IS実機演習ら3ヶ月が経過した。

キラとアスランの2人は自由国籍をもらい、国際運転免許証を習得しそれぞれ車を持つことができた。

キラの車はレクサスのISFでカラーリングはエクシードブルーメタリック。

アスランはマツダのRX−8でカラーリングはベロシティレッドである。

それぞれ車で街中を散策しながらキラはPCショップでPCとパーツを購入。その後、町中のコーヒーショップを巡り、数種類の豆と手動式ミル、ドリッパーとフィルター、コーヒーサイフォーンを購入した。

アスランはジャンクショップで機械のパーツを買い、その後は本屋に立ち寄り、機械工学の専門誌を購入、その後、紅茶専門店で茶葉を数点見繕った。

取り合えずキラとアスランは寮に戻り、明日の登校の準備を開始する。

「アスラン、入学前の参考書と授業で使うテキストは鞄に入れた?」

「ああ、必要だからな。入学前に読む参考書は簡単に理解できた。まあ、アレは簡単なISの説明だったから覚えるのは簡単だったよ。しかし、覚えるのに1日を費やした」

アスランの言葉にキラも同意する。

「うん、そうだね。MSの初期整備マニュアルなんか紙に直すとアレの5倍の厚さだからね」

そんな事言いながらキラとアスランは明日の準備を終えベッドに潜り込んだ。






キラとアスランは自分達のクラスの教室に向かう。

「同じ1−1で良かったね。アスラン。でもなんか作為的な物を感じるよ」

そのキラの言葉にアスランは頷く。

「ああ、織斑教諭が担任のクラスと言う事は俺たちの監視とデータ収集だろうな」

その言葉にキラは頷く。

「ヤッパリね……三ヶ月ではデータは取れなかったか。それにしても……周りの気配というか目線が気になるね」

キラの言葉にアスランも同意しながらキラを諭す。

「その意見には同意だな。だが、仕方が無い。俺達やもう一人の織斑教諭の弟しか男はいないんだ。それに、纏めて監視しデータを取った方が効率はいいからな」

とりあえず色々な目線を感じながらもキラ達は教室に入る。

自分の名札が浮かんでいる机に鞄を置き座る。

しばらく待っていると真耶が入室してきた。

「皆さん、入学おめでとう。私は副担任の山田 真耶です」

自己紹介を開始し、学園の概要を説明する。

自己紹介が始まり最初からアスランが自己紹介になった。

アスランは静かに立ち上がり、名前を述べる。

「皆さん初めまして。自分の名前はアスラン・ザラといいます。1年間、よろしくお願いします」

『き……きゃあああああああああああああああああああああ!!』

その自己紹介の瞬間、女子が色めき立つ。

「男!! しかも美形でクール系!!」

「カッコいい!!」

「ザラ様〜〜〜〜〜!!」

「アスラン様〜〜〜!!」

口々に黄色い悲鳴を上げる生徒達にアスランは若干引き気味になる。

(す、凄いな……)

アスランは内心そう思いながら着席する。

女子の自己紹介が順当に終わり、キラの順番が回ってきた。

キラも静かに立ち上がり、自己紹介を開始した。

「皆さん初めまして、僕の名前はキラ・ヤマトです。よろしくお願いします」

その瞬間また、女性人が色めき立つ。

『きゃあああああああああああああああ!!』

「美形第二弾!! しかも紳士系!!」

「有難う神様!! 私の学園生活はバラ色です!!」

「キラ様〜〜〜!!」

「ヤマト様〜〜〜!!」

キラも内心、引き気味になる。

(す、凄いね……コレは……女子のテンションについていけない)


その様子を見ながら織斑 一夏は考え事をしていた。

(俺以外にISを起動できるヤツが2人もいるのか、しかも超美形。アイドルと言っても差し支えないルックスしてんな……しかも2人とも身長もソコソコ高いし、意外ガッチリした体つきだな……まあ、何にしても男が3人、仲良くできそうだ……)

一夏がそんな事考えていると真耶に呼ばれて思考の海から引き上げられた。

「織斑君、織斑君!」

その声に驚きながら答える一夏。

「!? は、ハイ!」

「次、織斑君の自己紹介なんだけど?」

そう言われて慌てて立ち上がる一夏。

「俺の名前は織斑 一夏です。よろしく」

『き、きゃああああああああああ!!』

「美形第三弾!! しかもワイルド系!!」

「私、地球に生まれてきて良かった〜〜〜!!」

一夏もキラ達と同じように内心、引いていた。

(オイ、オイ、マジかよ……)

何だかんだ自己紹介も終わり休み時間の時、キラとアスランは一夏の机に近づく。

「君が織斑君? 僕はキラ・ヤマトって言うんだ。よろしく」

「俺はアスラン・ザラだ。よろしく織斑」

そう自己紹介をするキラとアスラン。

「ああ、ヤマトにザラな改めて俺は織斑 一夏、よろしく。この学園、男は俺達だけだろ? 仲良くやろうぜ。ソレと俺の呼び方は一夏でいい」

「それじゃ一夏って呼ぶね。僕の事もキラでいいよ。よろしく、一夏」

「遠慮なく呼ばせてもらう。俺の事はアスランと呼んでくれよろしく、一夏」

そういいお互い握手を交わす。

その光景を見ていた女子たちは遠くから騒ぐ。

「アレが男の友情ってヤツ?」

「絵になるわね……」

休み時間も終わり、早速授業をかいしする。

真耶が教団に立ち教鞭をとる姿は正に教師の姿だった。

キラもアスランも真面目にデェスク備え付けのタッチスクリーン型画面に筆記していく。

「とまあ、ISに関する説明はここまでです。この時点で何か質問はありますか?」

その質問に誰も挙手しなかった為に真耶は誰かを当てることにした。

「ん〜それじゃあ、織斑君、何か質問はありますか?」

その問いかけに一夏は脂汗を掻き始める。
そう、彼は入学前必読のテキストを読まずに捨ててしまい基本知識すらない状態でここにいるのだ。
当然、何処がどのように解らないと言う具体的な質問ができず、全体的に解らないと言う勉強につまずく典型例をやらかしているのだ。

「えっと……あの……その……」

「? 何ですか? 織斑君?」

観念したのか一夏は蚊の羽音並みに小さな声で答えた。

「全体的に解りません……」

「へ?」

もう一夏はヤケクソ気味に言う。

「全体的に解らないんです」

ソレを聞いた真耶は唸るような声を上げた。

「ぜ、全部……ですか……」

「はい……全部です……」

その言葉に千冬が一夏に語りかける。

「織斑、お前、入学前に読むテキストを読んでいないのか?」

その質問に一夏が答える。

「ああ、あの分厚い教本? 読まずに捨てたけど?」

その言葉を聞いた瞬間、千冬は強烈な拳骨の一撃を一夏の頭に見舞った。

「イッ!?」

「馬鹿者! あれに必読と書かれていただろうが。まったく……ザラ、この馬鹿にISについての基本を教えてやれ」

アスランは千冬の指示に従い暗証した事を言う。

「ハイ、IS『インフィニット・ストラトス』は宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォームスーツです。ISを形成するパーツは核となるコアと腕や脚などの部分的な装甲であるISアーマーから形成されています。また、その攻撃力、防御力、機動力は非常に高いが故に『究極の機動兵器』と呼ばれています。特に防御機能は突出して優れており、シールドエネルギーによるバリアーや『絶対防御』などによってあらゆる攻撃に対処でき、操縦者が生命の危機にさらされることは殆どありません。また、ISには武器を量子化させて保存できる特殊なデータ領域があり、操縦者の意志で自由に保存してある武器を呼び出すことができ、さらに、ハイパーセンサーの採用によって、コンピューターよりも早く思考と判断ができ実行へと移せます」

アスランの説明に感心したように頷く真耶と対照的に当然だと頷く千冬。

「そうだ。次にヤマト。ISの世代説明を行え」

そう言われキラも淀みなく答える。

「ISの世代には大きく分けて、第一世代から第三世代のISに分類されます。第一世代型は兵器としての完成を目指したカテゴリーで現在は殆どがコアを抜き取られ退役しています。第二世代は後付武装によって、戦闘における用途の多様化に主眼が置かれた世代で、現在最も多く実戦配備です。第三世代は操縦者のイメージインターフェイスを用いた特殊兵器の搭載を目標とした世代で、未だ実験機の域を出ない事からも実戦機とは言い難くテストベースの機体が殆どです」

「その通りだ。織斑、コレくらいは教本を暗記していれば誰でも理解できる内容だ。後でテキストは再発行してもらえ」



こうして、キラ達は1時間目の授業を終えるのだった。




あとがき
今回はキラとアスラン入学編です。



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