―――――手が、伸びる。
伸ばされた手は私の頭を掴み、ギリギリと締めあげる。

 声を出そうとした。しかし、口からは掠れた息が漏れるだけだった。喉が切られているのだから、当然だった。手を上げようとして、腕が無いことに気付く。脚も千切れていた。引き裂かれた腹から内臓が零れ落ち、地面に落ちて潰れる。
何故か無事な両眼が、私を掴み上げる腕の持ち主を捉える。持ち主は私と目が合ったと分かると、口を三日月状につり上げ、悪魔のような笑みを浮かべた。

 そしてそのまま、私の頭を掴む右腕に力をこめ――――――






「――――――――――っ!!」

刹那は文字通り飛び起きた。呼吸は荒く、全身から脂汗がだくだくと流れ、ガタガタと大きく震えていた。時計はもう起床時間を指していた。刹那はベッドから起き上がり、気持ちを落ち着かせるためにシャワーを浴びることにした。

 シャワーを浴びながら、先ほどの夢を思い出す。ここのところずっと、自分が殺される夢を見ている。そして、それが現実になりかけていた、つい2週間前のことが自然と思いだされた。

「くっ………。」

自業自得であったのは分かっている。長瀬楓の忠告を無視し、長谷川千雨に襲いかかったのは自分だ。巻き込んでしまった龍宮には、どれだけ謝っても足りない。私が気絶した後のことは知らないし、龍宮も語ろうとしない。こうして今生きていること自体が奇跡と思える。

 ―――――だが、今刹那を本当に苦しめているのは、そのことではない。

 この身は木乃香お嬢様のために。それだけのために、自分の人生の半分を捧げてきた。お嬢様の身の安全のためなら、命を捨てる覚悟がある。いや、あったはずだった。

 しかしそんな覚悟は、本物の“殺意”に触れた瞬間に、泡のように消えた。これまでの人生で感じたこともないほどの恐怖、絶望、幻痛。裏の世界を舐めていたつもりは全くないが、長谷川千雨が放った殺気は次元が違った。

 刹那の体がシャワーの中で崩折れる。震える体を抱きしめ、なおも震え続ける。

 怖かった。死ぬことが。もしこのまま裏世界に身を置き続ければ、きっとまた同じ思いをすることになる。きっと今度は助からない。死にたくない。そう思ってしまったのだ。

 お嬢様のため、命を捨てる覚悟が無くなった。長谷川千雨に、敵に情けをかけられた。

 一体自分に何が残っているというのか。護衛でも戦士でも無くなった今、私は何であるというのか。いや、そもそも。

 刹那は静かに傍らの剃刀を手に取り、腕に当てる。そのまま勢いよく引くと、引いた線に沿って鮮やかな赤い血が静かに流れだした。よく見れば刹那の腕は傷跡だらけだ。しかし、流れる血を見る刹那は、儚げな笑みを浮かべていた。

「ああ――――痛い。でも、こうしなきゃ――――」

自分が生きているかどうか分からないから。
シャワーの音だけが響く浴室の中で、少女は自傷行為を続ける。自分が生きている証を求めて。





#14 第3の女





side 千雨



エヴァとの会談の翌日。敵は奇襲を仕掛けてきた。

 只今の時刻は12時45分。13時までに迎えが来る手筈になっている。待ち合わせ場所の超包子でランチを食べながら待っているが、迎えと言いながら襲撃をかけてくる可能性は充分だ。懐の銃はいつでも取り出せる体勢にしておく。もちろんのどかは連れてきていない。
代わりに連れてきたのが―――――

「…少しは気を緩めろ。お前がそんなピリピリした雰囲気を出してると、営業妨害以外の何物でもないぞ。」

隣に座るエヴァが溜め息をつく。

 エヴァには今日の事情を話し、付いてきてもらったのだ。エヴァも快諾した。今のエヴァは再封印されているので、戦闘は出来ないが、その場にいるだけで充分な圧力になる。それに、私たちが二人揃って行くことで、良い顔見せにもなる。売られた喧嘩は、言い値を遥かに超えた高値で買い取ってやるのが常識だ。

「これぐらい警戒して当然だろ。いつどこから襲ってくるかも分からないんだから。」

「お前を襲うことと自殺志願は同義だろ。第一、奇襲すら察知できないような聴力じゃあるまいし。」

「そりゃ察知できるけど…―――――っと、何だ、迎えってアイツか。」

エヴァが怪訝な顔をする。まぁここに来るまで後1分ってところか。警戒は少し緩めておくかな。アイツがいきなりどんぱちやらかすとは思えないし。
そして1分後。こちらに近づいてくる背の高い女。龍宮だ。面倒臭そうなしかめっ面である。

「出迎えご苦労さん。爆弾二つ送り届ける気分はどうだ?」

「…ああ、実に的確な表現だ。いっそお前たちは待ち合わせ場所に来なかったことにして、さっさと帰ってしまいたいな。」

「そうはいかねぇだろ。それに、私も会いたくてたまらないんだぜ?お前らの親玉にな。」

私の皮肉を聞いた瞬間、龍宮の顔が苦虫を噛み潰したような表情に変わった。銃を突き付けたいのはやまやまだったろうが、その場合事態は悪転するかもしれないからな。正しい判断だ。

「…千雨。八つ当たりはやめておけ。さすがに龍宮が可哀そうだ。」

エヴァに諭されるまでもない。これが八つ当たりであることは、私自身十分に分かっている。だが、私の心中の不愉快も察してほしい。

 ―――――何せ、学園長直々に呼び出されたんだからな。

「悪かったよ龍宮。ほらコレ。借金の返済分。」

「…2万しかないぞ。何十年かけて返すつもりだ。」

「今日の持ち合わせはそれだけなんだよ。いいから案内してくれ。さっさと終わらせたい。」

「同感だ。私の仕事も、お前たちを学園長室に送り届けるだけだからな。さっさと帰って刹那の様子を見ないと…。」

サックスを背負い、立ち上がる。今から向かうのは、敵の陣中真っ只中。何が待ち構えているか分かったもんじゃない。最大限気を引き締め、龍宮の先導のもとに歩き出した。
…にしても龍宮、苦労してるなぁ。



side out



side のどか



私は今、麻帆良市内のショッピングモール内で緊急事態に直面しています。

 

『済まないネ、茶々丸は新ボディの取り付け中だからナ。動作確認も含めて、後一時間はかかるヨ。』

 

 

「…そうですか、ありがとうございました。それでは…。」

 

 

 超さんとの電話を切り、柱の陰から前方を見つめます。私の視線の先には、ネギ先生と木乃香が仲睦まじそうに歩いています。

 

「妹ハヤッパリダメカ?」

 

「…ハイ、後一時間はかかるそうで…。」

 

 胸ポケットのチャチャゼロさんが、小さく舌打ちするのが聞こえました。正直に言えば、状況は結構切羽詰まっています。

 

 今朝千雨さんから、学園長に呼び出されたと電話がかかってきました。まさか学園側がいきなり接触を図るとは。嫌な予感がプンプンします。だからこそ今日はチャチャゼロさんと一緒にいるわけです。首だけですが、危機察知だけなら十分です。

 茶々丸さんか長瀬さんと一緒に居るのが一番良かったんでしょうけど、茶々丸さんは新ボディの取り付けで、長瀬さんは補習で学校にカンヅメだそうです。


そこで私が考えたのが、ネギ先生の近くに居ることでした。見つからないように、付かず離れずの距離を保ちながら。こうすれば、万が一襲われた時、大声でネギ先生に助けを呼べばいいのです。確実に助けに来ますし、敵もうかつに手出しできません。

 

 …ですが、予想外の事態に直面してしまいました。

「何で木乃香とネギ先生が一緒なんですか…。しかもあのオコジョまで…。」

「アア、サスガニヤバイナ。」

ネギ先生と一緒に居るのは二人。一人は木乃香。そしてもう一人、ではなくオコジョが一匹。これが最大の問題です。

 

 木乃香は魔法とは無関係のはずですけど、あの契約オコジョがネギ先生の肩に乗っているということは、仮契約を狙っている可能性が高いということ。要するに木乃香がピンチなのです。
そして、この危機を救えるのは、我がクラスの状況を知っている者のみ。すなわち、千雨さん率いる私たちですが、この現状に対し手を打てるのは私だけです。

「私が、何とかしなきゃ…。」

千雨さんに頼りっぱなしじゃダメだ。今この状況をどうにか出来るのは私しかいない。私がやらなきゃ、学園の思う壺だ。千雨さんの覚悟が、無駄になっちゃう。

「…止めますよ、チャチャゼロさん。手伝ってください。」

「オウヨ嬢チャン、ソレデ、ドウヤッテ?」

「そうですね、大声で『爆弾が仕掛けられた』と―――」

その時、私の目がある人を捉えました。丸眼鏡で地味な服装で、携帯をいじりながら歩いている、一人の女性。
気付けば私はその人に声をかけていました。

「千雨さんっ!!」

もちろん違うと分かっているのに、そう声をかけてしまいました。それはきっと、さっき視界に移った時に、千雨さんだと勘違いしてしまったから。でも、特に似ていないのに、何故声をかけてしまったのか。

 それは、声をかけられた本人が振り向いた瞬間に分かりました。

「……ウチは『チサメ』やのうて、千草やけど……アンタ誰なん?」



side out



side 千雨



「麻帆良学園の学園長をしておる、近衛近右衛門じゃ。フォッフォッフォ。初めまして。長谷川千雨君。」

「麻帆良学園女子中等部3−A、出席番号25番、長谷川千雨です。こちらこそ初めまして。」

儀礼的な挨拶を互いに交わし合う。気持ち悪くてしょうがない。


龍宮の案内の下、学園長室にやって来たが、その場に居たのは学園長以外に二人。一人は知っている顔―――高畑先生―――だったが、もう一人、女秘書みた いな先生が居た。しかし、隠してはいるようだが、剣士か。何となく桜咲の動きに似たところがある。刀は、彼女が立つ観葉植物の裏に隠してあるか。

「フォフォフォ。そんなに警戒せんでよろしい。お主に危害を加える気はないよ。」

目の前の妖怪ジジイから、そんな白々しい言葉が吐かれる。今すぐコイツの頭にありったけの弾丸を撃ち込んでやりたいくらいだ。

「ハッ、胡散臭いを通り越して吐き気すら覚える。随分と人の神経を逆撫でするのが上手くなったな、ジジイ?」

エヴァも嫌悪感を露わにしていた。このジジイに対する憎悪は、私よりエヴァの方がずっと強いはずだ。何せエヴァは、コイツの掌の上で踊らされていたのだから。エヴァは続けざまにまくしたてる。

「言っておくが、私は金輪際貴様ら関東魔法協会に協力しない。今まで陰で治安を守ってきたつもりだが、今日限りだ。貴様らがどうなろうが、知ったことではない。私を利用しようとした代償は、高くつくぞ?」

「そうか、残念じゃのう、一緒に碁を打つ相手がいなくなってしもうた…。」



学園長の言葉だけ聞けば、本当に寂しがっているようだ。だからこそ、イライラする。


同時に、私は自分の失策を痛感した。

 もし荒事になれば、一瞬でこの場を制することが出来る。だが、このジジイが持ちかけてきているのは、あくまで友好的な外交だ。傍らに立つ二人は、ジジイのボディガードではなく、会談の見届け人。つまり、私たちの敵意は封じなければならない。

 ここで暴れれば、非は全て私たちに降りかかる。今私たちは、黙ってこのジジイの話を聞くこと以外許されない。


クソッ、と内心で激しく毒づく。

 このジジイにとっては、私がここに来るだけで良かった。私が来れば、それでジジイの勝利が確定する。来ることを選択した時点で、私の負けだったのだ。政治的手腕や策略は、向こうの方が数段上か。

 だが来てしまった以上は仕方がない。ならば、一刻も早く敵の掌中から脱出しなければならない。

「…それで、本日はどのようなご用件でしょうか、学園長?」

自分でも気持ち悪いくらいに丁寧に問いかける。ジジイは眉一つピクリとも動かさなかったが、アゴヒゲを撫で付けながら返答した。

「ふむ、実はのう、長谷川殿。」

そして私は第2の失策を悟る。このジジイは、私が絶対に断れない依頼をするつもりだ、と。

「貴殿の力を見込んで、修学旅行中の護衛をお願いしたいのじゃよ。」



Side out



Side のどか



私の呼びかけに振り向いた女性は、凛々しくて綺麗な人だったけど、「誰だコイツ」って目をしてました。私も呼び止めたはいいものの、その後のことは何も考えてなかったので、その場に気まずい沈黙が流れます。

「あ、あ、あの…。」

「何のようや?単なる人違いやったら、行かせてもらいますえ?」



そう言って千雨さんに似た女性は去ろうとしました。どうしよう。引き止めなきゃ。確証は無いけど、多分この人は、学園の人間じゃない。だって―――――


「ま、待ってくださいっ!!」


自分でもびっくりするぐらいの大声を出してしまいました。女性だけでなく、周囲の人の視線も集中しています。そして私は声のボリュームはそのままに、言葉を続けます。


「あ、あなた、魔法使いですよね!?わ、私もなんです!それで、えっと、同じ魔法使い仲間として、頼みたいことが―――――」


途端に腕を摑まれ、連れ去られました。女性はヒールを履いていたはずですが、そうとは感じさせないほどの全力疾走、いや、逃亡でしょうか。あまり人気のない店舗裏に着いたところで腕を離され、代わりに胸倉を摑まれました。


「アホかアンタは!?魔法の秘匿を何やと思うとんねん!?あんな公衆の面前で大声で叫ぶやつがおるかドアホ!!」


怒られました。確かに迂闊でした。ひょっとしたらあそこに、ネギ先生以外の魔法関係者もいた可能性があるし、ネギ先生にも気づかれているかもしれないです。うう、感情任せに行動して、かえって状況悪くしたかも…。


「あーもう、確かにウチは魔法関係者っていえばそうやけどな、まさかいきなり小娘が乱入して、全部ぶち壊しにされかけるとは思ってもみぃひんかったわ…。ホンマ迷惑千万やわぁ…。」

「う…ゴメンナサイ…。」

「マァソノ辺ニシトイテヤッテクレヨ姉チャン。悪気ガアッテヤッタワケジャネェンダ。」


私がしょげていると、チャチャゼロさんが隠れていた胸ポケットから姿を現し、女性に声をかけました。女性は物珍しそうな視線を私に向けてきます。


「へぇ、人形遣いか?最近あんまりみぃひんようになったけど、居るところには居るもんやなぁ。」

「アア、マァ俺ハコイツノ師匠ノ人形ナンダガ、今日ハ不肖ノ弟子ニ付キ合ッテヤッテルワケダ。コイツハモトモト一般人ダッタンダガ、2ヶ月前クライニゴ主人ニ弟子入リシテ、今特訓中ナンダヨ。今日ノコトハチクラセテモラウカラナ?」

おお、チャチャゼロさん、素晴らしくつじつまのあった嘘八百です。ナイスフォロー!

 ならば、私はこの設定に合わせるまで!

「うう、覚悟はしてますよぅ…。でも、あの場合しょうがないじゃないですかぁ。他に頼れそうな人いなかったですし…。」

…あんまり演技上手くないですけど、大丈夫でしょうか?というか人形遣いって、そんなのどう演技すればいいんですか!?


「それで?わざわざ引き止めてまで頼みたいことって、何やの?」

「あ、ハイ!実はですね、私の友達が、無理やり仮契約させられそうになってて…。その子、魔法とか何も関係ない子なので、何とかして阻止したいんです!協力してください、お願いします!」


半分嘘で半分本当です。でも、協力してもらえるにしろしてもらえないにしろ、早くしないと、本当に手遅れになっちゃいます。

 なので、内心かなり焦りつつ、女性の返答を待っていたのですが、何やら考え込んでいるようです。

「仮契約…英雄の息子…関東魔法協会…修学旅行…。」

え?英雄の息子って、ネギ先生のことですよね?確かに私の目の前にいたし、有名なのは間違いないんでしょうけど…。アレ?


…まさか、この人も、ネギ先生の後を付けてたんじゃ…?

 しかし、私が口に出すより先に、女性がニヤリと笑いました。思わず背筋がゾクリとなる、凄惨な笑みでした。

「ええよ。協力したる。確かに、前途ある若者を無理やり裏に引きこむんは、あきまへんわなぁ…。ほなさっそく、“作戦”に入りましょか?」



side out



side 千雨



「長谷川君、お主は、関西呪術協会という組織を知っておるかね?」

「名前だけなら。」

小さい頃、魔法使い達の会話を盗み聞きして得た情報の一つだ。確か、関西は関東を敵視してるんだっけ?まぁそれは襲われる側の偏見も入ってるだろうから、多分何か因縁があるんだろうと踏んでいた。


…なるほど。その関東と関西のいざこざに巻き込む気か。何故私たちを敵視する関西に、修学旅行に行かせようとするんだ。それだけでもこのジジイを殴る理由になると思うのだが。

「我々関東魔法協会と関西呪術協会は長らくいがみ合っておったのじゃが、ようやく友好関係を結べてのぅ。今回の修学旅行は、その親善訪問の意味合いもあるのじゃよ。そしてネギ君が、関西呪術協会に親書を届ける手筈になっておる。」

私たちに知らせずに勝手に組み込むな、そんなこと。

「つまり、関西の友好反対過激派が今回の親善訪問をぶち壊しにしようとしている、ということか?」

エヴァが私の疑問を引き継いでくれた。まぁその予想でほぼ間違いないだろう。予想通り、ジジイがうむ、と頷いた。予想通りとはいえ腹立つ。


…ああもう、これ以上猫被ってられるか。

「…それで、関西の襲撃から3−Aを守れ、と。いや、ネギ先生をか。お前らにとっちゃ、私らみたいな一般人は替えの効く駒に過ぎないみたいだからな?大切なのはネギ先生で、私たちはその肉壁ってところか。ネギ先生の盾になって死んだら、表彰でもしてくれるのか?」

私が儀礼的な態度を崩し、目一杯の皮肉を口にすると、傍らに控えていた二人の表情が一気に険しくなった。

「…控えてろ、タカミチ、葛葉。」

エヴァが鋭く二人を牽制した。

「エヴァ…。」

「やかましい、これ以上喋るな。耳障りだ。」

高畑先生が何か言おうとしたが、エヴァがぴしゃりと切り捨てた。エヴァも相当イラついてるんだろうな。続いてジジイに向けて口を開く。

「次世代の英雄育成計画か。もしあの坊やがこの学園で大成すれば、さぞ貴様らは鼻が高いだろうな?そしてその優秀な従者たちは、皆この学園で育った者ばかり、と。反吐が出るほどよく出来た計画だな?貴様らの下衆っぷりが透けてみえるぞ。」

「…?…何の話かのう?」

これはエヴァと事前に相談しておいたカマカケの質問だ。しかし、ジジイの心拍数にも脈拍にも変化はない。完全に平静を保つか。エヴァ自身、おそらく通用しないとは言っていたが、やはり交渉事では向こうの方が一枚も二枚も上手のようだ。

「…で?その過激派連中は、私らみたいなか弱いカタギの少年少女も見境なく狙うのか?」

これに関しては、依頼云々を抜きにしても聞いておかねばならないだろう。

「ふむ、難しいところじゃな。過激派にもピンからキリまでいるからのう…。じゃが、その可能性は否定できん。少々危険な輩が雇われたという情報も入っておる。親書の件を抜きにしても、危ないかもしれんのう…。」

迷惑極まりない話だ。何を勝手に、生徒の身を危険に晒すことを取り決めているのか。学校としてやってはならないことであるはずだが。だが、そんなこと口に出しても、のらりくらりと避わされるのがオチだ。

「それで私は、学年全ての人間の安全を一人で守らなきゃいけないのか?さすがにそれは無理あるぞ。2日目は自由行動だしな。」

「そこは心配せんでも大丈夫じゃよ。もし狙われるとしたら、親書を持っとるネギ君のクラスじゃろうからの。じゃからこそ、長谷川君に頼んでおるわけじゃ。」

…色々と言ってやりたいことが山積みだが、ぐっとこらえる。これ以上このジジイと話をするのは苦痛でしかない。さっさと切り上げよう。

「…分かった。3−Aの護衛、引き受ける。」

チラリとエヴァを見ると、苦々しい表情をしていた。多分私もよく似た表情をしているのだろう。ジジイが満足げな表情を浮かべているのが、より一層腹立たしい。

 ―――――だが、ただで終わらせるつもりは無い。



「ただし、条件がある。」



side out



side のどか



「さて、アレやな。」

妙に乗り気な、千草さんと名乗る女性に連れられ、ネギ先生と木乃香を発見しました。二人はアクセサリーショップで、小物を色々と見ているようです。

「それで、どんな作戦なんですか?」

先ほど、爆弾騒ぎを起こそうと考えていたことを素直に話したら、はたかれました。曰く、ばれて捕まったらどうするんだと。全くその通りでした。ハイリスクにも程がありました。

「さっき言うたやろ?狙うんは一番コスト還元率が高い方法や。少ないコストで、大きな収入を挙げる。これが基本や。まぁ見とき。」

そう言って、ネギ先生たちの下へ近づいて行きました。ネギ先生と木乃香は服選びに夢中で、気付く様子がありません。そしてそのまま近づいていき―――

通り過ぎました。

「え?」

呆気にとられ、千草さんを見つめます。千草さんはそのまま店内を物色し始め、商品を手に取りながら見て回っていました。ネギ先生の方は見向きもしません。
すると、ネギ先生と木乃香が店を出ようとするのが目に入りました。千草さんは店員さんと話をしています。とても、後を追おうという様子はありません。


裏切られた、そう思った瞬間――――――

 


警報ブザーが鳴り響きました。

 


「「え?」」

警報ブザーが鳴ったのは、アクセサリーショップの入り口。その、盗難防止装置が、ネギ先生が通った瞬間に鳴ったのです。

 周りの人が見つめ、ネギ先生も木乃香も何が起こったか分からずに呆然としていると、店員さんと警備員さんが近寄ってきました。おそらく裏で持ち物検査されるのでしょう。

 

 そして、その結果はきっと―――――

「ただいま〜♡」

辺りのざわついた雰囲気を無視するように、気楽な感じで千草さんは帰ってきました。と言いつつも、ちらちらと入り口近くを見る演技を続行している辺り、抜け目ないなと思います。

「…スレチガウ前ニ商品ヲ盗ッテオイテ、スレチガッタ時ニソレヲ坊ヤノカバンニ入レタナ?」

チャチャゼロさんが問いかけると、千草さんはまたもや凄惨な笑みを浮かべながら、店から離れるように歩き出しました。私もその後を付いていきます。

「その通り。スリを防止する魔法とかはあるけど、その逆を防ぐ魔法なんてあらへんからなぁ。あの子たちが店の入り口近くに居てくれて助かったわ。入る時に自然な感じで入れたし。

 あ、心配せんでもええで。忍び込ませたんは安いキーホルダーやさかい、見つかっても偶然カバンの中に滑り落ちたんやと思われるや ろ。」

…いや、止めてほしいとは言いましたが、まさか万引き犯に仕立て上げるとは。私が頼んだこととはいえ、ネギ先生がちょっと可哀想になりました。


でも、それだと、実質的な解決になってないんじゃ…。

「あ、何も解決してないやないか、って顔やな。安心し。本命はコレや。」

そう言って、周りに見えないように見せたのは。

 

 


あの、ネギ先生のペットのオコジョでした。

 


「ブザー鳴った後、目立たへんように床に降りとったからな。符で眠らせて捕まえた。」

私は二の句が継げずにいましたが、千草さんは構わず続けます。

「仮契約には魔法陣が必要やけど、書くんは結構しんどい。そこで、それを介在するのが、こいつ等オコジョ妖精や。こいつらは仮契約魔法陣の書き方をよう知っとるからな。つまり、こいつ等さえおらんようになったら、仮契約は出来んようになる。」

そして千草さんは妖しい笑みを浮かべ、眠るオコジョを私の目の前に押しつけます。それだけで、私は彼女が何を言おうとしているのか、理解してしまいました。

 

 

 

 


「どうや?こんなんのために手を汚すのが嫌なら、ウチが請け負ったるで?―――このオコジョの始末。」




side out



side 千雨



「条件その1。担任を代えろ。」

私の言葉に、ジジイは難しい顔を作る。まぁ、向こうは当然受け入れないだろう。

「とは言ってものう。ネギ君はよくやっておるみたいじゃし、変える理由がないぞい。急に担任を変えたら、3−Aの子たちにどう説明する気じゃ?」

「すぐに変えろとは言ってねぇよ。2学期から違う担任にしろ。あのガキが魔法関係の騒動を持ちこむ度、こっちは関わらないよう苦労しなきゃならないんだからな。」

「坊やは卒業試験の課題でここに来ているんだろう?なら貴様が坊やに『よくやったぞネギ君、卒業試験は合格じゃ』と一言言えばそれで済むだろ。3−Aにはイギリスに帰ったと説明すればいい。」

私の反論にエヴァが援護射撃を加えた。だがちょっと待て。卒業試験って何だオイ。後でみっちり聞かせてもらおう。

「…ふむ、まぁ、一応考えておこうかのう。学園祭までに結論を出す。それではダメかの?」

「「学園長!!?」」

高畑・葛葉の二人がそろって大きな声を挙げる。しかしエヴァと私の睨みの前に沈黙した。そのまま一生黙ってろ。

「…学園祭、ねぇ…。まぁ修学旅行から学園祭までそんなに時間ないからな。一応良いってことにしてやる。それまでに問題があったら、私の要求を通してもらうがな。」

意外にも話はまとまった。学園祭なら1学期中だし、譲歩してもいい領域だ。というか、学園祭までに何か問題を起こしそうな気もするし。

「条件2つ目。依頼料として、現金で500万用意しろ。そして前金として、そのうち200万を、旅行出発前日までに支払うこと。この前金は任務の成否に関わらずもらう。」

「ふむ、それは…まぁ、仕方ないじゃろう。トホホ、儂の貯金が…。」

2つ目もすんなり通った。龍宮への借金返済のための条件だったが、こんなことならもうちょっとふっかければよかった。

「で、3つ目だが、魔法の秘匿の厳重化。無関係の人間が魔法に巻き込まれないよう、厳重な体制を敷け。正直、今の状況を見てると、お前らは詰めが甘いとしか言えない。人通りの多いところで堂々と話されちゃ、たまんねぇんだよ。」

特にネギ先生なんか、ばれること前提で計画建てられてるようだからな。

「なるほど、確かに最近は秘匿意識が薄れているように見受けられるのぅ。よく言ってくれた。すぐにでも取りかからんといかんのぅ。」

当たり前だ。そしてネギ先生にもその辺のことを徹底的に教え込め。それだけで、3−Aの脅威は半減される。

「それで最後の条件だが―――――」

最後の4つ目。今日はこのジジイにしてやられっ放しだが、それで済ます気はさらさらない。今私が出来る範囲で、このジジイに一番ダメージを与えられる『条件』それは―――――



「―――――エヴァの封印を解け。」



side out



side のどか



「ぁ………。」

私の胸に突き付けられるオコジョ。ぐっすり眠っていて、当分目を覚ましそうに無い。


―――この、オコジョが、いなくなれば。

 ネギ先生は仮契約出来なくなる。3−Aのクラスメイトを守れる。千雨さんの負担を減らせる。

 ―――この、オコジョが、いなくなれば。

 知らず、私の手はオコジョの首にかかっていた。小さな私の手でも握り締められるぐらい、細い首。ちょっと力を加えれば、潰れてしまいそうで。

 ―――この、オコジョが、いなくなれば。

 心臓の鼓動が五月蠅い。寒くもないのに腕が震える。何故か呼吸が荒くなる。不意に脳裏に蘇る、戦うことを決意した日の、千雨さんの儚げな笑顔。

 

 

 ―――この、オコジョが、いなくなれば―――――――!!

 

 

 そして。






「ハイ、そこまでや。」

 

 

 


ひょいと千草さんの手が伸び、オコジョを鷲掴みにして奪い取っていきました。
途端に私はその場に崩れ落ちます。鼓動も、震えも、荒い呼吸も、そのままに。

「…ま、アンタみたいな嬢ちゃんが背負うには重すぎるかもなぁ。殺しの罪架ってやつは。フフフ、良かったどすなぁ、助かって。」

千草さんの顔は見えませんが、きっと、嘲るような笑顔を浮かべているんだと直感しました。

「ま、ウチが止めんかったとしても、その人形が止めとったやろ。フフフ。随分と弟子想いな師匠どすなぁ?」

「…趣味ガ悪イナ。俺ガ止メルコトヲ分カッテテ、嬢チャンニアンナ問イカケシタッテノカ。」

チャチャゼロさんが苦々しげな声を出します。しかし、当の千草さんはどこ吹く風です。

「ま、私に『依頼』なんてしたんやから、ちょっとくらいリスクを背負ってもらわんとなぁ?単なる余興やったし、ええヒマつぶしになったわ。等価交換は社会の基本やで?よう覚えとき。」

そう言うと千草さんは私に背を向け、手をひらひらと振りながら歩き始めました。

 



「ウチの名前は天ヶ崎千草。縁があったらまた会いまひょ♡」

 


そうして振り返ることなく去って行きました。私は立ち上がることも出来ず、荒い息をつくだけでした。

 さっき私の心をどす黒く染め上げた、醜い感情。あれが、殺意なんだ。思い出すだけでも吐き気がこみ上げてきます。

 でも、一つ分かったことがありました。

(これが、千雨さんの生きてる世界…。)

私の胸の中に湧いたどす黒い感情。千雨さんは、それを常に抱えて生きる業を背負っている。そのまっ黒な心の染みは、千雨さんの心を覆い尽くさんばかりに広がっているのでしょう。そう考えるだけで、恐ろしさに身が竦む思いでした。

 もし3−Aの皆が魔法に関わることになったら、千雨さんみたいに、今の私みたいに、黒い染みを心に作ることになる。『堕ちる』って、きっとそういうことなんだ。

「…落チツイタカ、嬢チャン?」

「…ハイ、もう大丈夫です…。ありがとうございました。心配かけちゃいまして…。」

「全クダ。モシお前ガアソコデ踏ミ外シテタラ、誰ヨリモ千雨ノ野郎ガ泣クゼ?モウチョット考エテ行動シナ。」

チャチャゼロさんの叱責は、まさにその通りでした。

 私は千雨さんの背中を守る存在なのに、私がいの一番に裏切ってどうするのか。ホントに最低だ、私…。あー…物凄い気分が落ち込んできた…。

「アー…アカラサマニ落チ込ンデルトコロ悪インダケドヨ…。一ツ聞イテイイカ?」

「…何でしょう?」

「イヤ、オ前最初、アノイケスカナイ女ヲ千雨ダト勘違イシタダロ?アリャ何デダ?」

確かにあの女性の本性を垣間見てからは、あの時勘違いしたことが、千雨さんに非常に失礼だと感じられますが、あの時は本当に千雨さんだと思ってしまったのです。何故かと言えば。

「えーっと…何て言うか、雰囲気っていうか、あの人から立ち込めてる何かが、千雨さんにそっくりだったというか…。」

…自分でも何を言ってるのか分かりません。とにかく、何となくだったんです。ホントにそれだけだったんです。

「…ナルホドナ。」

しかし驚いたことに、チャチャゼロさんは呆れた様子もなく、むしろ何かに納得したようでした。
そして言葉を続けます。

「ケケケ、マサカ嬢チャンモ同ジモンヲ感ジ取ッテイタトハナァ。見込ミアルゼェ?
教エテヤルヨ。嬢チャンガ感ジタ雰囲気ッテノハナァ――――」



「――――俗ニ言ウ、血ノ臭イッテヤツダ。」



side out



side 千雨



「成功報酬、ねぇ…。」

エヴァの封印解除の件を切りだした後、学園長から出た返答である。すなわち、今回の依頼が上手くいった暁には、エヴァの封印を解くと明言したのである。これで、4つの条件全てが通った。


だからこそおかしい。怪しすぎる。あまりにも上手く行き過ぎている。

「3つ目はともかく、それ以外を完全に飲むなんてな…。一体何を企んでやがる?依頼が確実に失敗するって考えてるのか?」

「それもどうだろうな…。失敗した時のリスクはデカイ。下手すれば坊やを失う可能性があるんだぞ?失敗すると分かっているなら、坊やに親書を預けたりはせんだろ。」

うーん、と二人で唸りながら廊下を歩く。すでに学園長室を後にし、校舎の外へ出ようとしているところである。一応学園長室に耳を向けてはいるが、全く関係のない話だ。私たちが完全に外に出てから話すつもりか。どうやら私の聴力についてはある程度ばれているらしい。やっぱり私とエヴァの戦いを覗き見ていたのだろう。

「…だが、今はジジイの企みより、お前らのことを心配した方がいいぞ。ジジイとタカミチの話だと、相当ヤバいやつが関西に味方しているそうじゃないか。」

「…その話が虚偽である可能性は?」

「無いと言っていい。もし嘘だったら、それこそお前との直接会談に持ち込んでまで、護衛を依頼する理由がない。それほど切羽詰まってるんだろ。坊やじゃ手に負えない、ってな。」

確かにエヴァの言うとおりだ。今回の直接会談は、ほとんど休戦協定に等しい。

 学園にとっての要はあくまでネギ先生であり、あの少年に危機が及ぶとなれば、私たちを相手にしている場合ではない。

 そしてそれは、私たちの戦力を借りなければならないほどの危機が迫っているということだ。


…だったら修学旅行の行き先を変えろよ。親書なんて後で渡せばいいだろ。学校行事に理由を付けるな。私たちに迷惑かけるな。等々、言いたいことは積もりに積もっているが、引き受けた以上、言ってもしょうがない。

「そんなに危険なのかねぇ、その女が…。」

嘆息して、先ほどの会談の終わりに出てきた名前を思い出す。
ジジイ曰く、国際指名手配のテロリスト、数々のテロ、暗殺、襲撃の裏で暗躍する女。



 

 


「『戦争屋』―――天ヶ崎千草、ね。」



side out




東京のとある駅の前。
時刻は午後6時。ちょうど帰宅ラッシュが始まる頃合いである。オフィス街に程近いこの駅には、サラリーマンを中心に多くの人でごった返していた。天ヶ崎千草は、上階のカフェでコーヒーを啜りながら、蠢く人の波を見下ろしていた。
すると、彼女の後方に気配がした。千草はゆっくりと後ろを振り向く。そしてその人物を確認して、小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。

「ちゃんと時間通りの到着、ご立派ですえ。後はその殺気さえ抑えてくれれば問題あらへんのですけど。」

「御託はいい。娘を返せ。」

千草の後ろに立つ男性は、静かな激情に身を燃やしながら、千草を射殺さんばかりの視線を投げつけている。しかし千草は気にした様子もない。

「その前に、ちゃんとブツの確認させてもらわんと。」

千草が右手を差し出すと、男性が乱雑に紙の束を掌に叩きつけた。千草は中をぱらぱらとめくり、一瞥する。

「…ふむ、確かに、麻帆良学園女子中等部3年の生徒資料ですな…。おおきに。じゃ、娘さんも返してあげまひょ。」

そう言いながら、千草はバッグの中から鍵を男性に投げつけた。

「これは?」

「恵比寿駅のコインロッカーの鍵や。その番号のロッカーに、娘さんが入っとる。石化解除符や。ついでに持ってき。」

男性は鍵を潰さんばかりに拳を握りしめたが、後ろを向き、早歩きで店内から出た。千草は振り返りすらせず、煙草を取り出し火を点けた。

「…ホントにえげつないね。あなたは。」

後ろから、抑揚の無い無機質な声。白髪の少年が、紫煙をくゆらせる千草を見つめていた。

「あの程度でえげつないとか言われてもなぁ。殺さんかっただけマシやろ。」

「少女が石化していく過程のビデオを送りつけたことだよ。しかも顔だけ残してゆっくりと。魔法教師の娘を石化させて人質に取ってまで、修学旅行参加者の名簿を手に入れる必要があるの?」

「ただの名簿ちゃうで?魔法関係の有無がしっかり書いてある、超機密書類や。これで修学旅行に参加する魔法関係者は全て押さえられるし、コトが終わったら 高値で転売できるしな。ビデオは、もしバレたりチクッたりしたら、娘は粉々にするっちゅう脅しのためやよ。ホンマ、石化呪文って便利やわぁ。フェイトは ん、協力ありがとうな♡」

「…いいけどさ。そろそろ新幹線の時間じゃないの?」

「これ吸い終わってからな。」

そう言いながら資料に目を通し、煙草を吸う千草を、呆れたような視線で見つめながら、フェイトは千草の隣に座る。すると、千草が驚いたような表情を浮かべた。

「…どうしたの?」

「いや…ちょっとな…。」

フェイトが千草の見ている資料に目を向ける。そこに書いてあったのは、一人の女子中学生の書類。氏名欄には、『宮崎のどか』と書かれていた。
千草は肩を震わせ笑った。



「何や、思ったより早く会えそうやなぁ…。」

 

 

 

 

 


(後書き)

 第14話。のどか視点が難しすぎる回。二視点同時進行は書いてて楽しかったけど、のどか視点は口調が難しい…。

 

 てなわけで千草回。今作での千草は「千雨に対抗出来るキャラ」というコンセプトでの、外道策士キャラ化です。別に背後にTRIGUNキャラが絡んでるとかそういった事情はございません。そして2章ではもう一人魔改造キャラが出ます。

 

 そして初っ端から危ない刹那さん。別に刹那が嫌いなわけじゃないですよ?彼女は2章でのキーキャラの一人です。刹那には頑張ってもらいます。

 

 今回のサブタイはエビスビールのCMで使われていた曲「第3の男」より。ちなみに、阪急梅田駅の最終列車前に流れている曲でもある…という、使わない人にとってはすごくどうでもいい雑ネタでした。

 

 次回はまだ修学旅行には出発しません。次次回までお待ちください。それではまた!


押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.