースであるメダルを投げつけた。
「「―――ッ」」
ウヴァと白兵は手を前に突き出し、コアメダルは手を介して彼等の体内に帰還する。
それにより、二人の身体はパーソナルカラーの波動を滲ませ、顔には歓喜の表情が彩られる。
「これで九枚・・・・・・!」
「今再び、完全体に」
ウヴァのコアと白兵のコアの枚数は、言葉どおり不完全な完全となった。
「うぅぅぅおおおおおおお!!!!」
「―――――ッッ!!」
クワガタの顎らしき角、昆虫の硬い外骨格、カマキリの複眼と右腕の鎌、バッタの口と脚部。
艶やかな緑と黒の色彩で染まった蟲の王。
黒い甲殻類の鱗や甲羅で満ちた両腕、蔦や蔓が余す所巻きついた植物の両脚、犬科特有の凶暴な面と上半身。それらを錆色で穢した出来損ないの刀。
『ぬぅおおおッ!!』
『速遅剣』
――ビリビリビリビリ!!バチバチバチバチ!!――
――シュンシュンシュンシュンシュン・・・・・・!!――
ウヴァの雷撃とゼントウの剣撃は、周囲の物体を無遠慮に破壊していく。
『800年ぶりだ。俺の本当の力・・・・・・!』
『久々でござるな。こうして全力を出せるのは』
昆虫王ウヴァと、全刀『錆』が完全復活を果たした!
「器に使えるグリードは、もう彼のみ」
真木はトンネルの上――ビル街の歩道に移動し、状況を観察する。
そしてメダルの器には、自動的にウヴァで決定した。
「これが完全復活か・・・・・・」
「メンドくさい時に、来てくれましたね」
二人のバースも、この最悪なタイミングで完全体のグリードが二体も現れたという事態に焦りを隠せない。
「―――竜王!!」
「じ、刃介!」
するとその時、土煙が晴れたと同時に、ブライが竜王に向って何かを多数投げつけてきた。竜王はそれが何かを瞬時に理解して、見事キャッチする。
「予備の十枚だ。竜王、完全復活しろ!」
「言われずとも、そのつもりだ!」
竜王は十枚の五色で二枚ずつの十枚のコアメダルを胸のうちに押し込んで取り込む。
それによって、彼女の五体からは五色の色鮮やかな波動が溢れだす。
「だぁぁあああああああ!!」
叫びと共に、彼女もまたグリードたる姿、リュウギョクへと変貌した。
赤き鳥の頭、黄色い猫の左腕、緑の昆虫の右腕、灰色の重厚な胴体、青い水棲の下半身。
『ほう。ならばおぬしの相手、この拙者が務めよう』
『ふっ―――!』
完全体と完全体による激闘がそうして始まる中、
『うゥゥ!』
映司は唸り、
「うおおおおおおおお!!ハァッ!!」
直接的にプトティラコンボへ変身する。
メダガブリューの刃を以ってしてガギンという音をウヴァの身体に叩き込むが、
「・・・・・・あ・・・・・・?」
『完全復活をなめるな!』
ウヴァは優位にたった余裕さを発揮し、
「ぐああああああ!!」
たった一発の拳でオーズを吹っ飛ばして壁に叩きつけたのだ。
「伊達さん!花菱!金女さん!」
それを見たリバースは、三人に呼びかける。
「今から途轍もない一撃を準備する。時間稼ぎを、頼めるか?」
「水臭いなぁ後藤ちゃん。勝てるかもしれねぇってんなら、遠慮なんかすんな!」
「準備ってやつ、さっさと終わらせてくれよ!」
「では、参りましょうか!」
そうして三人のライダーが完全体のウヴァに挑んで行く。
『ふっ、纏めて地獄へ送ってやる』
ウヴァは向ってくる三人に本気の雷撃を浴びせていく。
リバースは複数枚のセルメダルを手に、早速準備に取り掛かる。
――チャリン――
――キリッキリッ――
――パカッ!――
≪DRILL ARM≫
≪CRANE ARM≫
≪SHOVEL ARM≫
≪CATERPILLA LEG≫
≪CUTTER WING≫
≪BREAST CANNON≫
右腕にはドリルクレーンアーム、左腕にはショベルアーム、両脚にはキャタピラレッグ、背中にはカッターウイング、胸にはブレストキャノン。
全てのアタッチメントを転送装備した重装備形態、リバース・デイ!
「出力最大ッ!!――みんな、退け!」
「「「―――ッ!」」」
リバース・デイの大声に皆は気付き、傷ついた身体を引き摺るようにしてウヴァから急速離れていく。
≪CORE BURST≫
「ブレストキャノン!アームズシュート!!」
――ズドォォォォォオオオォォォォォン!!!!――
以前に発動させたバース・デイのブレストキャノンシュートとは、比べることさえ馬鹿馬鹿しくなるほどの超絶的威力を誇る砲撃。
例え地下シェルターの防壁だろうが突破しかねない程の高威力。
『ぬぅぅぅおおおおおおおおお!!!!』
その洗礼の直撃をうけ、ウヴァは凄まじい絶叫を醸し出す。
「よっしゃー!」
「これならいける!」
その様子を見て誰しもが、”ウヴァが砲撃を受けて苦しんでる”ように見えることだろう。
だがしかし、現実はどこまでも厳しかった。
ウヴァは実際のところ、直撃なんか受けちゃ居ない。
寸止めのところで御自慢の雷撃を最大限に発揮して、リバースの攻撃と張り合っていたのだ。
――ドゥガァァァアアァァァン!!――
だがそんな状態は長く続くはずもなく、両者のエネルギーが互いに爆発しあった。
「やったか?」
「あの、後藤さん、今その台詞は・・・・・・」
チェリオはリバースの台詞に釘を刺そうとしたがもう遅い。
濃い爆炎と黒い爆煙は、すぐさま晴れた。
それは決して風によるものではなく、
『ふぅ、中々やるな。危うくコアが弾け出るところだった』
ウヴァの闘気によるものだった。
「「「「ッッ!?」」」」
四人は、完全復活したグリードの底力を逆に思い知らされる。
無論オーズをコレを見て、
「やっぱり要る、力が・・・・・・力が欲しい」
そんな時になって思い出したのが、
”手に入るとも!!君の素晴らしく巨大な器に、欲望の結晶!その『無限のセルメダル』を飲み込みたまえ!!”
鴻上が述べていた、神に等しき力への到達手段。
「・・・・・・ッ」
オーズは其の場を一旦後にして、鴻上ファウンデーション本社へと走っていった。
それら全てを眺め、ブライはデシレにこう告げた。
「四季崎!今直ぐ連れて行け、そして寄越せ!神を斬り殺す力を!」
『それを待っていたぞ、我刀流二十代目当主よ』
デシレは刀を鞘に納めると、ブライの腕を掴み、翅を生やして空へと飛翔していった。
「火野?」
「兄さん?」
*****
雑木林。
そこではアンクが、自らの容態を語っていた。
「ああ。壊れるだろうな」
「壊れる?アンクのメダルが?」
「多分な」
「そうなったら、アンクは?」
比奈は駆け寄って問い質す。
「メダルは壊れれば消える。当然俺も、消える」
「・・・・・・それって・・・・・・死んじゃうってこと?」
「・・・・・・・・・・・・俺が死ぬと思うのか?」
「だって!今そう言ったじゃない!」
それを聞いたアンクは、皮肉と歓喜が入り交ざったような笑顔となる。
「ただのメダルの塊が、死ぬ・・・・・・か」
今度は純粋に皮肉な口調で語り、歩いていく。
「アンク!何処行くの?」
「戻る」
ついてきながら訊いてくる比奈に対し、当然のように答えるアンク。
「え?」
「俺がついてないと相当ヤバいだろ。あの使えるバカは」
*****
同時刻のトライブ財閥本社ビルの会長室。
そこにあるソファーで、七実は横になっていた。
「七実ちゃん、調子はどう?」
その直ぐ近くで、ルナイトが彼女の看病をしていた。
もっとも800年の修練を積んだ凄腕魔術師といえど、重度の損傷を負ったコアメダルの修復は出来ない。
800年前における七人全員が集ったとすれば、魔法に匹敵する奇蹟を実現できるだろうが、今は無い物強請りをしても意味が無い。
「ええ、さっきよりは頗る良くなりました。動き回る分には問題ありません」
七実本人はそう客観的に自分のコンディションを確認して告白する。
ソファーから降りた彼女にルナイトは申し訳無さそうに、
「ごめんなさい。私では、貴女の命を救えない」
深々と頭を下げて心の底から謝罪する。
「言ったはずです、謝らないで下さい。確かにこの胸の中にある魂は、何れ朽ち果てるでしょう。でも、こんな時だからこそ、私はあの人のお傍にいなければならないんです。――いえ、そうしていたんです」
七実は自分の足で立って歩き、部屋を出る間際にこう言い残す。
「私はあの人の刀ですから。そして、そうで在ることが、私にとっての欲望なんです」
*****
鴻上ファウンデーション地下保管庫・王の間。
「鴻上さん、そのメダル貰います。力が要るんです」
突如としてそこへ入ってきた映司は、開口一番で力を求める。
「・・・・・・・・・・・・」
鴻上はゆっくりと振り返り、映司の姿を網膜にて捉える。
「あの火野映司くんが、ここまで欲望を解放するとは・・・・・・!」
その口調と相貌には、ただひたすらな感激があった。
「いいだろう。好きにしたまえ!!」
鴻上は映司の邪魔にならないよう横へと避けていく。
映司は、まるで夢遊病のような、それでいてしっかりとした足取りで『無限のセルメダル』に歩み寄る。
今まで己が心の奥底にて深い眠りについていた全ての欲望を覚醒させた火野映司には、もはや迷いも躊躇も戸惑いも、一欠片として存在してい無い。
今の彼の心は、純粋な過ぎるほどに”人々を助けたい”という欲望のみで埋め尽くされていた。
*****
武家屋敷の土蔵の地下工房。
デシレとブライは、この場所へと舞い戻っていた。
「七実たちは?」
『さてな。大方別の場所に移ったんだろうな』
開口一番でブライは七実のことを話題にし、デシレが適当に相槌を打つ。
「そうか。だったら遠慮なく」
『ああ、これで良い』
――グサッ――
ブライの右腕が、デシレの土手っ腹に突き刺さり、残る八枚のコアメダルをガッチリと掴んだ。
『そして―――』
だがその状態でなおデシレは、自らの頭部にメダルの投入口を出現させると、九枚のフォース・コアとチャリンと入れ続けた。
結果として、
『ン・・・・・・ォォ・・・・・・』
一体のヤミーが――九枚のフォース・コアを秘めたグリード紛いのヤミー誕生する。
ブライはデシレの背中から生まれ出たそれの姿を見ようとしたが。
『ンァァァア!!』
謎のヤミーを奇声をあげ、目にも留まらぬスピードで地下工房から地上へと昇っていった。
『これで、良い・・・・・・!』
そして、
――ジャリン!――
満足そうな言葉を最期に言い残して、デシレの身体は多くのセルメダルとなって崩れた。
「・・・・・・・・・・・・」
ブライの右手には、引き抜いた八枚の変体刀系コア。
彼は左手を胸に当てると、そこから四枚の変体刀系コアを取り出す。
これで、全ての容易が整った。
ブライは十二枚のコアメダルを手中にし、『無限のフォース・コア』の真っ只中に立つと、それら投げて一挙にスキャンした。
≪KANNA≫
≪NAMAKURA≫
≪TSURUGI≫
≪HARI≫
≪YOROI≫
≪KANADSUCHI≫
≪BITA≫
≪KANZASHI≫
≪NOKOGIRI≫
≪HAKARI≫
≪MEKKI≫
≪JUU≫
誕生する――欲望の神が。
ありとあらゆる破壊と創造、終末と再生を司る者が。
今この瞬間、一人の男が進化して、誕生するのである。
次回、仮面ライダーブライ、最終話!
明日への欲望と最終決戦と掴むべき未来
仮面ライダーリバース
戦闘で破損したバースシステムを特定のコアメダルによる変身に強化改修したことで再誕した新しいバースシステム。装甲部分は黒色でスーツ部分は銀。
全体的なスペックが今までのバースのそれを遥かに越えており、数値上では以前の倍にあたるものとなっているため、完全体のガメルとも対等に張り合えるほどの力量を発揮した。また、通常のバースより防御力が重点的に強化されている。
ブレイズチェリオと同じく、コアバーストによってパワーを引き出す機構へと改良されている為、転送装備を行っていない状態でもコアバーストによる必殺技、リバースリターンズの発動が可能。
身長:199cm 体重:96kg キック力:16トン パンチ力:7トン
ジャンプ力:約70m 走力:100mを3.5秒
アーマー・コア
シルフィードがブレイズ・コア同様に作り上げた新たなコアメダル。色は黒色で、全身装甲が描かれている。
リバース専用に精製されたコアメダルなので、オーズやブライのベルトには使用できないが、その分だけ封入されたエネルギーは多大なものである。
リバースドライバー
リバース専用の変身ベルト。
ブレイズチェリオのベルトと同じく、エネルギーの運用効率が向上するよう手を加えられており、かつてのバースドライバーの性能を大いに上回っている。
リバース・デイ
全てのアタッチメントを転送装備したリバースの重装備形態。
基本的な能力などはバース・デイと変わらないが、必殺技にあたる「ブレストキャノン・アームズシュート」の威力は嘗ての「ブレストキャノンシュート」のそれと比べると、出力によっておよそ3〜5倍へと大きく進歩している。
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
作家さんへの感想は掲示板のほうへ♪