第163話『敦煌ハイヴ攻防編3 到達』
2001年12月23日
昨日の新型機の戦闘データーがあがって来ている。
まずはXE-10に関してだが継続戦闘には難があるも、瞬間的火力増強には最適でもあった。
使われた特殊弾である徹甲榴弾の子弾は、
PD世界にて支援車両や爆撃機要らずの掃討兵器であり、
その威力は突撃級の甲殻をも、上空からの落下着弾でもぶち抜く高性能HEAT弾で発揮していた。
現行のクラスター弾の不発問題も解決つき、
この威力でなら艦砲を持たないトレインカーゴ級の護衛にも最適でもあろう。
用途が限られてはくるがある程度の生産命令は良いと判断できる。
PDの世界では人員の操縦レベル、重量的、
前衛的使用ができない問題があったがその点についてもある程度は目安がたっている。
操縦面は砲撃大好きのヤドカリ達に任せ、
重量面はパワー出力増大させる為に重力波受信装置を補助としてつけ、
トレインカーゴに出力アンテナを設置する流れで解決目処をたてていた。
他にはモンスター改のデーター…
OTM技術による砲身により、バロッティングと呼ばれる砲身内部振動は起きず、
また熱による砲身の歪みも、
現行のスフィンクスのキャノン砲よりも発生率がかなり低くなる。
またライフリングを施さない砲身であり、摩擦係数も少なく、
そのため長距離射程においてジャイロによる、
弾の軌道ズレが起きない等もある。
ただし、やはりその巨体からの約50mによる長い砲身、巨体の為、
閉鎖空間内部ではまとまった運用が少し難しく思えていた。
だが、フライングボート使用前提ではあるが、
艦隊速度以上の展開力を見せる面もあり…
その点については高評価でもあった。
マクロス世界において2050年代にVB-6ケーニッヒ・モンスターという、
モンスターの後継機でもある可変爆撃機が採用はされてるが、
地上において飛行という手段がとれない以上この形が最適ではあろう。
VB-6はデストロイド体型がガウォークであり…
移動速度はガウォークで歩く速度でもあった。
モンスター改の増産命令をも出す。
……
処理を纏めた後、スパイへの調査結果聞きに向かう。
スパイを預けたっきりなんの音沙汰もないのをすっかり忘れていた。
(どんぐらい放置してたっけなぁ?)
「ちわぁっす。預けスパイどうなりました?」
「ああ…纏めておいたわよ」
レポートに目をとおすと…
殆どの者が初期で自白をした為に、
それぞれの国へと送り帰している。
勿論何人かは秘密な情報を探りあてた為に記憶操作の処理は行われた。
だが廃人になり送り返しの文字が…
「あの…廃人となった為にって書いてあるんですが…」
「殺しすぎちゃったのよね」
「は?」
「だから殺しすぎたのよ」
「殺してカプセルで蘇生しまた殺害ですか?」
「あら?そうじゃないわよ」
「ん?」
「報告いってないの?」
「なんの報告です?」
「そこからね…えっと白銀中尉からの要望で死ぬ経験できないか?
というのがあがってきてるのよ」
「死ぬ経験?」
「実際に死ぬ体験ね…ただし蘇生を何回もするんじゃ、
本人の精神的にも大変でしょ?」
「…確かに…」
よくあるのが臨死体験…
その後PTSD等を発症し、使い物にならなくなる話はよく聞く。
治療には根気よく治療を施す事が必要になるが、
この世界でいままでは発症した者は薬で強制治療し、
下手すると廃人化コースでもある。
そうならない様に事前に体験し、
いざ…瀕死をともなった時に発症しない戦士に鍛えたいとの話だった。
(死の体験か…)
確かに現生で体験できれば貴重であろう。
カプセル蘇生した者も幾人かはPTSDを発症し、
治療を施しているケースもある。
「遠隔擬体というべき物ね」
「遠隔擬体?」
「擬体を遠隔操作で意識なく動かせる代物よ。
体験レベルを調整し低レベルから全開レベルまで調整できるわ。
ただ…まだ身体を動かす事がまだうまくいってない状態なのよ…
使い物になるのはまだまだ先ね」
「なる程…あ、先のスパイの話に戻したいのですが…」
「廃人化したスパイね?
何十回も全開レベルで殺しちゃって精神に異常きたしちゃったのよ」
「全開レベルでですか…どんな殺し方をしたんですか?」
「擬体を指先から電動鋸で切断して、腕も5cm単位で切断、
足を切断中に出血死を5回程…
あとは笑い死…笑い過ぎて呼吸困難で死亡させたのを3回程…
あとは股裂きを3回程…あとは―」
「あ〜もうわかりました」
嬉々として指を上げて数えるビダン博士…それを制止し、
「あ、そうだ…えっと研究してほしいものがあるんですが…」
「なに?」
「魂の構成を擬体に入れるのって可能です?」
「擬体治療があるじゃない」
「いえではなくって魂の泉みたいな…」
「魂の泉?…面白そうね…詳しく話してちょうだい」
「えっと――」
……
12月24日
「失礼します!!」
年若い少年達が入ってきた。
「元サイフェルト軍第21機甲師団所属ボロニャ・カミンスキー一等兵以下総勢24名そろいました!」
「楽にしてくれ…君たちはこれから特務部隊に転属し重要人物の護衛をこなし、
また研究に協力して欲しい…
守ってもらいたいのはこの三名」
映像が映り…
「ビダン博士と、リーファ博士、そしてマデュー人事課長だ」
「了解しました!」
「では彼女らに紹介しにいこう」
……
本来であるなら青海湖のあたりであるが…
BETAに山々を削りとられ、平らにされ…砂漠化がすすむ事となり、
あたり一面砂漠の海となっていた。
自然がなくなると瞬くまに砂漠化が広がり…
青海湖も枯れ、砂漠の海となってしまった…
統一中華内陸部にある都市敦煌…
いやBETA侵攻に危機にひんした台湾にある中華民国政府が、
協策を持ち掛ける前であったから、
中華人民共和国の敦煌というべきだろう…
北緯40度6分、東経94度39分にあるオアシス都市であった。
だが映像にうつる敦煌はその陰りもない。
いや砂漠=敦煌という定義をするならあるとはいえた…
唯一わかるのはハイヴが建設された地であり、
そのハイヴでもって敦煌とわかる次第である。
砂漠の中にあるハイヴ…それが敦煌という地である。
敦煌は古くは河西回路を通るシルクロード…
東西交易路のオアシス、休憩地、分岐点として栄えた要塞都市であった。
重慶から敦煌へは直線で約1600kmであるも、
本来なら一度北東方面に向かい西安から河西回廊に入り、約2500kmの道程になる。
河西回廊…ゴビ灘を中心とした黄河の西にある、南山と北山に挟まれた平地である。
平野部は灘が広がっている。
灘…タンとは所謂偽砂漠とよばれ、砂地混じりの荒れ地だ。
砂を掘れば土が出てくる部分をさすが、そのままでは作物が育たずの土地だ。
現在の甘粛省の形そのものが河西回廊といっても良いだろう。
西安から途中蘭州、武威、張掖、酒泉らのオアシス都市を経由して河西回廊を通り敦煌へと至る。
今では交通は科学の力により人口のある所を通す形だが、
当時は水源に人があつまり都市となった。
内陸河川や地下水の利用で貯まりやすい土壌の場所にオアシスができ、街ができた。
内陸河川とは日本人には馴染みがないが、海に流れ出ずに内陸部で完結する河川であり、
特にオアシス都市にとっては生命線で、干上がると都市が滅びる程であった。
河西回廊から南の方面を見てみると…
険しい山々が東西そして南方へと貫いており、
現在はチベット自治区として中国に属しているが、
過去には独立国吐蕃として古代中国と度々敵対できた程だ。
チベット自治区以外の四川省の、
カンゼ・チベット族自治州や青海省の大部分にあたる箇所が険しい山々での天然の要塞で、
吐蕃攻略には西域方面…敦煌より西側の現在のウイグル自治区から攻め入った方が攻めやすい状態であった。
四川の山々は最終的にはBETAの東進をとめる防波堤となっていた。
チベットの大地にて躊躇なく核を使った阻止戦も展開し、
近場の敦煌ハイヴが建設されると東進が本格的になり、
河西回廊を伝って中国本土方面へと侵攻し重慶ハイヴができた形だ。
河西回廊に戻すが南山越える手前の麓には砂漠地帯とはうってかわる高原が広がっている。
河西回廊を攻略し、ゴビを越えた高原を愛して、
これまた度々古代中国と争ったのがモンゴル族であった。
前漢、武帝の時代に匈奴の勢力下河西回廊を制圧した漢は、
郡を設け直接支配を開始した。
また更に西側諸国な烏孫、大宛等との関係を結びシルクロード…交易路を設けた。
西方からブドウ・ゴマ、そして今では文のみであるが汗血馬が…そして仏教がシルクロードから中国に入り、
絹がこの地を通り中国の国境から西方へと運ばれる。
防衛では玉門関を設けた。
玉門関に関しては後に損失するも、敦煌は分裂時代にも中国の統治下にあり、
再び唐の全盛期に玉門関を再建し、陽関も造られた。
781年に吐蕃の侵攻をうけ以後70年にわたり交易が行われず一気に衰退。
吐蕃から反乱を起こし唐に再び帰順し交易を再開したが、
かつての盛況ぶり程ではなくなっていたが重要な交易路の一つであった。
敦煌の名が歴史の表舞台から消えたのは宋の時代に西夏に攻め滅ぼされ、
またシルクロードが天候に左右される厳しい砂漠を横断する陸路から、
安定した南方の海路へと変移していったからといわれる。
宋から反旗する決意した西夏は、宋の出っ張りである敦煌の街へと降伏勧告をだしたといわれる。
敦煌大守は身分剥奪し平民へ、
住民は西夏語だけ使用を強制し、
断るものは死罪と迫られた。
その頃惚れていた女を奪われた上に殺された西夏漢人部隊の部隊長が、
敦煌大守をたきつけ、皇太子を強襲暗殺しようとしたが失敗してしまった。
失敗した事により敦煌は襲撃される事が決定的になる。
平和に過ごしていた住民は戦火に巻き込まれる前に逃げ出した…
だが逃げ遅れたのも勿論いる。
そして西夏軍が敦煌を襲撃してきた。
通常のセオリー通りに火矢を放ち街は燃え上がる。
大守は自ら私財で集めた大量の経典等は、
自らと共に炎で焼失すればよいと炎の中へと消えた。
貴重な文化物である。
焼け落ちる前に僧や侍従達が書庫からなんとか大量の書物や経典等選別する暇なく運び出したが、
そこから安全な場所へと運ぶ人数が足らない…
戦火による焼失を恐れ安全な場所への移送を望み、
漢人部隊長はその願いを叶える為に囮として出撃する。
ラクダ隊に選別する暇なく積み込み、
安全な場所、貴重な仏教文化を伝える莫高窟のへと隠された。
街からは離れており戦火には巻き込まれる恐れはない場所だ。
隠した場所をわからなくする為に壁として塞ぎ…
そして…盗賊に荒らされず長い時を静かに眠る貴重な文献…
その後1900年代に入り、莫高窟調査にきていた者が、
たまたま崩れた壁の中から大量の巻物を発見し、
敦煌の名が再び表舞台に出てきた。
そして中華人民共和国ができ敦煌文化遺産は保護を再びうける事となるが…
1973年オリジナルハイヴ落着、中華人民共和国軍の敗退…
それにより敦煌は最前線基地都市として再び世界の目にとまる。
オリジナルハイヴから約1600km、ギリギリの影響圏外で、陸上部隊が往復できるギリギリの距離だ。
基地要塞化がすすめられる事になるが…
1992年東進が開始され間もなく…
1年も持たずに敦煌要塞都市は陥落、
圧倒的物量に敦煌はのまれ、ハイヴが建設され…
今に至るというわけであった。
そして現在…
周囲の環境はハイヴが建設されてからは大幅に変わり、
まず砂漠範囲拡大があげられる。
BETAに6500m級の険しい南山や北山が削られ砂漠の範囲が広がっていた。
BETAが四川省や青海省の険しい山々を削り資源回収したおかげでなだらかなになり、
直線で約1600Kmという感じだ。
重慶にハイヴができた理由が三峡や成都、四川あたりの山岳資源回収の為だといってもよかった。
またわかりきっている話だが、貴重な遺跡は既に跡形もない。
先にのべた莫高窟の他に、魏晋壁画墓、
鳴沙山や月牙泉、雅丹魔鬼城、楡林窟等の遺産があったが全てBETAにのまれていった。
勿論玉門関や陽関、漢代長城もない…
そんな敦煌は何度もいうが、砂漠の中にあるオアシス都市で、
中国の西側にあった都市である。
帝国時間と現地時間を使って作戦は明記するが、
実際は現地時間はもう少し遅くてもよいとは思う。
中華人民共和国の時に地方の独立をおそれ、北京時間を全土統一で使っている。
敦煌あたりでは更に2時間位時間がズレてもよかった筈でもあり…
アメリカは東西にかなりの時間ずれているからわかるネタであろう。
書き手としたら時差計算が非常に楽ともいえる?
いや情景描写がすこし大変でもあるが…
……
現地時間2001年12月25日午後6時
帝国時間同日午後7時
まだ日の光が照すなか…作業群をほぼ殲滅し合流した艦隊が西方より敦煌ハイヴ130kmに接近すると…
「敦煌ハイヴに動きあり!!大規模BETA群出現してます!!」
モニター映像は敦煌ハイヴからマグマの如くBETAが湧き出てきている。
「対ハイヴ攻略戦開始せよ!!」
衛星からの映像で、敦煌ハイヴにある門より、
BETAが近寄ってくる異世界軍の艦隊へ撃退せんと溢れ出してきた。
対する異世界軍艦隊は動きを止め、
迎撃体制をとるべくカーゴトレインから搭載機を放出し始めた。
迎撃ラインにはいるのが、
モンスター改100機、
スフィンクス1000機、
その戦線交代要員に同数が控えている。
そして最大戦力である…
トレー級そしてフリーデン級も戦列を整え始めた。
艦載機をだしたカーゴトレインは方向転換し、不足の事態に備えてる。
補給チーム搭載のカーゴトレインのみ戦線に合流する形になる。
「煙幕弾頭弾射撃開始します!」
モンスター改から勢いよく煙幕弾が放たれる。
最大射程160kmの距離までの間の空間に、煙幕を張り巡らせ、
光線級に対してのミサイルのアドバンテージを作る為に撃ち出される。
モンスター改は控えも含め、砲弾庫に入っている砲弾をすべて煙幕弾に積載変更を行っていた。
約100機のモンスター改から10秒間に400発ずつ射出される煙幕弾頭は撃ち落とされながらも、
着実に目的空間を煙幕で埋めていき、
敵の大砲級が自身の射程圏内に到達する前に、
既に艦隊からハイヴまでの空間は煙幕弾頭の煙りに染まりあがった。
「衛星からの種族判別情報送られてきます!!」
続々と湧き出てくるBETAを観測している衛星猫の目…
猫の目はキャーティア技術をいれた戦場観測衛星で、
煙幕越しでも戦場の中の1000万兵士中の特定の一人を、
顔まで判別できる性能をもっていて、
まさにチート的技術がはいっている。
別に宇宙から露天風呂を覗き見や、
庭の中でトップレスで日光浴してる金髪美女を覗くのに、
作った衛星ではない。
猫の目情報により、
現在地上に出ているBETA群の中での重要ターゲットである、
大砲級、重光線級、光線級に続々とターゲット番号がふられ……
「緒元入力」
「トマホークミサイル!!、全セル発射ぁぁぁっ!!」
トレー級ミサイル艦より756発ものミサイルが射出される。
ミサイルは800kmまで加速し、50mの低空をとび、
目標の5km手前で空高く高度をとり、衛星からの誘導により、
設定された目標に100%命中する。
迎撃される事なく…
この一撃で予測BETA総数の0.2%が華となる。
光線級はミサイルを感知してて、迎撃の為に生体レーザーを照射するが…
煙幕により拡散され有効熱量を持たずにそのまま受けて爆散する。
煙幕により、でてきた大砲級、重光線級、光線級にミサイルが次々と突き刺さり爆炎をあげる。
10射目にて、現状表にでている重要ターゲットはいなくなり、まだ湧く中だけにいる状態になった。
そこからはちまちまと周辺部及び、湧いてくる重要ターゲットを狙いうつトマホーク…
トマホークがその推進力で要撃級に突き刺さり、
その爆発力で要撃級の肉体を肉片に変えるばかりでなく、
構成物質である鉄板で周囲に襲い掛かり、
小型種族である兵士級、戦士級、戦車級がえぐりとられる。
また要塞級に突き刺さったトマホークは、爆発し、要塞級の肉体の40%近くをえぐりとり、
体力を奪われ死んだ要塞級はその身体を支え切れず横に倒れ、
肉体に小型種族がつぶされ体液をだす…
いたるところでBETAに対する災害がおきて…
突撃級がトレー級の砲撃の射程圏に入る頃には、
予測数の実に10%強、約4万強のBETAが死滅したり、肉片に姿を変えていた。
レーザー無効の煙幕弾及び、正確無比に着弾する、トマホークミサイル、
及びその誘導をサポートする猫の目で一方的攻撃は続く。
ある程度は沸きつづける中に光線級、重光線級、大砲級がいるものの、
地上にでて5分もしない内にミサイルにて消滅するなか…
「トレー級の射程圏に突撃級が侵入!」
突撃級が陸上砲艦の射程圏内に到達する…
「61cm砲、弾種対地榴弾、一斉射!!てぇー!!」
衛星モニターにうつるトレー級陸上砲42隻、
61cm砲2連8基、1隻あたり16門の主砲、合計672門が一斉に火を放つ。
今回の弾種は徹甲弾でなく対地榴弾…
光線級が殲滅されつつある事により、徹甲弾ではなく装甲が殆どない火薬満載の榴弾が使用される。
光線級に迎撃されると薄い鉄装甲を貫き1発で爆散してしまう代物だ。
その大量の榴弾が射程圏内に侵入してきた突撃級に襲い掛かり、
必中とはいかないものの、豪快な爆炎をあげる。
その4秒後にさらに672発の榴弾が、次々と生き残ったまたは既に死んだBETAに襲い掛かる。
BETAに直撃しなかった砲弾は地面で爆炎をあげ、破壊力でもってクレーターをうみ、
また破砕力で、周りのBETAの体力を一気に刈り取ったり、奪ったり…
射程圏内に踏み込んだBETAは、まずできた砲弾クレーターにすすみこむ。
そこに榴弾がきて至近距離にて爆発が起き、
上半身に爆風が襲い掛かり、肉がもげていく…
生き残ったBETAはさらに前にいこうとするも、
またもや砲弾がきて、爆炎を浴び、いきたえる…
小型種においては砲弾がきて爆発するたびに、
その爆風威力により吹っ飛びたたき付けられる…
砲弾至近距離にいるのは、砲弾が爆発するとその砲弾構成物が破砕し、
瞬時に襲い掛かり、肉を削りとりBETAは肉片とかす…
その為小型種は、まともにすすむ事もならない状態に陥っていた。
「BETA、門より出現、終わりました!総数約30万!」
「現在残存15万です!」
「かなり良い感じに殲滅スピードあるじゃない?」
[だね〜ミサイルとの組み合わせが1番だと思うよ]
前回はフリーデン級やらの数が派遣の為に間に合わず、
対地ミサイル攻撃が叶わなかった。
4つ目のハイヴ攻略にてかなった形だ。
61cm榴弾にて面制圧で数を削り、
逃れてきた外周部に対して必中のミサイルを食らわせる。
「ん〜そろそろ救援部隊がでてもいい数殲滅したよな」
[重慶ハイヴの時には一気に出て、救援くるの早まったもんね]
「スパイからは?」
[まだ何も反応ないってさ〜]
「そうか…」
救援に到達する時間は、H1は53h、H6は65.4h、H15は59h、H17は67.5h、H18は43.4h…
と周囲からは早くて43時間、おそくて67時間、
ボパールハイヴからだと約87時間、最大戦力の後衛陣が含む群だとかかる。
1番の懸念はH1オリジナルハイヴからの救援群到達で、
また重慶ハイヴ救援群の様に時間調整されるおそれもある。
また可能性あるのが脚の遅い要塞級や重光線級、大砲級を除いた強襲編成で組んだ救援群…
H18ウランバートルから以前強襲編成での救援があった。
その際H18からなら…26時間で救援に駆け付けてくる事が可能だ…
ハイヴ突入中でほぼ艦主力だけで対応する事になる。
「とりあえず…増援兆候の監視よろしくな」
[了解〜]
「特にH1からの増援でたらほぼ爆破確定だから…
工事も急がない事態になるし…」
[了解だよ〜マスター]
時間が経過し完全に夜の闇に覆われた頃には…
61cmの砲弾の嵐を抜けてくるBETAはいなかった…
第一次防衛ラインにつめてたスフィンクスは帰還してく…
実に約1000万強もの砲弾の嵐…
クレーターを作りすぎてまともに進めなさそうな地形を作ってしまった。
着弾エリアの砂漠の砂は既になくなり、地下層にあたる岩盤がみえてかつ、
えぐられてクレーターができていた。
異世界軍艦隊は大きく迂回し、敦煌ハイヴの門へと突入せんと目指して進む…
……
寸劇風後書き
作者「163話到達をお送りしました」
ナギ大尉「あれ?作者…攻略でないの?」
作者「シーシー」
ナギ大尉「次話に攻略もってきたのね…」
作者「ばらされたぁ…そうですよ、
次回に攻略後半をもってきました。
次回のネタがあまりにも短かったので…」
ナギ大尉「リアルネタで後書き書いてたから、
艦長とのデート中の私に強制出演させたからよ」
作者「え?あれ?訓練じゃー」
ナギ大尉「さて次回は…突入、大規模移動発生。お楽しみにぃ」
作者「何故さえぎー」
H24年11月改稿
H25年10月再改稿
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