第162話『敦煌ハイヴ攻防編2 道程、作業群掃討』
2001年12月22日
敦煌の地平定に向け司令室の巨大スクリーンには異世界軍の陸上艦隊が映しだされ、
進行していく…
進行艦隊は大規模になった為、コスモクリーナー搭載のカーゴトレインを中心とした艦隊ですすんでいる。
移動する球体の50km範囲外はいまだ放射能除去の済んでない死の世界…
艦隊が移動した後地は周囲から徐々に汚染が酷くなってくるだろう。
艦隊の先頭部分には、
弓形陣に2重のラインでにトレー級がすすんでいる。
その後方にコスモクリーナー搭載カーゴトレインを挟んで、
フリーデン級対空ミサイル搭載艦が並び、
その両側にフリーデン級トマホーク搭載艦が単縦陣、
その外側にカーゴトレインが並ぶ…
先頭のトレー級から、最後方のカーゴトレインまで約10kmに及ぶ、
大規模艦隊となっていた。
「これで敦煌ハイヴは落とせるとして…その後の増援対応だよな…」
[だね…今の時期を逃さないで…だね〜]
デスクのモニターに映像を出す。
ルーロスからのハイヴ内個体数調査情報が映し出された。
来年にはフェイズ5に成長しようとしてたが、
現在フェイズ4の飽和推定数の約38万を下回り、約32万がハイヴ内部に籠っていた。
重慶基地を出発した攻略艦隊は2方面に艦隊が別れていく…
「さて…出発したか…どんぐらいで敦煌ハイヴにつけるかな?」
[まぁ…こればっかりはねぇ…
]
敦煌ハイヴ所属の作業群、また敦煌1000km圏内の作業群を、
迅速に殲滅してまわる為に2個艦隊編成となっていた。
作業群の数は約300以上認識され…
勿論全部が全部敦煌ハイヴ所属作業群ではない。
敦煌ハイヴ内の作業圏内には、距離の近いオリジナルハイヴの作業群の約30%程がかぶって存在し、
またH6所属のは約10%、H15所属は約15%、H17所属は約7%、
H18所属は約60%程敦煌ハイヴの作業群とかぶっており、
合計約180万程のBETAが周囲で資源回収作業していた。
合計数からみると脅威であるが個別対処していくなら対応可能である。
殲滅せずにほっとくと周囲からの合流が予想され、
それによる挟撃はさけたく、
作業群を殲滅しつつ攻略せねばならなかった。
[効率よくまわる為に、師団規模以上には艦隊であたって…
スフィンクス等で1万以下を殲滅だね。
あとはモンスター改等のテストもだね?]
「だな。あとはバルキリー隊で誘引等も…と」
[ガウォークねぇ〜ヤドカリ君は地表を匍う機体なんか嫌い!!ってたよ〜]
「あはは…」
……
司令室を後にし、ハンガーデクスにいくと…
(を、そろそろか…)
PDからの救助した人々が救助カプセルから起き上がったとの報告もはいりはじめた。
1番最初のナキスト防衛戦のおり救助した2個大隊規模の年少兵たちだろう。
今回救助した人々は、ノースウィンドから、サイフェルト軍年少兵101名、
ラウンドアップからオムニ軍86名、
サイフェルト軍28名、
ブロックバスターから親衛挺身隊41名を救助した。
親衛挺身隊は精神を治さなきゃいけないのでしばらく治療期間は必要だろうが…
年少兵達も学業と練度をいましばらく…だろうし、
車両組や航空組以外は即戦力になりにくくかった。
新生ドールズ時代の弊害としてAI全面補助による個人練度の低下がある。
例えば右に曲がれの行動では…旧世代では即曲がったのに、
障害物があるからそれを避けながら曲がるという芸当をAIが勝手に判断をこなす。
つまり補助でなく依存といえてよう。
CPUの性能により硬直せずに流れる動作を勝手に補助選択をする事で、
兵士は基本動作ができればよい…つまり免許取り立てでよい形だ。
また操縦桿なしに音声式及びコマンド式になっている。
操縦システムはX4シリーズまで存在していた操縦桿やペダル等を廃止し、基本は音声での行動命令、
また補佐的にキーボードによるプログラムが可能となっていた。
昔のソ連T34戦車兵の様に、
戦死した日本兵の腕時計の外しかたが判らず腕ごと切断したという事例がある。
そういった学習してない一般人が直ぐに操縦できる様に設計されたソ連式と似ていている。
音声式ではないが、半コマンド式ならばかなりの世界に入っている。
例えば操縦桿だけで操縦するとしよう…
稜線から見えないようにしゃがみながら、
右45度に向きキャノン砲を突き出して射撃…
それを操縦桿でどう作動させればよいだろう?
しゃがむ操作の操縦桿、
右旋回の操縦桿、
敵を狙い定める操縦桿…
更に移動してるならもうひとつ。
到底たらない。
そこで半コマンド式で、ある程度の前後左右、射撃等重要な動作のみを操縦桿で、
あとはコマンドを使い動作をする。
世界によっては思考インターフェイス等でおこなう。
旧世代のPLの操縦方式だ。
現代においてもスイッチやボタンである程度のコマンドが導入されている。
単純な動作だと代表的なのはエンジンセルスタータだろう。
キーを回して電気を通してスタートさせる馴染み深いものだが、無ければ?
手回しクランクやキックスタート、あとは紐等で回転をさせる事から始まる。
回転する装置なくバッテリーあがったバイクや車…
MT車なら…まずバイクだが押しがけは可能だ。
やり方は至って簡単。
キーをONにしハンドルロックを解除し、
ギアを1速にしてクラッチ握りながら走って、
飛び乗りながらクラッチ緩めアクセルを回す…でエンジンかかります。
中々エンジンかからずかぶった時には有効でしょう。
車で押しがけは多人数いないと難しく、
発展途上国では時たま見かけますが…
坂を下る速度で利用した方が吉でしょう。
AT車でも押しがけは事実上速度が足らずできないが、
牽引がけ…60km/h以上の速度でかける事はできる。
だが故障の原因となりやすいので緊急時だけにしといた方が良いです。
セルスタートに話がずれたが、
X5やXs2系統等第9世代は、あの敵を射撃と発するとAIが最適なモーションをとり射撃をするわけであった。
なので本来人間にできる事は全てPLにできるという…
複雑な動きをする機体で複雑な操縦テクニックが必要なPLを、
未熟な兵士が操縦できる環境にありるわけで…
一方ベテランになると初期AI任せの単一的動作に不満をもち、
様々な介入コマンドを入れ、学習させながら技術が上昇していく…
またAIの方でも操縦者の癖を蓄積し学習していき、
よりファジーに対応していく…
ただし最大の欠点が一つあり、機体が破壊されると学習したAIの搬出は不可能であった。
一応事前バックアップをとっていればコピーは可能であり、
機体爆破を伴う際の任務にも対応している。
だが容量的に頭サイズの大きさが必要であり一般兵全員のバックアップは不可能ともいえよう。
またPD世界の車両にもAI補助による半コマンドが入り込み、
戦車では射手兼ドライバーと車長のみになる。
という流れだ。
なのでX4シリーズ旧世代機同様、半コマンドが主体の異世界軍機になれてもらうのに、
しばらく時間がかかるだろう。
(PLパイロットでは…通常教練うけたのはオムニ軍正規兵とサイフェルト正規兵だけか…
あとは教練は必要か…あと少年達がビダンさん行きと…)
完全に起きあがるまで…いましばし…
……
帝国時間2001年12月23日8時頃
地上での初実戦運用となるバルキリー。
操縦できる者は直接救助した者のみとまだ少なく大隊規模が最大でありそこがネックともいえた。
戦闘機操縦技術とバトロイド形態操縦技術も習得しなければならなく、
OG航空機組やその他の世界の航空機組、車両組等が機種変真っ只中であった。
バルキリー隊は小隊単位に別れスフィンクス各部隊に帯同し、
BETA群を釣るべく2機編成で、地表をサーフィングし、700km/hの速度で滑走していく…
戦術機では障害物に足を引っ掛け墜落し爆破炎上してしまいやすい環境をなんなく滑走していく…
戦術機は地表面には何もない環境でも爪先を引っ掛けてしまい、
地面にたたきつけられ、
燃料に引火し爆発してしやすい結構物騒な代物だった。
一般的航空機と同様のジェット燃料をつんでいるのが1番の理由と言えよう…
対してバルキリーガウォーク形態は、メインエンジンを搭載した足先を地面に向け、VTOL飛行を行う事ができ、
背面ブースターと組み合わせてホバリング移動、
また足先を前後に動かし疾走できる。
万が一足先を引っ掛け転倒しても腕部を使い防ぐ事もできるし、
また燃料に関しても即爆発するジェット燃料を使用していない。
例えエンジンが墜落で大破したとしても燃え上がず、
搭乗員が墜落の衝撃に耐えれば生存可能な代物だった。
『隊長』
「なんだ?蠣崎」
『BETAってなんなんですかね?』
「ん〜…例えると繁殖力が極めて高い飛ばない蜜蜂なのかな?と思うが」
『…そのこころは?』
「ほら、蜜蜂は女王蜂がトップに君臨する箒型命令系統だろ?
トップを殺せば路頭に迷う」
『あ〜たしかにですね〜』
「おっ見えてきたぞ」
『へへっお客様、死出の旅ご案内〜っすね』
「あんまり引き離さないように引っ張ってくぞ」
『了解です』
……
釣ったBETAを誘引する先はスフィンクスの砲撃陣が待ち構えている。
スフィンクス自体が移動すればと思うが、高速移動形態で約200km/hの速度であり、
戦列を組み直す以上釣ってきた方が早く、時間効率を考えての話だった。
戦術機の本来の役割、誘引をこなしていた。
『まだですか?腹減りましたよ。食べかけだったのに…』
「もうちょっとだ、頑張れ、あと出るのわかってたんだから、お前が悪い」
『まさかこんなに低速度で、
長距離接地飛行するとは…思いませんでしたよ』
「そういうな」
『ノロマすぎなんですよ〜あの虫どもが』
オリジナルハイヴ落とすまでは、バリアの存在を秘密にしておきたい…
ブリーフイング時の説明を思い出していた。
VF-171はピンポイントバリアにより、
光線級の生体レーザーは無効にできる。
だが、それにより発展を促すのが怖い…
のが異世界軍における総意である。
後方にはバルキリーを潰そうと、必死に追いかけているBETAの集団がいる。
「蠣崎、前出過ぎだ、スロットル絞れ」
『とと…』
150kmから200kmの低速で後ろについてきている突撃級との間隔を調整しながら進んでいた。
『隊長〜反応弾ミサイルで殲滅しちゃ駄目ですか?』
「蠣崎、ブリーフィングで聞いてなかったのか?
迎撃光線の命中率高いんだぞ?
俺らが挑むとしたら群の中で自殺的使用しかないんだぞ?
何やってたんだ?」
『…いかりを漕いでました』
「おまっ!!…蠣崎、舟を漕ぐだぞ?ここで寝るなよ?」
『強制覚醒液投与ずみです』
「なら良いか」
ここでいう覚醒液はリアル法律で禁止されてる麻薬系の覚醒剤ではない。
マクロス世界の消滅型ナノマシンで睡眠防止する液だ。
そもそも日本語の覚醒剤が=麻薬となったのは日本で昭和16年に市販されたヒロポン等が起因であり、
大手の製薬会社から次々と同様の睡眠防止効果の覚醒剤が市販され、軍がそれに目をつけ大量受注し、突撃錠等と揶揄された。
麻薬問題となったのが敗戦後に大量に軍がストックしていたヒロポンが世間に流れたからである。
安価に大量に出回ると中毒症状が直ぐに問題になり、覚醒剤取締法が昭和26年に制定された。
それまでは合法だった為に中毒性からなかなか抜けきれず、逮捕者が続発したという…
因みにアメリカ軍では2013年現在でも軍で睡眠防止剤として、麻薬系錠剤が軍医の管理のもと支給はされている。
……
『ディーポマムよりスカル21へ』
「こちらスカル21」
『ご苦労様、スピードあげて振り切って良いわよ』
その通信入ったとともにスロットルをMaxに入れ、
アフターバーナーふかしながら加速していく。
700km/hあたりまで加速すると、前方にスフィンクスの戦列が段々と見えてきた。
軽く浮上して戦列をかわし…
待ち構えていたスフィンクス、2001式混合部隊が、
バルキリーに誘引されてきたBETA群に対して一斉砲撃を加える。
……
カーゴからフライングボートに乗った状態でモンスター改が出撃していく…
モンスター改の長距離移動に際し、最近出番が薄くなったフライングボートを改良し、
モンスター改を運搬可能にした。
流石に砲撃に選定した地域まで約60km/hで進むと、
ボートの乗り降り展開には支障ない速度でも、移動時間がかかっていた…
……
フライングボートからモンスター改が降りてきて射撃列を組みはじめる。
換え弾薬を満載したフライングボートには合金Z製の遮蔽壁が周りに立てられ、
万が一の光線に対応していた。
「どでかいな…」
『おおきいです』
『かたそう…』
モンスターの砲身は40cmを4門備えていて、その衝撃を受け止めるのに巨大化していた。
40cmといえば…ソ連ロマン砲が42cmで1門を支えるのにていいっぱいであり、
発射したら取り扱い員も死亡する核迫撃砲である。
アメリカではアトミックアニー…核大砲が開発されサイズは28cm砲であった。
核ではないのは…
ドイツでは4本の専用レールを使った80cmドーラや60cmカールが有名で、
また実用的列車砲がクルップK5の28cm砲であろう…
……
『設定射程まで、あと2分!!』
本来はOTM技術を使った砲身により、160kmの脅威の射程距離を誇るモンスター改…
今回は殲滅テストの為、水平発射距離の4km設定にて発射される事となった。
2kmに近寄るとスフィンクスや護衛が対応にあたる。
誘引してきたバルキリーがフライパスし…
『間もなくはいります!!10、9、8、7、6、5、4、3、2、1』
画面に映し出されたモンスター改の液冷式40cm液体推薬キャノン砲から砲弾が放たれる。
その数800発…
モンスターの巨体が衝撃を殺し砂が舞い上がる。
その衝撃はモンスター改のタンク部が土砂にめり込む程だ。
「ヒュー、クールだな」
放たれている弾種は迎撃を考えられてない火薬搭載量の多い榴弾、命中するごとに周りに被害を及ぼす。
榴弾といっても貫通力はPD2640の120mm砲徹甲弾に相当し、
その弾丸はほぼ水平に飛び瞬くまに突撃級の身体に吸い込まれ、
一瞬でその爆炎により身体が爆散する。
先頭を走っていた突撃級は身体を散らし、
その後ろの突撃級に認識される事がなくなっていた。
その位の爆散であった…
続けて衝撃を殺し、照準をロックし次弾を撃ち放ち次の目標が爆散する。
高い威力なのに連射可能なのは、OTM技術によりるものといえよう。
一斉射ごとに、800以上のBETAの華が散り、ものの10斉射2分足らずで、誘引してきた旅団規模のBETA群は、
要塞級を含めて体液と肉片をのこしほぼ消えていき、
最終的には両腕から放たれたミサイルで殲滅されていった…
……
「モンスター良いんじゃない?」
[確かにね〜けど…]
「けど?」
[補給に時間がかかるよ…]
モンスター改の40cmの弾は25斉射で切れる。
地面に減り込んだタンク部…抜け出している姿がうつっている。
「あ〜…まぁ…モンスター改を3部隊に分けるかして常に砲撃をきらさないようにしなきゃかな」
[それしかないだろうね]
「じゃあ…次は…この群にはXE-10らかな?」
[了解〜]
横浜基地格納庫の映像にはXE-10、50機が映っている。
ヤドカリが搭乗し、接地態勢で多目的輸送艇に搭乗し、
小型チューリップに突入する。
……
チューリップカーゴからおりてきたXE-10…
両肩に備えたGCM-210EHCを装備し、弾薬運搬役の輸送型ホバージープが続く。
弾薬自体かなり重く、小柄なXE-10のポケット内に持ち込むと、
それだけ自重がかさむ。
具体的にいうと、無装備状態なら120km/h出せるXE-10が、
1セット5発持つと…1セット目は速度はへらないが2セット目から減り始め、
1セットごとに9km/h速度が減る。
GCM-210EHCは1門だけなら15km/h、更に追加は合計42km/hの速度低下をまねく重さであり…
現時点で速度が78km/hであるがため、必然的に輸送型ホバージープは必要であった。
もっとも輸送型ホバージープでも4セット目を積むと100km/hを下回ってしまう重さであるがため、
かなりの台数が必要になっていたが…
……
『かなり小さい機体ですね〜』
『異様に砲身が長く目だっているな』
武以下の訓練小隊が護衛に参加していた。
(パワーローダーというジャンルか…
動力は高性能バッテリー?
まぁ、だろうな。動力炉入れる余裕なさそうだし)
見ている傍らでXE-10が射撃体制に入る。
間接測量データーを受信し、
標的選定、最大射程58kmへと両肩のGCM-210EHCからの砲撃が始まる。
艦砲なみの21cm砲弾が放たれ、両足にてその衝撃を殺している。
標的までの地域はスフィンクスらに露払いされて途中からの迎撃光線は上がらない。
目標間近で作業群から迎撃光線があがる。
弾に光線があたると…1発、2発は耐え3発目で爆散した。
だが3発耐えれば残りの砲弾にとっては充分であった。
砲弾は自ら破裂する。
破裂した弾は小さく別れ…更に子弾頭に別れ地上へと降り注ぎ…
半径1.5kmにばらまかれたクラスター弾がいくたもの爆発を起こしていく。
一つの弾につき50もの子弾が入り、最終的には迎撃されたのを除き半数程が着弾、2200もの爆発がおきる。
3発耐えられた理由はMLRSに使われている同サイズロケット等と違う点であり、
基本は迎撃火線や迎撃ミサイルで撃墜されないよう設計され、
装甲を持った砲弾であった。
PDの世界では迎撃破壊されない事が重要であり…その威力がこの世界においても発揮された。
第2射第3射と放たれ空になった砲弾倉に、ホバージープから給弾を自ら手づかみで行い、
迅速に第4射、第5射と放たれる。
砲撃をうけた目標BETA群は脅威に向かって進撃するが…
「最短射程ラインに入った!突撃するぞ!」
スフィンクス、2001式及び武ら訓練小隊総計100機が襲い掛かった時には師団規模であったBETA数は既に千匹を割っていて…
最早相手にならない状態まで擦り減っていた…
……
[じゃあ…次は長距離試射で誘引距離もかねてのテストだね。
弾種は撤甲弾に換装するから]
スクリーン上では地面から抜け出したモンスター改に対しての給弾作業がすすんでいた。
「あ〜まぁ何kmまで誘引できるのか?だよな」
脅威に対して向かってくる習性がある事はわかっているが、
脅威が薄れたら?の実験は未だしていない。
それまでの人類においても数々の戦いがあったが、
重金属雲無しでの戦いは非常にBETA有利であり、
まず砲弾については、砲撃効果の薄い対艦徹甲弾をわざわざ使用して、
運任せの着弾を期待する馬鹿な運用はしなかった。
資源の無駄であった。
基本は重金属雲を発生させ、効果的な対地榴弾を撃ち込む運用、
または光線級殲滅後運用に限られていた。
艦載ミサイルは迎撃されると一発で蒸発される為、
重金属雲の近く…つまり近距離、戦場範囲内での運用に限られていて、
途中に目標外BETAがいて迎撃されるような運用はされてなく、
トマホーク的な遠距離攻撃運用はBETA戦下では廃れた技術であった。
その問題に対し異世界軍ではチート的に無限にでる迎撃破壊が難しい対艦徹甲弾をチート的に大量放出する運用でこなしていた。
だが砲撃に間隔をあけさす程余裕はなく、誘引の実験はしてない。
モンスター改の最大射程は160km…
突撃級が突進してきても1時間はかかる距離であり、
徹甲弾を使用し実験をする余裕はあるだろう。
水平線上なら大気圏内はほぼ無限に探知する。
3km上空を飛ぶ航空機を約220kmで探知していて、脅威と判断したら光線級は攻撃してくるが、
水平線下での探知距離は不明でもある。
以前重慶ハイヴ中心から125kmに攻略艦隊が差し掛かった時に探知されたが、
地上に出ていた1個体に探知された可能性も否定はできなかった。
それでなら艦隊の見通し距離は約50km程であった。
[とりあえず50km内に突撃級が着たら砲弾換装して殲滅ね?]
目標は重光線級は居ない作業群、
推測でトレー級の射程距離は探知範囲内だろうと当たりはつけ…
実験が開始され、40cm砲から徹甲弾が放たれた。
目標作業BETA群に着弾し……
「動きがない?」
[迎撃火線は上がったけどね〜]
「じゃあ…2連射で」
……
2連射が直撃すると作業群が砲弾の向かってきた方面へ動き始めた。
その間の砲撃を控えていると…
[突撃級のスピード落ちたね]
30km程で突撃級のスピードが落ち止まってくる。
後続の要撃級や光線級等と合流し暫く滞在すると再び元の方向へと移動する。
誘引の為の射撃を再び行い…
3回こなして50km圏内に入って来はじめ換装、殲滅を行い実験は続いていた。
……
寸劇風後書き
ナギ少尉「モンスター、良いじゃないですか〜」
作者「だろ?」
ナギ少尉「けど160kmの射程って本当です?」
作者「……正直疑いたいんだが公式でもだし…
公式設定からかんがえると、滑腔砲しかないんだよなぁ…」
ナギ少尉「あ〜神の目による160km先でも10mの誤差で着弾ってやつですよね」
作者「そそ、地平線越えて目視不可能な射撃ね」
ナギ少尉「現代では…可能?」
作者「単純に火薬などの推進力での砲身では不可能…といっておくね。
弾に加工を施すなら可能だけど」
ナギ少尉「AGSとかですね」
作者「そうそう…戦車90式等は3kmあたりが有効射程距離だし」
ナギ少尉「3km!!えっと突撃級にとったら2分で…」
作者「きちゃうね〜」
ナギ少尉「むむむ…あ、次回ですね…
次回、敦煌ハイヴ攻防編3 到達、そしてBETAの逆「ぎゃーぎゃー」お楽しみにぃ」
作者「はぁはぁ…到達だけです!その後はつきません!!」
H24年11月改稿
H25年10月再改稿
11月改訂
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