第205話『銀河英雄伝説編4 飢餓地獄及び同盟軍敗走』
引き続き惑星ペルー。
一旦同盟軍占拠施設を襲撃した暴徒は、
襲撃対象であった同盟軍が宇宙に撤退したため解散していくが、
一旦火がついた暴力は、食料を調達しきれなかったのが飢えをみたすように、
襲撃対象がその内…隣人へと代わった。
……
ドンドン
「あけろぉ!!食料隠し持ってるのはわかってんだ!」
「明け渡せぇ!」
「出てこいトール!」
「あなた…」「パパ…」
「地下室に隠れてなさいアンナ、アリー」
床にある地下室への扉を降りてく妻と娘…扉を締めカーペットで隠すタイプであり簡単には見つかりそうもないが…
玄関扉が蹴破られ、「入ったら撃つぞ!!」の言葉にも動じず、
やむなくショットガンを発砲し銃撃戦になる…多勢に無勢、殺される。
「食料を探せ!どっかにあるはずだ!」
広い家の中を探していると…
「地下扉だ!」
「でかした」
「食料か!?」
地下扉をあけ…
「奴の身内だ…」
「食料どこだ!?」
「あったら渡したいです。それより主人は?」
「我々に逆らったから射殺した」
「人でなし!」
「おい!それよりも食料どこだ!?」
「ですから無いです。勝手に探して下さい」
地下室内を探しに回るが…見つからない。
「どっかに隠し扉があるだろ?食料隠し持ってるのはわかってんだ」
「隠し扉?そんなのあったら教えてます!」
「どうやら身体に聞かないと教えないらしいな」
「え?」「ママ…」「ちょっとやめて…キャー!!」
アリーに襲いかかる暴徒、衣服をはぎ取り真っ裸にさせると、
殴りまた下の穴に突っ込んだりやりたい放題…
「やめてーママ死んじゃう!!」
「おら吐け!隠し扉はどこだ!」
「あ…あり……ま…せ…あ」
「強情な…娘に聞かないといわないらしいな」
「や、やめてむ、むす…め…には」
「い、いやー!」
7、8歳の小学生に襲いかかる大の大人達…裸にひんむき乱暴に穴に、
「ギャー」
この世で無い声があがる。
身体が成長しきってなく内臓破裂を引き起こしたのだろう…
しばらくすると事きれた。
アリーもこときれ…
「ちっ…おい、つぎの家いくぞ!!」
暴徒が出て行った後で頭が損傷してない二人の死者は地面に溶け込むように消えていく…
そしてしばらくするとまた地面から湧き出して…
……
このように襲い掛かれた隣人は自主防衛するが、
殺されると家族は殺され息子や祖父母はただ単に殺害、
見た目麗しく、力のない妻娘等は犯された後殺されてく…
……
第三、第七艦隊は補給がくるまで現地調達を指示して行った為、
地上では激しい戦闘がおこっていた。
明日の食料も奪われ食べる物返せとばかりに暴動鎮圧の為に、次々と陸上部隊が送られてくる。
それを受けますます抵抗は激しくなっている。
武器も同盟軍地上部隊の死者から奪ったのを使い暴動は激しくなる。
とうとう地上装甲車も導入され、帝国臣民は炎の中に消えていく…
まだ同盟軍兵士という敵対勢力がいるが為に供給停止した惑星よりかは幸せだったかもしれない。
……
宇宙歴796年10月10日
同盟各艦隊にラインハルト揮下の帝国艦隊が襲い掛かり始めようとしていた。
各艦隊には支援艦が随伴しており、まずは事務方の非戦闘員や、地上部隊等を乗った支援艦を逃がすべく、
まだ撤退できずに留まってはいる。
暴動が一切起きずスムーズな撤収作業を行ってるのは第五、第十、第十二、第十三艦隊だけであった。
先の事情により、食糧が他の艦隊よりかは余裕があり、
撤収時に占領下全惑星へと食糧を再配布する余裕はあった。
ただし撤収方法に二通り行われ、
第五、第十三艦隊は惑星に降ろした機材等はあげるとばかりにおいていき、
食糧は空中からのパラシュート投下でばらまく。
とにかく人員の撤収だけを急いでた。
第十、第十二艦隊は機材はもったいないと地上各地に回収部隊を派遣、
食糧も配布しながらの為…
−第十艦隊−
「どうやら間に合わなかったようだな」
敵襲警報がなり響いていた。
「くるぞぉ」
既に擬体と入れ代わったウランフが激をいれている。
「敵との予想接触時間は?」
「およそ六分!!」
スクリーンに、敵艦隊の予測数がだされた。
15000隻…こちらより1000隻多い。
「よーし全館総力戦用意、総司令部及び第十三艦隊へ通達、
我敵と遭遇せんとなぁ」
「はっ直ちに」
「さぁミラクルヤンが駆け付ける敵を挟みうちにできるぞ」
「おぅ」
「支援艦挺の離脱状況は?」
「残り4時間程です!!」
支援艦が続々と離脱中で、
ワープイン可能空域までの時間が伝えられる。
「4時間は最低留まらなくてはか…」
「敵艦隊の映像でます。速度そのまま、射程距離まであと2分」
漆黒に塗られた艦隊群…その異様に艦橋オペレーター達は動揺するが…
「これはまたまた…見えずらい色だな…
区別するのに目が悪くなりそうだなぁ」
そのジョークにスタッフも苦笑、緊張が解れたようだ。
……
「まもなくレッドゾーン、主砲射程圏内!!」
入った瞬間に…
「撃てっ!!」
第十艦隊から先制射が放たれる。
さて、いつウランフが擬体と入れ代わったか?というと…
〜9日頃〜
「タンクベッドで少し仮眠をとらせて貰う。
この後とれそうもないからなぁ。
敵発見したら急いで起こしてくれよ」
部下が了解と共に敬礼してきた。
ウランフは、タンクベットで休息にはいる。
(多分これがラストチャンスか…)
1時間後…
タンクベッドが起き上がってきた。
タンクベッドと同化したカオルは、カプセルにウランフ提督をいれ、
擬体をタンクベッドに既に入れ替えていた。
すると…擬体が動きだし、艦橋へと向かいはじめた。
精神リンクがカプセルと擬体の間で繋がり、
本人自身が擬体を気づかずに動かしてる状態である。
そして冒頭へとつながる…
……
同じ頃ホーウッド率いる第七艦隊は、地上の暴動鎮圧にてまどっている間に、
キルヒアイス率いる艦隊が襲撃してきた。
抗戦をおこなうも…戦力差がかなりあり、
支援艦の安全な離脱が行えない事により、
非戦闘員の安全面から戦力がありながらも降伏。
キルヒアイスに受諾され、武装解除をうけていた。
一方地上では…
二人の男女が身投げしようとしていた。
片方は軍服、片方は髪の長い女性であった…
二人の男女は崖から飛び降り…地面に叩きつけられる前に消え去った。
……
第七艦隊担当のペレグリン級は地上の帝国臣民を主に収容していて、戦場は既に過ぎ去っていて、
分裂体は艦操作担当と、救助担当の二人だけ、
後は地上にいる人員だけになる。
地上は同盟軍から奪ったのでかなり食いつげるだろう…
後はケスラー艦隊の物資輸送艦しだいであった…
……
−第三艦隊−
地上での暴動発生の対応に追われていた第三艦隊は、
初動が遅れ、奇襲をくらい支援艦の離脱すらできない状態におちいり、
絶望的な撤退戦を続けていた。
まだ収容できてない人員を切り捨て、奇襲から立ち直った時には既に指揮下には…
半数以下の艦艇しか生き残ってなく、支援艦隊の単独離脱を決定するも…
非武装の民生艦や輸送艦は次々と補足され、
降伏を受諾しない艦は次々と撃墜されてく…
そして、旗艦ク・ホリンは…レーシング星域において、
今まさに制御不能の戦艦に押され、小惑星に墜落していった…
この時点で残存は2000隻を割っていた。
個々に離脱する艦艇も出始めるが撃墜され…
残り500隻あたりで各艦艇は投降信号を発信しはじめた。
瞬くまに残存艦艇に広がる…
投降艦艇数、
戦闘艦493隻、
非戦闘艦1521隻…
……
第三艦隊担当のペデグリン級艦内は悲鳴をあげるまさに戦場、
軍人や民間人の遺体収容が間に合わないのがでる程であった。
(手あいてるの助けて〜)
(あ、了解うけいれるわ)
第七艦隊担当が答え、なんとか…
一艦だけではたりなかったようであった。
……
−第十二艦隊−
ボロディン提督率いる第十二艦隊は、
支援艦の離脱、安全空域確認後撤退を試みるが、捕捉され…
士気の低下と共にかなりの被害をだしていた。
食料の投下を行い一日二食のみの状態になりながら、
離脱のタイミングを狙っていたが…
「味方は何隻残っている?」
「はっ!本艦含めて8隻です…」
「そうか」
擬体ボロディンが、自らの頭をうった。
「ボロディン提督!!」
床に倒れている擬体の開いている目をふさぎ…
「私が指揮を引き継ぐ…機関停止、
敵艦隊につなげ。降伏を受諾するとな」
機関停止!!の号令がかかる…が、
「敵ビーム正面!!」
繋げようとした瞬間、一隻ずつ集中していたビームがこの艦へと降り注ぎ…爆沈する。
生き残りの艦は投降を表明…降伏は受諾された。
……
第十二艦隊担当ペデグリン級艦内は…
軍人の救助で戦場であったがまだまだ耐えられてた。
もう少しで収容作業は終わるだろう。
……
惑星ペルーから見上げる空では光が見えまた消え…まだ同盟軍との戦いが続いている。
地上では…
援助の打ち切りがあっても良いように…
日々の食事を切り詰め取り分けていた分を使い始めた家族。
不味いオートミールだが、食べられるのは幸せだった。
ドンドン!
激しくノックする音に父親が窓の外を確認…
「ランシェ、早く部屋に隠れなさい!
私が良いといっうまではけして出てくるな!」
「なに?…なにがおきてるの」
「説明している暇はない!さぁ早く!」
ランシェは言われた通りに隣の部屋に隠れ息を潜め…
「なにか用か?」
「食糧を全てだせ!」
「最後の晩餐なんだ…あれが」
「嘘をつけ!どっかに隠しているだろ!
探させてもらう」
「やめてくれないか!」
「邪魔すんな!」
銃声がなり響き…
「食糧…おっあったぞ!こんなに沢山だ」
コンビニの中袋分位の食糧を見つけ、
「これで暫くくいつなげられるな」
と…男達はでていった…
隠れた部屋から…ランシェが静かに出てきて…
―パパ、パパ?
反応はない。
「パパ…パパ!!」
ランシェが床に横たわっている死人…ランシェパパを見つけ…
「パパ!パパァァァ!」
「おっ…」
開けっ放しのドアからの泣き叫び声をききつけ、
家に侵入してきた別の男が発砲、
悲しみの叫びをあげていたランシェが崩れ落ちた。
「これで食いつなげる…美味そうな子供だなぁ…」
息を引き取ったランシェを引きずり、
惨状となった家から出ていく痩せきった男。
6歳位の子供をかつぐ体力は既にないのだろう…
一発で天国行きとなった分だけ幸せかもしれない。
「はぁ…はぁ…」
水分はとっているが為に汗は出る。
ボロボロの袖で拭い…
「あっ…ど、どろ、ぼー」
手を離したすきに、別の男がランシェの死体を担ぎ走りさっていく。
先の痩せていた男は走ろうとするが到底走れず、
銃を放つがもうあたらない距離に…
担いだ男は建物を曲がり…
消えていた…
……
「あなた、に、肉って…どこ…に」
「ほら食べろ。とにかく生き延びるんだ」
「パパ、美味しい!」
「ああ。しっかり食べろよ」
「けど野菜は?何のお肉なの?」
「野菜はないさ…これは白豚だ」
「初めて食べた。美味しい!」
「うっ…」
「吐き出すな飲み込め」
「は、はい…」
妻は察しているだろう…
殺した人肉で身内の飢えを満たすようになっていた。
供給を止めただけでも…帝国の補給はまだこない…
……
こんな事にならないだろうと思うかもしれないが、
過去には地球でも飢餓の為に隣人の肉を食う事があった。
1932年から1933年にかけての人工飢饉のウクライナ、
またアフリカ…
つい最近では北朝鮮だ。
まず1932から33年にかけての人工飢饉、ホロモドールについて…
現代でも歴史的検証がすんでなく、
あくまでも私見にもとずいてはご了承いただきたい。
一回認めてしまうと保障がウンタラカンタラ…になる…
まず1931年ウクライナは空前の小麦大豊作であった。
国を豊かにする=外貨獲得の為に、小麦輸出は必須の国策であり、
より小麦輸出できるよう2倍のノルマをかけた。
31年時か32年時かは不明だが、各家庭においてあった作付け用の種もみすら徴収し、
その結果次年の作物ができなくなってしまった…という。
32年は27年度より悪く12%減少となり、
そのままのノルマではとても払えず、
ウクライナの共産党支部もまずいと思い、
スターリンあてに税の軽減を求め訴えたが、
スターリンからの返信はウクライナ人は自分の事だけしか考えず、五箇年計画の為には遂行しなければならない…と…
本部がその様な命令出した以上従わなければ、
国家反逆罪で収容所送りになる。
ウクライナ人はモスクワから送られてきた党員達にとっては、
従わせるべき者として心を殺していた筈であろう。
各家庭の食料も輸出の為に徴収されていく…
飢餓がはじまり人々が集まっている前で、
飢餓の死者が地面に横たわっても気にはしなくなり…
特に33年度が酷く、10mあるけば飢餓による次の死者がある程になる。
飢えを凌ぐ為に死者の肉が食料源となり、
腐敗による病気が広まり、病死による死者もで始める。
死者を墓地へと運び党員から報酬としてスープを貰い飢えを凌ぐのも発生し、
毎日死者を墓地へと運び飢えを凌ぐ。
スープを貰えないものは隣人の子供をさらい食事の肉へとかえる。
人々は女子供が外に出せなくなってしまった。
地面に生えている自然のものは?と思うが、
国家の財産の為にモスクワから派遣された党員に撃ち殺されてしまう。
もちろん落ちている実を拾ってもだ…
また他の都市等に逃げ出すのも禁止させ、兵士を各町や村沿いに配置、
更に空中から育てている小麦をつまみ食いしない様に監視し、
つまみ食いは銃殺していく…
そのような状態で、死者数は日々増え…
現在でも当時の混乱の為に正確な数がわからないが、
日々25000人程が墓地に運びこまれ、
食料となった者も含め最大1450万人もの死者が出たという。
現在のウクライナ人は他の国へと移住した人を含め4500万人程。
過去に独ソ戦での虐殺…人工飢饉を起こさせた共産党より、
ドイツがましと協力するスパイ行為が多発の為起きたが、
も含めて人口増加も考えて…3人に1人は亡くなった計算だろう。
政府が食料をやっと配り始めて飢饉が終了した。
そしてソビエト政府が…今だ人工飢饉とは認めてないが、
飢饉の事実があったのを認めたのが80年代に入ってからである…
今でもあるのが北朝鮮だが…
特に黄海南北道での局所的な飢饉は、現代なのか?と疑う次第だそうだ。
食べる物が何もなく、老いた親を追い出したり子供を捨てたり、
気が狂った親が自分の子を釜茹でにしたり…
勿論警察はいる状態なので、逮捕銃殺に処された。
他にも自分の子供2人を殺し肉にした男性が妻の通報で銃殺。
11人を殺し豚肉として売っていた男性が銃殺等だ。
自然天災により不作なのもあるが、
1番の原因が、金正恩デビューの為にド派手にする資金や食糧を、
不作な地方農民に負担をかけ強制徴収し続けたからであった。
ロケット開発に注いだ資金を食糧獲得に回したり、
またド派手なパーティーを開いてたり、
またデビューの為に軍人に対して特別配給する分を農民から徴収したり、
また首都平壌の建設に資金を投入しつづけ地方には回さない状態が続いていた。
……
−第十艦隊−
「敵味方の損害数は絶対数においてほぼ同レベルですが、
もともと敵の方が数にまさります。その上…」
「我が軍は食料もなく志気の低下も著しい…」
「はっ、このままでは…」
第十艦隊は占領下で暴動を起こさないように、艦隊食料をすでに投下していた。
その為1日3食と制限されていて…士気が下がりに下がっていた。
満足に3食くってそんな程度で士気下がんな!とも言えるかもしれない。
だが…タンクベッド使用時の弊害が関係してくる。
1時間で8時間寝たのと同様の疲労回復…つまり身体的には8時間たったのと同様であり、
必要カロリーが著しく上がり1日8食が推奨される。
1日3食では戦闘中タンクベッド使用時し続ければ身体的には1日に1食と捉えてよいだろう。
1日1食でカロリー使う戦闘行為をおこなうのである…
支援艦隊の離脱の為星系に留まっていた事により、既に敵艦隊の包囲下にあり、
惑星を上空の半月陣である為、かろうじて背後がとられていない状況下である。
機関を損傷した艦艇が次々惑星リューゲンの重力に引かれ、
大気圏突入能力がない同盟艦は燃え尽きていった。
「非戦闘艦は離脱したが…不味い状態だな」
「閣下、既に我が艦隊は4割を失い、
残りの半数も戦闘に耐えられる状態ではありません。
降伏か逃亡か選ぶしかありません」
「不名誉な二者択一だなぁ…
降伏はしょうにあわん。逃げるとしよう」
「はっ」
「損傷した艦を内側に入れ、紡錘陣形をとれ。
敵の一角を突き崩すんだ!
放火を集中しろ。撃って撃って撃ちまくれぇ!」
ウランフ中将の激に答えるように、
黒色槍騎兵の一角が崩れ…
「今だ!」
崩れた部分に向かい第十艦隊が突撃する。
「提督、本艦も」
「まて、傷ついた味方艦を一隻でも多く逃がすんだ。
ぎりぎりまで踏み止まる」
黒色槍騎兵は崩れた一角を修復しようと、部隊移動してくる…
「よーし脱出する。最後のミサイルを全弾発射しろ!」
しかし…ミサイル射出機に敵弾が直撃、
誘爆し艦橋内部に爆炎が吹き荒れた。
「さ、参謀長、み、味方は…脱出したか?」
「は、半数は」
擬体の限界がきてチェン少将のリンクが切れた。
「そ、そうか」
ウランフ中将のリンクも切れ…
第十艦隊旗艦盤古は爆沈する…
黒色槍騎兵の包囲から抜け出た第十残存艦隊は、
追撃を受けずにワープポイントへと離脱した。
……
第十艦隊担当のペデグリン級艦内はまたもや戦場になっていた…
擬体遠隔操作カプセルを収容し、空きカプセルに遺体を詰め虚数空間にしまい、タイムリミットまで後5分、
ラストスパートをかけていた。
地上の死者は皆無であり、後はケスラー艦隊次第といえていた。
……
ールーロス船内ー
「追跡劇いつまで続くでちかね?」
「ん〜ワープインの瞬間に撃沈等したら目もあてられないからな、後は重力圏か…」
ワープは恒星を通りぬける事は出来ず、
また恒星の重力圏にかなり影響されている。
の為、恒星系と恒星系を必然的に結ぶ航路となっていた。
恒星系内でのワープ使用は巨大な時空震が発生し、周りに艦艇がいたらあらぬ方向へ向き、
また何処にでるかもわからないという事もある。
何処には次元も含めてだが…
この先未来においてわざと事故を起こした結果…
半数以上が通常空間に戻ってこなかった事でわかるといえよう…
ので、基本安全圏に離脱してからのワープインとなる。
戦闘中にはもっての他であった…
だから通常空間における追跡劇が成りたっていたといえよう。
……
同盟軍艦隊が完全撤収や降伏後に、安全確認がとれて始めてケスラー艦隊に惑星進入許可がくだる。
勿論各々タイミングは違い、各惑星に程近い宙域で小数部隊で待機していた形だ。
第三艦隊が駐留していた惑星で、かなり早いタイミングで許可がおり、
そして…ケスラー艦隊本体から抽出された5艦が降下していく。
緑豊かだったと思われるが、今や無残にも衛星軌道上からは赤はげてみえていた。
大気圏内に艦が入ると地上の様子がよりいっそうわかってくる。
地上班は着陸後人への物資配給しに地上の各オアシスへと向かう。
だが戦場になった各オアシスで建造物が見つからない、いや無事な建造物がだ…みわたしても焼け焦げ遺体だらけ、
ところどころに同盟軍兵士の死体が確認できていた…
避難していた女子供達が主人や息子の名前を呼びながらさ迷っていた。
……
寸劇風後書き
作者「という帝国領土進行作戦撤退時の裏側を…」
ナギ大尉「えっと…人肉って…いくらなんでもないでしょ?」
作者「食べ物が、3日間から10日間あたりまで全くなかったとしても?」
ナギ大尉「…」
作者「断食ダイエットすればわかりますが、他人が肉に見えてきちゃうんすよ…
ましてや配給受けてて、現代人より栄養分的には下です。
そう考えるとね…」
ナギ大尉「他人が肉かぁ…」
作者「あと、別の方の論になるんですが、
その後の内乱時にキルヒアイス艦隊の戦闘回数が何故60なのか?からですね」
ナギ大尉「あ、辺境の反ローエングラム側って事?」
作者「そこまでの怨みがないと、
五個艦隊以上に全滅覚悟で60回なんて挑みはしなく、また特攻の如く散らないですよね…って事で」
ナギ大尉「……確かに…」
作者「食糧を渡さない同盟にも怨みあるが、このようにしたラインハルトにも怨みある。
これなら貴族側にいた方がまだマシだって事ですね。
その後ラインハルト存命中に作戦行動でも、イゼルローン付近の帝国側辺境にたちよりもしない点もね」
ナギ大尉「なるほど、そういった考えですね。さて、次回は…アムリッア星域会戦及び帰還…お楽しみにぃ」
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