おっ!今回は視点切り替え方式ではなく、視点固定方式での開始か?僅か2話振りでしかないのに、凄く久し振りな気がする。

っと、視点固定方式ってことは最初に語り部が誰であるかの紹介から始めないといけないんだったな。久し振り過ぎて忘れていた。

どうも、冥界産発情地鶏とのレーティングゲーム、第3試合に出場が決定した兵藤一誠だ。前話の最終視点から引き続き、今話の語り部となった。宜しく!

ん?色々と話を端折り過ぎ?「お前はディアボロか!」って、ディアボロって何?曲芸の独楽になった記憶なんて全く無いんだが?

え?ディアボロはディアボロでも、そっちのディアボロじゃない?キング・クリムゾンのディアボロ?キング・クリムゾンって、確か英国のロックバンドだっけ?

最初の人生で友人から耳たこになる程その名を聞かされたことがあるから、今でも記憶に残ってるな。……今思えば、あれは洗脳だった気もする。

ってか、この世界にもいるのか?キング・クリムゾン。……あぁ、この世界のディアボロチームにキング・クリムゾンってのが存在するのか。

は?ジョジョ●奇妙な冒険に登場するスタンド?ジョジョの格ゲーはしたことあるが、そんなスタンド及びスタンド使いが登場したという記憶は全くと言っていい程無いんだが……。

取り敢えず、俺の記憶にあるキャラはオラオラと無駄無駄、ポルポルとアブ、レロレロ、犬、爺、ソフトクリーム位なんだが?

……覚え方が雑過ぎる?いや、俺的には100年以上前の記憶な上、得意分野のRPGじゃないから作名を覚えていただけでもかなり珍しいんだけど?

兎に角、話を端折り過ぎるなってことだけは分かったから、俺が第3試合に出ることが決定するまでの流れをできる限り簡単に説明していこうと思う。

まず、試合開始から20分足らずで戻って来たアスナと木場は部長と副部長を始めとするオカ研メンバーに労われていたな。

この時、アスナに試合の感想を聞いてみたんだが、予想以上に防御力と耐久力が高く、『SAO』で戦ったことのあるストーンゴーレムを相手にしている気分だったらしい。

アスナ曰く、ストーンゴーレムとの違いは敏捷性が高かったこと。防御力と耐久力はストーンゴーレム並なのに、敏捷性は2ランク上のグレーターデーモン並だったから、アスナ的にはかなり戦い難かったそうだ。

まぁ、戦い難かったと言いつつも、アスナはそんな敵を相手に無傷で勝利を収めた訳で。アスナの感想を聞いていた部長と副部長は、素人の初試合としては見事としか言えない内容と結果のどこが不満なのかと少し呆れていた。

『SAO』でストーンゴーレムやグレーターデーモンと1対1で戦っていた時は、倒すまでに掛かっていた所要時間がどんなに長くても1体辺り3分位だったからな。

今回の試合で掛かった所要時間は15分以上20分未満。5倍以上の時間が掛かってしまったことになる。しかも、相手にとって弱点でもある聖剣を使ってだ。アスナが自分の今の実力に不満を感じても仕方がないのかもしれない。

ちなみに、『SAO』でストーンゴーレムとグレーターデーモンを3分前後で倒していた時のアスナのLVは150を超えていた。今のアスナを『SAO』並びに『SLO』のLVで換算すると90台後半といった所だろう。

……さて、アスナの話はここら辺で切り上げ、木場の話に移ろうか。アスナと共に控室へと戻って来た木場は、何と言うか今まで見たことが無い位に凹んでいた。

勝利を勝ち取ったにも拘らず、渾身の一振りを俺に圧し折られた時よりも酷い凹みっぷりで、黒歌や白音ですら心配して声を掛けていた位だ。

木場が何故そこまで凹んでいたのか。その理由は相手の騎兵(ナイト)を半殺しにしてでも聞き出したいことがあったにも拘らず、一撃で撃破してしまい、聞き出したいことが聞けなかったからだそうだ。

木場は自分が『ソードストラッシュ(アロー)』を使っても、合宿中に俺が見せた『ソードストラッシュ(アロー)』(手加減ver)程の威力は出ず、丁度いい感じに相手を半死半生に追い込めると思っていたらしい。

事実、木場の『ソードストラッシュもどき』は、俺が合宿中に使った『ソードストラッシュ(アロー)』(手加減ver)より威力が低かった。が、木場の予想を上回る威力が出てしまい、その結果相手を撃破してしまったのだ。

木場は自分が凹んだ理由をオカ研メンバーに説明し終えた後も、ぶっつけ本番で見様見真似の技を使うのではなく、普通に剣を交える形で相手を攻め、追い込んで行けばよかったと凹み続けていたな。
そして、木場が控室の隅で凹み続けている間に、第3試合の出場選手を決めるダイスシュートの指示が放送された訳だ。出目合計は18と、発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)が一緒に出て来られる数字だったな。

普通に考えればゲーム中盤戦で(キング)王妃(クイーン)が同時に出張って来る訳が無い。こういった集団戦とは異なる団体戦なら猶更だ。少なくとも俺が(キング)だったらそんな愚行は犯さないし、部長も犯さないだろう。

いくら序盤で連敗したとしても、相手側の実力を一端であっても把握できていない存在がいる状態で、(キング)と最強の手駒である王妃(クイーン)が一緒に出張るなどという行為は、考え無しの特攻と同義だからだ。

俺はレーティングゲームにおける(キング)の役割を、自軍の被害を最小限に抑えて相手に勝利する策を練る軍師と同じものであると考えている。

この考えが正しければ、軍師にあるまじき愚策を実行するというのは、魔王様方を含め限られた者だけとはいえ、上級以上の純血悪魔が観戦している場で、自ら王としての器が小さいというのを喧伝することと他ならなくなってしまう。

普通に考えれば、自分の評価を下げる様なことを素人相手とはいえ、公式戦に出るプロがするとは思えない。将棋や碁の指導対局や指導碁の様な指導ゲームではなく、ガチゲームなのだから猶更だ。

だが、現状の発情地鶏にそんな一般的な考えができているかというと、できていない可能性があるというのが部長の言だった。

それは何故か?部長曰く、発情地鶏はフェニックスの特性である不死――というか自己再生能力を過信している上、悪い意味での典型的な貴族子息ということもあって我慢弱く、下級・中級悪魔を見下して見縊る性格だそうだ。

まぁ、我慢弱い所や地位的なもので相手を見下して過小評価するって所は、初対面時の遣り取りで大体分かってはいたけど、それが素人相手とはいえゲームにまで影響するとか筋金入りとしか言えない。

恐らく不死という特性が、発情地鶏の傲慢な面を助長させているのかもしれない。ってか、そう考えたら発情地鶏にも魔王としての適性があることになるのか?傲慢は悪魔――というか魔王を象徴する7つの大罪の1つだし。

…………いや、無いな。傲慢だけでなく、発情地鶏なだけあって色欲も強そうだけど、カリスマ性が感じられないから、奴に魔王は務まらないな。なれたとしても、身近な常識人に暗殺されるのがオチな暴王が関の山だろう。

っと、話が少し逸れたな。取り敢えず、発情地鶏の現状は眷属内でも手練れである騎兵(ナイト)城兵(ルーク)がやられてしまい、序盤から一方的にゲームを進められたことで鬱憤が溜まっているといった所だろう。

割と直情的な性格であることも、初対面時の遣り取りで簡単に想像がつく。故に発情地鶏が王妃(クイーン)と共に出張ってくる可能性を俺達は捨て切れなかったって訳だ。

で、発情地鶏が出張ってくるとなると、オカ研メンバー内で奴の自己再生能力を発揮できなくなる程のダメージを与えられるのが、俺しかいないということで必然的に俺が出ることになる。

俺の場合、色んな意味で発情地鶏と相性がいい。悪魔の弱点でもある聖剣――『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』の使い手であり、その10の能力には光属性である第8の剣・『太陽の剣(ミリオンサンズ)』も存在しているからな。

同じ光属性の聖剣使いという意味では、『ランベントライト』の使い手であるアスナがいるけど、俺の『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』は禁手(バランスブレイカー)に至って創造された剣なので、通常の『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』で創造された剣とはランクが違う。

あと、俺の場合は単体で『太陽の剣(ミリオンサンズ)』の効果を『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』で強化することができるってのもあるな。

難点を挙げるならば、この『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』って能力は譲渡する対象に触れないと倍加効果を譲渡できないっていう、意外と融通の利かない所か?

まぁ、それ以外にも歩兵(ポーン)である俺は騎兵(ナイト)であるアスナとは違って、プロモーションによって能力強化が可能だ。個人による能力強化が満載という意味でも、発情地鶏の相手は俺が適任という訳だ。

さて。簡単に説明すると言った割に、出目合計から現時点までの説明がやたら長い!お前が出場するのが必然ってのは分かったから、さっさとバトルに移行しろ!といった突っ込みを受けそうな長い説明をしている訳なんだけど、もう暫く説明に付き合って貰いたい。

今までの説明で、この第3試合に発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)が出張ってくる可能性が高いって話をしていた訳なんだが、それは飽く迄も可能性が高いというだけで、100%出張って来るって話をしていた訳じゃないんだよね。

つまり、今までの説明では発情地鶏が出て来ない可能性もあるってことだ。発情地鶏が出て来なければ、正直な話俺が出る意味が無い。地鶏王妃(クイーン)だけでも出て来てくれたら、俺が出る意味もある訳だけど。

発情地鶏側の頭脳担当が発情地鶏と(キング)に対してイエスマンならぬイエスウーマンの眷属だけだったなら、こちらの戦力を削ぐ為に発情地鶏が出て来なかったとしても、確実に地鶏王妃(クイーン)と他数名の眷属が出て来るだろう。

が、発情地鶏の眷属には1人だけではあったが、俺達を軽視していない者もいた。発情地鶏の妹であるレイヴェル・フェニックスだ。

恐らく、このゲーム中で彼女だけが発情地鶏側で唯一冷静に策を練り、ゲームを進められる存在だろう。端的に述べるなら、このゲームにおける発情地鶏側の王は彼女とも言える。勿論、軍師的な意味での王だが。

ただ、いくら彼女が優秀な軍師であろうと、素人相手に負け続けている(キング)である兄の感情を制御できる訳が無い。上策を進言しても取り合って貰えず、水泡に帰す可能性が十二分にある。

だからこそ、第3試合に出場可能なメンバー――部長、副部長、俺、黒歌、白音、アーシアの誰を出すかで、俺達は非常に頭を悩ませた訳だ。

取り敢えず、撃破されたら即行でゲーム終了となる部長と参謀役でもある副部長はセオリー的にも除外されので、ここまでは問題なく決定した。

発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)が同時に出て来る場合、発情地鶏と相対する俺以外に地鶏王妃(クイーン)の足止めを任せられる相方として、同じ王妃(クイーン)である副部長に出て貰えたら助かるけど、足止めだけなら黒歌と白音でもできるしな。

というか、黒歌と白音の場合は第1試合の戦術を用いれば、無傷で相手の王妃(クイーン)を撃破できるだろう。2人の仙術と炎術による二重結界は、俺でも竜闘気(ドラゴニックオーラ)と『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を併用しないと破れない位強力だからな。その上、俺がインバネスコートの内側に常備している『天使級(エンジェルス)捕縛結界』や『権天使級(プリンシパティウス)十字結界』を使えば、もはや脱出は不可能だろう。

黒歌と白音を抜いた俺単体での出場で、相手が発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)のコンビでも相手のコンビを分断することは容易だ。『捕縛結界』と『十字結界』、黒歌と白音が第1試合で使った呪符結界を使った多層結界に片方を隔離すれば、残った方とタイマンで戦える。

アーシアに関しては、城兵(ルーク)の特性以外に合気道による近接格闘スキルが上がってはいるものの、地鶏王妃(クイーン)の足止めができるレベルには達していないので、発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)が出て来る可能性がある試合には、基本的に出場不可。

結果、残された選択肢は俺単体での出場か、俺と黒歌、白音のスリーマンセルでの出場に2択となった。………え?黒歌と白音のどちらかと組む選択肢もあるから、4択が正しいって?いやいや。黒歌と白音の本領は2人が組むことで発揮されるんだ。

どちらか一方が相手を挑発している間に、もう片方が戦いの準備を整える――というか準備を終了させる。もしくは、2人で交互に相手を挑発しながら、同時進行で戦いの準備をし、同時に終了させる。相手を一方的にフルボッコってのが2人の基本戦術だからな。呼吸をする様に自然とそれができてしまうのは、オカ研メンバーでも黒歌と白音の2人だけだろう。

そんな2人だからこそ、戦いにおいてその持ち味を殺すなんて選択肢を取るなんてことは、軍師であるならできないって訳だ。

なら、スリーマンセルで出ればいい。と、普通はそう思うだろう。だが、もしここで俺と黒歌達がスリーマンセルで出て、発情地鶏側から発情地鶏は疎か地鶏王妃(クイーン)も出て来なかったらどうする。しかも、次の試合で出目合計が今回の試合以上だったら?

発情地鶏側には(キング)である発情地鶏と地鶏王妃(クイーン)以外に、僧兵(ビショップ)である金髪美少女軍師と平安系女子。城兵(ルーク)である中華系女子。脱落者0の歩兵(ポーン)がいるんだ。

今回の試合に歩兵(ポーン)全員と城兵(ルーク)、平安系僧兵(ビショップ)が出て来る可能性も無い訳ではない。歩兵(ポーン)全員が王妃(クイーン)にプロモーションしたら厄介ではあるが、『SAO』で戦ったグリーム・アイズやスカル・リーパーと比べると、俺にとっては容易い相手だ。1人でも倒しきれる自信がある。

そんな相手にスリーマンセルで挑んで何の意味がある?その次に待っているのは、チート級の再生能力を有した発情地鶏と金髪美少女。発情地鶏側最強の眷属であろう王妃(クイーン)だ。

1試合に出せる人員が1〜2人と限られてはいるが、こちら側も出せる人員が部長と黒歌達を除いた場合、たったの4名と限られている。

しかも、アーシアは無手の近接型で遠距離攻撃を得意としている発情地鶏達とは相性が非常に悪く、木場は鬱モードに突入しているので当てにならない。

というか正直な話、発情地鶏側で必勝できる相手は、近接型で棍使いと猫姉妹と思しき歩兵(ポーン)、あと城兵(ルーク)の2人。遠距離型では補助支援がメインである平安系僧兵(ビショップ)と限られている。

地鶏城兵(ルーク)の2人に関しては同じ徒手空拳である上、アーシアの戦闘スタイルが相手の力を利用する合気道だからな。意外と相性がいいんだ。

で、まともに戦闘可能なのがアスナと副部長ということになる訳だが、その場合こちら側が圧倒的に形勢不利ということになる。その理由の1つが戦闘スタイルの得意分野にある。

合宿中に部長が入手した発情地鶏達の公式戦の記録映像で、3人が3人とも空中戦を得意とする遠距離攻撃型であることが判明している。

アスナも空中戦が苦手という訳ではないが、それは飽く迄『SLO』での話だ。一応、合宿中に悪魔の翼での飛行訓練を行ってはいたが、やはり『SLO』での飛行とは勝手が異なってることもあって、『SLO』での機動力と比べれば少しばかり拙いものだった。

あと、相手側はゲームへの持ち込みが許されている『フェニックスの涙』という回復アイテムを所持している可能性が高い、と部長は予想していた。

いきなりアイテム名だけ言われても、どんな効果なのか分からないと思うので一応説明しておこうか。簡潔に述べるなら『SAO』での『全快結晶』だ。

仮に相手がコンビで出てきたとしても、アスナか副部長に『捕縛結界』と『十字結界』を渡しておけば問題ないのでは?と思う者もいるだろう。

しかし、アスナは現実においても投擲スキルが皆無なんだ。副部長に至っては、聖耐性を持っていないので十字架を模した形状であるマグダラ式結界発生装置を持つことができない。

以上のことから俺と黒歌達がスリーマンセルで出た場合、次の試合で負けてしまう可能性が出て来る訳だ。下手をすれば大火傷の重傷というおまけ付でだ。

と、そんな感じの先読み戦術・戦略会議を鬱モードの木場を除いたオカ研メンバー全員で行った結果、今回の試合に出場するのは俺1人ということになり、現在に至っている。

あっ、ちなみに今俺が居るのは結界に覆われた新校舎前の第1運動場ね。で、俺の目の前に現れた敵は地鶏歩兵(ポーン)全員と残ってた地鶏城兵(ルーク)だったりする。

両陣営の出場選手が揃ったってことは、もう間もなくグレイフィアさんから試合開始の合図がされる筈。向こう側も棍とかチェーンソーで既に武装してることだし、こっちも試合開始前に準備をしておくか。

そんな訳で試合開始の合図がされる前に、俺は『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を形成し、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏うことにした。ん?『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』と『十戒の魔石剣(ダークブリング・ソード・デカログス)』を何故使わないか?強いて言うなら、合宿で得た新しい力を試したいからだな。

それに、愛用の防具一式だけでもチェーンソーの攻撃に耐えられるだけの硬度はあるんだ。飽く迄、一般的なチェーンソーを相手にした場合ではあるがな。

まぁ、悪魔が使用するチェーンソーということは魔力伝導率が高い素材で作られている可能性もあるし、魔力を流すことでカッターの部分が秒速300万回で往復する、とかいうとんでも機能があるかもしれないけど。

その場合は、防具一式の防御力だけでは心許ないな。いくら俺に戦闘時回復(バトルヒーリング)能力があっても、痛い思いをして平気って訳でも無いし。

ちなみに、メタボキングさん謹製のインバネスコートは双竜剣士専用防具ということもあって、装備時に竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏うことで防具自体の防御力が上昇する機能もあるんだ。

しかも、その効果は装備している防具全体に及ぶから、防具フル装備時に竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏えば正に鉄壁の防御となるって訳だ。

この鉄壁防御であれば、秒速300万回往復するチェーンソーの攻撃でも防げる自信がある。俺の防具一式はインバネスコートも含めて常時発動型の自己修復機能があるから、猶更防御の突破は難しいだろう。

仮に突破されたとしてもダメージは微々たるもので、戦闘時回復(バトルヒーリング)で十二分にカバーできる筈。チート過ぎて大人気ないと思われるかもしれないが、発情地鶏側にも公式チート羨ましい自己回復を上回る自己再生能力者がいるんだ。ここは大目に見て貰おう。


『第3試合のフィールドは第1運動場。出場選手はフェニックス眷属から歩兵(ポーン)・ミラ、ネル、イル、マリオン、ビュレント、シュリヤー、リィ、ニィ。城兵(ルーク)・雪蘭の9名。対するグレモリー眷属は歩兵(ポーン)・兵藤一誠1名となります。
以上10名の選手による試合を始めます。……第3試合、開始して下さい』


と、色々と考え事や説明をしてる間に、グレイフィアさんによる選手説明と試合開始の合図がされてしまったな。ってか、今の選手紹介。発情地鶏側の人数が多いせいか、適当に済まされた気がするんだけど、これは気のせいだろうか?

…………まぁ、いいか。今はそんなことより試合に集中しよう。実力的には俺の方が上だろうけど、相手の数が数だからな。挟撃による同時攻撃位してきそうだ。

その場合は防御が必要そうな攻撃――主にチェーンソー攻撃と城兵(ルーク)の攻撃には対応する必要があるだろう。それ以外の攻撃に関しては、実際に見てみないと何とも言えないが、大したことの無さそうな攻撃であれば仁王立ちで受けても問題はないだろう。

俺がそんなことを考えていると地鶏眷属は予想通り、俺を囲む陣形を取ってきた。前衛はチェーンソーを持った中坊位の双子姉妹、初対面時に『爆発の剣(エクスプロージョン)』で爆破した棍使い、髪の色が異なる猫耳を生やした双子姉妹、中華系城兵(ルーク)の6人か。

考え事をしていたとはいえ、その僅かな間に俺の両サイドと背後を取ったってことは、前衛の歩兵(ポーン)組は既にプロモーションを使ってきていると考えていいだろう。間合いを詰めるまでは騎兵(ナイト)って所か?

猫耳姉妹が左右斜め後ろ、チェーンソー姉妹が両サイドに陣取っているってことは、プロモーションを使った状態での速度序列は猫耳姉妹>チェーンソー姉妹>棍使いって所か?

っていうかチェーンソー姉妹、意外とスペック高いな!持っているチェーンソーは明らかに森林伐採に使いそうな大型の奴だ。重量もそれなりにあるだろう。

悪魔とはいえ、中防体型でそんな重量武器を持った状態で考え事をしている僅かな時間に俺の両サイドを取るとか。まぁ、眷属悪魔ってことは一般的な純血悪魔と違って日々鍛錬とかしてるんだろうし、驚くことでもないのかもしれないけど。


「囲まれてるのに考え事なんて余裕ですねー♪」
「そんな余裕をかましてる人は、解体しまーす♪」


俺の両サイドにいた双子姉妹が、その容姿に似合わない物騒なことを言いながら騎兵(ナイト)特有の速度で俺との間合いを詰め、その手に持つ物騒な武器を振り降ろしてきた。


「流石に突っ立ったままチェーンソーを受け止める気はないな」


その攻撃に対する俺の対処は、左側がカッティングアタッチメントの部分を『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』で掴み取るというもので、右側は腕で往復回転するカッターを受け止めるというものだった。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』と右腕に接触したチェーンソーは硬度の高い金属と接触した様な音を上げ、その光景を近距離で目の当たりにしたチェーンソー姉妹は信じられないものを見た様な顔をしている。


「嘘!!?」
「籠手の在る方はまだ分かるけど、籠手が無い方も切れないってどういうこと!!?」


望んでいた反応をしてくれるってのは、嬉しいもんだな。チェーンソーが秒速200往復の一般的なものだったことは少しばかりガッカリしたけど。

一応言っておくが、チェーンソーによる攻撃が全く効いてないって訳じゃないぞ。少なくとも無手の右腕には、スマフォのバイブ(弱)程度ではあるが衝撃が通っている。大したことの無い振動であってもダメージには違いない。

少なくとも人間が使うチェーンソーだったら振動すら通らない。それを通せているということは、やっぱりカッター部分に魔力を通して、何かしらの効果を発生させているんだろう。

……何はともあれ、相手側はこれで俺の両手を封じることはできたと思っているだろう。あの発情地鶏に心酔している眷属なら、この機を逃さずに俺をフルボッコにしようとするだろうな。

というか、現在進行形で背後を取っていた猫耳姉妹が気配も消さずに一直線に向かって来ている。隠蔽(ハイディング)や気配遮断も使わずに突っ込んで来るとか、俺を嘗めているのか?

確かに、現実での俺は『文珠』の補助が無ければ広域索敵もまともにできない。精々、索敵範囲内の人外の人数を感知できる程度だ。だが、それでも隠蔽(ハイディング)も気配遮断もされてなければ近付いてくる敵を感知する位のことはできる。

猫耳ってことから、黒歌や白音と同じ猫又系の転生悪魔かと思っていたんだが、この2人も期待外れなのだろうか?少なくとも黒歌と白音の隠蔽(ハイディング)・気配遮断能力は半端無い。油断していたら、簡単にベッドに潜り込まれてしまう位だからな。

それとも隠蔽(ハイディング)や気配遮断を使わなくてもいい位、自分の実力に自信があるのか?例えば、仙術による近接戦能力がずば抜けて高いとか。もしそうなら、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏っていても背後から急所――特に心臓や腎臓に発勁を用いた仙術攻撃をされたら一溜まりも無い。

いくら優秀な防具でも発勁による攻撃を防ぐことはできない。竜闘気(ドラゴニックオーラ)である程度威力を減衰することはできるだろうが、それでもチェーンソーの攻撃以上にダメージは通る。

無論、俺が全力の竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏えば話は別だろうが、現時点でそれを行うのは得策ではない。ゲームを観戦している純血悪魔に危険視された上、力を封印される可能性もあるからな。

現時点でも俺の力は純血悪魔にとって十二分に脅威だろうが、それでも封印等の措置が取られていないのは魔王様方が出張れば対処のしようがあるからだろう。だからこそ、現状で脅威とみなされる全力を使う訳にはいかない。

という訳で仙術による発勁攻撃を警戒した俺は、右足を軸に右腕を動かさず攻撃を防いだまま、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の掌で受け止めた左のチェーンソーを強く握り込み、後ろから迫ってくる猫耳姉妹に対して左側のチェーンソー娘を投げ飛ばすと同時に後ろ回し蹴り放った。


「本気で不意打ちする気があるなら、せめて気配を絶ってから突っ込んで来い!」
「へ?ひあああぁぁ!!?」
「にゃにゃ!!?」


後ろから迫って来ていた猫耳姉妹は自分達にチェーンソーごと仲間が投げ付けられるとは思っていなかった様で、ピンク髪の三つ編みおさげ猫耳娘がチェーンソー娘とぶつかり、投げ飛ばした勢いもあって数m程ではあるが地面を転がった。


「そっちはボディがガラ空きだ!敵前で呆けてるんじゃねぇ!!戦場を嘗めてんのか!!!」
「かふっ!!」


そして、その光景を目の当たりにした水色髪のおさげ猫耳娘が、ほんの僅かではあるが体を硬直させてしまった所に、俺の放った後ろ回し蹴りが鳩尾へと見事に突き刺さると、こちらはこちらで10m程宙を舞った挙句、数m地面を転がっていた。

けど、今の蹴りで撃破には至ってないな。何故なら蹴りを当てた時の感触が、まるで生身で鉄骨を蹴った様なものだったからだ。恐らく、水色猫耳娘は蹴りが当たる直前に城兵(ルーク)へとプロモーションし、その防御力でダメージを軽減したんだろう。

現に蹴り飛ばされた当人は激しく咳込んではいるものの、気絶するまでに至っていない。まぁ、彼女にとっての救いは気絶したか、そうでないかではなく、ゲ●を吐かずに済んだことだろうが。

もし吐いていたなら、発情地鶏のハーレムで唯一のゲ●インになっていただろうからな。そうなっていたなら、発情地鶏の寵愛(笑)も受けれなくなっていたかもしれない。

って、そんなどうでもいいことを考えている内に次の相手が来ているな。抑え役がいなくなった俺の左手を封じる為、城兵(ルーク)が左側へと回り込み、棍使いが真正面から突っ込んできている。

向かって来ている相手への対応として、俺は腕で受け止めているチェーンソーを力づくで押し退け、そのカッティングアタッチメントを右手で掴み取った上でチェーンソー娘2号を棍使いに投げ飛ばすことにした。

左腕の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』で掴み取り、投げ飛ばすという選択肢もあったが、そうすると左側から向かって来ている城兵(ルーク)への対応にタイムラグが発生してしまうからな。

無論、全力でないとは言え、防具一式と竜闘気(ドラゴニックオーラ)越しに振動を通してくるチェーンソーを素手で掴み取るというのは、多少のダメージを受ける覚悟が必要となる。が、それでも受けるダメージは多寡が知れている。戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルで十二分にカバーできる。その程度のダメージだ。

故に俺はチェーンソー娘2号のチェーンソーを何の躊躇も無く右手で掴み取り、真正面から向かって来ている棍使いへとチェーンソーごと娘2号を投げ飛ばそうとした。しかし―――


「な!?加速!!?」
「初めて会った時の様な慢心は、今の私にはありません!」


俺が投げ飛ばすより先に棍使いは一気に加速し、間合いを詰め、俺の鳩尾へと棍の突きを放って来た。魔力で強化された棍と加速の勢いもあって、俺は少しばかり前屈みとなってしまった。

左側から迫って来ていた城兵(ルーク)も、流石は公式戦を経験している歴戦の猛者と言うべきか。僅かとはいえ、俺が体勢を崩したのを目にした瞬間、今まで以上の速度で俺との間合いを詰め、攻撃を仕掛けてきた。


「体勢を崩した隙を狙うか!」
「卑怯なんて言わないわよね。多対1であれば当然の戦法なのだから!!」


無論、俺が城兵(ルーク)の攻撃に対して防衛行動をしない訳が無い。ってか、炎を纏った拳打相手に防衛行動をしないとか、そいつはマゾとしか言いようがないだろう。


「そんなことは言わないさ。だが、いくら数の利を生かし隙を作ろうと、攻撃の要であるあんたが攻撃を当てられなければ何の意味も無い」
「くっ!」


棍のせいで体勢を立て直せない俺は、前屈みのまま城兵(ルーク)の炎を纏う拳打を左腕だけで受け流す様に防ぎ、右手に掴んでいるチェーンソーごと娘2号を棍使いにぶつけ、力任せに2人を投げ飛ばした。

そして、棍使いを排除したことで体勢を立て直せる様になった俺は、城兵(ルーク)の攻撃を捌きながら体勢を立て直し、敵城兵(ルーク)に対して攻撃に転じた。

前世の修行で得た中国拳法を使ったカウンター攻撃。チェーンソーの様な回転往復運動による攻撃でない限り、いくら炎を纏っていようと今の出力の竜闘気(ドラゴニックオーラ)を突破されることは無いからな。素手の右腕でも十二分に捌くことができる。

という訳で、敵城兵(ルーク)が放った拳打を『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』で掴むと同時に、相手の向ってきた勢いも利用する様に引き寄せ、城兵(ルーク)の鳩尾に肘鉄を放った。


「あんたもそれなりの功夫を積んでいる様だが、俺を倒すつもりなら70年程功夫が足りない!」
「がっ!!」


八極拳・霍打頂肘。中国拳法のカウンター技の中では割と有名な技だろう。肘鉄が城兵(ルーク)の鳩尾に突き刺さると同時に、俺は『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』で掴んでいた腕を離し、城兵(ルーク)を吹き飛ばした。

城兵(ルーク)の身は宙を舞い、地面に叩き付けられるとそのまま俺から20m以上離れた場所まで転がっていった。これであの城兵(ルーク)は意識があっても、暫くは立ち上がれないだろう。

これで戦闘不能に追いやったという訳ではないが、前衛組は全員退けたことになる。まぁ、俺の直接攻撃を喰らった訳ではない、チェーンソー姉妹とピンク猫耳、棍使いは体勢を整えて再度攻撃を仕掛けて来てもおかしくはないけど。

……あれ?考えてみれば、ピンク猫耳とチェーンソー娘1号はもっと早く攻撃を仕掛けて来ていてもおかしくないよな?なのに何で仕掛けて来ないんだ?

城兵(ルーク)の邪魔になると思った?いや、それは無いな。公式戦に出ていると言うことは、発情地鶏が成人する前ははぐれ悪魔狩りもやっていただろう。一番小さいチェーンソー姉妹も見た目通りの年齢とは限らない。

つまり、色んな意味で戦闘経験が豊富という訳だ。戦闘経験が豊富なら連携なども阿吽の呼吸でできる筈。なのに何故?

そんなことを考えていると、俺の足元に15mサイズの魔法陣が現れた。俺が周囲に視線を向けると後衛を務めていた踊り子の様な歩兵(ポーン)とメイドもどきの様な2人の歩兵(ポーン)がかなり離れた位置で俺を囲む様に立っている。


「私達はその魔法陣が敷かれるまでの足止め役。ライザー様ほどの火力は出せないけど、その身で味わうといいわ。フェニックス眷属の操る地獄の業火を!!」


声の聞こえる方に視線を向けると、そこには俯せのまま上体を少し起こした城兵(ルーク)が、勝ち誇った様な笑みを浮かべており、それを視界に収めると同時に俺は魔法陣から発生した火柱に飲み込まれた。

……うん。火柱に飲み込まれたと言ったものの、エターナル産防具一式と竜闘気(ドラゴニックオーラ)のおかげもあってノーダメージだな。

ってかこの火柱、見た目が派手なだけで絶対に地獄の業火とかじゃない。だって、「これは『メラゾーマ』ではない。(見た目が派手なだけで威力が普通の)『メラ』だ」的な、絶望とは真逆のガッカリ感を喰らった本人が感じているんだから。

これを地獄の業火と認めてしまったら、エターナルでパイロエンプレスとなったエルさんが放つ『スーパーノヴァ』とかどうなるよ?ビッグバン認定することになっちまうよ。

………あっ!よくよく考えたら、俺ってば滅竜技法を習得したことで体質が殆ど生前のドライグと同じのになってるから、火や炎に対する耐性がチート級に高いんだった。

滅竜技法を習得して以降も、火達磨になる経験は疎か火傷するようなヘマすら犯してなかったから、自分が新しく得た特性について素で忘れてた。

元はと言えば、他の特性のインパクトがデカ過ぎたのが原因なんだよ。滅竜技法を習得することで神器に封じられているドラゴンと同じ体質になるってのは、体の一部を対価と支払っている時点で分かる。けど、ドラゴンの体質になったことで魔力や光力を含むオカルト的な力を喰える様になるとか、リアルチートにも程があるだろう。

これは滅竜技法習得後にドライグから教えて貰ったことなんだが、龍種ってのは元々魔力や光力、霊力、仙力の様なオカルト的な力を吸収することで能力を成長させる種族なんだそうだ。

更に龍種は自分の属性に合った元素に対して非常に高い耐性を持つ上、その元素を喰うことで体力気力を回復させられるらしい。

そんなトンデモ種族の上位種なら、神や魔王を如き扱いするのも当然だわな。故に、滅竜技法師はエナジードレインだけでなく、元素属性を喰うこともできるって訳だ。

更に驚くべきは、エナジードレインをすることで元素属性を変質させることが可能って所だな。ここまで来るとドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)が、今でも現存していることが不思議に思えて仕方ない。俺が各勢力の幹部なら率先してドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)の破壊を実行するぞ。

そうそう。言い忘れていたが、赤龍帝と呼ばれているドライグは分類的には火竜だそうだ。つまり、今の俺にとって魔力や光力といったオカルトエネルギーだけでなく、火や炎の元素属性もHPやMPを回復させる食糧でしかないってことだ。

まぁ、同格以上の存在が繰り出した炎やオカルトエネルギーによる攻撃は、流石に喰うこともできないし、ダメージを負うらしいので無敵能力って訳ではないみたいだけどな。

……ちょっと待て。同格以上の存在が繰り出した攻撃じゃないと殆どダメージを負わないって、俺にとっての同格ってどんな存在だ?

取り敢えず、ユーゴさんとショウさん、レヴィアさん、イシュラさん、エルさん、ラムダさん、メタボキングさんは同じエターナルの神から恩恵を受けた同胞だから同格の存在になるかもしれないけど、全員がエターナル在住じゃん!

このガイアにおける同格ってどんな奴がいるんだ?凄く気になる……。よし、こういう時はドライグに聞くのが一番だ。


「(……なぁ、ドライグ。ちょっと質問なんだけど、この火柱って俺にダメージを与えられてないよな?低温火傷を負った時の痛痒さすら感じないんだけど?ってか、ガイアで俺がエナジードレインをできない上、ダメージを喰らう存在ってどの位いるんだ?)」
『(相棒。一応、このガイアにも相棒にダメージを通せる奴は存在するぞ。まず、ガイアで最強の存在である2頭のドラゴン。真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)・グレートレッド、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)・オーフィス。最強の龍殺しである龍喰者(ドラゴン・イーター)・サマエル。インドの破壊神・シヴァ。仏教圏の主神・帝釈天。闘戦勝仏・斉天大聖。日本神話の神・天照と素戔嗚。記紀神話の火の神・カグツチ。挙げ始めたらキリがない。
とは言っても相棒の場合、エターナルに飛ばされた直後でもその能力値は龍王級。現時点では本気を出せば、全盛期の俺や白いのとも対等に渡り合える力を持っている。
それこそ本当の意味での神――神族や、エターナルの魔神クラスの魔物でもなければ、本気を出さなくてもダメージは受けないぞ)』
「(え?全盛期のお前と渡り合える力があるのに、神族の攻撃でダメージを受けるの?神を如き扱いしてたお前と同格なのに?)」
『(あの頃は俺も若かった。純粋な力勝負なら、俺と白いのも神に負ける気が無かったからな。が、実際の所は身体と魂を幾重にも刻まれてしまったから、神器(セイクリッド・ギア)なんてものになっている。
だが、それでも並の熾天使や最上級悪魔、最上級堕天使の攻撃でダメージを受けることは無かったぞ。四大熾天使や旧四大魔王、堕天使総督の攻撃ですら、人間でいう所の足の小指をタンスの角にぶつけた程度の痛さだったからな)』
「(足の小指をタンスの角にぶつける痛さって、それは結構痛いと思うんだが……。ちなみに本気じゃない今の俺が発情地鶏の攻撃を受けた場合、どの位のダメージを受けると思う?)」
『(そうだな。フェニックス眷属の作り出したこの火柱も、並の下級悪魔なら体が炭化していてもおかしくない火力はある。それを受けて無傷ということは、あのフェニックスの攻撃を受けても低温火傷程度じゃないか?
大戦期の一番強かったフェニックスですら、俺に与えられたダメージが80℃の湯をぶっかけた程度のものだったからな。あの若造にそれほどの熱量を持った炎を出せるとは思えん)』
「(何か、ダメージのラインが微妙過ぎだろ。どんだけ火や炎に対する耐性が高いんだよ?)」
『(一応、火龍というカテゴリーでは最強の存在だったからな。そうでなければ、白いのと合わせて二天龍などと呼ばれてはいないさ。
それに火や炎と言った高温攻撃には耐性があるが、逆に氷や凍気といった低温攻撃に対する耐性は極端に低い。相棒、自分の能力を過信していると、何時か足許を掬われることになるから気をつけろよ。
と、そんなことを話している間に、もうすぐ攻撃が終了しそうだな。竜闘気(ドラゴニックオーラ)を使うと、僅かとはいえ体力と気力が削られるんだ。この火をちょっとでも食って、体力と気力を回復させとけ)』
「(了解)」


ドライグとの会話――というか念話(?)で自分の能力値を再確認できた俺は、ドライグの助言通りに自分を飲み込んでいる火柱の内側(?)をほんの少し食うことにした。

食うって言うか、飲むに近いか?ちなみに味っぽいのがちゃんと付いていた。質の悪いインスタントみそ汁の様な安っぽい味だったな。

火柱は俺が失った体力気力を回復する分の火を飲み終えると同時に治まった。そして、火柱が発生していた魔法陣の中心から、無傷な姿の俺が姿を晒すと、地鶏眷属達は全員が驚愕を露わにしていた。


「そんな……、無傷だなんて在り得ない!」
「並の下級悪魔なら消し炭にできる熱量はあったのよ!!」
「……10分間のダメージ量は60ポイントって所か」
「……何?」
「あなた、一体何を言ってるの?」
「冥界にもRPGゲーム位あるだろ?やったことはあるか?」
「あなた、冥界のこと馬鹿にしてるの?RPGゲーム以外にも、人間界のゲーム位冥界にもあるわよ!私達はやったことが無いけど、概要くらいは知ってるわ。それがどうしたってのよ!!」
「なら、あんた達にも分かり易い様説明してやる。あんた達の能力値をRPGで例えるなら平均でLV60、HPは9600って所だろう。対する俺はLV176、HPは127990。
それだけのLV差があれば、HPだけではなく与えられるダメージにも影響する。で、あんた達9人がこの10分間に与えられたダメージの総量は60ポイントだってさっき言ったんだ」
「そ、そんなこと信じられる訳――」
「ないだろうな。なら、もう1つ信じられない事実ってのを教えてやる。俺には10秒間でHPを1000ポイント回復させる戦闘時回復(バトルヒーリング)って特殊能力がある。
あんた達が俺に与えられるダメージは10分間に60ポイント。つまり、10秒辺り1ポイントしか俺のHPを減らせない。発情地鶏の自己再生能力程じゃないけど、十二分にチートな自己回復能力だ。あんた達じゃ、何時間攻撃した所で俺は殺せないよ」


地鶏眷属達は信じられないと言いつつも、愕然とした顔で口を開いたまま立ち尽くしていた。それから大した間も無く、城兵(ルーク)が掠れた声で俺に言ってきた。


「そんな……、そんな存在が人間からの転生悪魔でいる訳が……。無茶苦茶じゃない……」
「そうだな。そんな無茶苦茶な元人間の転生悪魔なんて普通いる訳が無いな。だから、俺は普通じゃない元人間の転生悪魔なんだよ。
それに人間だろうが人外だろうが異能者の世界なんてのは、現実世界でのLV制MMORPGみたいなもんだろう。今まで得た経験値で無茶な差が付くのは必然だ。
あんた達は今まで上級悪魔以上の力を持った化け物とガチで戦った経験なんて無いだろう?俺は13の時から嫌と言う程経験している。それが現実世界、仮想世界に拘らずな!俺とあんた達じゃ潜って来た修羅場の量も質も、格も違うんだよ!!」


俺が抑えがたい感情をぶちまける様に叫ぶと、地鶏眷属達はその顔に張り付けていた驚愕の色を恐怖へと変えながら威圧された様に後ずさった。


「さて。俺達はあんた達と違って人間界で生活してるってこともあって、長々とゲームに付き合ってる暇も無いんだ。そろそろ決着を付けさせて貰う。………セアー・ウラーザ・ノート・ディプトレン・ヘルベグール!!」


俺は合宿中に習得した影妖精族(スプリガン)の妖精魔法――実体でもある有幻覚で別種のモンスターへと一時的に自分の姿を変える幻影魔法を使った。

影の様な黒い竜巻に体が包まれ、竜巻が晴れると自分の視界がとても高くなり、地鶏眷属達を見下ろしていた。高さ的には建物の3〜4F位の高さだろうか?

俺を見ている地鶏眷属達は血の気を失った様に顔を蒼白くさせ、俺を見上げている。そこまで怯えるって、俺は一体どんな姿をしてるんだ?変身する直前、ドライグとスカル・リーパー、グリーム・アイズをイメージしてしまった訳だけど。

そんなことを思い、俺は視線だけを自分の体や腕へと向けた。すると、俺の視界に入って来たのは骨だった。手首から先が鎌の様な形状の骨の腕。蛇の様に長い骨の胴体。

どうやら俺はスカル・リーパーに変身してしまった様だ。そりゃあ、地鶏眷属達も絶望的な顔になるわな。俺もスカル・リーパーと相対した時――というか、攻略組の猛者が一撃で死んだのを見た時は絶望したし。

実際のスカル・リーパーとは違う点として、尾っぽの所が蛇の頭蓋の様になっているが、この部分はグリーム・アイズのイメージの影響だろうか?

もしかしたら、頭部はドラゴンの骸骨になっているかもしれない。こうなると、もう骸骨のキメラモンスターだな。……まぁ、いいか。そんなことよりさっさと試合を終わらせよう。変身した姿を維持するのも6〜7分が限界だし。


『グォアアアアァァァァァ!!』


俺が轟く様な雄叫びを上げると、ゲーム盤を兼ねている戦闘フィールド全体が震え、顔面蒼白で固まっていた地鶏眷属達は悲鳴を上げながら、まるで蜘蛛の子を散らす様に逃げ惑い始めた。


「ひっ、ひあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
「きゃああああぁぁぁぁぁ!!」
「いやぁあああぁぁぁぁ!!」


当然と言えば当然のことなんだが、戦闘フィールドは結界で隔離されているので、どれだけ逃げ惑おうと降参(リザイン)以外の方法で逃げ出すことなど不可能。故にこの戦闘フィールドは俺が幻影魔法で変身した直後から、一方的な狩場へと変貌した。

俺はAGI優先型の剣士の様な速度で、火柱を発生させていた3人の歩兵(ポーン)の内の2人――メイドもどき達へと向かい、背後からその体の中心――腹部を両手の鎌で貫いた。


「ぎゃっ!」
「がふっ!」


歩兵(ポーン)の2人は短い悲鳴を上げたかと思えば、即座に鎌に貫かれたまま光に包まれ、フィールドから姿を消した。そして、2人が消えると同時にフィールドにはグレイフィアさんの放送が流れた。


『ライザー・フェニックス様の歩兵(ポーン)2名、リタイアです』


腹部を貫いたとはいえ、一撃でリタイアって耐久値低過ぎだろ。バナナ剣士は王水レベルの強酸にその身を焼かれてもリタイアしなかったぞ。これじゃあ、リアルで『SAO』75層のボス戦の再現をしているみたいだ。

いや、再現と言うより俺やアスナ、ヒースクリフの鎌を封じる役が居なかった場合のIf展開というのが正しいか?まぁ、封じ手が居ないのは、魔法の使用時間に制限がある俺にとって好都合なので別に構いはしないんだが……。

そんなことを考えつつ、俺は攻撃可能範囲から逃げきれていない地鶏眷属へと視線を向け、蛇頭を含む尾全体を使って攻撃を仕掛けた。

今の体は図体がデカい上、移動方法が蛇に近いということもあって、方向転換に難があるので全員を鎌で倒すというのは無理があるからな。その弱点を補う為にも攻撃に活用できる尾が存在している訳だ。

で、俺は80cm程ある尾先の蛇頭で逃げ遅れていた地鶏眷属――踊り子っぽい歩兵(ポーン)の腹部に刀剣の様に研ぎ澄まされた牙を突き立て、蛇頭と繋がっている脊椎の上下に背鰭や腹鰭の様に生えている刃状の突起で、同じく逃げ遅れていた棍使いと城兵(ルーク)を薙ぎ払った。


「ひぎぃ!あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!」
「あ゛ぐぇっ!」
「ぐぁっ!」


城兵(ルーク)と棍使いは身体に深い刀傷を刻みながら宙を舞い、地面に叩き付けられる間もなく、蛇頭の牙に貫かれた踊り子もどきな歩兵(ポーン)共々光に包まれ、フィールドから退場した。


『ライザー・フェニックス様の歩兵(ポーン)2名、城兵(ルーク)1名。リタイアです』


変身して1分少々で地鶏眷属の半数以上を撃破(テイク)。思ったより呆気ないと思ってしまう反面、恐怖というものが本来ヒトの持つ力をどれだけ損なわせるかということを再認識してしまった。

もし、彼女達が恐怖に打ち勝ち冷静な判断ができる状態であったなら、こうまで一方的な展開にはならなかっただろう。俺を倒すことができずとも、手傷位は負わせられた筈だ。

歩兵(ポーン)8人中5〜6人が城兵(ルーク)となり、鎌を封じ、残りがムカデの足の様な役割を果たしている肋骨を抜け、内側から属性変化など使わない純粋な魔力強化による攻撃を脊椎にしていれば、多少のダメージは通せていた筈だ。

それができない程に彼女達は恐怖で冷静さを欠いていた。まぁ、恐怖だけの話じゃなくて、激情とかも含めて冷静さを欠く感情は戦いの場では命取りとなる。戦いの場における冷静さの必要性を改めて思い知らされる戦いになってしまったな。

と思いつつ、俺は身体の方向転換を行い、未だに逃げ惑っているチェーンソー姉妹と猫耳姉妹を追い始めた。あっ!ピンク猫耳が一緒に逃げていた水色猫耳に足を引っ掛けられてこけた。

足を引っ掛けられたせいで挫いたのか?立ち上がれず、這いながら逃げ様としている。何か、ここまで来たら哀れみしか感じないな。その間に水色猫耳はピンク猫耳がいる方向とは別の方向に必死になって走っている。

自分の分身とも言える双子の姉妹を平然と見捨てて生贄にするとか、化け物の姿で女の子を追い回してる俺が言うのもなんだけど、ドン引きだわ。という訳で―――


「ちょっ!何で私の方に来るの!!?―――がふっ!!」


信じられないという声を上げながら視線だけを俺に向け、逃げ続ける水色猫耳。その背中へと俺は右斬り上げを放ち、先の棍使いや城兵(ルーク)の様に宙へと打ち上げられた水色猫耳は、同じく地面へと叩き付けられる前に光に包まれ、フィールドから退場した。


『ライザー・フェニックス様の歩兵(ポーン)1名、リタイアです』


水色猫耳の逃げる方に方向転換したことでピンク猫耳を鎌で狩るのが難しい位に距離が離れてしまった。だが、尾で攻撃できる範囲ではあるし、旋回するのも面倒だからピンク猫耳は尾先の蛇頭で仕留めよう。

という訳で、俺は尾先の蛇頭で這いずっているピンク猫耳の足に噛みつくと、そのまま校舎の2F位の高さまでピンク猫耳を持ち上げた。


「痛っ!いや、嫌ぁあああぁぁぁぁ!!!―――がっ!!」


逆さ吊りの状態で叫ぶピンク猫耳を俺は尾をしならせ、凄い勢いで地面へと叩き付けた。どの位の凄さかというと、叩き付けた地面が半径3mに渡って罅割れる位の勢いだ。

人体がぶつかって地面が罅割れるということは、ピンク猫耳はいつの間にか城兵(ルーク)にプロモーションしていたのだろう。まぁ、その防御力も地面へと叩き付けられる勢いには意味を為さなかったみたいだが……。

言っておくが、前面から地面に叩き付けては無いぞ。一応、女ってことも考慮して背中から叩き付けた。流石の俺でも女の顔を潰す様な趣味は無いからな。


『ライザー・フェニックス様の歩兵(ポーン)1名、リタイアです』


さて。残るはチェーンソー姉妹だけとなった。2人は一体どこに行った?……見つけた。フィールドの端で2人抱き合ってガタガタ震えている。

腰が抜けてしまっているのか、俺が近付いても2人は逃げる素振りすら見せない。むしろ、震えの勢いと互いを抱き寄せる力が強くなってる様に思える。

よく見ると2人の座り込んでいる所に水溜りが……。2人の名誉の為にも、水溜りの色が何色かは敢えて答えずにいよう。それと手遅れかもしれないけど剣士の情けとして、立ち直れないLVのトラウマになる前に一思いに倒してやろう。

そう思い、右手の鎌を大きく振り被り、2人揃って薙ぎ払おうとした瞬間―――


「「リタイア!私達、リタイアします!!」」


チェーンソー姉妹は心が折れてしまったのか、鎌がその体を襲う直前にリタイア宣言をした。そして、俺が攻撃を止めた直後にフィールドにはグレイフィアさんの放送が流れた。


『ライザー・フェニックス様の歩兵(ポーン)2名、リタイア。よって、第3試合はリアス・グレモリー様の歩兵(ポーン)・兵藤一誠様の勝利とします』


こうして俺の勝利宣言が放送されたことで、第三試合が終了した。






あとがき(旧)

明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!12月の更新ができなかった沙羅双樹です。

いや〜、12月の更新ができずに本当に申し訳ないです。12月の初めから百日咳っぽい症状になって、今尚咳が止まらず執筆にまで影響してしまってるんです。
(本当なら大晦日には更新したかったんですが……)

今回の話はイッセーVS地鶏眷属(多)な内容だったんですが、イッセーのチートっぷりが駄天使戦の時よりも露見しました。(笑)

とは言ったものの、実際の所は防御・耐性限界があるので中途半端な強さを持っている相手に対してはチートでも、真の強者にはそれ程チートでも無かったりするんですよね。それでも、これで発展途上なのでこれからチート性に磨きがかかることでしょう。

ちなみに、今回の話から龍王の神器(セイクリッド・ギア)を宿すサジ君もチート予備軍ということに皆さんはお気付きでしょうか?サジ君が滅竜技法を習得すれば、火耐性(強)やエナジードレインを得られるので、イッセーより若干劣ってもD×Dでも上位の戦闘要員となれる訳です。(笑)

あっ!エナジードレインのイメージは妖精●尻尾の滅竜魔導師が魔力を食べるのと、封神●義のスーパー四不象のエナジードレインを足して割ったものだと思って下さい。
(というか、SAHDDに登場するドラゴンは全員が全員、吸収可能範囲が異なれど、スーパー四不象の様なエナジードレインができると思って下さい。吸収容量を超える異能エネルギーはドレインできないという設定です。(笑))

あと語っておくべきは、イッセーが幻影魔法で化けた姿についてでしょうか?ボディ部分は殆どスカル・リーパーですね。尾の部分はBLE●CHの狒々王蛇尾丸。頭部はドラゴンの頭蓋骨にグリーム・アイズの山羊角が生えている感じで、全体の色は赤です。(笑)

倒し方が全体的に致死レベルの攻撃と思われる方も多いと思われますが、原作では『魔剣創造(ソード・バース)』+『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』の攻撃で串刺しになっても、全員が後遺症も無く無事だったみたいなので、この程度までなら大丈夫だろうと判断し、やってみました。

正直な話、今話でイッセーと戦った地鶏眷属は全員が発情地鶏より重度なドラゴン恐怖症になってそうですが、その辺りの話は番外編で書けたらいいな、と思っています。

ここまでの説明以外に気になる点等ございましたら、拍手コメントや感想掲示板に是非お書きください。20話のあとがきや感想掲示板で返信させて頂きます。

では、ここから先は拍手コメントへの返信となります。とは言ったものの、今回の拍手コメントへの返信は1つだけなのですが……。(笑)


2014年11月23日1:42:20 PALUS様のコメントに対する返答

前回をお待たせした上、今回もお待たせしてしまいました。申し訳ありません。今回も安定の地鶏眷属フルボッコだった訳ですが、如何だったでしょうか?
また、コメントを頂けると励みになるので嬉しいです。今年もご期待に応えられる様に頑張っていこうと思うので応援よろしくお願いします。


以上、コメントへの返信でした。(笑)次話は視点切り替え方式で、初の敵視点―――レイヴェル視点から始めようと思っています。

敵(現時点)で唯一冷静にイッセー達の力を分析できるレイヴェルがイッセー達の実力を見てどう思っているのかという点と、大将戦へと至る最後の眷属勝負がメインの話となる予定です。

次回も頑張って執筆いたしますので、適度に楽しみにして待っていて下さい。(笑)それでは、また次回お会いしましょう!




あとがき(新)

拍手コメントでご指摘を受けて初めて知ったのですが、伝承上のドライグこと赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)はウェールズの守護龍であると同時に水神であり、カテゴリー的には水龍となるそうです。

元・龍王である魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)・タンニーン直伝とはいえ、原作で明らかに火属性の『火の息(フレイムブレイズ)』という技を使っていたことから、ドライグ自身が火竜であると勘違いしていました。

取り敢えず、SAHDDでは現実とは異なる立体並行世界という設定で、ドライグには火竜となって貰おうと思います。(見た目や色的にも水龍ってイメージでもないですし……(笑))

この先、登場するドラゴンも立体並行世界という設定で、現実とは異なる属性設定である可能性が高いですが、その辺りはスルーして頂けると助かります。

最期にご指摘をして頂いた匿名希望改めh995様に感謝の言葉を言わせて頂きたいと思います。誠にありがとうございました。



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